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マイクロソフト、車載機器向けプラットフォームの最新版を発表

 マイクロソフトは24日、都内で車載情報端末の開発者向けカンファレンス「Microsoft Automotive & Telematics Conference in Japan」を開催し、その中で車載機器向けプラットフォームの最新版「Windows Automotive 4.2」を発表した。

 カンファレンスには、プロダクトデベロップメント リミテッド ITS戦略統括部 統括部長の平野元幹氏や、米マイクロソフトのAutomotive Business Unitのゼネラルマネージャーであるボブ・マッケンジー氏などが登場し、その概要や今後同社が車載PCを通じて提供するサービスの理念などが紹介された。


開発期間の短縮が見込める

マイクロソフト プロダクトデベロップメント リミテッド ITS戦略統括部 統括部長の平野元幹氏
 今回発表された「Windows Automotive 4.2」は、自動車に搭載されるカーナビゲーションシステムや車載機器向けに提供されるプラットフォーム。同社の組込向けOS「Windows CE.NET」をベースにしている。これまでのバージョンでは、「Windows CE for Automotive」という名称だったが、今回の新バージョンでは名称が変更された。

 同プラットフォームでは、ユーザーインターフェイスの開発期間の短縮が見込める「Automotive User Interface」を採用。運転しながら操作するという他のジャンルには無い条件が前提となる車載機器において、操作全般を幅広く統括する仕組みになっている。単純に見た目だけの設計ではなく、画面遷移や各機能の連携に深く関わっており、「メーカーごとのデザインにこだわりながら、開発工数の1/3を占めるユーザーインターフェイスの設計を短縮できるほか、プログラマーだけではなく、デザイナーも設計できるもの」(平野氏)になっているという。

 ソフトウェアとして、Internet Explorer 6相当のブラウザコンポーネントやWindows Media Playerを搭載。また、音声認識合成標準インターフェイスの「SAPI(Speech API)」や突然電源が落ちてもデータを守る「Transaction safe FAT」などが新たな機能として採用されている。このほか、Bluetooth 1.1や無線LAN、IEEE 1394など各種通信方式に対応。SIP方式によるVoIP機能やインスタントメッセンジャー機能などをサポートしたほか、.NET Compact Frameworkも組み込まれている。

 OSや各ソフトウェアの起動時間の短縮化が求められることに対して、平野氏は「起動時間は、ハードウェアに依存してしまうもの。マイクロソフトから何らかのコンポーネントを提供するのは難しい」としながらも、設計する上でのガイドラインを策定していくとしている。


「Windows Automotive 4.2」で追加される新機能 AUIは操作全般を幅広く統括している

別の場所にいる携帯電話や他のドライバーとコミュニケーション

コンサルティング本部 プリンシパルコンサルタント 若山英巳氏
 製品概要が発表された後、コンサルティング本部 プリンシパルコンサルタント 若山英巳氏によって「Windows Automotive 4.2」を搭載した試験機を用いたデモンストレーションが披露された。

 会場にはサーバーが設置され、車載機器から仮想のレストランを予約したり、自宅から出発する直前という設定で家庭の無線LAN経由で映像をダウンロードして、車載機器上で再生したりするなどのデモが行なわれた。

 また、車載機器2台と携帯電話を用いたインスタントメッセージ機能のデモでは、各端末のディスプレイ上に、“運転中”などのユーザーの状態が表示され、携帯電話から車載機器側にテキストメッセージが送信されると、人工音声で読み上げられていた。

 質疑応答の際に「同様のサービスは携帯電話で実現されているが、どのように対応していくのか」という質問に対して、マイクロソフトは「スピーカーや大きめのディスプレイ、そして空間という携帯電話には無いものを車載機器は活かせる。ただ、競合するのではなく、いつでもどこでも同じ情報をやり取りできることを目指しており、パソコンや携帯電話との連携が重要」とした。


車載機器のメニューからレストランを予約するデモ 予約情報はサーバーに送られ、予約が完了する。

情報を受け取るサーバー側の操作を間違えて、予約を断ってしまう一幕も

インスタントメッセージ機能のデモにおいて、携帯電話から見た他のユーザーの状態 車載機器に宛ててメッセージを送信

メッセージが到着すると画面上に表示されるとともに、音声読み上げも行なわれた もう一方の車載機器と音声でコミュニケーションするというデモも披露された

ACCESS、車載機器向けブラウザを展示

今回はノートパソコン上で動作していた新ブラウザ。画面下部にタブがあり、横幅が自動調整される機能を搭載
 会場では、「Windows Automotive」関連の機器などが各企業から出展されていた。そのなかで、情報家電や携帯電話などにブラウザを提供しているACCESSが、車載機器向けブラウザ「NetFront for Automotive」を展示していた。

 昨年同社では、現状多くのカーナビゲーションで利用されているOS「μITRON」向けのブラウザを発表しているが、今回展示されていたものは、「Windows Automotive」バージョンになる。画面下部にタブが設けられ、複数のサイトを手軽に閲覧できるようになっている。

 ベースが「NetFront」ということで、HTTPをはじめとした各種プロトコルをサポートしているほか、画面領域が限られる車載機器向けとなるため、横幅を自動的に縮小する機能を備えている。縮小されても文字が重なったり、崩れたりしない独自のアルゴリズムが採用されているという。同製品は今夏にも出荷される予定。



URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases03/042403_WA42.asp
  Microsoft Automotive & Telematics Conference in Japan
  http://www.microsoft.com/japan/automotive/pressevents/events/
  ACCESS
  http://www.access.co.jp/


(関口 聖)
2003/04/24 16:34

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