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今回発表された「Atrua Wings」は、圧力や静電容量を感知することでポインティングデバイスとして端末操作も可能な指紋認証センサー。指紋認識機能では、指紋の隆起や特徴的な部分を検出し、読み取った指紋の画像上でポイントを形成。さらにそのポイントを線で結ぶことで、相対的な位置関係を導きだし、読み取らせる際に指を斜めにスライドさせても、認証できる。 指紋認証の機能としては、単にセキュアなシステムとしての役割に加えて、左手の人差し指ではA社のサイト、右手の親指ではB社のサイトというように認識させる個々の指ごとにアクセスするWebサイトを登録したり、起動するアプリを設定することも可能で、直感的なユーザーインターフェイスの実現にも利便性を発揮するという。 同社では、今回の発表にあわせて都内で報道関係者向け説明会を開催。披露されたデモンストレーションでは、パソコンを利用して実際に指紋を登録し、認証精度の高さをアピール。デモでは、3回読み取らせて指紋を登録すると、斜めだけではなく、S字を描くように指をスライドさせても認証に成功する場面もあった。 登録された指紋データは、およそ300バイト程度と非常に軽量。センサーモジュール自体も非常に小さく、同社では「携帯電話の小型化に寄与できる」としている。 また、操作ボタンとしての機能については、たとえば右に指をスライドさせるとパソコン上のマウスポインタも右に移動するというようにタッチパッドのような使い方ができる。さらにシューティングゲームを使ったデモンストレーションでは、指を回転させると自機も回転したほか、1回叩くとクリックとして認識され自機から弾が発射されるなど、方向を指示するだけではなく多角的な操作が可能となっている。端末操作の際に使用する指は、データ登録をしておく必要はなく、操作機能と認証機能とは別個のアプリケーションとして動かせる。 「Atrua Wings」が対応するOS、実行環境は、LinuxやSymbian、BREW、Windows CE、Windows 95/98/ME/NT/2000/XPなど。BREW対応端末に対しては、センサーがあらかじめ組み込まれていなくても、アタッチメントのように周辺機器として提供することも技術的には可能とのこと。 同社 マーケティング担当のマーク・オストラウスキ氏は「日本では既に指紋認証機能を搭載した携帯電話が存在することは知っているが、複数の端末メーカーから既存端末よりも高性能との評価を受けている」と述べ、今後も日本だけではなく、韓国や欧米などさまざまな端末メーカーに対して採用を働きかけていくとしているほか、仏Purple Labsと提携すると発表している。
■ ＵＲＬ Atrua Technoligies http://www.atrua.com/ （関口 聖） 2004/02/23 11:27 | ||||||||
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