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3D利用の新たなマーケット創造を目指す「3Dコンソーシアム」発足

3Dコンソーシアム会長を務めるシャープ モバイル液晶事業本部 本部長の片山 幹雄氏
 伊藤忠商事、NTTデータ、三洋電機、シャープ、ソニーの5社は、奥行きや立体感を表現する3D表示技術の普及を推進する団体「3Dコンソーシアム」を設立した。発起人となる5社が幹事を務め、同団体の意義に賛同した71社が正会員として参画している。

 5社は、「3Dコンソーシアム」設立にあたり、4日都内で記者会見を開催し、今後の活動や意気込みなどが説明されたほか、各社から様々な技術のデモンストレーションが披露された。


標準技術の策定は行なわず、新市場活性化を目指す

 「3Dコンソーシアム」は、広告や教育、医療など様々な分野において、3D表示技術の普及を目指す団体。会長は、シャープ モバイル液晶事業本部 本部長の片山 幹雄氏が務める。記者会見では、片山氏から「3D技術は、アーティストのプロモーションビデオなどの広告分野のほか、電子図鑑のような教育分野など、様々な業態で役立つだろう。日本の強い技術を結集して、新たな市場を立ち上げたい」との意気込みが語られた。

 新団体が果たす役割については、事務局長を務めるシャープ 国内営業本部 SST推進センター所長の谷口 実氏より説明が行なわれた。同氏によると、「3Dコンソーシアムは、技術開発や仕様策定、ビジネスの仲介は行なわない。あくまで各社の所有する技術を持ち寄り、市場を活性化させる場として活動していく。3Dコンソーシアムとして推奨する仕様、技術は選定していく予定だが、あくまで何が良いか話し合い、推奨する場である」という。


会見冒頭に、2人組の新人アーティスト「ARP」(ZOMBA RECORD JAPAN)のデビュー曲が披露された。ARPのプロモーションビデオは2台のカメラを利用して3D表示が可能だという。なお、会場でも2台のカメラで撮影され、その模様が会場内のパソコンにリアルタイムで配信され、パソコン上で立体表示されていた。 記者会見に出席した各社代表。左からソニー 溝口氏、シャープ 谷氏、三洋電機 田端氏、片山会長、谷口事務局長、NTTデータ 加藤氏、伊藤忠商事 中川氏

様々な市場での利用を推進していくという 3Dコンソーシアムは、3D描画技術普及のために活動していく

VGAザウルスに3Dディスプレイを搭載した試作機なども展示

 会場では、今後各分野での利用を推進していく技術などが各社から展示されていた。シャープは、VGA表示が可能なLinuxザウルス「SL-C700」に視差バリアを搭載したディスプレイを装備させた試作モデルを展示。2Dコンテンツを奥行きのある3Dで表示したり、端末上でリアルタイムに左右の目それぞれで見えるインターレース画像をエンコードしたりするデモンストレーションが行なわれていた。

 シャープでは、3D表示対応端末として「SH251iS」を提供しているが、今回展示されていたLinuxザウルスに搭載されているものと原理的には同じディスプレイで、「SH251iS」同様にキー操作によって2D表示と3D表示の切替が行なえるようになっていた。

 担当者によると、あくまで試作機とのことで、実際に3D対応液晶を搭載した「SL-C700」が出荷されるかどうかは未定。


SL-C700をベースにした試作モデルを展示 リアルタイムエンコードのデモ。ソフトウェアによる処理とのこと

 このほか、ソニーはデジタルカメラに装着することで、3D用画像を撮影できるアタッチメントを披露。鏡を利用しているようだが、試作品とのことで内部構造については明らかにされなかった。このアタッチメントを利用して撮影すると、デジタルカメラでは画面を左右に2分割したような状態での撮影となる。パソコンに取り込み、専用ビューワーで閲覧すると、同じ風景の画像が2枚のレイヤーとして、ややズレた状態で画面に描画される。さらにパソコンのディスプレイ上部から伸びるアームに備え付けられた専用フィルターを通して見ることで、奥行きがあり、立体的な画像として閲覧できる。

 画像のフォーマットなどやビューワーソフトなども開発段階とのことで、詳細は未定。担当者は、「このように撮影した画像を取り込み、3D画像として携帯電話やCLIEに転送できるようにしたい。パソコンは各端末を繋ぐ中心の存在となる」と熱く語った。


ソニーは、手軽に3D画像を撮影できるアタッチメントを展示 試作モデルのアタッチメント

覗き込むと鏡が見えたが、内部の詳細な構造は不明 デジタルカメラのディスプレイには左右2分割された状態で表示

パソコンに画像を取り込み、専用ビューワーで表示。画像は手ぶれではない。なお、パソコンのディスプレイも3D表示に最適化された試作品 フィルターを通して撮影。肉眼では、奥行きがあるように視認できた

3D対応液晶を搭載した携帯電話端末上でデモ
 携帯電話関連では、3D描画エンジンを提供しているエイチアイもデモを展示。こちらは、視差バリアを搭載した3D対応液晶を装備した端末上で、エイチアイの3D描画エンジン「Mascot Capsule Engine」の機能拡張版が動作しており、従来どおりの3Dグラフィックのリソースを、視差バリア搭載の3D液晶向け画像としてリアルタイムでレンダリングするデモが披露されていた。担当者は、「技術的には、現在提供中のMascot Capsule Engineとほぼ変わらないが、このエンジンが搭載されることによって、コンテンツプロバイダは従来通りのコンテンツを提供しても、3D描画が可能になる」と述べた。



URL
  伊藤忠商事
  http://www.itochu.co.jp/
  NTTデータ ニュースリリース
  http://www.nttdata.co.jp/release/2003/030400.html
  三洋電機 ニュースリリース
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0303news-j/0304-1.html
  シャープ ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/030304.html
  ソニー ニュースリリース
  http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200303/03-0304/
  エイチアイ
  http://www.hicorp.co.jp/

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(関口 聖)
2003/03/04 18:27

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