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大人のためのカスタマイズケータイ「V501SH」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


ボーダフォン/シャープ『V501SH』、サイズ:50×102×26mm(幅×高×厚)、137g。ブラック(写真)、ホワイトシルバーをラインアップ
 着せ替えパネルやカスタムジャケットなど、ケータイの外装をカスタマイズする端末が人気を集める中、ボーダフォンからもカスタマイズに対応した端末「V501SH」が登場した。実機を試用することができたので、レポートをお送りしよう。

【この端末のチェックポイント】

  1. テクスチャーパネルでカスタマイズ
  2. カスタムスクリーンで画面もカスタマイズ
  3. V603SHをベースにした多機能ぶり
  4. こんなユーザーにおすすめ


テクスチャーパネルでカスタマイズ

電池カバーといっしょに装着されるテクスチャーパネル

パネルを装着できる関係上、こちら側(裏側)が表側という印象
 ケータイと言えば、地味なカラーリングが中心だった時代はもう昔の話。今や個性的なデザインやカラーリングの端末がかなり増えてきている。それと共に、着せ替えパネルやカスタムジャケットなど、ケータイの見た目を自分流にカスタマイズする機能もたいへんな人気を集めている。しかし、いくつかのケータイに用意されているカスタマイズ機能は、どちらかと言えば、派手なものが多く、大人が持つケータイとしては、今ひとつマッチしていない面があったのも事実だ。

 ボーダフォンから発売されたV501SHは、従来のカスタマイズ機能と違い、大人が持つケータイとしても通用するように、シックなコーディネートを可能にしているのが特徴だ。ボディカラーそのものは2種類だが、背面にある電池カバー部分に約90×30mmの四角い「テクスチャーパネル」を交換することで、多彩なコーディネートを楽しめるようにしている。パッケージには標準で2種類のテクスチャーパネルが付属しており、このほかに10種類のテクスチャーパネルがオプションで販売されている。派手なグラフィックで目立たせるというより、落ち着いたデザインでさりげなく個性を主張する、他人のケータイとの差別化を図るといったアプローチだ。「他人と同じなのは面白くないので、カスタマイズはしたいが、あまり仰々しいのは避けたい」といったユーザーに適したカスタマイズ機能だろう。ちなみに、標準及びオプションのテクチャーパネルで物足りないというユーザーは、後述する「カスタモ」でキャラクターなどをデザインしたテクスチャーパネルを注文するという選択肢もある。

 テクスチャーパネルの着脱は少し手間が掛かるが、慣れてしまえば、すぐに交換することが可能だ。電池カバーロックを引き、電池カバーをスライドさせて外せば、電池カバー部に装着されたテクチャーパネルを取り外せる。面倒な工具も必要なく、何かの拍子に外れてしまうといったこともないため、非常に扱いやすい。


カスタムスクリーンで画面もカスタマイズ

付属のminiSDカードにはあらかじめカスタムスクリーンが収録されている。左側の列のアイコンに×印が付いているものはカスタムスクリーンキーを購入しなければ、利用できない
 テクスチャーパネルの交換により、外見をカスタマイズできるV501SHだが、端末の画面に表示される内容をカスタマイズできる「カスタムスクリーン」という機能が用意されている。同様の取り組みは、NTTドコモのP900i/P901i/P901iSなどでも採用されているが、V501SHのカスタムスクリーンはメニュー画面や壁紙に始まり、背景パターン、ボタンマーク、着信中グラフィック、フォトフレーム、電池マーク、電波アイコンに至るまで、端末の画面に表示される内容のほとんどをカスタマイズすることが可能だ。しかもこれらのカスタマイズできる項目をひとつずつ設定メニュー内で変更するのではなく、設定メニュー内にある「カスタムスクリーン」から選択するだけで、一括して変更できる。

 カスタムスクリーンとして選択できるグラフィックは、前述のテクスチャーパネルに合わせたものと「Disney Retro Summer」が付属のminiSDカードに収録されており、テクスチャーパネルとトータルコーディネートで楽しめるようにしている。

 V501SHのカスタムスクリーンは、自分だけの個性的なケータイを演出する手法として注目されるが、シャープではさらなるカスタマイズを求めるユーザーのために、V501SH向けのカスタマイズ専用サイト「カスタモ」を提供し、コンテンツプロバイダと連携したカスタムスクリーンを用意している。具体的なコンテンツとしては、「機動戦士ガンダム」「北斗の拳」「鉄腕アトム」「ハローキティ姫ピンク」などのキャラクター、「Dogs」「Cats」のアニマルシリーズ、クリエイターによるデザインモノなど、豊富なバリエーションが揃っている。なかにはカスタムスクリーンに合わせたコーディネートパネルが用意されているものもある。


テクスチャーパネルとお揃いのカスタムスクリーン「DarkWood」を設定 カスタムスクリーンの切替はメニューから切り替えたい項目を選ぶだけ。ただし、切替には数十秒ほど掛かる 「Disney Retro Summer」を設定。電波アイコンや電池マークなども変更される

カスタムスクリーンキーを購入すれば、ダウンロードした有料のカスタムスクリーンなども利用できる
 こうしたカスタムスクリーンのデータはファイルサイズが大きく、端末でダウンロードすると、パケット通信料が心配になるが、カスタモではVodafone 3GのVodafone live! BBと同様の手法を利用し、パソコン経由でダウンロードできるようにしている。つまり、パソコンでカスタムスクリーンのコンテンツをダウンロードし、miniSDカードに保存。miniSDカードをV501SHに装着して、カスタムスクリーンキーをボーダフォンの回線経由で購入し、カスタムスクリーンの暗号化を解除するという手順を踏むわけだ。ちなみに、パッケージ付属のminiSDカードには「機動戦士ガンダム」「クレヨンしんちゃん」「ハローキティ」のカスタムスクリーンが収録されており、カスタムスクリーンキー(525円)を購入すれば、すぐに設定できるようになる。コンテンツの新しい配信方法としても注目される。


V603SHをベースにした多機能ぶり

液晶ディスプレイを反転できるスウィーベルスタイルを採用。基本的なボディワークはV603SHとほぼ共通だ
 次に、V501SHの基本機能をチェックしてみよう。V501SHはその外見を見てもわかるように、今年はじめに発売されたV603SHをベースにしている。V603SHからテレビチューナー機能を取り外し、カメラのスペックなどを変更し、カスタムスクリーンやテクスチャーパネルを装備できるようにしたと考えれば、わかりやすいだろう。ただし、外見上ではカメラ部ヨコにサブディスプレイが復活(V602SHには装備されていた)していたり、メモリカードがSDカードからminiSDカードに変更されているなどの違いもある。

 まず、「インデックスメニュー」と呼ばれるメニュー画面は、基本的に9分割のアイコン表示を採用している。出荷時設定の「3Dパターン1」は画面上部にアイコン、下1/3程度の部分に文字という表示になっているが、。視認性を重視するのであれば、インデックスメニュー設定を「3Dパターン2」に切り替えるか、カスタムスクリーンで付属のminiSDカードに収録されている各テクスチャパネル用デザインに切り替えた方が良いだろう。ちなみに、インデックスメニューはカスタムスクリーン機能が搭載されている関係上、背景を変更したり、アイコン名の表示をON/OFFするなど、個別にカスタマイズすることも可能だ。


出荷時設定のインデックスメニュー。これはこれでカッコいいのだろうが、視認性は今ひとつ 視認性を重視するなら、インデックスメニューを「3Dパターン2」に切り替えるのがおすすめ。これなら、初心者もわかりやすい

[メール]ボタンを長押しするだけで、でか文字モードに切り替えることが可能
 メールはフォルダによる管理、件名やメールアドレスによる自動振り分けにも対応している。自動振り分けについては一般的なメールボックス設定での登録だけでなく、アドレス帳で個別に設定することも可能だ。アドレス帳に登録されていないメールアドレスを特定のフォルダに保存して、迷惑メールとして処理をしたり、会議中や運転中などに返信できないときの自動返信メール、エリア外などで送信できなかったときにエリア内へ移動した段階で送信してくれる送信予約メールなど、利便性をよく考えたメール機能が充実している。

 V501SHの表示関係で新しい機能としては、「でか文字モード」が挙げられる。最近、シニア層に配慮し、画面に表示する文字サイズを変更できる機種が増えているが、V501SHでは待受画面で[メール]ボタンを長押しするだけで、表示をでか文字モードに切り替えることが可能だ。元に戻すときはもう一度、[メール]ボタンを長押しするだけだ。でか文字モードで切り替えられる表示は、メール、ボーダフォンライブ!、アドレス帳、メニュー画面(テキスト表示部分)で、文字サイズのみが変更され、太さや書体は変更されない。表示文字を大きくするモードを搭載する端末は増えているが、V501SHのでか文字モードはむやみに大きく表示するのではなく、現実的に見やすいレベルにしているのも嬉しい点だろう。


でか文字モードではメールボックスの表示も大きくなる メニュー画面のテキスト表示も大きくなり、見やすい ボーダフォンライブ!も大きく表示される。むやみに大きいという印象はない

SXGAサイズで撮影したサンプル画像。リンク先は無加工
 カメラは130万画素CCDを採用し、最大960×1,280ドットでの静止画、240×320ドットでのムービーの撮影が可能だ。撮影時は液晶ディスプレイを反転できるスウィーベルスタイルにより、デジタルカメラのようなビューアポジションで撮影することも可能だ。

 V603SHに搭載された光学ズームやオートフォーカス機構は継承されていないが、写メールモードを選択すれば、明るさなどを変えながら連続9枚の撮影ができる「ブラケット連写」、連写した5枚の静止画を合成する「オーバーラップ連写」を利用することもできる。背面のカメラ部横には装備された接写切替スイッチで切り替えれば、接写も可能だが、パネルの奧にスイッチがあるため、今ひとつ操作がしにくい。

 撮影した画像の編集は撮影サイズによって制限されており、基本的な仕様はV602SHやV603SHと変わっていない。そのため、最大サイズで撮影すると、QVGAサイズの画像に変換後、編集をしなければならない。メモリなどの制約もあるのだろうが、そろそろこの仕様も改善を望みたいところだ。あまり画像編集を求めないユーザーは、利用目的に応じて、写メールモードとデジタルカメラモードを切り替えながら使うのがベターだろう。


液晶ディスプレイを反転すれば、側面のサイドキーで撮影などが可能。カメラ起動時のガイド表示も横向きに切り替わる カメラとサブディスプレイ部横にはマクロ切替スイッチを装備。やや奥まった位置にあるので、少し操作しにくい

ミュージックプレイヤーを利用するにはミュージックキーの購入が必要
 そのほかの機能としては、V603SHなどから継承したボイスレコーダー、テレビ出力、モーションコントロールセンサー、電子ブック、モバイルビデオ再生、ミュージックプレーヤーなどが挙げられる。最近、ケータイの音楽再生機能が注目を集めているが、ボーダフォンのSHシリーズは従来からサポートしており、V501SHもSD-Audio準拠のセキュアMP3の音楽データを再生することが可能だ。ただし、実際に利用するにはミュージックプレーヤーを利用するための「ミュージックキー」の購入が必要になる。

 端末と市販のCDプレーヤーを接続して録音することも可能だが、パソコンを持つユーザーなら、Windows用アプリケーションの「SD-Jukebox」、著作権保護機能対応のリーダーライターを揃えた方が簡単だろう。ちなみに、SD-Jukeboxは、パナソニックの販売サイト「パナセンス」で3,990円、著作権保護機能対応のリーダーライターは同じくパナソニック製の「BN-SDCGP3」などが2,000~3,000円程度で購入できる。SD-Jukeboxと著作権保護機能対応のリーダーライターをセットにした「SDオーディオPCレコーディングキット SH-SSK40」も6,000~7,000円程度で購入可能だ。

 シャープによれば、V501SHは最大256MBまでのminiSDカードの動作を確認しているそうだが、筆者が試したところ、SanDisk製の1GBのminiSDカードも認識することができた。ただし、筆者や編集部が動作を保証するものではないので、その点はご理解いただきたい。


カスタマイズを楽しみたいオトナにおすすめ

 さて、最後にV501SHの「買い」について考えてみよう。ボーダフォンのSHシリーズと言えば、カラー液晶やカメラの搭載など、ケータイのトレンドをリードしてきた人気シリーズだ。現在、ボーダフォンは主力を3G端末に置き換えようとしているが、かつてNTTドコモのFOMAがそうであったように、全国的にはまだ十分なエリアが展開できているとは言いにくい状況だ。そのため、従来のPDC方式の端末を求めるユーザーも多い。

 V501SHは好評を得ているV603SHをベースにしながら、テクスチャーパネルとカスタムスクリーンというデザイン的な変化を加えた端末だ。デザイン性にこだわった端末は数多く登場しているが、V501SHは質感や装いでさりげない違いを見せるという今までのボーダフォン端末にあまりなかった演出をしている。つまり、オトナのユーザーのニーズにも応えられる端末として仕上げられているわけだ。それで居ながら、V602SHやV603SHで好評を得た多くの機能を継承し、機能的な不足を感じさせることはなく、使いやすさについても十分配慮されたバランスのいい端末と言えるだろう。

 これらのことを考えると、V501SHは「他人と違う端末は欲しいが、あまり派手なものは避けたい」「使いやすさや見やすさは重視したいが、機能不足は避けたい」といった方向性のユーザーにオススメということになる。Vodafone 3Gのフラッグシップモデルも気になるが、まだまだPDC端末が必要というユーザーの期待に応えられるだろう。



URL
  製品情報(ボーダフォン)
  http://www.vodafone.jp/japanese/products/kisyu/v501sh/
  製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/products/v501sh/
  ニュースリリース(ボーダフォン、PDF形式)
  http://www.vodafone.jp/japanese/release/2005/050609_2.pdf
  ニュースリリース(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050609-d.html
  カスタモ(シャープ)
  http://www.custamo.com/
  SD-Jukebox(パナソニック)
  http://panasonic.jp/support/software/sdjb/prod/

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(法林岳之)
2005/09/20 11:09

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