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Palm OS 5を搭載した新型CLIE「PEG-NX70V」

PEG-NX70V
 ソニーマーケティングは、都内で記者会見を催し、Palm OS搭載のPDA「CLIE」の新たなフラッグシップモデルとして31万画素カメラを内蔵した「PEG-NX70V」およびカメラ無しの「PEG-NX60」を発表した。価格はオープンプライスだが、「PEG-NX70V」が6万円前後、「PEG-NX60」が5万円前後になる見込み。いずれも10月19日に発売予定。


「ウイングスタイル」はネットワークに羽ばたく翼

 今回の発表にあたり開催された記者会見では、ソニー モバイルネットワークカンパニープレジデントの木村啓治氏が「今年はカメラ」と述べた上で「ハンドヘルド端末としてユニークな提案ができた」と自信を見せ、「Palm OS 5という、より強力なプラットフォームを搭載した1号機」としたほか、「“ワイヤレスに繋ぐ”という世界に新たなソリューションや製品をどんどん提案していきたい」と意気込みを語った。また米PalmSource社長兼CEOのDavid Nagel氏から「今回のNXシリーズは業界を牽引する商品になる」とのビデオメッセージも寄せられていた。

 製品概要の説明を行なったソニー ハンドヘルドコンピュータカンパニー プレジデントの吉田雅信氏は「ウイングスタイルはネットワークに羽ばたく翼」と、そのデザインを形容し、「CPUがさらに強力になったことで、動画再生などエンターテイメント部分でパワーアップした」と先代モデルからの違いをアピールし、「ビジネスで利用するユーザーは当然はずせないが、週末にも使ってもらいたい」と、幅広いユーザー層をターゲットにしていくと述べたほか、「CLIEという名称は“Communication Linkage for Information & Entertainment”という意味だったが、これからは”Create Lifestyle with Innovation and Emotion”という意味も持たせる」と生活をより豊かにできるデジタルデバイスとして展開していきたいと語った。


米PalmSource社長兼CEO David Nagel氏 これからは”Create Lifestyle with Innovation and Emotion”

CFカードスロットを搭載し、無線LANやPHSカードによる通信も

 上位機種の「PEG-NX70V」と下位機種の「PEG-NX60」はカメラの有無だけが違いとなっているだけで、他の性能は同等。同じ「ウイングスタイル」デザインの先代モデル「PEG-NR70」と同様にディスプレイだけを露出しながら使えるほか、ハードウェアキーボードも搭載されているため、柔軟なスタイルで利用できる。閉じた状態での大きさは136×72.3×23.5mm(高×幅×厚)で、重量は約220g(スタイラス含む)。バッテリーにはリチウムイオンポリマー充電池が採用され、バックライトを切った状態で1日30分、PIM機能を利用する程度であれば約10日間、動画再生は2~3時間駆動する。

 CFカードのType2スロットが装備されているため、「PEG-NR70」に比べ、厚みが増している。DDIポケットやNTTドコモのCF型PHS端末にも対応しており、記者会見後にはYahoo! BBのホットスポットおよびDDIポケットの端末を利用した通信環境がデモ展示されていた。


同時発売される無線LANカード「PEGA-WL100」 PHS端末を利用したデモは32Kbpsで行なわれていた。

 Palm OS 5を搭載したことで、CPUは、これまでのCLIEに採用されていたDragonBallからIntel製「PXA250 200MHz」に変更されている。メモリは16MB(ユーザー領域は11MB)のDRAMおよび16MBのROMを内蔵。6万5536色まで表示できる320×480ドットの低温ポリシリコンTFTカラーディスプレイを搭載しているほか、「NX70V」は、ヒンジ部分に有効画素数31万画素のCMOSカメラを内蔵しており、VGA(640×480)サイズまでの画像を撮影できる。また、MPEG-4での動画撮影も可能となっている。

 本体上部にはメモリスティックスロットのほか、赤外線ポート、CFカードスロットを装備。左サイドにはイヤホンジャックやジョグダイヤルなどが配されているほか、左サイドのヒンジ部分には動画撮影や静止画撮影などに用いられるボタンも装備されている。

用意されるボディカラーはサテンシルバー1色だが、限定モデルとしてグラファイトグレーも提供される。


ディスプレイを露出した状態 完全に開いた状態。ずっしりとした手応え

左サイドにはジョグダイヤルなど。ヒンジ部分にキャプチャーボタンが配されている

本体上部。CFスロットのほか、メモリスティックスロットも装備されている 本体底部。スタイラスは「NR70」と同様に下から差し込む

キー配列 「CLIE Launcher」。マクロメディアのFlash Playerもバンドルされている

 このほか、CLIE用にカスタマイズされた「NetFront v3.0 for CLIE」や新たに設計されたランチャーソフト「CLIE Launcher」、日本語変換ソフト「ATOK for CLIE」や静止画撮影ソフト「CLIE Camera」など、豊富なソフトウェアも用意されている。パッケージにはUSBクレードルやヘッドホンなどが同梱される。

 また周辺機器として、IEEE802.11bに準拠した無線LANカード「PEGA-WL100」も発売される。こちらの実売価格は1万円前後になる見込みで、大きさは55.4×42.8×5.9mm(高×幅×厚)で重量は約14g。またステレオスピーカーを内蔵したクレードル「PEGA-SPC100K」(1万5000円前後)も同時発売される。

 同社では「PEG-NX70V/60」の発売を機に、CLIE向けポータルサイト「CLIE Style」も10月19日にオープンし、電子書籍やソフトウェアの販売を行なっていく。同サイトでは、交通機関検索やグルメ情報などのコンテンツも提供される。このほか、日本マクドナルドとYahoo! BBとタイアップして、都内店舗において「NX70V」を無料貸与してモバイルブロードバンド環境を体験できるイベントを10月5日から実施する。店舗ごとにイベント実施日時が異なるため、詳細は同社サイトで案内される。


スピーカー内蔵クレードル「PEGA-SPC100K」 無線LANカード「PEGA-WL100」を挿す

・ ニュースリリース
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200210/02-1002/
・ 製品情報
  http://www.sony.jp/CLIE/
・ CLIE Style(10月19日~)
  http://www.cliestyle.net/


(関口 聖)
2002/10/02 18:12

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