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ドコモ三木氏、4Gに向けて「触覚と存在感を表現可能に」

増大するデータトラフィックに対応し、シームレスで快適な通信を実現する第4世代携帯電話。仕様の策定はまだ先だ
 MCF(モバイル・コンテンツ・フォーラム)およびWIN(ウェアラブル環境情報ネット推進機構)が10日、都内で開発者向けセミナー「ユビキタスネットワーク時代におけるモバイルビジネスの可能性」を開催した。NTTドコモ マルチメディア研究所で所長を務める三木 俊雄氏の講演で、同社が実施中の4G向け通信システムの概要や4Gに向けた新たな表現方法などが語られた。

 第4世代の携帯電話は、現在実用化されている3Gサービスよりも高速な通信をいつでもどこでも可能にしようというコンセプトで仕様策定が進められている。ドコモでは4Gサービスを2010年にも実用化したい考えで、同社提案の方式が横須賀で実験されている。

 三木氏は、4Gサービスについて「今後も増え続けるであろうトラフィックに対応できる新方式。まだまだ時間はかかるだろうが、無線LANなどと混在してシームレスな使い方できるようになるだろう」と述べた。同社が進める4G向け方式は、下りの伝送が通信を行なう環境へ柔軟に適応できる「VSF-OFCDM(可変拡散率直交周波数・符号分割多重)」方式、上りの伝送が高い効率で高速なパケット通信が可能になる「VSF-CDMA(可変拡散率符号分割多元接続)」方式となっている。

 横須賀で行なわれている実験は、横須賀市内に2カ所基地局が設置され、3つのセクターで伝播と干渉の実験が行なわれているという。

 今後も研究が進められていく4Gだが、現在よりも高速で快適な通信環境が実現したとしても、どのようなコンテンツが4G向けに登場してくるのか。この点について三木氏は「より自然に、より情感を深めていく表現方法が必要ではないか。何がリアリティなのか、という点では今のところ映像や音響の立体化が考えられる」と述べた。

 たとえば音響の場合、現在の携帯電話ではステレオ再生が可能となっているが、実験ではヘッドホンを使えば立体音響を再現できるようになっているという。次のステップとしては、スピーカーでその場にいるかのような立体的な音場を再現することが目標とのこと。音場再現の手法としては、超音波を用いた骨伝導技術などが考えられるという。

 また映像については、最終的な目標として、どの位置から見ても立体的に見えるホログラム映像について言及したものの、現実的には「現在は水平方向で単一の視点であれば立体的に見える。これを複数視点でも見えるようにする。さらにその次には水平だけではなく垂直方向からに対応する」(三木氏)とした。

 さらに同氏は「ホログラムは無数の視点に対応したもの。しかしそれは場を再現するのではなく、オブジェクトを表現するだけ」と述べ、聴覚および視覚に訴える手法に加えて、「触覚」「存在感」の2つを感じられる表現方法の開発が必要との考えを示した。

 同研究所では、その2つを実感できる手法として、ロボットや人形を用いることを研究しているという。三木氏曰く「ディスプレイ代わりにロボットがユーザーの動きなどを再現させ、顔の見えない会話を補完する。ちゃんと表現できるように“動きのプロ”の人たちに協力してもらって定型的なパターンを学んでいく」とのこと。


ドコモでは、横須賀で4G向けシステムの実験を行なっている 携帯電話での立体音響は、4G向けの新たな表現方法として考えられている

立体映像も、音響とともに研究が進められているという 映像、音響に続き、「触覚」と「存在感」の再現に取り組んでいくという


URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/
  MCF
  http://www.mcf.to/


(関口 聖)
2004/05/13 16:58

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