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生活に溶け込むモデルを新名称で展開するau春モデル
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるPRO BlackBerry サーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。


 1月29日、KDDIはauの2009年春モデルとして、新端末10機種を発表し、すでに発表されている法人向けモデルの2機種とともに、2009年 春商戦向けラインアップを公開した。auは従来からユーザーのライフスタイルに合わせたサービスや端末の提供を謳ってきたが、今回は昨年11月のNTTドコモに続き、端末のネーミングルールを変更した新ラインアップを発表した。

 今までになかった新しい取り組みの端末も発表され、興味深いラインアップとなった。発表会の詳細な内容は、すでに本誌レポートが掲載されているので、そちらを参照いただきたいが、ここでは筆者が発表会で試用した端末の印象や発表内容の捉え方などについて、紹介しよう。



「生活に溶け込む」を目指すau

 今から約2年前、2006年秋のMNP(携帯電話番号ポータビリティ)商戦開始以降、事前の予想通りの好調を記録し、着々と他事業者からの転入を受け、順調に加入者を伸ばしていったau。しかし、昨年半ばあたりから徐々に勢いが失われ、昨年12月にはついに転出を記録するに至った。こうした状況に陥った理由にはさまざまなものがあると推察されるが、やはり、一昨年12月に発表した新プラットフォーム「KCP+(KDDI Common Platform Plus)」の開発の遅れや、相次ぐ不具合の発生などによるユーザーの不信感が影響しているように見受けられた。

 その一方、2008年9月にはLISMO Videoを楽しむためのセットトップボックス「au BOX」を、11月に秋冬モデル7機種、12月に音楽に特化した超小型端末「Walkman Phone, Xmini」を相次いで発表し、お得意のLISMOとLISMO Videoを軸に、ほぼ完成形となったKCP+を活用しながら、新しい方向性を打ち出そうとしていた。


生活に溶け込むケータイを目指すau

生活に溶け込むケータイを目指すau

小野寺氏は、「ユーザーをドキドキさせるような、auらしさを回復させていく1年にしたい」と語った

小野寺氏は、「ユーザーをドキドキさせるような、auらしさを回復させていく1年にしたい」と語った
 こうした流れを受けて催された今回の2009年春モデル発表会では、今後のauの方向性として、「アンビエントライフ」「生活に溶け込む」というキーワードが示された。ここ数年、IT業界を中心に、これからの社会の方向性として、誰もがいつでもすぐ情報にアクセスできる「ユビキタス社会」というキーワードが語られてきた。KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長は、このユビキタスに続く流れとして、今後は生活者の意識しないところでもICTが快適な生活を実現するための役割を担う「アンビエント社会」を示した。ちなみに、「アンビエント(ambient)」は「周囲の」といった意味を持ち、リラックスしたい場所で流れる環境音楽の一種は「アンビエント・ミュージック」などと表現されることがある。おそらく、KDDIとしてはケータイやICTが我々の社会環境や生活環境にごく自然に溶け込み、利用者が特段の意識をしなくてもさまざまなシチュエーションやシーンにおいて、「ケータイやICTが役に立つような社会を目指したい」という意味を込めているのだろう。

 そして、もう少し具体的な方向性として、今後の端末ラインアップの2つの方向性を示した。auでは従来からライフタイルに合わせた端末ラインアップを展開してきたが、昨年の「Walkman Phone, Xmini」のように、ライフスタイル路線の中でも特定の機能やサービスを追求したモデルを展開していくことを明らかにした。そのひとつが今回発表された「Walkman Phone, Premier3(プレミアキューブ)」だ。これは言うまでもなく、音楽に特化した端末ということになるが、今後はこうした路線を強化し、映像を楽しむためのケータイ、ナビゲーションのためのケータイ、メールやブラウザによるコミュニケーションに特化した端末など、かなりユニークなケータイが登場してくることが期待される。


新しいネーミングルールの背景

 今回発表された端末についても個性的で魅力的なものが多い。昨年の冬モデルの発表では、実質的に『映像三兄弟』と呼ばれる3機種が中心的な存在だったが、今回はau初のタッチパネル、世界初の3D液晶、800万画素CCDカメラ搭載モデル、CDMA/GSMのデュアルローミング対応モデル、フルチェンケータイ第2弾、シンプルなスタンダードモデル「NSシリーズ(New Standard)」など、デバイス的にもコンセプト的にも非常にバラエティに富んでいる。

 この端末ラインアップにおいて、もうひとつ重要なのがネーミングルールの変更だ。従来のauの端末ラインアップでは、「W63CA」「A5523T」といったように、型番の先頭に通信サービスの種類を表わす「W」(CDMA1X WIN)と「A」(CDMA1X)、それに続いて2桁(CDMA1X WINの場合)、もしくは4桁の番号(CDMA1Xの場合)、最後にメーカー名を表わす1文字、もしくは2文字のアルファベットが付いていた。しかし、CDMA1X端末は2007年10月16日発表の「A5529T」を最後に発表されておらず、実質的に新機種の開発が終了したこともあり、「W」や「A」といった通信サービスを表わす表記が必要なくなっており、今回の端末でも「WIN」のロゴがボディから消えている。これに加え、auでは「Walkman Phone, Premier3」のように、今後、特定の機能やサービスを追求した端末をリリースしていくうえで、型番よりもわかりやすいペットネーム(商品名)を与えることもあり、新しいネーミングルールを採用したという。

 具体的なネーミングルールは「SH001」「K001」など、極めてシンプルで一目瞭然だが、型番を与えるモデルについては、冒頭にアルファベット1〜2文字でメーカー名、それに続いて、発表や発売順にカウントされる3桁の数字という構成だ。3桁の数字は毎年更新されるのではなく、そのまま数字が積み重なっていくという。ただし、新シリーズとなるNSシリーズについては、メーカー名などが型番に含まれず、付加する数字も2桁で、少し区別されている。

 ネーミングルールについては、NTTドコモが2008年秋冬モデルから変更したが、NTTドコモのネーミングルールの変更が従来の90Xiシリーズと70Xiシリーズの区別をなくそうとしたのに対し、auの変更は特徴的なモデルのみにペットネームを付けるため、それ以外のモデルはシンプルな型番でまとめた格好となっている。


EZナビウォークのバージョンアップ

EZナビウォークのシンプルモード

EZナビウォークのシンプルモード
 サービスについては、MYスライドビデオ、新EZナビウォーク、デコレーションアニメ、じぶん銀行のサービスの高機能化などが発表され、将来的な新機能として、Transfer Jetのデモも行われた。

 まず、直近で注目すべきは、auの人気サービスのひとつである「EZナビウォーク」がバージョンアップだ。新EZナビウォークではシンプルモードとフルモードを用意し、ナビゲーション表示もアイコンガイダンスを追加したり、3Dナビでは2Dナビ画面と分割表示するなど、使い勝手の面で大きく改良されている。

 現在は各社ともGPSによる位置情報サービスを提供しているが、基本的にユーザーインターフェイスは一律であり、こうしたユーザーのリテラシーに応じたカスタマイズができるアプリケーションというのもケータイでは非常に珍しい。おそらく本誌読者であれば、フルモードで十分利用できるだろうが、女性やリテラシーの高くないユーザーにも便利なサービスであるため、こうした工夫は歓迎したいところだ。ちなみに、どの時期の端末までが対応できるかは明言されなかったが、従来モデルについても順次、EZアプリのバージョンアップで対応できる方向で検討しているという。


コンセプトもデバイスもユニークな2009年春モデルをラインアップ

 さて、ここではいつものように、発表会のタッチ&トライコーナーで試用したファーストインプレッションを紹介しよう。ただし、発表会で展示された端末は、いずれも最終的な製品ではなく、試用時間も限られていたため、十分な情報がお伝えできないことはあらかじめ、お断りしておく。各機種の詳しい情報については、ぜひ本誌のレポート記事を合わせて、ご覧いただきたい。


Walkman Phone, Premier3(ソニー・エリクソン)

 昨年12月に発表された「Walkman Phone, Xmini」に続く、Walkman Phone第2弾モデル。ソニー独自のクリアオーディオテクノロジーに加え、ダイレクトエンコーディング録音、高音質スピーカー付卓上ホルダなど、音楽や映像に特化した構成となっている。ソニー・エリクソン製端末としては、W44S以来の縦横両方向に開くことができるWオープンスタイルを採用するが、Wオープン用のヒンジ部分がディスプレイ側に付いて開く構造だ。

 ボディも意外に薄く、ヒンジ部分の突起もコンパクトで、開閉操作もしやすい。ブライトスクウェアキーと呼ばれるボタンは、ボタン面を区切りながら、中央部分のみにもうひとつボタンパーツを貼り付けたような構造を採用しており、押しやすい。ただ、凸部分が大きくなく、デザイン処理の関係上、[発話]キーの列から[*][0][#]の列まで、ほぼ等間隔でレイアウトされているため、最初の内はボタンを押し間違えてしまう。今回発表された端末の中で、この機種とCyber-shotケータイ S001のみがフルワイドVGAのアプリが利用できる仕様となっているようだ。


Woooケータイ H001(日立製作所)

 世界初の3D液晶を採用した端末だ。3D液晶については、過去にもNTTドコモのシャープ製端末で採用例があるが、今回のH001は「フルワイドVGAの3D液晶を搭載した携帯電話として世界初」と謳っている。3D液晶そのものは、昨年、CEATEC JAPAN 2008のKDDIブースに出品されていた3D液晶で、おそらく日立グループ内の日立ディスプレイズが開発したものと推測される。


 3D表示は左右の視差を利用したもので、ダイヤルボタン下に装備された3DボタンでON/OFFが切り替えられる。端末にプリインストールされている専用コンテンツが立体的に見えるだけでなく、ワンセグの画面なども3Dボタンで切り替えることで、3D表示が可能だ。ただし、コンテンツによって、見え方が違うため、きちんとした3D表示を体験するなら、専用コンテンツで楽しむのがおすすめだ。また、テキストなどは3D表示に切り替えると、ちらついたようになり、見えにくくなってしまう。

 ボディはW62Hに続き、縦横両方に開く2Way Open Styleを採用するが、ヒンジの剛性感もあり、安心して使える印象だ。W63Hで好評を得ているカッティングエッジデザインも継承され、ボタン面もこれに合わせたデザインが採用されているが、ややフラットに仕上げられているものの、ボタン部もわずかに凹凸が付けられており、操作感はそれほど気にならない。日立製端末ではおなじみのマジョーラカラーを採用したNeon Purpleもラインアップされている。


Cyber-shotケータイ S001(ソニー・エリクソン)

 昨年5月に発売され、好評を得たCyber-shotケータイの後継モデル。今回は808万画素のCMOSカメラを搭載し、ソニーのデジタル一眼レフカメラの技術を活かすなど、従来よりも一段とデジタルカメラらしい作り込みがなされている。

 ボディはスライド式だが、ディスプレイに有機ELを採用したこともあり、ディスプレイ部が薄く、スライド式特有の段差も少ない。ただ、ディスプレイ横に装備されたボタン類の内、方向キー左右にあるボタンが3つの機能を呼び出せる3方向キーのような構造になっているうえ、その下には細長い[発話]ボタン、[クリア]ボタン、[終了]ボタンが並んでおり、ややごちゃごちゃしてしまった印象が残る。おそらく、同社が海外で販売しているXPERIAシリーズのデザインを意識したのだろうが、ユーザーによって、好みの分かれそうな操作感だ。

 GLOBAL PASSPORTはCDMAとGSMの両方に対応しており、通常のケータイとしてはもっとも広い地域と国をカバーすることになる。ちなみに、Cyber-shotケータイ S001は他機種同様、KCP+採用端末だが、GSMのライセンス料などが掛かるため、GLOBAL PASSPORT CDMA/GSM両対応は当面、KCP+採用端末の標準仕様にはならず、ソニー・エリクソン製端末への展開に限られることになりそうだ。


フルチェンケータイ T001(東芝)

 昨年、ソニー・エリクソン製端末として発売された「フルチェンケータイ re」に続く、フルチェンケータイ第2弾。従来のフルチェンケータイと違い、交換できるパーツがトップパネル、底面、ボタン面の3つになったが、ボディカラーが標準の3色に加え、5色のカスタムパーツが用意され、それぞれを個別に交換できるため、最大1536パターンの組み合わせが可能だという。

 従来モデルの上下パネルはアルミ製だったのに対し、今回は樹脂製を採用し、テクスチャー加工なども可能になったため、もう少し遊びゴコロのあるパーツなども実現しそうだ。ディスプレイやカメラもなかなかハイスペックであり、機能的にもひと通りのものを揃えているため、意外にお買い得感の高い端末と言えそうだ。


CA001(カシオ計算機)

 auとしては初のタッチスクリーンに対応した端末だ。タッチ操作はディスプレイを反転したビュースタイルで利用できる機能のみに限定されており、カメラやワンセグ、PCサイトビューアー、音楽再生などが利用できる。タッチスクリーンの感度調節がないため、指先の湿り具合いなどで操作感はかなり異なるが、ワンセグのチャンネル切り替えなど、機能を操作するときのメニューを元画像に重ねるようにレイヤー表示することで、大きなアイコンやパーツ類を操作できるようにしている。

 タッチ機能ではケータイを楽器に見立てて、画面をタッチしながら演奏ができるTouch Sessionが面白い。楽器の腕に覚えがある人にはぜひ試して欲しい機能だ。タッチ操作もなかなかよくできているのだが、個人的に秀逸だったのは「Intrecciato key(イントレチャートキー)」と呼ばれるボタンだ。拡大写真を見てもらうとわかるが、革や籐などの編み込みをモチーフにしたもので、かまぼこ形のキーを互い違いに並べている。カシオ計算機製端末はステップキーなど、薄型でも押しやすいキーを開発してきたが、今回のIntrecciato keyもかなりの出来と言えそうだ。

 昨年末にEXILIMケータイ W63CAが発売され、継続販売されていることもあり、CA001はカメラのスペックが抑えられているが、9ポイントAFやフェイスフォーカスなどもあり、5Mクラスカメラとしては十分な機能を持っている。


SH001(シャープ)

 一昨年のW52SH、昨年のW62SHのながれを組むデザインの二軸回転式ボディを採用した端末だ。注目はNTTドコモ向けやソフトバンク向け端末に搭載され、好評を得ている800万画素CCDカメラを搭載したことだ。現在のカメラ付きケータイの主流であるCMOSセンサーに比べ、感度が高く、ノイズも少ないため、暗いところでもしっかりと被写体を捉えた撮影ができ、動きのある被写体でもぶれにくいなどの特徴を持つ。

 細かいところでは、auの通常端末ではあまり例がない音声通話サポート機能として、ノイズキャンセラーやスロートーク、ボイスクリア機能などが搭載される。また、Cメールで受信したメールに返信するとき、相手のメールアドレスがアドレス帳に登録されていれば、CメールからEメールに切り替える機能も用意される。

 ボタン面がマットな仕上げとなっており、手あかも付きにくいのだが、ボタン面がフラットで、今ひとつ凹凸感が足りない印象もあった。


P001(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)

 昨年発売されたW61PやW62Pの流れを継承した端末だ。W61PとW62Pはトップパネルのデザインを変更したのみで、ソフトウェアもほぼ同じものだったが、今回はデザインのコンセプトを継承しながら、ディスプレイを色再現性の高い3.1インチのフルワイドVGA液晶に変更している。

 ボタン部のレイアウトも見直されており、レリーフキーの下のエリアを広く取ることにより、片手で操作をするときも端末を持ちやすくしたことが挙げられる。ただ、レリーフキーそのものについては、キーごとの境目がないため、使いはじめるときに文字部分を押すようにクセを付けるなど、少し慣れが必要である点は同じだ。


安心ジュニアケータイ K001(京セラ)

 ジュニア向けに機能を制限したり、通話とGPSだけを利用できるようにするなど、安心や安全機能を重視した端末だ。子どもが持つことを考慮し、ボディもコンパクトにまとめられているが、ボタンがややフラット過ぎて、他機種に比べると、少し操作感が気になった。

 子どもがケータイをカスタマイズする楽しみも考慮し、トップパネルを外し、着せかえシートをセットできるようにしている。シートは自分で絵を描いたり、雑誌を切り抜いたりなど、いろいろな工夫ができそうだ。

 新たに搭載された学参フォントは、通常の丸ゴシック体などと違い、文字の省略やデフォルメがなく、正しいかな漢字の表記が特徴。子どものケータイ所持も議論されているが、こういうポジティブな取り組みは高く評価できる。


ベルトのついたケータイ NS01(京セラ)

 新コンセプトとなるNSシリーズの一台。NSは「New Standard」を表わし、シンプルな機能に絞り込み、長く飽きのこないデザインに仕上げている。

 ボディサイズはコンパクトで、女性の小さな手にも収まるサイズにまとめている。背面にはベルトが備えられているが、これはケータイをカバンやポケットに入れて持ち歩くのではなく、常に手で持ち歩くというスタイルを提案したものだという。ボディはマットな樹脂で、ややチープな印象もあるが、手に持ってみると、非常に持ちやすく、手になじむサイズ感や質感、触感がしっくりくる。外見上、やや違和感のあるベルトもつい指を通してしまい、何となく、手に持ってしまうところが面白い。

 ベースは従来のMSM6550を採用したKCPのため、機能やスペック面での派手さはないが、それでも197万画素AFカメラを搭載し、EZナビウォークやau Smart Sports Run&Walkなど、auの人気サービスにもきちんと対応しており、おサイフケータイにも対応する。その名の通り、「New Standardらしい」端末と言えそうだ。


ケースのようなケータイ NS02(パンテック)

 NSシリーズの第二弾で、アタッシュケースのデザインをモチーフにした端末だ。トップパネルと背面パネルのパーツはマットな仕上げで、ベルトのついたケータイ NS01に近い触感を持つ。上下面ともフラットではなく、緩やかなカーブを描いたボディとなっている。

 おサイフケータイに対応しないのは少し残念だが、6段階の文字サイズ切り替えやかんたんモードを搭載するなど、実用性は十分と言えそうだ。ボタンのレイアウトが少し特徴的で、クリック感もあるのだが、[発話]ボタンと[終了]ボタンが方向キーに近すぎるため、方向キーを操作したつもりが機能が終了していたといた誤操作も経験した。レイアウトに慣れるまでは、ちょっと注意した方がいいかもしれない。


E05SH(シャープ)

 SDIOスロットを装備した法人向けの端末だ。IPX5/IPX7相当の耐水性能を持ち、ボディ周囲に装備されたプロテクターが落としたときの衝撃から端末を守る設計となっている。SDIOカードには無線LANや構内PHSが用意されるそうだが、PHSについてはネットインデックス、KDDI、シャープが共同開発したという。

 E06SHというバーコードリーダー付きモデルもラインアップされ、業務用ハンディターミナルとして活用できるが、開発を担当したのはシャープのハンディターミナルを担当している部門ではなく、他の端末と同じ携帯電話の部門が開発したそうだ。関係者によれば、基本的な仕様はW64SHをベースにしており、プラットフォームはKCP+を採用しているという。

 一般向けにもauショップなどで取り寄せ販売されるとのことで、ストレートタイプのボディの防水端末は他事業者も含め、非常にバリエーションが少ないので注目したい。

【お詫びと訂正】
 初出時、「PHSはシャープが開発した」としておりましたが、正しくは「ネットインデックス、KDDI、シャープによる共同開発」です。また、「法人向けのみの販売」としておりましたが、一般向けにも取り寄せ販売されるとのことです。お詫びして訂正いたします。


E30HT(HTC)

 法人向けに提供されるモデルで、海外では「HTC Touch Pro」として販売されているモデルをベースにしている。

 auにもようやくスマートフォンが登場したことになるが、au向けらしい機能が搭載されているわけではなく、Windows Mobile 6.1 Professional Edition向けにアプリなどを開発し、各法人向けに納入される。

 E05SH同様、auショップなどで一般向けにも取り寄せ販売されるという。


選ぶ楽しみがある個性豊かなラインアップ

 冒頭でも触れたように、auは過去1年、新プラットフォーム「KCP+」に翻弄されたことは誰の目にも明らかだろう。しかし、2008年夏モデル、2008年秋冬モデルと進んできたことでプラットフォームも安定し、今回のラインアップを見ると、いよいよ本格的にKCP+のメリットである横展開が一気に広がった感がある。プラットフォームの共通仕様の範囲が広いことで、あまり個性的な端末が出てこないのではないかと危惧されていたが、今回のラインアップを見てもわかるように、個性豊かな端末がうまく揃ってきたと言えそうだ。


 たとえば、カメラで選ぼうとすると、8メガカメラを搭載したCyber-shotケータイ S001、同じ800万画素でもCCDカメラのSH001、2008年秋冬モデルのEXILIMケータイ W63CAが候補になる。音楽は各機種ともLISMO及びLISMOビデオに対応しているが、音にこだわるなら、Walkman Phoneの2機種が候補であり、『演奏する音楽』なら、CA001という選択肢もある。映像を楽しむなら、高画質液晶を搭載したSH001やP001、有機ELディスプレイのCyber-shotケータイ S001やフルチェンケータイ T001から選べるし、3D液晶のH001で楽しむというのも面白そうだ。シンプルに使うなら、NSシリーズの2機種も十分な機能を搭載している。どれも似たり寄ったりではなく、共通部分は共通部分として持ちながら、それぞれに個別の方向性もハッキリさせているのは、ユーザーにとっても選ぶ楽しみのあるラインアップと言えるだろう。サービス面でもEZナビウォークのバージョンアップのように、より幅広い層のユーザーに使ってもらうための工夫に取り組んでいる。今回は紹介できなかったが、MYスライドビデオもカメラで撮るだけでなく、撮った写真を使う楽しみを拡げることができるサービスのひとつと言えるだろう。

 ただ、その一方で、KCP+が抱える宿題もある。2008年秋冬モデルから継続しているが、microSDメモリーカードのサポートが2GBにとどまっており、microSDHCメモリーカードにはまだ対応できていない。またモーションセンサーを搭載する端末が増えてきたが、歩数計をサポートするモデルが少なく、せっかくのau Smart Sports Run&Walkが十分に活かすことができていない。

 スマートフォンも法人向けは登場したものの、まだ個人向けがラインアップされておらず、データ通信アダプタもCFカードやExpressCard/34対応のものがラインアップされているが、USB接続のものがないなど、まだまだいくつも宿題は残されている。

 とは言うものの、現時点で、これだけの個性的な端末がラインアップされているのは、ユーザーとしても嬉しいところだ。今回発表された端末は、順次、販売が開始される見込みだ。auのユーザーは他事業者よりも比較的、買い換えのタイミングが早いとも言われているが、本誌の発表会レポートをはじめ、今後掲載される予定の各機種の開発者インタビュー、レビュー記事などを参考に、自分の“ライフスタイル”にフィットするケータイを選んで欲しい。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/

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(法林岳之)
2009/01/30 21:16

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