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EMS大手のエルコテック、日本メーカーの海外進出をサポート

エルコテック・アジアのハンヌ・ケイナネン社長

エルコテック・ジャパンのミカ・マキネン社長
 EMS(Electronics Manufacturing Services、電子機器製造サービス)の中でも欧州最大手で通信関連機器に特化しているエルコテック・ネットワークは10日、都内で記者説明会を開催した。香港に拠点を置くエルコテック・アジアのハンヌ・ケイナネン社長、および日本法人であるエルコテック・ジャパンのミカ・マキネン社長から同社の戦略や日本企業に対するアプローチなどが説明された。

 エルコテック・ネットワークは、本社をフィンランドに置き、中国やロシア、メキシコなどに生産工場を構える。EMSとは、ブランド力を持つ携帯電話メーカーから発注を受けて製造する下請けのようなサービスを指す。しかし同社では、単なる下請け企業には留まらず、メーカーに対して積極的に製品設計の提案を行なえるようにしたり、物流方面も手掛けたりすることで、総合的なサービス提供を可能にしているという。

 今回の説明会では、インドへ新工場を設立する計画が明らかにされた。ケイナネン氏によれば「エルコテックの工場は全て低コストで製造できる地域にある。また世界中の工場は、機器のレイアウトやスタッフ管理の方法、さまざまな情報管理の手段を共通化している。競合他社の中には、大手メーカーの工場を買収して成長してきたところもあるが、そちらでは工場間の情報共有は不可能に近い」とノウハウが蓄積されている点を強くアピール。大手メーカーにとって、エルコテックに発注すれば従来よりも低コストかつスピーディに新製品投入が可能になるとしている。

 これまでの携帯電話市場では、基本的に大手メーカーは自社で設計から製造までを行なっていた。しかしエルコテックによれば、最近は商品の投入スパンが短縮しており、外注の比率が高まっているという。携帯電話市場そのものが拡大していく中で、外注産業も大きく成長しており、EMS企業を活用する結果として大手メーカーは新商品の開発などに注力できるという。エルコテックをパートナーとしている大手メーカーは、ノキアやエリクソン、シーメンスなどで日本ではNECや住友金属マイクロデバイスなどとも関係を持っている。

 エルコテック・ジャパンのマキネン社長は、「日本の携帯メーカーは積極的に海外展開しつつある。それを我々はサポートしていきたい」と意欲を表わした。同社では日本市場向けに携帯電話を製造するのではなく、日本メーカーがGSM方式の携帯電話を提供する際にその製造を請け負いたい考えだ。しかし3G端末や最新家電の分野では、日本メーカーは自社による工場や研究施設を構築する動きが強まっている。これに対してケイナネン氏は「最先端の技術を自社内でやっていくのは当然のこと。我々はそういった技術が成熟し、普及期に入ったところでEMSを利用してもらえると考えている」とした。

 現在同社の売上高を地域別に見ると、欧州が60%程度、アジアが25%程度、米国が15%程度になるという。日本では部材調達などを行っており、2~3%程度になるとのこと。同社では、日本企業を重要なマーケットと捉えており、今後積極的にアプローチしていくという。


エルコテックでは、ロシアや中国、メキシコなどに生産拠点を持つ エルコテックによれば、携帯電話の製造市場における外注の占める割合は年々増加(左上)しており、そしてエルコテックの製造拠点は低コスト地域にあることが強みという(右上)

エルコテック・ジャパンの概要。今後日本メーカーに対して積極的にアプローチする考えだ


URL
  エルコテック・ネットワーク(英文)
  http://www.elcoteq.com/


(関口 聖)
2004/06/10 14:17

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