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NEC、FOMA利用のラジオ局向け中継システムを実用化

FOMAネットワークを利用するラジオ局向け中継システム用端末「mobilestudio」
 NECは、FOMAを利用したラジオ局向けの音声生中継システムを実用化し、専用端末「mobilestudio」を含むソリューションの提供を開始した。これにあわせ同社では25日、都内で説明会を開催。文化放送の番組中に会場から生中継するデモンストレーションなどが披露された。

 今回開発されたシステムは、通信カードタイプのFOMA端末を装着することで、FOMAネットワークを経由してどこからでも音声生中継が可能になるというもの。昨年11月には、文化放送とNTTドコモが同システムの開発開始を発表しており、今回NECではライセンス供与を受けて、実用化にこぎ着けたという。

 「mobilestudio」の大きさは、100×250×230mm(高×幅×奥行)で、重さは3.3kg(バッテリー含む)。内蔵のリチウムイオンバッテリーでは1時間以上駆動する。ボディカラーは黒色だが、オプションカラーとしてオレンジとスカイブルーも用意されている。価格は1台99万円程度で、オプションのキャリングケースなどを含めると一式200万程度のコストになる。

 本体には、放送局向け機材によく利用されるCannon 3ピンがマイク/ライン入力と、ライン出力で1つずつ備わっているほか、ヘッドホンなどを接続できるRCSピンジャックなどが用意されている。リポーターは、マイクとヘッドホンを「mobilestudio」につなげて利用する形となる。

 PCカードスロット(TypeII)はコントロールパネルそばに配置。同社推奨のPCカード型FOMA端末は富士通製の「F2402」で、導入企業が直接回線を契約し、料金プランは既存のFOMA向けプランが適用される。音声はVoIP技術によってデータ化して伝送されるが、音声コーデックはMPEG-4 AACをベースに、NECが独自開発したものとなっており、高品質かつ遅延の低減を実現しているという。


「mobilestudio」を肩からかけたところ
 基本的なシステム構成は、「mobilestudio」が2台、そしてラジオ局側に設置するISDNルータとなる。「mobilestudio」は、それぞれリポーターが屋外に持ち出すものと局側に設置するもので、屋外に持ち出すものはFOMA端末を装着し、ラジオ局側ではISDNルータと接続する。屋外の「mobilestudio」からは、FOMAネットワークに回線交換(64kbps)で接続し、ドコモのmoperaを介してISDN網につながる。ラジオ局側のISDNルータには固定IPを割り当てる必要があり、屋外端末からISDNルータへ着信した時点で、それぞれの「mobilestudio」にIPアドレスが割り振られる。

 屋外とラジオ局のリンクを確立するため、あらかじめ「mobilestudio」をパソコンに接続して、設定画面から「電話番号」や「IPアドレス」、「パスワード」などを入力しておく。設定は最大で6カ所分入力できるようになっており、「mobilestudio」のコントロールパネルにあるスイッチで6カ所のうち、任意のものを選べるようになっている。

 従来の中継では、中継車を利用したり、中継先で ISDN回線を設置する必要があったが、新システムは携帯可能な「mobilestudio」1台で屋外からの中継が可能となり、人員削減も期待できる。さらにFOMAのサービスエリア内であれば、地下街やイベント会場などからでも中継できる。

 新システムによる恩恵は、昨秋の文化放送とNTTドコモからの発表でも明らかにされていたが、たとえば「パケット通信で音声を伝送する」とされていた点が、安定した中継のために回線交換になるなど、若干の変更が加えられている。また多くのラジオ局でISDNが導入されているとのことで、局側装置にISDNルータが用いられているが、技術的には光ケーブルなどにも対応できるという。

 同社では今後3年間で500台の販売を目指していく。


mobilestudio オプションとしてキャリングケースも用意される

コントロールパネル。ボリュームの調節や、接続先の切り替えなどが可能 側面に各種インターフェイス

同システムを利用することで、ラジオ局側はコストダウンが見込めるとともに、新たな形態の番組提供も期待できる 音声コーデックはAACで、高音質と遅延の低減を実現している

ネットワーク構成のイメージ 接続先を指定することで、屋外のmobilestudioとラジオ局のリンクを確立する

生放送中の番組へ会場から中継するデモンストレーションも披露された


URL
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0405/2501.html

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(関口 聖)
2004/05/25 19:04

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