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DDIポケット、セット割引やネットワーク向上で増収増益を

DDIポケット 取締役 経営企画本部長の喜久川 政樹氏
 DDIポケットは23日、2003年度下期〜2004年度上期にかけて展開する事業内容に関する説明会を都内で開催した。プレゼンテーションは、同社取締役 経営企画本部長の喜久川 政樹氏から行なわれた。加入者数など同社の現状分析から、今後発展するために実施される施策が明らかにされたほか、高度化PHSや新型の音声端末に関する動向についても触れられた。


まずは加入者数を再び300万に

同社ユーザーを4種類に分類したデータ。ARPUなども示されている
 電気通信事業者協会(TCA)が毎月発表している携帯・PHS加入者数をカウントしたデータによれば、2003年9月末時点でのDDIポケットの総加入者数は2,937,900人。一時は300万人を突破していたが、最近は徐々に減少する傾向にあり、伸び悩んでいる状態だ。

 喜久川氏によれば、現在の加入者のうち、約120万人が音声端末を利用している個人ユーザーで、データ通信端末を利用している個人ユーザーが約90万人。また、法人ユーザーでは、音声端末が約30万人で、データ通信が約60万人となっている。個人・法人を区別せずにデータ通信および音声通信に分類すれば、それぞれ同数の約150万人程度に利用されていることになる。

 また、喜久川氏は、2001年4月〜2003年7月までの加入者を伸びを示したグラフを披露。法人ユーザーでは、音声端末はわずかな増加だが、データ通信が約4倍に伸びている。また個人ユーザーでもデータ通信が約4.5倍と順調な伸びを示しているが、音声端末はほぼ半分と大幅な減少を見せている。

 同氏は「加入者全体では微減となった一方で、法人のニーズを開拓し、新たなマーケットを生み出したことで、DDIポケットは減収増益になった。今後は増収増益を目指していく」と明快な目標を掲げた。そのために必要な対策として、同氏は「ITに注力する企業以外にも、一般企業でモバイル通信の普及を進める」「個人ユーザーのデータ通信を再活性化する」「音声端末の減少傾向を食い止める」という3点に注力していくと述べた。しかしながら、音声端末への対策に関しては、「今は守りの状態」(喜久川氏)とのことで、まずは個人および法人のデータ通信に対して、積極的な動きを進めていくという。

 その施策の一環が、11月1日より開始される「A&B割」および「ネット25」の値下げ、そして、無線LANカードとCF型PHS通信カードをセットにした「W-AHWL01」の提供だ。同氏によれば、「A&B割」に関しては、同社がAirH"ユーザーに対して行なった調査の結果、そのほとんどが自宅にブロードバンド回線を導入していることが判明したことで実施に踏み切ることになった。また「W-AHWL01」の登場は、公衆無線LANサービスの利用だけではなく、ブロードバンド回線の普及により、自宅で無線LANを利用するユーザーも想定したものだという。

 喜久川氏によれば「法人ユーザーは、外出先からイントラネットへアクセスするという利用がメイン」とのことで、「ネット25」の値下げは、個人ユーザーもさることながら、法人ユーザーからの根強いニーズに応えたものになる。また法人向け対策として、人員を増加させるなどして営業体制を強化したほか、24時間対応のサポートセンターを開設するという。


加入者の伸び率をグラフ化したもの 「減収増益」から「増収増益」への転換をはかる

今後実施される施策 「A&B割」は、ユーザーの特性にあわせたサービス

ネット25の値下げは、個人ユーザーだけではなく、法人ユーザーのニーズに応えたもの 法人ユーザーへの体制を強化

ネットワークの改善も継続して実施

サービスエリアの人口カバー率は、今年度末に95.36%に
 2002年度末時点におけるDDIポケットのサービスエリアは、人口カバー率が93.57%。喜久川氏は「しばらくサービスエリアの拡充を実施してこなかったが、ここのところは再び注力している」と述べ、2003年12月には94.31%、さらに2003年度末には95.36%までエリア拡大を実施する予定であるとした。

 また、最高で128kbps通信が可能な「AirH"」だが、同氏によればユーザーは特定の地域に集中して利用する傾向があるとのことで、今年2月には、一部の地域で20〜45kbps程度しかスループットを得られない状況になっていたという。これに対して同社では、基地局のアルゴリズムを変更するという対策を実施。従来は、最も電波が良い基地局1カ所に多数のユーザーが押しかけるようにアクセスする仕組みだったが、現在は、周辺の基地局にアクセスさせてトラフィックを分散する仕組みに変更しつつあるという。

 さらにアルゴリズムを変更してもスループットが向上しないエリアには、基地局自体を増設するようにしており、これらの対策によってたとえばベストエフォートの128kbps通信で接続した場合、対策前はスループットが27kbpsだった箇所が、現在は90kbpsまで向上しているという。この対策は、全国1,000カ所で実施される予定で、そのうち300局では実施済みとのこと。

 喜久川氏は「これまではノウハウがなかったが、この1、2年でそれも蓄積できた。今年で対策が終わるということではなく、ユーザーが増えれば継続していく」と述べ、継続的な設備投資を実施していく意向を示した。

 このほか、同社のISPサービスである「PRIN」では、体感速度を向上させるデータ圧縮サービスを提供しているが、12月中にも他のISPを契約しているユーザーでも利用できるようにしていくことが明らかにされた。


スループット向上も着手 東京・大手町などで改善がみられたという

体感速度を向上させる圧縮サービスは、PRIN以外のユーザーにも12月中に提供

利用機器によって、料金プランが変更できるように

 価格やネットワーク改善などの施策を示した喜久川氏は、新たなサービスプラットフォームを開発したことも明らかにした。これは「機器認証プラットフォーム」と呼ばれるもので、ネットワーク上で、ユーザーがPDA経由でアクセスしているのか、ノートパソコン経由で利用しているのか、というように利用している機器を判別できるシステム。

 同氏によれば「ノートパソコンなどを想定した現在の料金プランでは、ネットワーク対応家電などは到底利用する気にならない。PDAならノートパソコンより安く、家電ならさらに安くするといったサービス提供が可能になるだろう」と述べた一方で、同社自身が新たな料金プランを提供するのではなく、MVNOなどに対してプラットフォームを用意することで、MVNOが新たな料金体系によるサービス提供が実施されるとした。

 具体的な動きとして、同氏はシャープとソニーコミュニケーションネットワーク(So-net)が協力した新たな定額サービスが提供されると紹介。喜久川氏は「DDIポケットは機器認証プラットフォームを提供しているだけ」と前置きした上で、シャープの次期PDAを利用して手頃な価格帯のサービスが提供されるのではないかと述べた。


どのような端末でネットワークを利用しているか、判別できるプラットフォームを開発 シャープとSo-netによるサービスが検討されているという

次の国際ローミングサービスはタイ

アジアで急速な普及を見せるPHS。次はタイで国際ローミングを利用できるようになるという
 喜久川氏は、DDIポケットの動きだけではなく、国際的なPHSの動向についても触れた。アジアを中心に急速な普及を見せているPHSだが、中国では現在加入者が約2,000万と最も市場が大きく、続いてタイが約65万人、台湾が約55万人のユーザーとなっている。

 台湾では、データ通信の利用が進んでいることもあって、既に国際ローミングサービスが提供されているが、中国では、まだまだ音声通話中心の利用になっているとのこと。このため、国際間で協力した端末の開発は、「現時点では難しい」(喜久川氏)との認識を示した。さらに同氏は、台湾に続く国際ローミングサービスがタイでも近い将来利用できるようになると述べた。


高度化PHSやNTT交換局のバイパスは来年度、新たな音声端末は近日?

まずは256kbpsという通信速度の実現を検討している
 最後に同氏は、来年度以降の展開として検討している点をいくつか紹介した。これまで、さまざまな展示会・イベントにおいて、より高速な通信が可能になるという「高度化PHS」に関連した展示が行なわれてきたが、喜久川氏によれば、「既存の技術を用いる方法」と「新たな基地局を導入する方法」と2つの手法を検討しているという。

 現在、DDIポケットの128kbps通信では、32kbpsのチャンネルを4つ束ねて実現しているが、喜久川氏の言う「既存の技術による手法」では、それを8つ束ねることで、256kbps通信を実現する。また、新たな基地局の導入では、64kbpsのチャンネルを4つ束ねるという形になる。

 イベントなどで展示されている「高度化PHS」のデモンストレーションでは、1Mbpsの通信が可能になるとされているが、これに対して喜久川氏は「無論ユーザーのニーズがあればやる」と述べたものの、まずは256kbps通信を実現することを優先する姿勢を見せた。

 また、現在のDDIポケットのネットワークでは、基地局とバックボーンであるIP網の経路中でNTTの交換局を経由しているが、来年度を目処にNTT交換局を避ける装置の導入を検討しているという。既に2カ所ほどで実証実験を実施しているとのことだが、NTT交換局をバイパスすることで、コストダウンがはかれるほか、将来的に高速化したサービスが提供されても、NTT交換局がボトルネックにならずに済むというメリットもあるとのこと。

 現在はデータ通信(パケット)のみIP網に流れている状況だが、バイパス装置の導入によって、音声データもIP網へ持っていくことができるという。しかしながら、喜久川氏は「音声通話の定額制は無理」と断言した。

 バイパス装置の導入という施策は、NTT網へのアクセスチャージが今後値上げされる時に対する自衛手段として行なわれるとのことで、喜久川氏は「単なる防衛ではない」と述べ、前向きにとらえているようだ。

 このほか、法人向けを意識した対策として、重さが数百グラム程度となる小型基地局の開発を進めているという。ビル屋内などごく狭い場所で一気にアクセスがあったとしても、処理できるようなインフラが整えられることを目的としたもので、小型基地局からLAN経由で専用サーバー、そしてPHS用のISDN網へと繋がるものになる。

 このほか、音声端末の新機種について喜久川氏は「近々発表できると思う」と述べるに留まり、具体的なメーカーやそのスペックなどについて語られることはなかった。


NTT交換局をバイパスできる装置を検討中 1カ所に集中するような場所に設置できる小型基地局の開発も検討している


URL
  DDIポケット
  http://www.ddipocket.co.jp/

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(関口 聖)
2003/10/23 19:11

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