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ドコモ榎氏、ソニーとの新会社で「人が触れるものとの協業」を実現

 10月28日、都内でフラットパネルディスプレイ関連業界の企業が一同に介し、共通の課題について話し合うディスカッション「FPD Global Summit 2003」が開催された。ディスカッションでは、議論の叩き台とするべくまず最初にキーパーソンがプレゼンテーションを実施、その中でNTTドコモのiモード事業本部長 榎 啓一氏が「iモード戦略と液晶ディスプレイへの期待」と題しドコモの事業展開を説明した。


iモードサービスの現状を紹介

NTTドコモ iモード事業本部長の榎 啓一氏
 榎氏はまず、ドコモの契約者数が4,000万契約を突破し、そのほとんどのユーザーがiモードを利用している点を挙げた。同氏はiモードサービスのネットワークについても紹介し、現在までのiモード対応携帯電話の進化の過程を説明した。

 ドコモがiモードサービスを開始する以前、ショートメッセージサービスに対応していたものの、携帯電話は音声をメインに利用する端末で、ディスプレイは電話番号の表示ができれば良かったため、大きな液晶ディスプレイを搭載する必要はなかった。榎氏によれば、1999年2月にiモードサービスが開始された当初、「こんなに大きな液晶では売れないとメーカーに言われた」という。もちろん当時の端末はまだモノクロ液晶が搭載されていた。

 しかし、メーカーの予想に反し、従来のディスプレイよりも大きな液晶を搭載したiモード端末は好調な滑り出しを見せた。榎氏はカラー液晶化、Javaの搭載、SSL対応などその後の端末の機能向上についても説明し、2次元コードについては、「プリントメディアと携帯電話の融合が起こる」とアピール。「広告や雑誌など出版物は、印刷所に出してしまった途端に情報が停まってしまう。2次元コードを広告に入れて携帯電話でアクセスすれば、常に最新の情報が反映できる」とした。

 ここで同氏は、あらためてドコモユーザーが約4,000万、そのうちJava対応端末が2,000万で、iモードを使ったWebアクセスが1ユーザーあたり1日10ページビュー(PV)を得ている点を指摘。つまり、1日あたり4億PVとなり、榎氏は「iモードによる収入は約1兆円規模になる」と語った。

 こうしたiモードを支える公式コンテンツも好調で、同氏は「コンテンツで1カ月100億円の売上げ、年間では1,200億円のマーケット」と強調。着信メロディ配信サービスや待受画像配信サービス、ゲームコンテンツに人気があり、榎氏はCDや本、洋服、化粧品などの物販サービスが行なわれている点も紹介した。なお、モバイルeコマースについてドコモでは正確なデータを持っていないとした上で、榎氏は「物販はおそらく年間数千億円のマーケットに成長しているのではないか」と語った。

 また、最近では携帯電話による株式投資も盛んで、こちらも年間数兆円規模の市場となっているという。榎氏が、「会社でパソコンで株の売り買いをやっていたらクビになるかもしれない。その点、携帯電話ならちょっと席を外しても何をしているかわかない」と語ると、ディスカッションの出席者から笑い声も聞こえた。iモードによるこうした他社のビジネスの拡大について同氏は、「ドコモは通信ビジネスだが、iモードではそれ以外の大きな広がりがある」と有効性をアピールした。

 次いで、榎氏は海外でのiモード事情についても紹介した。同氏は欧州を中心にiモードを採用するキャリアが拡大している状況を説明し、iモードによって欧州でもARPUが上昇しているとした。この点に対し、「iモードは世界でもこれからどんどん広がっていく。つまり、世界でも携帯電話で音声ではなく、液晶を見る人が増えていくということだ」と、ディスプレイ関連事業が今後も明るい見通しであるとの見解を示した。


会場にはディスプレイ関連企業が集結 iモードの仕組み

ソニーとの新会社について語る

非接触IC、2次元コード、赤外線通信などで携帯電話が様々な分野と融合する
 このほか榎氏は、27日に発表されたソニーとドコモの新会社についても言及した。

 ソニーが開発した非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」搭載の携帯電話を使ったサービスについて、同氏は「リアルとバーチャルの融合だ」とコメント。利用形態の一例として、携帯電話単体で電車などの交通機関のゲートウェイとなり、会社では社員証、赤外線による実店舗での決済などを挙げ、「これは人間が日頃接触するものとのアライアンス」と印象的な言葉を残した。

 プレゼンテーションの締めくくりに榎氏は、ドコモが液晶ディスプレイの1ユーザーとして要望を出席者(メーカー)に投げかけた。同氏は、低消費電力化、ゲームなどの動きのあるコンテンツのために表示速度の高速化、薄型化、低価格化などをリクエスト。最後に同氏は「携帯電話の利用は室内に限らない。太陽光下でも見やすい液晶がいい。こうした点が実現できれば、携帯の液晶はさらに発展するのではないだろうか」として話を終えた。



URL
  FPD International 2003
  http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

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(津田 啓夢)
2003/10/28 17:29

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