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矢野経済研究所は、同社の新刊マーケットレポート「2002-2003 モバイルコミュニケーション総市場」の発刊に伴ない、移動体通信市場における2001年度の動向や2002年度の予測、カメラ付きや3G携帯電話などに関する調査結果を発表した。調査は今年４月～６月にかけて、国内の通信事業者各社と携帯電話端末メーカー、およびその他関係各社の計34社に面接・電話取材で行なわれた。 調査によると、2001年度の携帯電話・PHSの国内出荷は、2000年度に出荷された過剰在庫の整理や新規加入者の減少が見られた一方、カメラ搭載モデルの登場や折りたたみモデルの普及などにより、対前年比93.2％で4520万台の実績。2002年度は、新規加入の減少が見込まれる一方、カメラ搭載モデルが市場を牽引し、3Gサービスが広がりを見せることから、同社では対前年比92.8％で4195万台の出荷を見込んでいる。 2001年度の出荷実績をメーカー別に見ると、折りたたみ型や大画面液晶が市場から評価された結果、NECが26.1％のシェアで首位に踊り出、次いで松下通信工業が端末のトラブルや主力モデルの販売伸び悩みなどでシェア16.4％の２位に転じ、J-フォンの写メール対応機が好評だったシャープがシェア9.3％で３位に位置している。 2001年度は、J-フォンの写メールがヒットした影響で600万台のカメラ搭載モデルが出荷されたが、2002年度にはNTTドコモやKDDIがカメラ搭載モデルを本格投入したことや、撮影した動画をやり取りできるビデオメールに対応したサービスの登場も予想されるため、下半期から主力モデルに続々とカメラが搭載され、出荷台数は対前年比260％の2300万台を記録する事が予想されるという。 今後は搭載カメラモジュールの高画素化や液晶モニターの高精彩、高画質化、搭載メモリの大容量化をはじめ、通常のデジタルカメラ同様、「ハイエンド型」で高画質化競争が進む一方、10万画素程度の「ベーシック型」の２極化が進むことが予想されるという。 2002年度のサービス加入動向については、2001年度をさらに下回り、2003年３月期は8184万加入が見込まれ、加入者の奪い合いが予想されることから、今後は２台目回線の複数加入やシルバー層・若年層世代の開拓、「マシン to マシン」を対象とした市場開拓などが要求される。 3Gサービスについては、2001年10月に開始されたドコモのFOMAで契約が伸び悩んでいることから、W-CDMA方式の出荷台数も伸び悩んでいる状況。一方、KDDIのCDMA2000 1xは順調なスタートを切り、今年６月下旬には加入者が100万に達している。端末の市場価格が低く抑えられた事もプラスに働き、来年３月にサービスを終了するPDC方式の利用者が移行する分も上乗せが期待されている。これにより、2002年度の3G携帯電話の出荷は、CDMA2000 1xを中心に推移すると見られている。 なお、同社では、８月29日に都内で「カメラ搭載携帯電話の製品展開と今後の市場動向について」と題したセミナーを主催。同セミナーでは、今回発表された調査結果の内容も絡め、国内通信機器メーカーの担当者や、本誌の連載でもおなじみの法林岳之氏などが招かれ、カメラ付き携帯電話に関する講演が行なわれる予定。会場は「中野坂上セントラルビル」（中野区本町2-46-2）17Ｆ。募集人員は100名で、受講料は１万円。詳細は同社のWebサイト上で順次告知される。 ・ ニュースリリース http://www.yano.co.jp/press/2002/020712.htm ・ 矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ （松下 麻利） 2002/07/12 17:00 | ||||||
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