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KDDI高橋氏、定額のキーワードは「ちょっとしたものを沢山」

KDDI 執行役員 コンテンツ・メディア本部長の高橋 誠氏
 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は、情報通信分野に関わる企業や一般ユーザーを対象にしたセミナー「NICT情報通信ビジネスセミナー 第1回『情報通信ビジネスの将来展望』」を開催した。セミナーでは、スピーカーとしてKDDIの執行役員 コンテンツ・メディア本部長の高橋 誠氏が出席し、着うたなどのコンテンツの成功例や、コンテンツを支えるパケット通信料の定額サービスなどを紹介した。

 なお、NICTが一般を対象とした今回のようなセミナーを開催するのは初めて。情報通信ビジネスセミナーは今年度3回に渡って行なわれる予定だ。


定額のハードルが消えてポータルサイトへのアクセス増加

3Gへの移行が進む国内の携帯電話

コンテンツとインフラのバランスが必要
 高橋氏は冒頭、7月にauの3G携帯電話が1,500万台を突破し、日本国内の3Gサービスは、FOMAなど他キャリアの3Gサービスと合計すると2,164万契約(8月末現在)になったと紹介。携帯電話が3Gに移行しつつある中で、同社では月額4,410円のパケット通信料の定額サービスをスタートさせたが、当初の利用料金について同氏は「若干高かった」としており、「ダブル定額ではライトユーザーを取り込むために2,100円の段階を作った」と、定額制へのハードルを下げたことを説明した。また、今夏に発売されたCDMA 1X WIN端末は好調なセールスを続けているという。

 なお、WIN端末ユーザーは、定額制オプションのないCDMA2000 1XユーザーよりもEZwebのポータルサイトへのアクセス数が高いという。この点について高橋氏は「非定額の契約であれば、パケ代を気にするのでブックマークから直接お目当てのサイトにアクセスしてしまう」と語っており、同社が進める携帯電話のメディア化において、KDDIが自社だけで展開できるポータルサイトへのアクセス数が増えることの重要性を語った。

 高橋氏は、「私の娘も10,000円を超えるかどうか心配しながら使っている」と、パケット通信料の従量ユーザーが通信料を気にしながら携帯電話を利用している状況を例に挙げた。なお、WIN端末のユーザーは、有料コンテンツの利用額も1カ月に1,500円程度と高い。通信料を気にする障害が消えたせいで、コンテンツプロバイダー(CP)にとっても、コンテンツ単体で評価してもらえる状況が生まれたという。

 「ここ数年間言い続けてきたが、結局、携帯電話のパケット通信料はめちゃくちゃ高い。これでは良いコンテンツはなかなか生まれない」(高橋氏)。KDDIではいち早くパケット割引サービス「パケ割」を提供してきたが、同氏は、「パケット料金やコンテンツ、そしてユーザービリティにおけるスピードのバランスを考えて提供しなければならない」と、単に新しいものを盛り込むだけでは厳しいとした。


WIN端末の利用傾向 各コンテンツの取扱高。着うたが急速に成長したことがわかる

コンテンツビジネスは「互いにリスペクトが必要」

期待される電子書籍サービス
 好調に推移する着うたについては、「最近、某研究会でソフトとハードの融合だと言われた。最初は疑問だったがいろいろ見えてきた」と述べ、「着うたの成功の要因は、ソフトを提供するCPのこともしっかり考えたこと」と語った。高橋氏はFMラジオチューナーを搭載した携帯電話を例に挙げて、「ユーザーはFMラジオの音楽を高品質で録音したいと思うはず。しかし、これをやられてしまうとコンテンツビジネスはつぶれてしまう。パソコン業界ではそれが厳しかった」とした。現在、FMケータイでは、低ビットレートでの録音は可能だが、着信設定できないようになっている。

 さらに、コンテンツ毎にCPが値段を付けられる点も重要だとし、「ドコモでは月額利用料しか設定できない。auではコンテンツ毎の価値をCPが決められる。互いにビジネスをつぶさないようにリスペクトしていく」とした。

 続いて、電子書籍サービスについても言及した。「今後かなり期待できるのではないか」と語った高橋氏は、期待する一方、出版業界の反応が冷たい点を漏らした。「若年層が携帯電話にお金を使うようになって、ゲームセンターや本が売れなくなったと言われる。しかし、携帯電話を使って互いにWIN WINの関係を築いていける」(高橋氏)。そう語った同氏は、新しいビジネスが登場することで、既存のビジネスに変化が生まれるとした。だが、音楽業界の着うたのように、新ビジネスでの成功例もある。同氏は出版業界に対して「男だって女性誌を読みたい。ITならそれができる。反応は厳しいが、それは当初の音楽業界もいっしょだった」とアピールした。


「使うケータイから」携帯は次のステップに

定額制の携帯電話のキーワードは、「安心できるネット環境」と「ちょっとしたものを沢山やりとり」
 BREWやGPSなど、同社のサービスを紹介する中で、高橋氏は何度となく定額制の利点を説明していた。定額制の携帯電話のキーワードとして、「安心して利用できるネット環境」と「ちょっとしたものを沢山やりとりする」を挙げており、パソコン業界でADSLなどの定額制が拡大したことによって、オークションやショッピング、ブログサービスなどが成長したことと同様に、携帯電話にもこの状況が当てはまるとした。

 また、定額制が導入されたことにより、キャリアはARPUに縛られずに済むため、「いつでもどこでも絶えず携帯電話を使って欲しいから、極端な話、4,410円もらえれば、使って頂けなくてもいい」とした。こうしたことからテレビや雑誌、非接触ICなどほかのメディアとの連携も行ない易いという。

 同氏は、音声主体の携帯電話の「もしもし、はいはい」の時代から、EZwebなどの「使うケータイ」の時代に移行し、新たなステップとして「メディアとしてのケータイ」になりつつあるとまとめた。


高橋氏、「携帯電話のパソコン化はビジネスとしてのバランスが必要」

FMケータイは拡大
 なお質疑応答時間には、セミナー参加者から多数の質問が寄せられた。

 パソコンの機能をどこまで携帯電話に取り込むのか聞かれた高橋氏は、「HDD内蔵の携帯電話も登場するようだが、auがHDD内蔵端末をやるかどうかは別として、価格とのバランスが必要。4〜5万もする端末は買っていだけないので、ビジネスモデルとして成り立つかどうかを考えた上で、今後も機能拡張を行なっていきたい」とした。

 また、FMケータイについては、ユーザーからの反応が良いためできるかぎり端末に搭載していくという。地上デジタル放送対応端末については、auのこれまでの新機能と同様に「トライアル的に端末を投入し、ビジネスとして成り立つかどうか、判断した上で拡大していきたい」とするに留まった。

 最後に、Operaなどフルブラウザの搭載時期についての質問に対し、高橋氏は「フルブラウザを定額制で投入するかどうかについては引き続き慎重に検討していきたい」とした。なお、EZwebのコンテンツのうち、8割はダウンロードが必要となるコンテンツで、こうした端末をリッチにするものは従来通りEZwebでの提供になるためフルブラウザの影響を受けないとのこと。そのほかの2割に相当する情報サイトなどのWebページ系のコンテンツがフルブラウザの対象となるが、こういったサイトを閲覧できるようにするかどうか引き続き検討するとした。



URL
  セミナーの概要
  http://www.venture.nict.go.jp/event/bs/s1/guide.html
  NICT
  http://www.nict.go.jp/


(津田 啓夢)
2004/09/29 21:07

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