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SDカードを活用できる実用系feel H"「KX-HS100」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


SDメモリーカードスロット内蔵PHS

 昨年末に発売されて以来、たいへんな人気を博しているDDIポケットのfeel H"。その対応端末第3弾となる「KX-HS100」が九州松下電器から発売された。対応端末第1弾となった三洋電機製「RZ-J90」とはひと味違ったテイストを持つ端末だが、製品を入手することができたので、レポートをお送りしよう。


SDメモリーカードスロット内蔵PHS

KX-HS100

 九州松下電器/DDIポケット『KX-HS100』。サイズ:40(W)×124(H)×20(D)mm、81g。メタリックシルバー(写真)をラインナップ。
 昨年11月にサービスが開始されたDDIポケットのfeel H"は、どの販売店でも好調な売れ行きを示しており、筆者の回りでも話題になることが非常に多い。携帯電話からの乗り換えユーザー、買い増しユーザーも増えており、H"で獲得したシェアを着実に拡大しているようだ。しかし、その半面、端末不足は深刻な状況にあり、第1弾端末となった三洋電機製「RZ-J90」は相変わらず品切れのショップが多い。特に、機種変更については予約を受け付けていないところもあるようだ。

 今回紹介する九州松下電機製「KX-HS100」は、RZ-J90に続くfeel H"第3弾の端末だ。SDメモリーカードスロットを内蔵し、SDメモリーカードやマルチメディアカードにメールや着信メロディ、画像などが保存できることを特長としている。SDメモリーカードは同じ九州松下電器が販売する「Pocket・Eカラー」やシャープの「ザウルス MI-E1」をはじめ、急速に対応製品が増えてきており、これらの機器とのデータのやり取りも可能になる。

 また、KX-HS100は対応端末第1弾となった「RZ-J90」が折りたたみデザインを採用しているのに対し、ストレート型デザインを採用するなど、端末としての方向性もかなり異なる。市場ではKX-HS100と同時期に、東芝製「DL-M10」も発売されており、いよいよfeel H"の選択肢も広がってきた感がある。


スタンダードなストレート型ボディを採用

背面

 背面には大きなスピーカーが備えられる。デザイン処理はされているが、かなり目立つ印象だ。
 基本スペックやサービス内容などについては、すでに掲載されている「ケータイ新製品SHOW CASE」やDDIポケット及び九州松下電器の製品情報のページなどを参照していただきたい。ここでは筆者が実機を試用した印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディは前述のように、スタンダードなストレート型を採用している。昨年来、折りたたみ式の人気が急上昇しているが、折りたたみ式を支持しているのはバッグに端末を入れることが多い主に女性であり、スーツを着ているビジネスマンにとっては胸ポケットに入れられるストレート型の方が便利だ。

 右側面には超小型デジタルカメラユニット「Treva」も装着できるイヤホンマイク端子、データ通信に利用できるデータ通信端子、左側面にはSDメモリーカードスロットを備える。SDメモリーカードスロットはゴム製のフタでカバーされており、装着したカードはストッパーで押さえられる構造になっている。通常の端末と変わらないボディサイズで、SDメモリーカードスロットを備えたのはなかなか見事だ。なお、SDメモリーカードについては、本日掲載の「ケータイ用語の基礎知識」で詳しく解説されているので、そちらも合わせてご覧いただきたい。


液晶

 液晶ディスプレイはフロントライト式を採用。全体的に見て、下半分がわずかに暗く見える。
 前面から見るとスマートにまとめられたボディデザインだが、逆に少々いただけないのが背面のデザインだ。背面にはハンズフリー/モニターにも利用できるスピーカーが搭載されているのだが、これがかなり目立つ。feel H"ご自慢のfeelsoundを楽しむには少しでも大きなスピーカーが必要だったのかもしれないが、ちょっといびつな印象は否めない。

 液晶ディスプレイは1.5インチのSTNカラー液晶を採用している。最大256色表示が可能で、光源はRZ-J90と同じフロントライト式を採用している。フロントライト式は暗いところでも明るいところでも見やすいのが特長。RZ-J90ではフロントライトを配置する関係上、液晶パネル部分がやや奥まった印象があったが、KX-HS100はそれほど奥まった感じはない。表示エリアは実測値で24.5×29.5mmとなっており、RZ-J90に比べると、ひと回り小さいが、受信メール画面などでは表示を10文字×10行、8文字×7行、6文字×6行、6文字×3行の4段階に変更することができる。




ボタン

 ボタンは中央にマルチファンクションキーを備え、操作性も良好。マルチファンクションキーの操作感の軽さがやや気になる。
 ボタンデザインは本体中央に位置するマルチファンクションキー(H"ボタン)を備え、左右には状況に応じて割り当てられる機能が変化するソフトキーを配している。マルチファンクションキーは上下左右の4方向と奥方向の5つの動作が可能だが、動作は非常に軽く、奥方向も押しやすい。ただ、あまりにも動作が軽すぎる半面、カバンやポケットの中で動いてしまうことがある。通常時の上下動作が着信音量に割り当てられているため、カバンに入れている内に、最大音量になってしまうというケースも考えられる。通常時の左側のソフトキーが「機能」キーに割り当てられているので、長押しをして、簡易ロックの状態でポケットやカバンに入れることを忘れないようにしたい。ボタンはいずれもやや小さめだが、ボディよりも適度に突出しており、操作性は見た目ほど悪くない。


SDカードでICレコーダー

 一方、機能面についてだが、まず着信メロディはfeel H"のセールスポイントの1つとなっているfeelsoundが楽しめる。今やfeel H"のテーマソングとも言えるほどおなじみとなった「幻想即興曲」(ショパン)も収録されているが、RZ-J90とまったく同じデータを利用しているわけではなく、原曲と同じように、出だしの部分にしっかりとためがある。ただ、幻想即興曲以外にこれといった着信メロディがないのは残念なところだ。今後は各社のテレビCMなどで使われてきた曲などをfeelsoundにして、収録するといったアレンジも期待したい。

 また、九州松下電機製端末では従来モデルからサポートされていたが、KX-HS100でもPalm Vx及びIBM WorkPad c3と専用ケーブルで接続することにより、データ通信を行なうことができる。今回は試すことができなかったが、KX-HS100では従来モデルの約1.7倍に相当する最大32kbpsでのデータ通信を可能にしている。


SDメモリーカードスロット

 本体左側面にはSDメモリーカードスロットを装備。着脱はストッパーがあるため、やや慣れが必要だが、ボディサイズが標準的なのは見事。
 さて、注目のSDメモリーカードスロットについてだが、メールや画像、着信メロディの保存エリアとして活用できる。たとえば、64MBのSDメモリーカードを装着した場合、メールなら4000件(1件あたり全角250文字で計算)、着信メロディなら最大100曲(1曲あたり最大10KB)、画像なら900枚(1枚あたり最大10KB)まで保存できる。この容量の大きさはヘビーユーザーにはうれしいだろう。

 しかし、意外に便利そうなのが音声録音、つまり「ICレコーダー」としての機能だ。KX-HS100にSDメモリーカードを装着し、録音をスタートすれば、64MBのSDメモリーカードに約4時間、32MBのSDメモリーカードに約2時間、16MBのSDメモリーカードに約1時間の会話を保存することができる。保存したデータは本体背面のモニタースピーカーなどを通じて再生することができ、途中で分割するなどの編集作業もできる。録音したデータを再生できるのはKX-HS100のみだが、会議などを頻繁に行なうビジネスマンには便利な機能だ。

 この他にもSDメモリーカードとしては、デジタルカメラなどで撮影したDCF形式の画像データを保存して、KX-HS100でメールに添付して送信したり、家庭用パーソナルFAXにKX-HS100の電話帳データを取り込むといった使い方もできる。

 ただ、市場に流通しているSDメモリーカードは32MBと64MBタイプが主流で、それぞれの実売価格は1万3000円、2万円程度となっている。KX-HS100にはSDメモリーカードが付属していないため、SDメモリーカードの機能を使うには、いずれかのSDメモリーカードを追加購入しなければならない。32/64MBのSDメモリーカードをもう少しコストダウンさせるか、もう少し小さいサイズで買いやすい価格帯のSDメモリーカードを販売してもらいたい。


実用性重視のビジネスマンにおすすめ

 最後に、いつものように「買い」の診断をしてみよう。feel H"対応第3弾として登場したKX-HS100は、第1弾端末のRZ-J90と非常に好対照な存在だ。

 まず、「feel H"は面白そうだが、折りたたみ式はあまり好きじゃないし、もっと他の便利な機能に期待したい」というユーザーなら、これは真っ先に検討したい端末だ。特に、ICレコーダーの機能などはビジネスユースにも十分役立つものであり、Palm Vxとの専用ケーブルによる接続もモバイル環境に便利だ。デザイン的にも背面を除けば、スマートにまとまっており、ビジネスマンがスーツのポケットに入れて持ち歩いても違和感はなさそうだ。

 逆に、H" LINKのコンテンツ閲覧やメール機能を重視するというのであれば、これは他機種とじっくり比較することをおすすめしたい。フォントサイズが4段階に変えられるとは言え、やはり、この液晶ディスプレイのサイズは大きいとは言えないからだ。

 しかし、端末としての実用性は十分にあり、使い方次第ではいろいろと活用できることは間違いない。KX-HS100は派手なお遊びの機能よりも実用性を重視したいユーザーにおすすめしたい端末だ。



URL
  KX-HS100商品情報(DDIポケット)
  http://www.ddipocket.co.jp/syohin/i_kx-hs100.html
  KX-HS100商品情報(九州松下電器)
  http://www.kme.panasonic.co.jp/pana/hmp/hs100hf300/index.html


関連記事
KX-HS100 (九州松下)
feel H"第2弾。九州松下、SDメモリカードスロット搭載端末


(法林岳之)
2001/01/10 00:00

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