その一方で、TD-CDMAは上下非対称の通信速度の設定にも柔軟に対応できるのが特徴。ADSLのようなインターネット接続サービスに向いており、今回の実験では、加入者側のデバイスとしてモデム型またはPCカード型の端末が使用される。3Gとは言っても、当初はインターネット接続用を想定したサービスを狙うかたちだが、IPWirelessのTD-CDMAシステムは遅延が少ないとしており、ゆくゆくはVoIPによる定額制通話サービスも考えられるという。
なお、実験で検証されるシステムは、欧州の3G標準規格で、IMT-2000の中のTD仕様のひとつでもある「UMTS TDD(Universal Mobile Telecom System Time Division Duplex)」準拠のもの。IMT-2000でTD用に割り当てられている2,010~2,025MHz帯が使われる。この周波数帯のTD-CDMAシステムは、加入者側のデバイスも含めてすでにIPWirelessによって製品化済みであり、事業化決定後も速やかに供給可能だとしている。