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KDDI小野寺社長、今年最後の会見で2004年の展望を語る

 KDDIの小野寺正社長は、12月17日、今年最後となる定例記者会見を行なった。今年1年の同社の取り組みを振り返るとともに、「来年は今後の中長期戦略の基礎を築く年になるだろう」として、来年の展望にも触れた。


小野寺氏、「定額制の新たなコンテンツの創出が可能になる」

KDDI 小野寺正社長
【記者会見のムービー】
(impressTV)
 会見の冒頭、小野寺社長は、今年1年を振り返って、次のように語った。

 「企業収益の回復など、日本経済にも明るい兆しが見え始めているが、通信業界においては、ブロードバンドサービスが激化し、ADSLの浸透やIP電話といった新たなサービスでの競争が始まっている。また、個人市場においては、携帯電話が飽和状態に近づきつつあり、第3世代携帯電話への移行や新たなサービスの創出などが要求された厳しい1年であった。こうしたなか、KDDIは、合併から3年を迎え、合併作業が完了したことを明確に示したほか、中長期の発展を視野に入れた新サービスの創出といった取り組みを行なってきた。昨年4月に開始したCDMA2000 1xにおいては、機能・機種を充実させた。また、auのデザインプロジェクトの成果として、第1弾となるINFOBARを投入し、ニーズを先取りした新たな端末を投入できた。さらに、着うたといったサービスも好評であり、11月末にはCDMA2000 1x対応端末の累計稼働台数が1,100万台を超え、純増の累計でも164万台に達し、今年度の純増シェアは44%にまで高まっている。11月末からは最大2.4Mbpsでの高速通信が可能なCDMA 1X WINを開始するとともに、EZwebで開始した定額制を引き金に、今後は新たなコンテンツの創出が可能になるだろう」

 また、「ADSLとIP電話をセットにした新サービスも開始したのに加え、携帯電話で業務アプリケーションの動作が可能なケータイオフィスや、光によるIP電話、高速インターネット接続を可能とする光プラスの展開を開始。新規分野として放送分野やITS分野における研究開発などを促進した。一方で、本社機能を物理的にも飯田橋に集中させ、TCS(トータルカスタマーサティスファクション)の上昇にも力を注いだ1年になった」とした。


2004年にもテレマティクス分野の新サービス開始

 続けて来年の展望にも触れ、「1X WINや光プラスといった新たなブロードバンドサービスが立ち上がるとともに、テレマティクス分野での新サービスも開始されることになるだろう。2004年は中長期の基礎を築く1年ともいえ、どこからでも、どんな情報でも入手できる情報ユビキタスカンパニーを目指す」との考えを示した。

 来年の具体的な目標値については「事業計画は年度単位で出しているため、暦年での目標は出していない」として触れなかったが、「いまのNTTドコモのシェアは高すぎると思っている。3社以上が戦っている市場で1社が50%以上のシェアを持っているのは日本と韓国だけ。国際的な観点から見れば、ドコモが50%のシェアを切るのは当然のことで、我々の努力する部分がまだまだあるということだ。いびつな構造を変えたい」とした。

 今年は新たなサービスなどを矢継ぎ早に投入したauだが、一方で来年は、第3世代携帯電話を「ジャンプの年」と位置づけるドコモや、社名変更とともにグローバル展開を加速しようとしているボーダフォンの方が、「タマ」を持っているとの指摘もある。

 これに対して、小野寺社長は、「確かに今年は他社よりも新たな端末やサービスが多かったが、来年はコンテンツを充実させて、新しい携帯電話の使い方を提案していくことに力を注ぎたい。今年11月からスタートした1X WINに対応した新たな端末投入を含めて、顧客の注目を引きつける政策をとり続けたい」と抱負を述べた。


小野寺氏、「KDDIは設備産業からサービス産業に」

 好調なINFOBARシリーズについては、「3年前にauのブランドを作った時に、今後はマーケティング活動をしっかりとやらなくては駄目だということを繰り返し社内に言った。NTTでも、KDDでもかつての独占時代はサービスを出せば、お客がつくということが当たり前のようになっていた。携帯電話が出てからもしばらくはそうだったが、我々のビジネスは、設備産業からサービス産業に変わっている。マーケティング活動をしっかりやらなくてはならない」とし、「端末のデザインもそのひとつで、技術先行ばかりでやってきては、ユーザーの欲しいものを提供できない。社内にデザイナーを抱えて、デザイン面から見ても欲しいと思えるものを提供したかった。2年前にはモックアップをイベントで公開したが、その後モタモタして、結局2年半もかかってしまった」と語った。

 小野寺氏は、「デザインという点で他社に先行できたと考えおり、デザインニーズをもっと勉強して次のものを出していきたい」としている。


番号ポータビリティは前向きに取り組む

 質疑応答では、番号ポータビリティについても触れた。

 小野寺社長は、「番号ポータビリティに対する当社の考え方については、どうもコンサバティブに受け取られている節がある」と前置きして、「基本的には前向きにやっていきたい」との意向を示した。

 だが、「コストの問題や利便性がどこまで高まるのか、という議論がされないまま、開始されることには懸念を持っている」と釘を指す。

 「検討の場では、電話番号のポータビリティについては触れられているが、携帯電話のメールアドレスについては、別問題としてまったく議論されていない。利用者の立場では、電話番号と同じく、メールアドレスも同じ重要な問題として困るはずだ。当社は、新しい電話番号やアドレスが変わったときに相手に通知するというサービスも、利用者の要望によって開始している。固定電話の番号が変わったときには、自分で通知を出しているし、番号が変わった時の周知方法を考えるべきだともいえる。番号ポータビリティには反対しているわけではなく、利便性を高めるためにはどうすべきかという議論をするべきで、番号だけでなくメールアドレスについても真剣に議論すべきだ」としている。

 一方、DDIポケットおよびツーカーの売却の可能性については、「あらゆる可能性を検討している」としたものの、「DDIポケット、ツーカーはともに利益を出し、大きなキャッシュフローも持っている。急いで事を起こすような必要はないと考えている。ツーカーやDDIポケット、KDDIにとってベストな形になるように検討は続けていく」とコメントした。


年末年始は最大85%の通信規制を実施

 なお、年末年始の通信規制を今年も実施する予定を明らかにし、auユーザーの理解と協力を求めたいとした。

 小野寺社長は、「年末年始はおめでとうコールや、おめでとうメールが集中し、ネットワークやインターネットに負荷がかかり、重大な支障を及ぼしかねない。とくに深夜0時から午前2時までは利用が集中することから、この時間で発着信の規制をかけることになる。当社の場合、ムービーメールやフォトメールなど、比較的『重い』メールが多く、例年に比べて、おめでとうメールの負荷が増大する可能性が高い。そのため大幅な規制をかける必要がある。最大85%程度の規制をかけることになりそうだ。ユーザーの方々には、大変ご迷惑をおかけするが、安定したサービスを継続的に維持するためにも、ご理解とご協力を賜りたい。新聞広告やホームページを通じて、協力を呼びかけていきたい」とした。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/


(大河原克行)
2003/12/17 18:18

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