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2007年春商戦へ向けたNTTドコモ FOMA 703iシリーズ
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


スリム&スタイリッシュ&ユニークな春商戦向けモデル

 NTTドコモは、2007年春商戦へ向けた新ラインアップ「FOMA 703iシリーズ」8機種、企画端末1機種、FOMA 903iシリーズの追加モデル1機種を発表した。NTTドコモは昨年1月、70Xiシリーズの方向性を少し修正し、普及モデルでありながら、デザイン性の高い端末や個性的な端末をラインアップしようとしている。

 今回発表された703iシリーズは、佐藤可士和氏デザインによるN703iDを除き、いずれもデザイナーとのコラボレーションなどがない通常企画の端末ということになる。しかし、それぞれに独特の個性を持ち合わせており、903iシリーズなどとは少し違った趣を実現している。

 ただ、従来の702i/iSシリーズに引き続き、機種ごとに対応するサービスや搭載する機能に少しずつ違いがある。たとえば、FOMAプラスエリアは全機種が対応しているが、1.7GHz帯はN703iμとP703iμ、D800iDSが対応していなかったり、703iシリーズの中でもデコメ絵文字やメガメール、着うたフルはP703iμを除く全機種が対応しているが、プッシュトークはP703i、SH703i、SO703iの3機種のみ、おサイフケータイはF703i、N703iD、P703i、SH703i、SO703iの5機種が対応といった具合にばらついている。おサイフケータイなどはNTTドコモとしても重要サービスとして位置付けられているのだから、全機種対応を期待したいところだが、そういう仕様にはなっていないようだ。

 各機種の詳細な特徴については、すでに発表会の詳報が掲載されているので、そちらを参照していただきたいが、ここでは筆者が短時間ながら、試用した印象を紹介しよう。ただし、いずれも発売前の機種であり、最終的な仕様が変更されている可能性があることはご理解いただきたい。



D703i

 従来のD702iに続き、ストレートボディを採用したのがD703iだ。従来のD702iは16.8mmと、ストレートデザインの端末としては標準的な厚さだったが、今回のD703iは9.9mmとかなり薄くまとめられている。男性のスーツの胸ポケットなどにも入れておきやすいサイズと言えるだろう。液晶ディスプレイも2.4インチと、折りたたみデザインにひけを取らないスペックを実現している。

 ストレートボディということもあり、ボタンの誤操作を防ぐキーロックが用意されているが、左側面のプロテクトキーを長押しする仕様となっている。キーロックはスライド式の方が操作しやすいのではないだろうか。時間経過後に自動的に自動的にキーロックが掛かるタイマーロックも用意されている。

 特徴的なのは着信時などに光らせることができるキーイルミネーションだが、ボディカラーによって、光の透過具合いが違い、ブラックやホワイトは周囲の明るさによってはやや光り方が地味に見えてしまう印象だ。

 おサイフケータイには非対応だが、シンプルに使えるストレート端末が欲しいユーザーにはおすすめできるモデルだ。


F703i

 FOMA端末としては、SO902iWP+に続く、防水機能を実現したのが「F703i」だ。防水については、SO902iWP+やauのG'zOne W42CAなどが対応しているIPX7等級だけでなく、シャワーなどを浴びても本体内部に浸水しないとされるIPX5等級にも対応する。外見はごく普通の折りたたみデザインの端末ながら、このクラスの防水機能を実現したことは評価に値するだろう。構造的に面白いのは電池パックの装着部で、通常の電池パックを採用しながら、その上に全面パッキンのような一段目の金属カバーが装着され、その上に通常の電池パックカバーが装着される構造となっている。

 また、Fシリーズでは従来から「リラックスモード」というコンテンツを搭載してきたが、今回はそのパターンが増え、防水機能により、お風呂などでも利用することができる。ちなみに、70Xiシリーズとしては初めてNapsterにも対応しているため、バスタイムに音楽を楽しむことも可能だ。お風呂やキッチンなど、水に触れる機会が多い「おかあさん」層にも安心しておすすめできるモデルだ。


N703iD

 昨年、702iシリーズで好評を得たN702iDの後継モデルが「N703iD」だ。従来と同じく、アートディレクター/クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏とのコラボレーションによって、開発されたモデルだ。ボディデザインは従来モデルと非常に似ているが、従来モデルで実現できなかった点も含め、細部に渡り、改良が加えられている。

 機能的には新たに着うたフル対応、SD-Audio対応、おサイフケータイ対応などが挙げられるが、最近、他機種でも採用例が多いのぞき見防止機能として、「プライバシーアングル」が搭載されている。画面表示のコントラストを落とすことで、周囲から見えなくする機能だが、この切り替えがダイヤルボタンの[8]を長押しするという仕様になっている。サイドキーを長押しする他機種の仕様よりも押しやすいことは確かだが、切り替え操作ができる場面が限られており、最初はどこで切り替えられて、どこできりかえられないのかがわからず、かなり戸惑う。


N703iμ

 今回発表されたラインアップの中で、P703iμと並び、11.4mmという薄さを実現したのがN703iμだ。11.4mmという薄さで強度が気になるところだが、ボディ周囲の枠にマグネシウムを採用するなど、強度についても十分、検討を重ねた結果だという。構造的にはカメラ部周囲にほとんどの回路を集め、ボタン部はボタンと電池パックのみにすることで、11.4mmを達成したという。気になるキー操作については、M702iSなど、他の薄型に比べてもまったく遜色ないか、より押しやすいと言えるほどのタッチを確保している。

 機能的には背面の「My Signal」と呼ばれる7×7のLEDイルミネーションが面白い。内部のソフトウェアは、基本的にN703iDとほぼ共通になっており、前述の[8]ボタンの長押しによる「プライバシーアングル」なども利用できるようにしている。


P703i

 メーカーが企画した端末でもデザイン性の高い個性的なモデルが多い703iシリーズにおいて、唯一と言えるほど、オーソドックスな進化を遂げたのが「P703i」だ。トップパネル部分は左右非対称デザインを採用し、白色有機ELによるサブディスプレイを搭載しているのが特徴だ。ワンプッシュオープン機構などは従来と変わらない。

 もうひとつの外見上の特徴は波形で立体的な形状の「WaveTileKey」だ。同様のキーはW41CAなどにも採用されていたが、キートップも大きく、非常に押しやすい印象だ。キー形状をはじめ、メール周りの機能が強化されており、予測変換の候補表示が従来の二列表示から一般的な連続表示(N903iなどに近い)に変更され、辞書そのものも約1.5倍に拡大されているという。受信したデコメールのデコメ絵文字の一括保存、デコメ絵文字のジャンル別フォルダ管理などの機能も搭載する。

 あまり個性的なデザインは求めないが、メール機能を重視したモデルが欲しいユーザーにおすすめだ。


P703iμ

 N703iμと並び、11.4mmの薄さを実現したのが「P703iμ」だ。薄さの値はN703iμとまったく同じだが、関係者によれば、特に薄さの値を申し合わせたわけではなく、最終的に仕様を詰め、開発を進めた結果、同じ値に落ち着いたという。

 P703iμの薄さは、必要なパーツを基板にまとめ、これを樹脂で固めるモールド加工を施し、その部品を本体の液晶ディスプレイ側に内蔵しているという。その結果、ボタン部側はキーと電池パックのみになっている。ボディ剛性はステンレス筐体を採用することで、十分な強度を確保している。キーのタッチもこのサイズの割には十分、押しやすいレベルに達しており、他の極薄系端末よりも操作しやすいという印象を得た。

 ただ、機能的にはあまり目新しいものはなく、ソフトウェアもP702i/iD相当となっているようだ。


SH703i

 703iシリーズの中で、どちらかと言えば、大人向きの少し落ち着いた質感を演出しているのがSH703iだ。トップパネルにハーフミラーを装備し、0.8インチの有機ELディスプレイが浮き上がるように表示させている。ボディサイズは従来のSH702iSに比べ、幅も厚さもひと回りコンパクトになり、女性ユーザーにも持ちやすいサイズに仕上がったというという印象だ。

 機能的には、のぞき見防止のためにコントラストを下げて表示できるプライベートフィルタ、SH903iにも搭載された動画対応メニューのVivid UIなどが特徴だ。SH903iから継承したフレームレスキーは、ボタン面が大きく、押しやすいが、慣れるまでは少し位置を間違えて押しそうな印象もある。コンパクトで落ち着いたデザインを求めるユーザーにおすすめの端末だ。


SO703i

 ケータイに香りという新しいアプローチを試みたのがSO703iだ。香りの秘密となっているのは着せかえ可能な「Style-Upパネル」に隠されたトップパネル側に、「アロマシート」という香りの成分を含んだシールが貼られており、それぞれのパネルに合わせた香りを楽しめるという。アロマシートは約3カ月程度で、香りが飛んでしまうため、新しい香りが必要なときは、次のStyle-Upパネルを購入する必要があるという。ビジネスの方法としては理解できるが、香りのために1,000〜1,500円程度と予想されるStyle-Upパネルを約3カ月おきに購入するというのは、ちょっと判断に悩むところだ。

 Style-Upパネルが装着されるトップパネルは、日時やiチャネルの内容が浮かび上がるように表示される。ボタン部はテンキー部分が非常に大きく、文字入力なども操作しやすいが、テンキー以外の部分がやや小さくコンパクトにまとめられているため、少し慣れが必要な印象だ。


D800iDS

 2005年にユニバーサルデザイン端末として開発されたモデルをベースに、2画面ケータイとして仕上げられたのが「D800iDS」だ。「Direct & Smooth」というキャッチコピーが掲げられているが、DSはDual Screenの略だろうか。ディスプレイのレイアウトも含め、ニンテンドーDSを彷彿させるネーミングだ。

 2つのディスプレイは手前側がタッチパネル、奧側が通常の液晶ディスプレイという構成で、タッチパネルの手前には[発話]キー、[クリア]キー、[終話]キーが並んでいる。タッチパネルの部分は3つのキーのみを表示する「3キーモード」、6つのキーを表示する「6キーモード」、方向キーやテンキーを表示する「10キーモード」を選んで利用することができる。ただし、各キーモードを切り替えるときは、端末を再起動する必要がある。再起動には数十秒を要し、PDAなどのリセットに近い印象だ。

 文字入力も2タッチ入力や一般的なマルチタップ入力に加え、手書き入力にも対応する。手書き入力はひらがな、かたかな、英数字に対応しており、漢字入力時はひらがなを入力後に変換するという手順を踏む。手書き入力の認識率は良好だ。

 2画面を活かしたゲームなども用意されており、今までのケータイにない独特の雰囲気があるが、操作モードの切り替えや割り当てられている機能の呼び出しがわかりにくく、全体の構成や機能を把握するまでは操作に迷いそうな印象だ。


SO903iTV

 薄型液晶テレビとして人気のソニーの「BRAVIA」の名を冠したワンセグ対応端末が「BRAVIAケータイ SO903iTV」だ。液晶テレビで激しい販売競争をくり広げるシャープがワンセグ対応端末「AQUOSケータイ」で人気を得ており、これに対抗する形となる。

 903iシリーズのワンセグ対応端末としてはすでにD903iTV、P903iTV、SH903iTVが発表されており、間もなく販売が開始される予定だが、SO903iTVは6月発売予定とされており、かなり先の話ということになる。今回もモックアップの展示のみとなった。スペック的には3インチの16:9フルワイド液晶を搭載しているが、注目すべきはワンセグの録画予約をmicroSDに保存するとしている点だろう。


バランス良く個性をまとめたが……

 以上が今回発表された703iシリーズ8機種と追加モデル2機種だ。FOMAのラインアップについては、ムーバ時代の50Xシリーズと20X/21X/25Xシリーズのように、ハイエンドの90Xiシリーズ、普及モデルの70Xiシリーズという位置付けでラインアップが展開されてきた。しかし、昨年の702iシリーズではデザイナーやクリエイターとのコラボレーションモデルが数多くラインアップされたこともあり、モデルごとに搭載される機能やサポートされるサービスに違いが生まれた。NTTドコモとしては、単なる普及モデルという位置付けではなくそうと考えたわけだ。

 今回の703iシリーズはコラボレーションモデルが1機種のみで、ほかは各開発メーカーが企画した通常の端末というラインアップになっている。しかし、702iシリーズで打ち出された「脱・普及モデル」的なアプローチはしっかりと継承され、各モデルごとに個性が発揮されている。こう書いては702iシリーズに協力されたクリエイターやデザイナーの方々には申し訳ないが、今回の703iシリーズは702iシリーズのデザイン端末にひけを取らないくらいの個性と方向性を持っている。

 ただ、問題はそうした個性をうまくユーザーに伝えられるか、ユーザーに理解してもらえるかだろう。70Xiシリーズはいっしょに販売される90Xiシリーズよりもシリーズの数字が小さいため、作り込まれたモデルでも普及モデル、エントリーモデルというイメージが抜け切れていない。これをどうやって払拭していくかも今後の課題と言えそうだ。

 今回発表された10機種は、6月発売予定のSO903iTVを除き、今月下旬から順次、発売される予定だ。購入前には本誌の新製品SHOW CASEやインタビュー、レビューなどを参照して、自分の好みに合った1台を選んで欲しい。



URL
  NTTドコモ ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20070116.html

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(法林岳之)
2007/01/18 13:35

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