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普段着感覚を目指した防水ケータイ「SO902iWP+」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


NTTドコモ/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ『SO902iWP+』、サイズ:49(W)×114(H)×21(D)mm、120g。アクティブホワイト(写真)、シティダークをラインアップ
 今夏、NTTドコモから発売されたFOMA new9シリーズの内、従来のFOMAとは異なる路線で注目を集めているのがFOMA初の防水ケータイ「SO902iWP+」だ。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。

【この端末のチェックポイント】

  1. IPX7等級の防水性能
  2. 基本機能をチェック
  3. こんなユーザーにおすすめ



IPX7等級の防水性能

 NTTドコモに端末を供給するメーカーの中で、FOMA端末の開発でやや遅れを取っていたソニー・エリクソン。昨年10月にSO902iを発表するも発売がかなり押してしまい、今年に入って、3月にようやく発売にこぎ着けている。その後、5月にはSO702iが発売されるなど、ようやく同社のFOMA端末供給も順調に進みそうな様子だ。

 今回紹介する「SO902iWP+」は、軽量コンパクトのSO902i、両面着せ替えのSO702iに続き、ソニー・エリクソン製FOMA端末の第3弾ということになる。最大の特徴はその型番からもわかるように、「防水(Water Proof)」にある。NTTドコモの防水機能を備えた端末としては、ムーバで「R692i」(日本無線製)が販売されていたが、FOMAではSO902iWP+が初の防水端末ということになる。また、前回のレビューでも紹介したように、auでは昨年、G'zOneシリーズが復活し、今年も新モデル「G'zOne W42CA」が登場している。

 SO902iWP+もこれらの防水ケータイと同じように、IPX7等級(旧JIS保護等級7相当)の防水性能を確保した端末で、1mの水深に30分間放置しても本体内部に浸水しない構造を実現している。ただ、防水性能そのものは同等ながら、端末としての方向性や考え方は少し異なるようだ。

 SO902iWP+の開発者インタビューでも触れられているが、ケータイでは元々、防水に対するニーズが高いと言われている。しかし、その多くは経験に裏付けられたニーズではないかという分析があった。今やケータイは日常生活の必需品であり、常に身近な存在であるため、さまざまなシチュエーションでの利用が考えられる。それは雨の中であったり、水を使うキッチンであったりと、必ずしもアウトドアなどのアクティブなシーンばかりで防水が必要とされているわけではない。ごく普通の生活の中で、ケータイに防水機能があるべきではないかというのがSO902iWP+の防水に対する考え方の原点だという。そのため、敢えてG'zOneのような趣味性の強いデザインではなく、パッと見は普通のケータイだけど、実は防水ケータイというデザインを目指したそうだ。


SO902iWP+(右)はSO902i(左)をベースに開発。カメラなどをのぞけば、基本的なスペックはほぼ同等
 端末のベースとなったのは、外見からもわかるとおり、今年3月に発売されたSO902iだ。ソニー・エリクソンによれば、SO902iとSO902iWP+は事実上、ほぼ並行して開発されたそうだが、逆にSO902iというコンパクトなベースモデルがあったからこそ、SO902iWP+もコンパクトなボディで防水機能を実現できたという。ちなみに、ハードウェアのスペックで差があるのは、SO902iの内蔵カメラがオートフォーカス対応318万画素なのに対し、SO902iWP+はパンフォーカス対応の130万画素であることくらいだが、単純にコスト面だけでなく、カメラモジュールの大きさがボディサイズに影響することなども関係しているそうだ。


SO902iでは左側面に装備されていたメモリースティックDuoのスロットは外部接続端子カバー内に移動。カバーには防水のためのパッキンが装備されている 背面の電池カバーはスクリューロックで固定される。付属のリアカバーオープナーで「OPEN」側に回すと、カバー部分が浮き上がるように開く

標準セットには含まれないが、卓上ホルダはぜひ利用したい。デザインもボディに合わせたものになっている
 また、防水機能のための工夫として、SO902iWP+ではメモリースティックDuoスロットを外部接続端子と同じ場所に内蔵している。これはボディの穴となる部分を少なくし、防水しやすいボディ構造を狙ったためだ。電池パックはSO902iと共通だが、電池パックカバーは通常よりも堅めの材質のパッキンが装備され、スクリューロックで固定される構造にな っている。スクリューロックは付属のリアカバーオープナーで開閉することができる。

 ちなみに、SO902iWP+に限らず、最近のFOMA端末は標準セットに卓上ホルダが含まれないが、SO902iWP+で防水機能を重視するなら、卓上ホルダの購入をおすすめしたい。卓上ホルダを使わずに、充電の度に外部接続端子のカバーを開閉すると、その分、カバーに付けられているパッキンが劣化するうえ、髪の毛一本を挟んだだけでもパッキンを傷めてしまう可能性があるからだ。


アクティブホルダはボディカラーによって違い、アクティブホワイトには写真のオレンジ、シティダークにはブルーのアクティブホルダが付属 アクティブホルダを装着してもカメラのレンズ部分は遮らないデザイン。保証はできないが、このままでもおサイフケータイは利用できた 側面のボタン類や先端部の赤外線ポートなどももうまく避けるようにデザインされている。背面側のベルト部はやや厚めだ

 SO902iWP+には「アクティブホルダ」と呼ばれるカバーが付属する。SO902iWP+を包むように装着する構造で、クリップ部分をベルト通しなどに通し、腰に下げるように持ち歩くことができる。耐衝撃性を実現できるような設計ではないが、端末を少しアクティブに持ち歩きたいユーザーには魅力的なアイテムだ。ソニー・エリクソンの公式サイト「SO@Planet」では、HEAD PORTERとのコラボレーションによるブラックバージョンのアクティブホルダと専用ケースが販売されている。


基本機能もチェック

 次に、SO902iWP+の基本機能をチェックしてみよう。FOMAのSOシリーズは冒頭でも触れたように、SO902iが一号機で、SO702i、SO902iWP+がこれに続くリリースとなっている。いずれもFOMA FシリーズやSHシリーズ、Dシリーズで採用されているSymbian OSを採用しているが、メニュー画面などのテイストは少し異なり、SOシリーズ独自のユーザーインターフェイスを採用している。


メニュー画面はpremini-IIなどで採用されてきた一覧形式の階層メニューを継承。グループを選ぶと、次の階層が表示される メニュー画面の縮小表示も可能。一画面で表示される項目が多くなり、全体を見渡しやすくなる テキストのみで表示するシンプルメニューも選択可能。ただし、設定メニュー内で切り替える必要がある

マルチタスクを切り替えやすく表現したスマートレイヤーメニュー。画面はメールとスケジュールを起動中
 まず、メニュー画面はpremini-IIなどのソニー・エリクソン製端末で採用されてきた一覧形式で階層表示させる手法を採用する。ただ、premini-IIなどと違い、メニュー画面は方向キー左下の[MENU]ボタンで呼び出す(premini-IIは方向キー部中央の[決定]ボタンを押下)。通常メニューのほかに、テキストを中心に表示することでわかりやすくした「シンプルモード」を設定することも可能だ。

 メニューに関係するところでは、「スマートレイヤーメニュー」という機能が搭載されている。これはマルチタスク機能を活かすためのもので、メールなどの機能を利用中、[MENU]ボタンの押下でメニュー画面からの他の機能を呼び出したとき、タスクをタブブラウザのように切り替えられる。最初はちょっと戸惑うが、しくみがわかれば、視覚的にもわかりやすく、便利に使えるという印象だ。


振り分け条件はメールアドレスやグループ、題名、指定なしから設定ができる メールアドレスを条件に設定するときは、電話帳参照か、直接入力しか選べない キーは中央のキー([CLR]キー、[2]、[5]、[8]、[0])を一段下げたスレンダーキーを採用。慣れない内は、[2]のつもりで[CLR]を押してしまう

 メールはフォルダによる管理、メールアドレスやグループ、題名、指定なしによる自動振り分けにも対応する。ただ、メールアドレスの指定は電話帳参照か、直接入力しかなく、メールの送受信履歴を参照できない(マルチタスクによる参照は可能)。新規メール作成時にはメールの送受信ランキングが参照できるのに、振り分け条件設定時に利用できないというのはやや不親切な仕様だ。特に、振り分け条件の設定はメールのフォルダ画面ではなく、メール設定の画面から操作する仕様で、条件を設定したいメールからメールアドレスや件名をコピーし、条件設定画面に貼り付けるという手順を踏まなければならない。

 液晶ディスプレイはボディサイズがコンパクトであるため、1.9インチと小さめだが、液晶ディスプレイが常に表に出るストレートデザインということもあり、画面はウルトラハードコート処理が施されている。液晶ディスプレイも400カンデラの高輝度パネルを採用することにより、屋外での視認性を確保している。


カメラは背面側に装備。カメラ部周囲のリングを回すことで、接写にも対応 1.2Mサイズで撮影したサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆきスーパーウイング所属) 右側面のシャッターキーで撮影。シャッターキーの長押しでカメラの起動も可能

 カメラは前述のとおり、背面に130万画素CMOSイメージセンサによるものを搭載、液晶ディスプレイの右上にはテレビ電話及び自分撮り用の11万画素CMOSカメラを搭載している。オートフォーカスには対応していないが、ソニーのデジタルカメラ「CyberShot」を意識した横向きのユーザーインターフェイスを採用し、AUTOを含む8種類のシーンセレクション(シーン別撮影)に対応するなど、通常の利用には十分な機能を搭載する。ただ、マクロ撮影切り替えスイッチを操作したときの設定状態がファインダー(画面)に表示されないなど、使い勝手についてはまだ不満が残る。


左側面に装備されたスライド式のロックキー。下にあるのはプッシュトークボタン ロックキーをスライドさせれば、メール作成やコンテンツ閲覧中など、どの場面でも操作のロックが可能。画面左下のカギのアイコンがロック状態を表わす

 使い勝手の面で便利なのは、左側面に装備されたスライド式のロックキーによる「どこでもキーロック」だろう。ロックキーはストレート型のSO902iWP+をポケットやカバンなどに入れたとき、キーの誤操作を防ぐことができるが、ロックを掛けるのはどの操作画面でもかまわない。たとえば、メールを作成中、コンテンツの閲覧中、iアプリの実行中など、どの場面でもロックキーを操作すれば、端末のキー操作をロックできるので、電車の乗り換えや他の用事で操作を一時的に停止したいときにロックして、用事が済み次第、もう一度、ロックキーをスライドさせて、操作を再開することができる。ちなみに、ロック中でも[終了]ボタンなどを押せば、画面が復帰するので、時刻や電波状態は確認できる。


FeliCaロックは[*]キーの長押しで設定できる。解除時は暗証番号を入力 リーダーライターにかざすと、液晶ディスプレイ右上のLEDが点灯する「FeliCaサイン」を搭載。通信時はバイブレータも振動する

 機能面では防水でありながら、おサイフケータイに対応している。防水機能が活かされるシチュエーションでおサイフケータイのサービスを利用するわけではないが、防水ボディでありながら、普通に使えるケータイということで、開発当初からFeliCaを外すことは考えていなかったそうだ。ちなみに、FeliCa用アンテナはバッテリーカバー部の外側に内蔵されており、液晶ディスプレイ左右上にはFeliCaサイン用LEDも内蔵されている。FeliCaサインはリーダーライター(読み取り装置)に近いづいたときにLEDが点灯し、通信が開始されるときにバイブレータが振動するしくみだ。SO902iWP+はモバイルSuicaにも対応しているが、改札通過時などにも手で確認できるので、安心して使うことができる。ICカードロックについては[*]キーの長押しで利用でき、4桁の暗証番号で解除する。他の902iSシリーズで採用されているバイオ認証は搭載されていない。

 音楽再生については、従来の他メーカー製FOMA端末でもサポートされてきたノンセキュアのAAC形式の音楽データを再生のみとなっており、premini-IIなどでサポートされてきたSonicStageで作成したATRAC3形式の音楽データなどは扱えない。プレーヤーの機能も必要最小限になっており、ソニーグループ内の企業であるソニー・エリクソンの立場的にもノンセキュアのファイルが再生できることはあまり積極的に謳いたくないようだ。とは言うものの、防水機能を活かし、風呂での音楽再生(スピーカーはモノラル)という楽しみ方もあるので、限定的な利用であれば、役立つ機能と言えそうだ。ちなみに、メモリースティックDuoはメモリースティックPRO Duoも含め、最大2GBのものまで対応している。

 この他にもムーバのSOシリーズなどで好評を得ているEV-Link、前述のメール送受信ランキングなども継承されている。EV-Linkは音声通話の履歴からメールを利用したり、メールから音声通話で発信できるという機能だ。多少の戸惑いはあるだろうが、preminiなどのSOシリーズ端末を愛用してきたユーザーも移行しやすい環境を整えている。


メール作成の画面では電話帳だけでなく、送受信ランキングが参照できる

さりげなく防水を活かしたいなら「買い」

 さて、最後にSO902iWP+の買いのポイントについて考えてみよう。今までまったく意識されなかったわけではないが、常に身近に存在する道具として考えた場合、ケータイには防水機能がある方が自然だろうという視点で開発されたのがSO902iWP+だ。防水ケータイとしては、G'zOneやR692iというセンパイが存在するが、それらとは少し違い、SO902iWP+は普段着感覚で防水機能を利用することが可能だ。FOMAでは少数派のストレートデザインだが、コンパクトなボディやアクティブホルダなどの工夫により、持ちやすさも考えられている。機能面では音楽再生が必要最小限であるものの、FeliCaを搭載し、おサイフケータイのサービスを利用できるなど、『生活ケータイ』として不満なく利用できる環境を整えている。

 これらのことを総合すると、SO902iWP+を「買い」と言えるのは、ケータイの標準的な機能として、防水機能を求めるユーザーということになるだろう。冒頭でも触れたように、防水は必ずしもアクティブなシーンだけで必要とされるものではなく、雨の中や水回りでの作業など、日常生活で水を使う多くのシチュエーションで役立つ。もう少し具体的に言うと、飲食店などの水を扱う場所で働く人、キッチンや洗濯、風呂などの水回りで作業をすることが多い主婦にも役立つということだ。

 また、過去に水没などを経験し、痛い目を見たユーザーも防水機能のありがたみがよくわかるだろうから、検討に値すると言えるだろう。ケータイを肌身離さず持ち歩き、風呂やシャワーなどでも着信を逃したくない、半身浴のときにメールがしたい、ゲームで遊びたいといったユーザーにもおすすめだ。さらに、すでにFOMA端末を持つユーザーがFOMAカードを差し替えて利用する端末としても機能がハッキリしているだけに選びやすい。G'zOneのレビューでも触れたことだが、防水という明確なアドバンテージがある端末は通常の1台目としてだけでなく、2台目や週末用のための端末として選ぶこともできる。価格次第だが、やはり、1台持っておいて、損のない端末と言えるだろう。

 惜しむらくはSO902iのAF対応318万画素カメラがスペックダウン、premini-IIで実現されていた音楽再生の非搭載など、いくつかの期待される機能が防水機能とトレードオフになってしまった点だろう。また、今夏のFOMA new9シリーズの一部機種で対応が開始された電話帳お預かりサービスやおまかせロック、着もじなどのサービスに対応していないのも注意すべき点だ。ただ、SOシリーズのFOMA端末はまだ3機種目であり、FOMAでの防水ケータイも始まったばかりだ。次期モデル以降では「お風呂でワンセグが楽しめる」くらいのインパクトも期待したいところだ。



URL
  ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20060511a.html
  ニュースリリース(ソニー・エリクソン)
  http://www.sonyericsson.co.jp/company/press/20060627_so902iwpplus.html
  製品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/so902iwp/
  製品情報(ソニー・エリクソン)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so902iwpplus/

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(法林岳之)
2006/08/22 12:17

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