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ヘビーな個性でキメる「C409CA」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


カラー化されたG-SHOCKケータイ

 各社の折りたたみ式モデルをはじめ、スタイリッシュなデザインのケータイが増えているが、その一方で個性的なモデルへの注目度も高い。カシオの腕時計「G-SHOCK」をモチーフにしたデザインの通称「G-SHOCKケータイ」もそのひとつだ。3月から販売が開始された最新モデル「C409CA」を試用することができたので、そのレポートをお送りしよう。


ケータイの個性ってなんだ?

 au『C409CA』。サイズ:50(W)×130(H)×23(D)mm、112g。ブラック、シルバーをラインナップ。MAKKA(写真)とMAKKIは限定モデルとして販売。

 「話す道具から使う道具へ」と確実に進化を遂げた携帯電話。今や携帯電話は私たちの生活に欠かせない道具であるとともに、その持ち主の個性を表すファッションアイテムのひとつにもなっている。着信メロディを変えたり、お気に入りのオリジナルストラップを付けたり、待受画面をカスタマイズするというのもこうした方向性を裏付けるものだ。

 しかし、ここ1年ほどに各社から発売されている携帯電話を眺めてみると、デザイン的に非常に似通っており、ひと目で「あ、あのケータイは……」と言えるほどインパクトを持つ端末は少ない。たとえば、デザインは折りたたみ、ストレート、フリップ式に大別されており、基本的なデザインコンセプトに大きな違いは見られない。ボディカラーもホワイト、シルバー、ラベンダーなどを採用する端末が多く、パナソニックなどが他の携帯電話と少し系統の違うボディカラーをラインナップしているに過ぎない。つまり、端末そのもので十分な個性が発揮できないため、ストラップや着信メロディなどで、個性を主張しているわけだ。

 では、個性的な端末を開発すればいいかというと、必ずしもそういうわけではない。個性が強い端末はそれだけ好き嫌いが出てしまうため、ひとつ間違えるとまったく売れなくなってしまう可能性があるからだ。端末を開発するメーカーや携帯電話事業者としては、個性的な端末を開発したくても販売台数が奮わなかったり、特定のカラーリングのモデルだけが売れ残ってしまうのは避けたいわけだ。

 今回紹介するauのC409CAは、カシオの開発によるものだ。auのラインアップの中ではすっかり一定の位置を確保した感のある通称「G-SHOCKケータイ」の最新モデルだ。同社が販売する腕時計「G-SHOCK」をデザインコンセプトに、ヘビーデューティーなケータイという方向性をハッキリと打ち出している。従来のC303CAやC311CAで得られたユーザーの支持を踏まえ、新たに新たにカラー液晶を搭載している。従来モデルと少し話の重なる部分もあるが、その実力を見てみることにしよう。


耐水・耐衝撃性能を備えた「G’zOne性能」

 G’zOne性能を実現するためか、ボタンの操作性は全体的に固め。従来モデルと違い、クリアキーとメニューキーがダイヤル下に移動。

 細かいスペックについては、auやカシオの製品情報ページ、すでに掲載されている「ケータイ新製品SHOW CASE」などを参考にしていただきたい。ここでは筆者が実機を触った印象と注目したスペックなどについて紹介しよう。

 C409CAを語る上で、まず最初に触れなければならないのは、ボディデザインだろう。C409CAはストレート型ボディだが、耐水・耐衝撃性能を備えたヘビーデューティーなデザインを採用しており、他の携帯電話とは一線を画した存在感を持つ。もちろん、デザインコンセプトの基本はカシオの腕時計「G-SHOCK」だ。今さら説明するまでもないが、G-SHOCKはヘビーな使用に耐える腕時計として設計されたもので、独特のデザインセンスによって、幅広い層に支持を得ている。最近でこそ、やや落ち着いた感はあるが、一時は予約しなければ新製品が買えなかったり、国内未発売モデルや限定モデルにプレミア価格がつくなど、たいへんな人気を博していた。

 C409CAはC303CAやC311CAに引き続き、G-SHOCKのデザインコンセプトを受け継ぎ、非常にタフな設計となっている。ボディは垂直落下時の歪曲を防ぐためにマグネシウム合金を採用し、携帯電話で最も傷つきやすい液晶ディスプレイ周りにはチタニウム製ベゼルを装備。ベゼルの四隅やボディのコーナーなどにウレタン製プロテクタを装備し、耐衝撃性を確保している。受話部やマイク部、スピーカーには耐水・防塵フィルタが装備され、接続端子やイヤホンマイク端子のキャップはステンレスで補強されたメタルインサートコネクタキャップを採用。バッテリーもスクリューロック機構を採用し、衝撃時の脱落を不正でいる。従来モデル同様、とにかくガッシリした造りが印象的だ。

 耐水性能は「JIS保護等級7相当」を実現しており、シャワーや雨の中での利用も可能にしている。カタログスペックによると、「雨の中で傘をささずに塗れた手で通話が可能」「シャワーを浴びた濡れた手で持って通話が可能」「水道で軽く水洗いができる」「約1.5mの高さから水面に自然落下させても電話機としての性能を保つ」としており、日常的な利用での落下や水没には十分耐えられるだけの性能を持つ。編集部でのテストでもコップの中に沈めたC409CAがしっかりと着信している。ちなみに、au及びカシオでは「耐水」「耐衝撃」という2つの性能を「G’zOne性能」と表現している。


 背面のバッテリーはスクリューロック機能を採用。落下時などでも勝手に外れないようにする設計だ。

 底面のキャップはステンレスで補強されたメタルインサートコネクタキャップを採用。


 また、従来モデルはあまりカラーバリエーションが豊富ではなかったのに対し、C409CAではシルバーとブラックという標準モデルに加え、赤(MAKKA)と黄色(MAKKI)という2つの限定カラーのモデルを発売している。限定カラーモデルは好みの分かれるところかもしれないが、個人的にはMAKKAの持つインパクトが気に入っている。


 付属のバックル3種類。上から順にバンドタイプ、フックタイプ、ストラップ用タイプ。

 さらに、端末本体ではないが、端末を身につけるスタイルもこだわりが見られる。C409CAには標準でバンドタイプ、フックタイプ、ストラップ用タイプという3つのバックルが装備されており、ユーザーのスタイルに応じて、携帯電話を身につけることができる。ユーザーのファッションにもよるが、これらのうち、おすすめしたいのが腰に下げることができるバンドタイプだ。以前、同じ腰に下げるタイプのバンドを装備したJ-フォンのDP154EX(NOKIA製)を愛用していたが、カジュアルな服装のことが多い筆者にとって、このバンドによる腰下げスタイルは非常に使い勝手が良かった。DP154EXはデザイン的にもかなりインパクトがあったため、腰に下げていると、見知らぬ人から「あ、それ面白いケータイですね」などと声を掛けられたこともあった。C409CAも腰に下げて歩けば、きっとそんな声が聞かれるに違いない(でも、スーツ姿でやるのはカンベンね)。


カラー液晶にG-SHOCKライクな待受画面

 液晶ディスプレイの四隅はベゼルで隠れてしまう構造。発色は今ひとつ。

 次に液晶ディスプレイだが、今や標準的とも言える256色表示が可能なカラー液晶を採用している。照明がフロントライト式となっている上、やや前述のベゼルも装備されているため、やや奥まった場所に液晶パネルが固定されている印象だ。サイズは実測値28×30mmと、最近のカラー液晶搭載携帯電話としては小型の部類に入る。発色は今ひとつ良くなく、全体的に色が薄い印象だ。

 ただ、C409CAにはこのカラー液晶ディスプレイを活かすために、11種類のオリジナル待受画面が標準で用意されている。中でも秀逸なのがG-SHOCKを彷彿させる「カラー時計待受画面」だ。標準ではデジタル時計とアナログ時計が2種類ずつが用意されているが、カシオが提供するEZweb専用オリジナルサイト「G’zOne」でG-SHOCK風やBaby-G風などのオリジナル待受画面が配信されており、カスタマイズして楽しむことを可能にしている。自分のG-SHOCKとお揃いもいいだろうし、レアモデルをC409CA上で再現するというのも面白そうだ。G-SHOCKファンなら要チェックだろう。


 Baby-Gの壁紙をダウンロードして、待受画面に設定してみた。

 メニュー画面はアイコン化されているため、わかりやすい。ただし、設定メニュー内はテキスト。


 一方、機能面ではC406Sからサポートされている「おしゃべりモード」をサポートし、連文節変換も可能なAI辞書変換エンジンを搭載している。また、長話を防ぐために、通話中に一定時間ごとにバイブレータで知らせてくれる「キメトーク」、[0]キーの長押しであらかじめ設定しておいた相手にすぐにダイヤルできる「ホットダイヤル」などの機能も搭載されている。面白いところでは従来モデルからサポートされているアウトドアモードが挙げられる。アウトドアモードとはマナーモードの逆に相当するもので、着信音量とバイブレーターを最大にして着信することにより、屋外で作業中でも着信に気付くようにしたものだ。ただ、C409CAでは内蔵スピーカーが変わったのか、着信音に迫力がなく、せっかくのアウトドアモードも今ひとつ性能が生かし切れていないという印象が残る。


C409CAは買いか?

 さて、最後にいつものように、「買い」の診断をしてみよう。G-SHOCKケータイという独自のスタイルを確立し、着実に進化してきたauのカシオ製端末。C409CAはMAKKAやMAKKIなどの限定モデル、カラー時計待受画面、G’zOneオリジナルサイトでの配信サービスなど、いろいろと使う楽しみも増えてきている。

 まず、従来からG-SHOCKケータイを愛用してきたユーザーやG-SHOCKファンについてだが、これはもう間違いなく「買い」と見ていいだろう。着信音が小さいなどの細かい不満点は残るが、やはり、カラー化によるメリットは大きく、カラー時計待受画面などの仕掛けも十分に楽しめるからだ。

 次に、「フツーのケータイは飽きた。もっと個性的なヤツが欲しい」という人もC409CAを一度見てみることをおすすめしたい。G-SHOCKへの思い入れはなくても、MAKKAやMAKKIといった限定モデルを腰やバッグに下げるなど、今までのケータイとはひと味違ったスタイルが楽しめるからだ。ただ、カラー液晶の性能は最新の他のモデルに一歩譲る面があるので、販売店などで実際に動作する端末を触らせてもらってから判断することをおすすめしたい。

 一方、「G-SHOCKなんて別に興味ないよ」という人は、無理にC409CAを選ぶ必要はない。ハッキリ言って、C409CAはG-SHOCKという個性がすべてであり、G-SHOCKに興味のない人が選んでもその個性を理解したり、楽しむことはできないからだ。もちろん、これを機にG-SHOCKにハマってみたいというのなら、話は別だ。

 少し余計な話になるが、筆者はあまり詳しくないが、時計が好きだ。時計の世界にはカシオのG-SHOCK以外にも、ROLEXやOMEGA、IWC、BREITLING、PANERAIといった人気ブランド、PATEK PHILIPPEやVACHERON CONSTANTINなどの高級ブランドなど、いろいろな商品やブランドがあり、それぞれが独特の個性を発揮している。「分不相応な時計を持つなんて……」などというオヤジくさい小言も耳にするが、その個性が好きな人にとってみれば、分不相応かどうかなどは関係ない。C409CAも同じことだ。G-SHOCKケータイの魅力が理解できる人は買えばいいし、わからない人は無理に買わなくてもいいというのが結論だ。右に倣えのケータイが並ぶ今だからこそ、1台くらいはこうした個性的で硬派なケータイがあってもいいのではないだろうか。



・ C409CAニュースリリース(au)
  http://www.kddi.com/release/2001/0220/
・ C409CA商品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/c409/c409.html
・ C409CAニュースリリース(au)
  http://www.casio.co.jp/release/c409ca.html http://www.casio.co.jp/release/c409ca_new_color.html

C409CA (カシオ)
ezweb@mail対応のカシオ製G’zOne端末「C409CA」が3月発売


(法林岳之)
2001/04/18 00:00

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