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WMA対応の音楽ケータイ「F902iS」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


F902iS

 NTTドコモ/富士通『F902iS』。サイズ:50×107×19.7mm、120g。ブルーマイカ(写真)、ルシードブラック、ゴールドフロスト、イノセントホワイトをラインアップ
 NTTドコモのFOMA new9シリーズで、従来の902iシリーズと比べ、外見的にもっとも大きく変わったのが富士通製端末「F902iS」だ。筆者も実機を購入したので、注目機能を中心にレポートをお送りしよう。

【この端末のチェックポイント】

  1. 端末を閉じたまま使える指紋センサー
  2. Windows Media Audio対応音楽再生
  3. 基本機能をチェック
  4. こんなユーザーにおすすめ


端末を閉じたまま使える指紋センサー

指紋センサー

 背面に装備された指紋センサー。端末を閉じたままでも操作できることを考慮したという
 FeliCaを利用したおサイフケータイによって、電子マネーや定期券、クレジットカードなどの機能が実現されたことにより、ケータイのセキュリティ機能が注目を集めている。ドコモは今夏より販売を開始したFOMA new9シリーズで、主力5機種でバイオ認証を導入しているが、従来モデルからバイオ認証で実績を積んできているのがFシリーズに採用されてきた指紋センサーだ。

 今回紹介する富士通製端末「F902iS」も従来モデルに引き続き、指紋センサーを搭載する。ただ、従来モデルと違い、指紋センサーを背面側に装備するなど、レイアウトや使い勝手を若干、変更してきている。レイアウトの変更により、端末を閉じたままの状態で、指紋センサーの認証を可能にしている。


右側面

 右側面の[下サイド]キーを長押しすることで、ICカードロックを解除する操作が開始可能
 指紋センサーの特徴やメリットについては、F702iDのレビューでも触れたので、ここでは割愛するが、他のFOMA new9シリーズに搭載されている顔認証やボイス認証と比較して、現時点ではもっとも扱いやすく信頼できるバイオ認証と言って差し支えないだろう。登録できる指紋の件数も最大10件までと多く、複数の指紋を登録しておくことで、怪我をしたときでも対処することが可能だ。

 実際の利用シーンでの操作は、次のようになる。ICカードロックを例に説明しよう。端末はFeliCa機能をロックした状態(ICカードロック設定)で持ち歩き、FeliCa機能を利用したいときは端末を閉じたまま、右側面の[下サイド]キーを長押しする(設定で変更可能)。サブディスプレイに「指紋/暗証番号を入力してください」と表示されるので、この段階で背面の指紋センサーに指を通して認証する。正しく認識されれば、ICカードロックが解除される。ICカードオートロックが設定されていれば、解除後に一定時間が経過すると、再び、ICカードロック状態に戻る。ただ、FeliCaは指紋センサーと同じボタン部背面に内蔵されているため、FeliCaのリーダーにかざすときは端末を持ち直す必要がある。指紋センサーが背面に装備されたことで、外部からの衝撃やホコリなどにさらされることになるが、ドコモによれば、従来のものよりも耐環境性を考慮したモジュールを採用しているという。


ICカードロック 認証画面
 FeliCa関連の機能としては、「ICカードロック」に加え、解除後に自動的に復帰する「ICカードオートロック」、指定した時刻にICカードロックが解除される「ICカードロック解除予約」が利用できる  端末を開いたときに表示される指紋センサーによる認証を促す画面

パスワードマネージャー

 パスワードマネージャーはIDやパスワードをあらかじめ登録しておき、必要に応じて、呼び出して入力が可能。ただし、指紋認証や暗証番号によるセキュリティ解除が必要
 また、過去のFシリーズで搭載されてきた指紋センサーの実績が考慮され、F902iSでは指紋のみ認証設定を可能にしている。従来モデルでは指紋認証を設定していても暗証番号を入力することで、セキュリティ設定などを解除できたが、F902iSでは暗証番号による認証を使わない設定を選ぶことができ、指紋認証でしかセキュリティ設定を解除できなくする設定が可能だ。怪我や端末の部分的な破損など、何らかの理由で指紋認証が利用できなくなったときは、ドコモショップに持ち込むことで、暗証番号及び指紋データの強制リセットが可能だ(契約者本人を確認できる書類が必要)。

 さらに、F902iSでは指紋認証を有効にしている場合に限り、さまざまなiモードサイトで必要なIDやパスワードを一元管理できる「パスワードマネージャー」が搭載されている。iモードサイト接続中の文字入力画面などでパスワードマネージャーを呼び出し、登録されている情報を入力するしくみだ。パスワードマネージャーにはあらかじめ情報を登録しておくこともできるし、iモードサイト接続中に登録することも可能だ。パスワードマネージャーから情報を読み出す際には、指紋認証や暗証番号によるセキュリティ解除が必要になる。構造的にはセキュリティ機能付き定型文のようなものだが、IDやパスワード入力が求められるサイトは増えているので、意外に実用的と言えるかもしれない。

 ただ、パスワードマネージャーにどの程度の情報を登録するのかは、ユーザー自身でよく考えて判断する必要がある。たとえば、オンラインショップのログインIDは登録するが、オンラインバンキングのログインIDは登録しないといった使い方もあり得るだろう。


Windows Media Playerにも対応した音楽再生

PCと接続

 WMA対応音楽再生を利用するには、MTP優先モードでPCと接続する。MTPモードはWindows Media Player 10以降で対応
 F902iSのもうひとつの特徴と言えるのが音楽再生機能だ。国内で販売される通常のケータイとしては、初めてWindows Media Audio(WMA)に対応している。

 ドコモの音楽再生機能については、PシリーズやSHシリーズ、N902iSがSD-Audioに対応し、D902iSはBeatJam 2006 for D902iS、SOシリーズはSonicStageといった具合いに、各社それぞれが独自の音楽再生機能をサポートしているが、Fシリーズはかなり早い時期からiTunesで音楽CDから取り込んだAAC形式の音楽データ再生を積極的にアピールしてきた。ただ、これはノンセキュアな音楽データであるうえ、音楽配信サービスと連携できないなど、やや不十分な印象もあった。

 今回のWMA対応音楽再生機能は、Windows Media Player 10がインストールされたWindows XP SP2が動作するPCとの連携が可能で、音楽CDから取り込んだ音楽データだけでなく、すでに作成済みのMP3形式の音楽データ、WMA対応の音楽配信サイトからダウンロードした音楽データも同期して、F902iSで利用できるものだ。市場ではWMA対応のデジタルオーディオプレーヤーが販売されているが、これらとほぼ同等の機能がF902iSに搭載されたと考えれば、わかりやすいだろう。Windows Media Player 10については今さら説明するまでもないが、Windows XP SP2環境で標準的に利用されているアプリケーションで、F902iSのWMA対応音楽再生を利用するにあたり、別のアプリケーションを追加インストールする必要はない(バージョンアップが必要なことはある)。WMA対応音楽再生は、FMVシリーズで親しまれている富士通らしい選択と言えるかもしれない。


 F902iSのWMA対応音楽再生を利用するには、Windows XP SP2が動作するPCと付属のUSBケーブル(F902iS側は外部接続端子)で接続するが、この際、F902iSのUSBモード設定を「MTP優先モード」に切り替える。ドライバソフトなどの追加インストールはなく、自動的に必要なドライバが組み込まれる。MTPモードはWMA形式の音楽データなどを転送する通信プロトコルで、Windows Media Player 10でサポートされている。そのため、旧バージョンのWindows Media Player 9では利用できない。


ダイアログ 再生リスト選択
 MTP優先モードに設定し、付属のUSBケーブルでF902iSとPCを接続すると、ダイアログが表示される  Windows Media Player 10に保存されている音楽データから再生リストを作成し、転送する再生リストを選択

再生リスト 転送中
 選んだ再生リストに合わせ、音楽データがF902iSに転送される  転送が開始されると、端末側も転送中の画面に移行する

 基本的な流れは「Windows Media Player 10で音楽データの取り込み」→「再生プレイリストを作成」→「F902iSを付属USBケーブルを使い、MTP優先モードでPCと接続」→「Windows Media Player 10とF902iSの間で再生リストを同期」ということになる。具体的な手順については、富士通のPC向けサイト「FMWORLD」でも解説されているので、そちらを参考にしていただきたい。

 また、従来モデル同様、iTunesで取り込んだAAC形式の音楽データも再生することが可能だ。iTunes Music Storeで購入した音楽データは利用できないが、すでに音楽CDから取り込んだライブラリがある程度、あるユーザーには便利だ。iTunesで取り込んだ音楽データの転送はデータリンクソフト(付属CD-ROMに収録)に含まれる「miniSDユーティリティ」を利用する。PCとの接続は同じように、付属のUSBケーブルを利用するが、USBモード設定は「miniSDモード」に設定する必要がある。


左側面

 本体左側面に装備された[プッシュトーク]ボタンを長押しすることで、ボタン操作のロックが可能
 取り込んだ音楽データを再生するには、いずれの形式の音楽データを利用するときもF902iSのミュージックプレイヤー機能を利用する。本体を閉じた状態で[上サイド]キーを押すと、ミュージックプレイヤーが起動する。液晶ディスプレイ部背面のラウンドイルミネーションパネルで再生するプレイリストを選択し、再生、停止、スキップなどの操作を行なう。背面ディスプレイには曲名が表示され、左側面の[プッシュトーク]ボタンを長押しすれば、ボタン操作をロックできるので、音楽を再生したまま、ポケットなどに入れて、持ち歩くことができる。ラウンドイルミネーションパネルはタッチ式で、まったくクリック感がないため、操作性は好き嫌いが分かれるところだが、パッケージに同梱されているマイクスイッチ付きイヤフォンジャック変換アダプタでも操作可能なので、慣れないユーザーはこちらを利用するのも手だ。ちなみに、音楽連続再生時間は約9時間となっており、SH902iSの約22時間には及ばないものの、D902iSの約5時間よりも長く、N902iSなどとほぼ同等となっている。

 iTunesのAAC形式に加え、Windowsの標準規格であるWMA形式がサポートされたことで、F902iSは幅広い音楽データを扱えるようになった。特に、WMAについては多くの音楽配信サービスがサポートしており、これらのサービスで購入した音楽データを利用できるのは、すでにサービスを利用しているユーザーにとってもうれしいだろう。


基本機能もチェック

 次に、基本機能についてもチェックしてみよう。富士通はFOMA端末において、いち早くSymbian OSを採用し、徐々に改良を加えながら、数多くの端末をリリースしてきたが、最近ではDシリーズやSHシリーズ、SOシリーズもSymbian OSを採用し、同じプラットフォームを採用するライバルが増えている。


メニュー アドバンストモード
 標準設定はアニメーションのメニュー画面。動きがあって楽しいが、今ひとつレスポンスが気になる  文字サイズを大きく表示できるアドバンストモード。視認性を重視したいユーザー向け

シンプルメニュー カスタムメニュー
 アイコンと平易な表現で構成されたシンプルメニュー。できることなら、画面下部の[選択]や[メニュー設定]などの表示も見やすくして欲しい  ユーザーが自由に登録できるカスタムメニュー。頻繁に利用する機能を登録しておくと便利だ

 まず、MENU画面はカスタマイズが可能で、Flashによるアニメーション、9分割のタイルアイコン形式、文字だけのリスト形式、三次元的にアイコンが並ぶ3Dアイコン形式から設定でき、文字サイズを大きく表示するシンプルメニューも選択可能だ。Flashによるアニメーションはそれぞれのボディカラーに合わせたデザインのものが用意されており、イノセントホワイトとアドバンストモードがタイルアイコン形式で、その他はいずれもリスト形式となっている。ユーザーの好みにもよるだろうが、Flashによるメニューは操作のレスポンスがやや遅くなる印象だ。

 メールはフォルダによる管理に対応し、メールアドレスや題名、メモリ番号などによる自動振り分けに対応する。このあたりは基本的にD902iSとほぼ共通で、振り分け条件を設定するには送受信メールの画面でメールアドレスや題名をコピーし、振り分け条件設定画面に移行して、コピーした内容を貼り付けて設定するという手順を踏まなければならない。また、メール作成時のメールアドレス入力も電話帳参照、メールグループ、直接入力しか選ぶことができず、メールの送受信履歴などから入力することはできない。


背面 ボタン
 F902iと違い、カメラは液晶ディスプレイ背面側に搭載。サブディスプレイはあまり視認性が良くない  ボタンは[MULTI]キーが大きくなったこと以外、レイアウトなどもF902iとほぼ同じ

 カメラはF902iと違い、320万画素CMOSイメージセンサーに変更されている。オートフォーカス、静止画及び動画の手ブレ補正に対応しており、パノラマ撮影も可能だ。手ブレ補正についてはSXGAサイズ以下の撮影で設定可能となっている。撮影した画像は本体メモリ及びminiSDカードに保存でき、サムネイル形式で閲覧が可能だ。

 日本語入力もD902iSとほぼ同じように、改良が加えられ、ATOKのダウンロード辞書、カナ英数キーによるワンタッチ変換などの機能が追加されている。ダウンロード辞書については、富士通のiモード公式サイト「@Fケータイ応援団」からダウンロードすることが可能だ。電子辞典機能も同様で、「明鏡モバイル国語辞典」「Gモバイル英和辞典」「Gモバイル和英辞典」が搭載されている。

 Fシリーズで好評を得ているセキュリティ及びプライバシー機能については、従来モデルから継承されている。ICカードロックは前述の通りだが、端末を折りたたむたびにキーをロックする「開閉ロック」、他人に電話帳やメールを利用できないようにする「プライバシーモード」、電話帳データやスケジュールデータにシークレット属性を設定できる「シークレットモード」がサポートされている。F702iDで搭載されたライフスタイル設定も設定でき、より自分の利用シーンに合わせたカスタマイズが可能だ。


WMA音楽再生とFeliCa重視なら「買い」

 さて、最後にF902iSの買いのポイントについて考えてみよう。富士通のFシリーズはFOMA端末でのSymbian OS採用、FeliCa搭載をにらんでの指紋センサー搭載など、将来を見越して、着実に端末を開発してきた印象が強い。今回のF902iSではWMA対応音楽再生機能やラウンドイルミネーションパネルなど、音楽ケータイとしての方向性を強く打ち出しているが、指紋センサーの位置を変更したり、指紋のみ認証設定を可能にするなど、セキュリティ面をさらに強化しながら、使い勝手も改良を加えている。

 これらのことを総合すると、F902iSを買いと言えるのはWMA対応の音楽再生を重視したいユーザー、FeliCaを利用したおサイフケータイのサービスを積極的かつ安全に使いたいユーザーということになる。連続再生時間の問題は残されるが、すでにWindows Media Playerで音楽ライブラリを構築しているユーザーなら、F902iSの音楽再生機能は取っつきやすいだろう。FeliCaについてはFOMA new9シリーズで各社がバイオ認証を搭載したが、トータルの使い勝手ではF902iSの指紋センサーがもっとも良く、安心かつスマートに使うことができる。電子マネーのEdyやモバイルSuicaに加え、DCMXのようなクレジットカードサービスも頻繁に利用するのであれば、F902iSは十分、検討する価値のある端末だろう。

 ただ、いくつか不満点も残される。FシリーズはSymbian OSを搭載した当初、操作レスポンスが良くなく、代を追うごとに少しずつ改良を加えてきた。一時期は「だいぶ、こなれてきた」という印象もあったのだが、F902iSは再び操作のレスポンスに不満を持つレベルになってしまった感がある。特に、画面描画の切り替え、メニューの表示、キー長押しなどによる機能の起動などで、ストレスを感じることが多かった。同じSymbian OSを採用するSH902iSやSO902iWP+などと比較しても快適性で一歩譲る印象だ。もちろん、ユーザー自身の慣れもあるが、同じシリーズに同じOSを採用するライバル製品が存在するだけに、操作の快適性や機能面で負けないように、今後のさらなる進化を期待したい。



URL
  ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20060511a.html
  ニュースリリース(富士通)
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/06/9.html
  製品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/f902is/
  製品情報(富士通)
  http://www.fmworld.net/product/phone/f902is/
  FOMA F902iS WMA再生方法(富士通)
  http://www.fmworld.net/product/phone/music/f902is/wma/

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(法林岳之)
2006/08/02 13:46

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