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エイチアイ、ARMのPrimeXsys上で3Dポリゴンエンジンをデモ

 英ARMは、製品開発に必要となるハードウェアや、ソフトウェアおよび検証ツールを提供するオープン・アーキテクチャ・プラットフォーム「PrimeXsys」に対応したサードパーティ向けのコミュニティ「PrimeXsys コミュニティ・プログラム」を設立したと発表した。

 これに伴なって11日、同コミュニティに参加するエイチアイが、アームのマーケティング・ディレクター岩瀬貞二郎氏とともに、携帯端末向け3Dポリゴンエンジン「Mascot Capsule Engine Micro3D Edition」のデモンストレーションを行なった。


ARMの岩瀬氏、「プラットフォームで開発期間を短縮」

 はじめに、ARMの岩瀬氏より「PrimeXsys コミュニティ・プログラム」について説明があった。「PrimeXsys コミュニティ・プログラム」は、英ARMのオープン・アーキテクチャ・プラットフォーム「PrimeXsys」に対応するサードパーティ向けのコミュニティ。PrimeXsys上で動作するミドルウェアやOS、検査用ツールのコミュニティを作ろうというもの。オープンとともにAccelerated Technology,Inc.や、Ericsson Technology Licensing ABなどサードパーティ10社が参加するという。岩瀬氏は、今回エイチアイとともにデモンストレーションを行なった理由を、エイチアイが日本に本拠のある企業では唯一、開始当初より同コミュニティに参加するからだと説明した。

 また岩瀬氏は、英ARMがプラットフォームを発表した理由として、「我々がコアだけでなく、周辺をプラットフォーム化することによって、シリコンパートナーの開発期間の短縮につながる」としており、「開発プロセスの微細化に伴なって、シリコンパートナーは失敗が許されない」とも語った。同氏によると「同プラットフォーム上でミドルウェアなどを開発する企業であれば誰でも参加できる」とし、競合する企業の参加も可能で、「各パートナーが独自に開発したプラットフォームを食いつぶすような真似はしない」と続けた。同プラットフォームを利用することで、各シリコンパートナーの選択肢が増えればいいという。同氏はこのほか、ARMが“常にオープン”であることを強調した。


PrimeXsysのプラットフォーム。コミュニティに参加する企業は同じプラットフォームを使っている。Prime9で動作している。 海外製の端末で3Dダンジョンを移動しているところ。エイチアイのアンケートでは、海外でビデオゲームの需要は高いという。

3Dポリゴンエンジンをデモンストレーション

 続いて、エイチアイの代表取締役社長の川端一生氏より、同社の携帯端末向けの3Dポリゴンエンジン「Mascot Capsule Engine Micro3D Edition」の概要などが語られた。

 同氏はまず、PrimeXsysのコミュニティに参加した理由を。エイチアイではこれまで、3Dポリゴンエンジンを作る上で技術情報を得たり、サポートを受けながら作り上げていくといった枠組みが無かったとし、「ARMコアを採用しているメーカー向けにソフトを開発する上で、正式なサポートを受けて提供したい」と語った。また同氏は、現在バージョン3までリリースされている3Dポリゴンエンジンがバージョンアップをした際に、ARMの意見や情報を得ることで製品開発ができる利点を語った。

 川端氏は、ARMのプラットフォームを使うことで、今まで手探りで行なわれていた開発が楽になったとし、ARMからアドバイスを受けたことにより実際に処理速度が上がったことを明らかにした。

 「Mascot Capsule Engine Micro3D Edition Ver.3」では、これまでの縦軸・横軸の概念に奥行きが加わったことにより、遠近のある3Dグラフィックの表示が可能になったという。デモンストレーションでは、ARMのプラットフォーム上で動作する同3Dポリゴンエンジンを使った3Dグラフィックが紹介され、人気ゲーム「バイオハザード」風の3Dダンジョンなどが紹介された。このほか、レースゲームや3Dで表示された地図などのデモも海外製の実際の端末を使って披露された。

 実機によるデモンストレーションをしている際、川端氏は「これは動画ではなく、実際に描画し、リアルタイムでレンダリングしている」とアピール。同氏はこのほか、「イメージ的には、プレイステーション程度の表示が可能」だとしており、「バージョン3になってからゲーム会社の人の目が変わり、“これならゲームを作ってみよう”と言っていた」といったエピソードなども語られた。


飛行機が山あいを飛んでいる。リアルタイムで描画・レンダリング。 低解像・高解像度など、CPUにかかる負荷を使い分けられる。

・ ARM(日本法人)
  http://www.jp.arm.com/
・ エイチアイ
  http://www.hicorp.co.jp/

英ARM、モバイル機器向けの新型コアなどの技術説明会
エイチアイ、ケータイ向け3Dポリゴンの新バージョン


(津田 啓夢)
2002/11/11 19:44

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