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ボーダフォンが中間決算発表、黒字化達成も携帯事業は前年比減

J.ブライアン・クラーク代表執行役社長兼CEO

クラークCEO(左)と、ジョン・ダーキンCFO(右)
 ボーダフォンは16日、2004年度中間期連結決算を発表した。売上高は、前年同期比18.4%減の7,368億円、営業利益は30.2%減の875億円、経常利益は31.7%減の845億円、当期純利益は、前年同期のマイナス1,250億円の赤字から一転して、255億円の黒字となった。

 固定電話事業である日本テレコムの株式を昨年下期に売却したことで売上高が減少した一方で、最終黒字化は固定電話事業の株式評価損1,613億円が消滅したことが改善要因。また、前年同期に携帯電話事業を担当していた旧ボーダフォンの売上高は7,560億円であったことから、これだけで比較すると携帯電話事業の売上高は前年同期比2.5%減と言うこともできる。

 「携帯電話事業は、ARPUの鈍化と顧客数増加の鈍化が影響して、前年同期比で減少となった」(ジョン・ダーキンCFO)という。

 ARPUは、前年同期に比べて9.9%減の6,280円、総加入台数は4.0%増となり、累計市場シェアは前年同期の18.6%から、18.1%へと5ポイント減少した。

 J.ブライアン・クラークCEOは「7月に解約率が上昇したが、これは解約費の免除を行なったことが要因。今後は競争力を持った魅力的な端末、サービスを用意することから、これは一時的なものと判断している」と話している。

 なお、今年度通期の見通しは、当初の計画と変わりなく、売上高が前年比1.5%増の1兆5,310億円、経常利益が30.1%減の1,270億円、当期純利益は前年並の1,100億円としている。なお、営業利益については公表していない。前年の携帯電話事業だけで比較すると、27.0%増という高い伸びを見込んでいる。


営業利益は30.2%減の875億円、当期純利益は255億円と黒字に 携帯電話事業だけ見れば、前年同期より減少

新規顧客獲得費用と解約率、買換率の推移 通期の見通しに変更はない

3Gに注力し、組織改革を実施

改革は順調に推移しているという

ボーダフォンは、10月より新組織に移行している
 クラーク氏は、今後の事業改革の方向性などについても言及し、今年度下期以降、第3世代携帯電話事業を加速する考えを示した。

 同社では、2006年度を最終年度とした「プロジェクトMOVE」という中期経営計画を掲げているが、このなかで、2004年度を内部機能の変革に取り組んでいることを改めて説明し、「着実に改善させていくことが重要」としながら、コスト削減、販売チャネルの強化、地域会社の統合、会社組織の強化といった具体策を示した。

 コスト削減効果は、「中短期で成果があがっているものもあるが、その多くが来年度以降で成果として表われる」として、専用線のダークファイバー化、ネットワークの冗長性を視野においてベンダーとの連携、アウトソーシングの活用によるメンテナンス形態の転換のほか、早期退職制度を活用したコスト削減にも取り組む。早期退職制度では51億円の費用がかかるが、年間で36億円の削減効果がある」(クラーク氏)と説明した。

 地域会社の統合では、現在9社ある地域会社を1社とし、現在、端末在庫SCMシステムをはじめとするITシステムの統合、ネットワーク管理拠点の統合などのビジネスプロセスの統一化などに取り組んでいる。「課金、CRMシステムの統合も進行しており、これが一本化すればよりよいサービスを顧客に提供でき、顧客満足度を高めることができる」という。


1社体制によるシステム統合などを実現 加入者とARPUの動向

 第3世代携帯電話への取り組みについては、競争力のある端末の導入、効率的なネットワークの構築、3Gサービスの強化を重点目標として掲げ、「2004年9月には、冬商戦に向けて5社から7機種を発表、3Gのネットワークカバー率も9月末で99.67%に拡大。さらに、WAP2.0/MMSへの対応、3Gの特性を生かした着うたのロングバージョンの提供や、メガアプリの提供も開始し、新たな料金体制、サービス体系とともに他社との差別化を図りたい」とした。

 クラーク氏は、「2006年3月までに全世界のボーダフォングループで、1,000万台の第3世代携帯電話を販売したい」とし、「そのなかで日本が重要な位置を占める」としたものの、日本における具体的な目標値などについては公表しなかった。

 投入が遅れている携帯電話による決済機能については、「非接触型のペイメントシステムについては、さまざまなシステムを検討しているところであり、なんらかのソリューション提供を考えている」として、前向きに検討している姿勢を示した。

 また、マーケティング力の強化としては、ブランド力向上や新たな市場セグメントの開拓といった目標を掲げており、グローバルローミングサービスの拡大や、デザインコンセプトモデル端末の投入、法人市場の開拓などをあげ、「海外出張が多いビジネスマン向け、ティーンエイジャー向け、若手社会人といったようにターゲットを絞り込んだサービスを用意していきたい」との方針を示した。


3Gの進捗状況。人口カバー率は9月末で99.67%に 新たな3G端末の登場にあわせて、新サービスも提供

プリペイド事業は継続する

 なかでもマーケティング強化策で強調したのが、プリペイド携帯電話。「プリペイド携帯電話の契約者数は、総顧客数の11%に達しており、マーケットリーダーの地位を確保している。主婦や高齢者がライフスタイルに合わせて選択でき、支出を自分でコントロールしたり、月々の費用を支払わないで済むというメリットもある。大きな価値を提供できる」と、同事業に引き続き力を注ぐことを示した。

 クラーク氏によると、プリペイド携帯電話は、全世界では53%のユーザーが利用しているという。だが、日本国内では、オレオレ詐欺などの犯罪で、身元の確認が甘かったプリペイド携帯電話を使用するケースが多かったことから、犯罪防止を理由にプリペイド携帯電話の廃止を求める動きも出てきている。

 これに対してクラーク氏は、「犯罪などに利用されていることは知っており、海外でもプリペイド携帯電話が犯罪に利用されている例は確かにある。問題は匿名性を持たせてしまうことであり、総務省には、匿名性を無くすことで犯罪行為が抑制できるはずだと意見を申し入れている。他国では、顧客情報をもとに身元確認が確実に取れた段階で使えるようにする仕組みなどを導入しており、これも活用できるだろう。来年1月1日からは本人確認を強化するシステムを導入する予定だ」などとした。


クラーク氏、津田新体制に期待

12月に新社長に就任する津田 志郎氏
 一方、今年12月1日付けで新社長に就任する予定の前NTTドコモ副社長の津田 志郎執行役については、「知識、リーダーシップ、経験といった点で優秀な人材であり、こうした人物を社長にむかえられることは嬉しく思っている。日本の携帯電話マーケットで高い実績を持った人物であり、日本におけるボーダフォン事業を強い統率力で牽引してくれると期待している。厳しい環境のなかであるが、ボーダフォンのあらゆるビジネスの手法を理解していただき、競争力のある会社にしてほしい」と、12月以降の津田新体制に期待を寄せた。

 決算会見の会場では、記者席の最前列横に津田氏も着席し、会見の最後にマイクを持って挨拶したが、「12月1日に改めてご挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします」とコメントするに留まった。


新規参入にも言及

 一方、携帯電話事業への新規企業の参入については、「日本では携帯電話事業において、高い品質を提供できる会社が3社あり、それぞれにインフラを構築し、ハイレベルなサービスを提供している。しかし、多くの企業が新規に参入すると周波数の入手問題が出てくることになり、インフラ投資ができなくなる。結果として、日本における革新性に悪い影響が出ることも考えられる。非常に複雑な要因が絡んでいるものであり、単にスローガンを掲げるだけでなく、将来に渡って、どうすればいいのかという点を諸状況を踏まえて考えるべき」と、クラーク氏は話した。



URL
  ボーダフォン 決算概要
  http://www.vodafone.jp/japanese/company/ir/result.html


(大河原克行)
2004/11/16 20:08

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