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手軽にLISMO Videoを楽しめるau BOX
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるPRO BlackBerry サーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。


 今年9月24日に発表され、11月1日からレンタルが開始された「au BOX」。auが提供する統合音楽サービス「LISMO」、映像配信サービス「LISMO Video」を楽しむためのセットトップボックスだ。筆者の手元にもレンタルを申し込んだ製品が届いたので、レポートをお送りしよう。


LISMOを手軽に楽しむために

モトローラ製「au BOX」、サイズ:約266×約80×約221mm(幅×高×奥行)、約1.6kg

モトローラ製「au BOX」、サイズ:約266×約80×約221mm(幅×高×奥行)、約1.6kg
 ケータイと音楽。着信メロディの時代からケータイのサービスの進化に影響を及ぼしてきた関係だが、特に、近年は「着うた」をはじめとする音楽配信サービスの普及により、一段とその関わりを深めている。

 ケータイによる音楽再生機能は、2001〜2002年頃と、比較的、早くから実現されていたが、各社がそれぞれに独自の仕様を採用していたり、機種ごとに対応形式が異なるなど、ユーザーにとって、あまり使い勝手のいい状態ではなかった。そんな中、2006年1月にauが発表した統合音楽サービス「au LISTEN MOBILE SERVICE(LISMO)」は、事業者が提供する統一仕様のサービスとして、注目を集めた。それまでメーカー独自でサポートしていた音楽再生機能と違い、auが業界に先駆けて提供していた「着うた」を軸にしながら、パソコンで音楽CDからケータイに音楽データの取り込む環境(アプリケーション)を提供し、対応機種には共通仕様の音楽プレーヤーを搭載することで、同じように操作ができる環境を提供した。購入した着うたや取り込んだ音楽データも基本的には機種変更した次の端末に継承できる環境を実現した。

 そして、今年6月からは音楽で展開してきたLISMOを映像の世界に拡大した「LISMO Video」をスタートさせている。統合音楽サービス時代のLISMOでは、音楽データやミュージッククリップをブロードバンド回線でダウンロードする環境を実現していたが、LISMO Videoでは映画やドラマなどの映像コンテンツを同様の環境でダウンロードできるようにしている。数年前までは難しいと考えられていた「ケータイで映画やドラマを観る」という環境を事業者のサービスとして実現できたわけだ。

 ケータイで音楽、ケータイで映像という楽しみを提供してきたLISMO、そして、それを進化させたLISMO Videoだが、どちらのサービスも基本的にパソコンが必要となっている。本誌を愛読してくれている読者のみなさんなら、パソコンが必須条件であってもそれほど気にならないだろうが、着うたを中心に音楽を楽しんできた若年層のユーザーにはパソコンを持っていない人も多く、せっかく提供されたLISMOやLISMO Videoを楽しめないユーザーも存在した。たとえば、高校生や大学生で、家庭にパソコンがあったとしても自分専用のものではないため、アプリケーションを自由にインストールできなかったり、使いたいときに使えないといった制約がある。なかにはLISMOを使うために、ネットカフェなどに出向き、ドライバやアプリケーションを利用しようとしたケースもあったという。

 また、LISMOを楽しむためのアプリケーション「LISMO Port」(当初はau Music Port)は、Windows版のみが提供されており、対応するバージョンもWindows XP SP2以降が条件となっている。そのため、MacやLinuxを利用しているユーザーをはじめ、Windows 2000以前のOSを利用しているユーザーは使うことができない。WindowsはWindows XP登場から約7年、最新版のWindows Vista登場から約2年近く経過し、現在利用されているほとんどのバージョンで利用できるように考えられがちだが、LISMO Videoでは著作権保護の関係上、グラフィックボードやディスプレイなどにも条件があり、これもLISMO Videoが利用できない障壁となっている。


 こうした数々の障壁をほぼ一括してクリアできる商品が今回紹介する「au BOX」だ。au BOXはLISMOを手軽に楽しむために開発された専用機器で、家庭用のテレビに接続して利用する。OSのバージョンを意識する必要もなければ、HDCPやCOPPといった面倒な条件を考える必要もない。とにかく、au BOXをテレビに接続し、ケータイとau BOXをつなげば、現在、LISMOで提供されているサービスがほぼすべて利用できるようになるシロモノだ。

 ちなみに、テレビについては、個人単位でも普及率が非常に高く、中高生や大学生といった若年層が家族と同居しているようなケースでも自分の部屋に専用のテレビを持っていたり、居間のテレビとは別の場所にもう一台のテレビが利用できたりするケースも少なくない。auはこの部分に目を付け、今まで着うたを積極的に活用してきたようなユーザーが自分の家で、手軽にLISMOを利用できるように、au BOXを提供したわけだ。


シンプルな構成のハードウェア

 少し前置きが長くなったが、開発されてきた背景がわかってくると、au BOXという商品もわかりやすい。パソコンで実現されているLISMOの環境に比べると、やや見劣りを感じてしまう部分もあるかもしれないが、前述のようなユーザーを対象にした商品であることを考慮したうえで、内容を判断するべきだろう。


パッケージにはau BOX本体の他に、AVケーブル、S映像コード、ACアダプタ、電源コード、リモコン(単四乾電池2本)、取扱説明書、オーディオ延長コード、LANケーブルが含まれる 接続は付属の「簡単接続ガイド」を参照すれば、初心者でも簡単に接続できる。非常にわかりやすい
パッケージにはau BOX本体の他に、AVケーブル、S映像コード、ACアダプタ、電源コード、リモコン(単四乾電池2本)、取扱説明書、オーディオ延長コード、LANケーブルが含まれる 接続は付属の「簡単接続ガイド」を参照すれば、初心者でも簡単に接続できる。非常にわかりやすい

 まず、ハードウェアは前面にプリントされたロゴからもわかるように、米モトローラ製だ。モトローラというと、ケータイに関連する部分で採用されたと考えられがちだが、実は同社は世界最大のSTB(セットトップボックス)のメーカーとも言われ、こうした機器を数多く製造し、ケーブルテレビ事業者などに供給している。月額315円というレンタル料の安さはauの戦略的な要素もあるが、それを実現できるだけのコスト的な安さはモトローラだからこそ、実現できたとも言えるわけだ。

 外見はスクエアなボディデザインで、前面にCD/DVDドライブと操作パネル、ステレオスピーカーを装備し、背面には端子類が並ぶ。サイズ的には最近の少し大きめのHDD/DVDレコーダーを半分にした程度で、ひと昔前の家庭用テレビゲーム機の「セガサターン」や「ドリームキャスト」などを彷彿させるサイズ感だ。

 背面にはAV入出力端子、ブロードバンド回線と接続するLANポート、USBポート×2、携帯電話からの音声入力端子(au BOXをスピーカーとして利用)、ACアダプタ接続端子を備える。AV入出力端子は一般的なコンポジット入出力とS端子のみを1系統ずつ装備しているのみで、D端子やHDMI端子などは装備されていない。DVDビデオの再生やLISMO Videoで視聴できる映像のことを考慮すれば、もう少しおごった仕様が欲しかった感もなくはないが、フルHDの映像を視聴するわけではないし、個人用テレビのサイズがあまり大きくないことを考慮すれば、十分だろう。


前面にはCD/DVDドライブ、操作パネル、ステレオスピーカーが内蔵される 背面にAV入出力端子、LANポート、USBポート×2などが装備される。AV入出力ポートはS端子も利用可能
前面にはCD/DVDドライブ、操作パネル、ステレオスピーカーが内蔵される 背面にAV入出力端子、LANポート、USBポート×2などが装備される。AV入出力ポートはS端子も利用可能

 AV入力端子については、ビデオカメラやHDD/DVDレコーダーなどを接続しておき、入力された映像と音声をauのケータイムービーの形式(3GPP2形式)で取り込むときに使う。ちょうどパソコンのビデオキャプチャに相当する機能が実現できるわけだが、当然のことながら、著作権保護されたコンテンツなどは録画できないので、市販のDVDビデオからの録画やコピーワンスの放送の録画などはできない。

 インターネットへの接続は必須ではないが、音楽CD取り込み時のCDDB参照、LISMO Videoでの映像やmora for LISMOでの楽曲のダウンロード、Webページの閲覧などには必要になる。回線速度はLISMO Videoでのビデオ再生の条件が1.5Mbpsとなっているので、ADSLサービスであれば、十分だろう。ちなみに、LISMO Videoなどを利用する限り、接続するプロバイダには制限はない。

 また、近くにLANポートがないときは、Ethernetボックスタイプ無線LAN子機やPLCアダプタを利用すれば、離れた部屋からでも十分、利用可能だ。今回、筆者宅ではNECアクセステクニカのEthernetボックス無線LAN子機「AtermWL54SE」を使い、IEEE802.11gで接続してみたが、高画質モードのドラマを最後まで問題なく再生できた。


端末は専用USBケーブルで接続するが、クレードル充電台のときは直接、接続できないので、必ずクレードル充電台経由でつなぐことになる

端末は専用USBケーブルで接続するが、クレードル充電台のときは直接、接続できないので、必ずクレードル充電台経由でつなぐことになる
 端末との接続は、端末のパッケージに同梱されているUSBケーブルを利用する。LISMO Videoに対応した端末であれば、パッケージに必ず端末や卓上ホルダと接続するための専用USBケーブルが付属しているので、それを端末の外部接続端子に接続するわけだ。パソコンのときのように、ドライバのインストールなどは必要ない。専用USBケーブルを挿し、ケータイを接続すれば、認識する。ちなみに、この登録の際、端末の「ロックNo.」(端末暗証番号)の入力を求められる。auの場合は「1234」が出荷時設定だが、変更しているときはその番号を入力する。入力した番号はau BOX内に記録され、端末の接続時などに利用することになる。

 ところで、機種によっては、USBクレードル充電台を採用しており、付属のUSBケーブルが外部接続端子に接続する専用USBケーブルではないことがあるが、その場合はau BOXとの接続にクレードル充電台が必須になる。ただ、筆者が試したところ、端末とau BOXを接続するケーブルは、データ通信用の「USBケーブルWIN」でも利用できている。動作保証外になるが、クレードル充電台をオフィスや他の部屋で利用しているユーザーは、この方法を試してみるのも手だ。また、いずれのUSBケーブルの場合も長さが足りないときは市販のUSB延長ケーブルを利用すればいいだろう。


専用機器ならではのわかりやすさ

 本体をテレビに接続し、電源を入れると、まず最初にセットアップ画面が表示される。このとき、au BOXのファームウェアのバージョンをチェックするため、あらかじめインターネットに接続しておいた方が確実だが、あとでアップデートをチェックすることも可能だ。ちなみに、11月18日現在、出荷バージョン(1.0.1)からファームウェアは更新されていないようだ。


付属のリモコン。ボタンサイズも大きく、非常にわかりやすい 市販のテレビの操作をするためのコマンドはリモコン背面に記述されている
付属のリモコン。ボタンサイズも大きく、非常にわかりやすい 市販のテレビの操作をするためのコマンドはリモコン背面に記述されている

 続いて、日時の設定後、au携帯電話の登録を行う。au BOXでは端末を1台のみ登録する仕様になっており、登録した端末以外でau BOXを利用することはできない。もし、他の端末に変更したいときは、au BOXの設定メニュー内で登録を一度、解除し、新しい端末を登録し直すことになる。端末の登録が終われば、あとは接続するテレビの画面比率(「4:3」と「16:9」)を選び、免責事項に同意すれば、メニュー画面が表示される。

 基本的な操作はディスクの取り出しなどを除き、基本的にはすべてリモコンを利用する。リモコンはテレビのリモコンの赤外線信号を出力も備えており、メーカー別の設定を切り替えれば、主要なメーカーのテレビの操作ができる。


au BOXで利用するための端末を登録する。登録できる端末は1台のみで、それ以外の端末ではコンテンツの購入などができない 端末のロックナンバーもいっしょにau BOXに登録する。手続きは簡単になるのだが……
au BOXで利用するための端末を登録する。登録できる端末は1台のみで、それ以外の端末ではコンテンツの購入などができない 端末のロックナンバーもいっしょにau BOXに登録する。手続きは簡単になるのだが……


起動時に表示されるMAIN MENUの画面。右半分のエリアには最新のトピックが表示される
起動時に表示されるMAIN MENUの画面。右半分のエリアには最新のトピックが表示される

 次に、各機能について、チェックしてみよう。まず、もっとも簡単なのは、音楽CDやDVDビデオの再生だ。ドライブにメディアをセットし、再生ボタンを押せば、「CD/DVD再生&CD取り込み」メニューが表示され、すぐに再生を開始できる。音楽CDについては、再生/一時停止、前後の曲へのスキップ、早送り・逆送りなどの一般的な操作ができる。DVDビデオについては、メディアをセットすると、自動的に再生が始まり、リモコンの[サブメニュー]ボタンを押せば、チャプター一覧の参照や音声/字幕切り替えなどの操作ができる。こちらも通常のDVDプレーヤーなどと同じように、チャプタースキップや一時停止などの操作ができ、2/5/10/15倍速での早送り/逆送り、レジューム再生などにも対応する。気になる画質については、S端子で出力しているのみなので、さすがにD端子やHDMI端子などで出力しているHDD/DVDレコーダーにはかなわないが、通常の利用であれば、まず問題ないだろう。むしろ、au BOXにどの程度のサイズのテレビを接続するのかによって、かなり印象が違ってくるというのが本音だ。40インチ以上のような大画面テレビに接続すると、色のにじみなども気になるが、プライベート用などに使われることが多い19〜22インチ程度のテレビであれば、ごく普通に視聴できる。音については、本体と接続したテレビの両方から出力される仕様なので、いずれか音質の良いスピーカーが装備された方を出力し、もう片方は消音(ミュート)しておけばいいだろう。


音楽CDを取り込むときのフォーマットやビットレートは変更できるが、通常はこのままで問題ない [CD/DVD再生&CD取り込み]メニュー画面。[設定]内でビットレートの変更などが可能
音楽CDを取り込むときのフォーマットやビットレートは変更できるが、通常はこのままで問題ない [CD/DVD再生&CD取り込み]メニュー画面。[設定]内でビットレートの変更などが可能

 次に、音楽CDからの取り込みについては、ATRAC3plusの48/64/96/128/256kbps、ATRAC3の66/105/132kbpsに対応しており、ATRAC3plus 64kbpsが標準設定となっている。取り込み時にはパソコンと同じように、インターネット経由でCDDBの楽曲データを参照することができる。取り込んだ楽曲はau BOXのミュージックライブラリに登録され、au BOX本体で楽しんだり、ケータイやウォークマンに転送することが可能だ。ただし、取り込みと転送は別々の行程になるため、取り込み終了後に改めて転送の操作が必要になる。取り込みについては、音楽CDの長さにもよるが、だいたい1枚あたり9〜10分程度の時間が必要で、ケータイへの転送も3分程度は掛かる。パソコンの環境に比べると、遅い感は否めないが、画面のメニューを辿っていけば、カンタンに取り込みと転送が完了するのは、ビギナーにとって、うれしい点だろう。


音楽CDからの取り込みが完了すると、ケータイやウォークマンへの転送画面が表示される。あとで転送することも可能 音楽CDの長さにもよるが、転送には1枚あたり3分程度の時間がかかる
音楽CDからの取り込みが完了すると、ケータイやウォークマンへの転送画面が表示される。あとで転送することも可能 音楽CDの長さにもよるが、転送には1枚あたり3分程度の時間がかかる

 音楽CD取り込み時の容量については、ビットレート次第ということになるが、ATRAC3plus 64kbpsでは音楽CD1枚あたり、約20〜30MB程度になる。au BOX本体には1GBのフラッシュメモリーが使われているが、ミュージックライブラリで利用できる容量が約200MB(ビデオなども共用のため、実際にはもっと少ない)なので、音楽CD10枚分くらいしか保存できない計算になる。パソコンなどの環境に慣れているユーザーからすれば、au BOXをミュージックサーバーのように使いたいところだが、搭載しているフラッシュメモリーの容量から考えると、au BOXでの音楽データの保存は一時的な保存する場所として利用するのが得策と言えそうだ。


インターネットにつないで楽曲購入

 au BOXを利用するうえで、もうひとつ重要なのが「mora for LISMO」や「LISMO Video」を利用した楽曲や映像の購入だ。それぞれ個別のサービスとして提供されているが、基本的なしくみは同じで、楽曲や映像のデータはブロードバンド経由で転送し、決済のみを端末で行うことになる。

 決済については、auが提供する「まとめてau支払い」を利用するため、購入したコンテンツの代金は月々のauのケータイの料金と合算されて請求される。商品の性格上、未成年者が利用することも考えられるため、使いすぎが心配になるが、「まとめてau支払い」は元々、契約月数などに応じて、利用額が制限されている。具体的には個人の場合、auケータイの加入月数が1〜3カ月目なら月に5000円(税込)以内、4カ月目以降でも20歳未満が1万円(税込)以内、20歳以上が3万円(税込)以内に設定されている。もし、保護者がこれでも多いと感じるときは、この上限額の範囲内で、利用限度額を1000円単位で設定することもできる。


「mora for LISMO」の画面。新着やランキングなども参照できる 一覧画面でスピーカーのアイコンが表示されている楽曲はカーソルを合わせると、自動的に楽曲が流れるようだ
「mora for LISMO」の画面。新着やランキングなども参照できる 一覧画面でスピーカーのアイコンが表示されている楽曲はカーソルを合わせると、自動的に楽曲が流れるようだ

 楽曲の購入については、端末で着うたを購入するときと同様で、非常に簡単だ。メインのメニュー画面から「mora for LISMO」を選び、「おすすめ」「最新リリース」「検索」などで楽曲を探す。検索では「アーティスト」「アルバム」「楽曲」での「文字列検索」や「ジャンル検索」をはじめ、「TVオンエア曲」「映画ソング」といったテーマ別の一覧から楽曲を探すことができる。楽曲を選んでいる画面では、その多くが試聴する仕様になっており、リモコンを操作して、楽曲にカーソルを合わせると、自動的に楽曲がau BOXから流れてくる。


楽曲の画面で[購入]ボタンを押すと、購入画面が表示される まとめてau支払いを利用するため、端末をUSBケーブルで接続する
楽曲の画面で[購入]ボタンを押すと、購入画面が表示される まとめてau支払いを利用するため、端末をUSBケーブルで接続する

端末で着うたフルを購入するときと同じように、プレミアムEZパスワードを入力する。このとき、端末は電波が届く位置に置いておく必要がある 決済が完了すると、購入の確認画面が表示される
端末で着うたフルを購入するときと同じように、プレミアムEZパスワードを入力する。このとき、端末は電波が届く位置に置いておく必要がある 決済が完了すると、購入の確認画面が表示される

購入した楽曲はいったん、au BOXに保存後、端末に転送することになる

購入した楽曲はいったん、au BOXに保存後、端末に転送することになる
 購入時はそのまま[購入]を押すだけなのだが、このとき、まとめてau支払いの手続きをするため、必ず端末をau BOXに接続し、端末は電波が届く状態にしておく必要がある。当初、登録した端末と異なる端末が接続されていたり、登録したロックNo.を変更していたり、端末が電波OFFモードに設定されていたりすると、正しく手続きができない。また、まとめてau支払いの手続き画面では、プレミアムEZパスワードを入力するので、これも事前に契約書などで確認しておく必要がある。ちなみに、プレミアムEZパスワードを忘れてしまったときは、端末でau oneのメニューにアクセスし、[auお客さまサポート]-[確認する]-[有料サービス利用情報]-[プレミアムEZパスワード初期化・変更]の順に辿れば、プレミアムEZパスワードを契約時に申し込んだ暗証番号と同じものに初期化することができる。

 購入手続きが完了すると、データがau BOXに転送され、「ミュージックライブラリ」に保存される。あとは[サブメニュー]ボタンを押し、[ケータイに転送]を選べば、端末に転送される。端末には本体メモリーとmicroSDメモリーカードに保存することができるが、au BOXの設定メニュー内で、どちらのメモリー領域に優先的にデータを保存するのかを設定しておくことができる。まだmicroSDメモリーカードを購入していないときなどは、とりあえず、本体メモリーに転送しておけばいいだろう。


手軽にIPTVサービスが楽しめるLISMO Video

 一方、LISMO Videoについても基本的な流れは同じだ。au BOXのメニュー画面から「ビデオ」を選び、「映画」「ビデオ」「お笑い・アイドル」といったジャンルで探したり、キーワードなどで検索することができる。ただし、mora for LISMOが音楽配信サービスであるのに対し、LISMO Videoは映像コンテンツを配信しているため、いくつか扱いの異なる点がある。


LISMO Video Storeのメイン画面。ジャンルやランキング、新着などからコンテンツを選ぶことはできる

LISMO Video Storeのメイン画面。ジャンルやランキング、新着などからコンテンツを選ぶことはできる
 まず、LISMO Videoでは基本的に映像コンテンツを購入するものの、一定期間に限り、再生が許される状態になるのみで、永続的に特定の映像コンテンツが視聴できるようになるわけではない。たとえば、映画やドラマを購入すると、購入時から48時間や72時間といった範囲で、時限的に再生が許される。購入代金は105円、210円、315円、525円といった具合いだ。ちょうどレンタルDVDの置き換えになると考えれば、わかりやすいだろう。

 もうひとつ異なるのは、映像コンテンツの再生環境だ。au BOXでLISMO Videoの映像コンテンツを購入すると、「標準画質」「高画質」を選んで、au BOXが接続されたテレビで視聴することができる。購入した映像コンテンツに「ケータイ用」が提供されていれば(すべての映像コンテンツにケータイ用が提供されているわけではない)、これをダウンロードして端末に転送し、外出時にも視聴することができる。

 はじめて購入するときは、今ひとつ勝手がわからないかもしれないが、海外ドラマの第1話をはじめ、無料で購入できるコンテンツもいくつか用意されているので、最初はそれらを試してみるのがおすすめだ。


1話45分前後の海外ドラマなどは2つのファイルに分割されており、個別に端末に転送する必要がある 転送時間は1つのファイルあたり約3分弱。準備の時間を含めると、1話あたり7〜8分程度の時間が掛かる
1話45分前後の海外ドラマなどは2つのファイルに分割されており、個別に端末に転送する必要がある 転送時間は1つのファイルあたり約3分弱。準備の時間を含めると、1話あたり7〜8分程度の時間が掛かる

 実際に、海外ドラマを購入し、端末にケータイ用コンテンツを転送してみたが、45分程度の番組が二分割のファイルで提供されており、片方のケータイ用コンテンツを準備するのに約1分強(サイトからau BOXにダウンロードしているようだ)、au BOXからケータイに転送するのに約3分弱の時間を要する。コンテンツによって、ファイルサイズが違うため、一概に言えないが、1時間程度の番組であれば、ケータイで再生できる環境を整えるのに、約7〜8分近く掛かる計算だ。映画になると、2時間程度になるので、準備に15分程度というのがひとつの目安と言えそうだ。ちなみに、現在のau端末はUSB接続の設定で、「データ転送モード」と「高速データ転送モード」を選ぶことができるが、今回、au BOXで試用した範囲では転送時間に差はなかった。

 また、au BOXのみで視聴する「標準画質」「高画質」の環境については、いわゆる「IPTVサービス」のような形で映像コンテンツを楽しめることになる。同様のサービスとしては、NTTグループの「ひかりTV」やUSENの「GyaO NEXT(ギャオネクスト)」、家電メーカーが中心になって設立したアクトビラの運営する「アクトビラ ビデオ」などがあるが、サービスによっては月額料金と専用チューナーレンタル料で月額1000円程度、掛かってしまうものもあるため、月額315円のみで利用できる(ケータイの基本使用料は別途、かかっているが……)au BOXのLISMO Videoはもっとも手軽にはじめられるIPTVサービスということになりそうだ。

 これはau BOXとLISMO Videoの環境だけに限った話ではないのだが、IPTVやビデオ・オン・デマンドと呼ばれるようなサービスは、レンタルDVDの代わりになるというメリットがある半面、48時間や72時間という視聴可能時間に対し、105〜525円といった料金体系にはいささか古さを感じさせる。DVDのようにメディアもなければ、実店舗も必要ない(サーバーやバックボーンネットワークは必要だが……)ことを考えれば、そろそろ今の時代に合った料金体系を考えて欲しいところだ。購入後、一年間は割安に見られたり、ケータイの環境に限っては視聴可能時間を延長したりするなど、いろいろな工夫が考えられるはずだ。

 画質については、前述のDVD同様、20インチ前後のテレビで視聴している分にはそれほど気にならないが、40インチクラスのテレビに接続すると、画面との距離によっては、やはり、色のにじみなどが気になる。ただ、エントリー向けのIPTVサービスとしては十分なものであり、元々、大画面テレビに接続することを想定してないため、これで良しと捉えるべきなのかもしれない。


本体データバックアップは要改善

 au BOXにはこの他に、冒頭でも触れたように、外部から入力された映像・音声信号を取り込むことができる「auケータイムービー」(ビデオキャプチャ)が用意されている。au BOXにはテレビチューナーが搭載されていないが、HDD/DVDレコーダーを接続しておけば、HDD/DVDレコーダーで視聴予約をしておき、au BOXの指定した日時にムービー作成を開始する機能と組み合わせることで、アナログ放送のテレビ番組などを録画することができるわけだ。ただ、現実的に考えた場合、LISMO Video対応端末は、ほとんどにワンセグが搭載されているので、テレビ番組を録画するということを考えるのであれば、そちらを利用した方が快適だろう。

 逆に、家庭用のビデオカメラなどで撮影した映像の取り込みには役に立つ。取り込みは「標準」と「高画質」の2種類のモードで取り込むことができるのだが、今回、約20秒程度のムービーを取り込んでみたところ、標準モードで約800KBだったのに対し、高画質モードは約1.3MBというファイルサイズになった。どちらも解像度は320×240ドットだが、映像のなめらかさなどに違いがある。感覚としては、HDD/DVDレコーダーのSPモードとLPモードの違いのような印象だ。ただ、取り込んだ映像は著作権保護の対象になるため、メールに添付したり、赤外線通信で転送するといった使い方はできない。


本体のUSBポートにUSBメモリを挿し、au BOXに保存されている楽曲などをバックアップできる。ただ、電話番号やロックNo.が見えてしまうのは改善が必要だろう

本体のUSBポートにUSBメモリを挿し、au BOXに保存されている楽曲などをバックアップできる。ただ、電話番号やロックNo.が見えてしまうのは改善が必要だろう
 また、背面にUSBポートにUSBメモリを挿し、au BOXに保存されている情報をバックアップできる「本体データバックアップ」という機能も提供される。バックアップできるものとしては、端末から取り込んだ「着うたフル」(ビデオクリップを除く)、au BOXの「mora for LISMO」で購入した楽曲、音楽CDから取り込んだ楽曲で、バックアップしたデータを本体に一括して、復元することもできる。

 万が一の事態に備えるという点では安心できる機能なのだが、基本的にバックアップファイルは一回分のみが保存されるため、過去にバックアップしたデータがあってもバックアップを実行すると、上書きされてしまう。できれば、日付などでフォルダを分け、複数回分をバックアップできるようにして欲しかったところだ。

 バックアップで非常に気になったのは、バックアップされた一部のデータをバイナリファイルのまま、エディタで開いてみると、au BOXに登録した端末の電話番号やロックNo.とおぼしき文字列が表示されてしまう点だ。端末がなければ、何もできないので、実質的にはあまり悪用されないかもしれないが、いくらエントリー向けモデルとは言え、さすがにこれらの文字列は暗号化して、保存しておくべきではないだろうか。ある意味、楽曲データの暗号化と同じ程度、大切なデータとして、扱って欲しいところだ。


ノンPCユーザー以外にもおすすめ

 さて、最後にau BOXの「買い」について、考えてみよう。ただ、この商品は月額315円でレンタルするものなので、正確にはレンタルするべきかどうかを考えるということになる。auが提供するLISMOとLISMO Videoは、ケータイで音楽や映像を楽しむことができる楽しいサービスだが、ここでも触れたように、あまりITリテラシーの高くないユーザーにとっては、対応端末を持っていてもなかなか楽しむことができない。しかし、au BOXがあれば、パソコンの環境を整える必要もなく、アプリケーションやドライバのインストールといった面倒な作業をしなくても気軽にLISMOの環境を楽しむことができる。ただ、その一方でコストを重視して開発された製品であるため、ある程度、使い慣れたユーザーには、画質が気になったり、本体に保存できるデータの容量などに不満を感じる面があるのも確かだ。

 これらのことを総合すると、au BOXをおすすめできるのは、やはり、パソコンを持たないが、LISMOやLISMO Videoを楽しみたいユーザーということになるのだが、これに加え、もっとカンタンにLISMOを利用したいというユーザーにもおすすめしたい。

 たとえば、筆者は当然のことながら、パソコンにLISMOを楽しむための環境を構築しているが、パソコンには原稿執筆や文書作成、映像編集など、本来の用途がある。これらの作業中に、音楽CDからの取り込みなどをしたり、『〜ながら』で見たい映像を流すといった行動は、あまりしたくないものだ。しかし、au BOXがあれば、そちらで音楽CDの取り込みなどの作業もできるし、『〜ながら』で映像を楽しむこともできる。リモコンでひょいひょいと操作できるのだから、とにかく手軽だ。同時に、今後の普及が期待されるIPTVサービスの入門用としてもおすすめできる。画質のことを言ってしまうと、少なからず不満は残るのだが、auのケータイを契約していれば、月額315円のみで利用できるのだから(13カ月以内の契約解除手数料は5250円)、これを利用しない手はないだろう。今から10年ほど前、「ポケットボード」をはじめとするメール端末がヒットし、モバイル環境でのメールの普及に大きく貢献したが、au BOXをきっかけにケータイで映像コンテンツを楽しむことやIPTVサービスが急速に普及することになるかもしれない。

 auの関係者によれば、au BOXの初期出荷は好調で、非公式なコメントながら、すでに1万台を超えているという。今後、次期モデルや上位モデルの登場も期待したいところだが、まずは手軽にLISMO Videoをはじめる一台として、幅広いユーザーにおすすめしたい。



URL
  au BOX ニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0925b/
  au BOX ニュースリリース(モトローラ)
  http://www.motorola.com/mediacenter/news/detail.jsp?globalObjectId=10200_10
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/shuhenkiki/au_box/
  製品情報(モトローラ)
  http://www.motorola.jp/broadband/vip1830/
  LISMO(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/lismo/

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(法林岳之)
2008/11/19 13:28

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