ACCESS鎌田氏、今後の携帯向けブラウザを語る

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ACCESS鎌田氏、今後の携帯向けブラウザを語る

ACCESS 取締役副社長兼CTOの鎌田富久氏

　ACCESSは19日、都内で同社主催のイベント「ACCESS DAY!」を開催した。オープニングセッションとして同社取締役副社長兼CTOの鎌田富久氏が登壇し、携帯機器向けブラウザの今後について語った。

　鎌田氏はまず、「日本だけでなく、世界でも携帯や家電からネットにアクセスする時代となってきた」と述べ、同社が世界の市場でチャレンジしていく姿勢をアピールした。インターネットにアクセスできる端末の拡大については、「2010年頃には、携帯を中心にネットにつながる端末はパソコンより多くなるだろう」とし、携帯電話向けや組込機器向けブラウザ市場が今後も拡大をしていくとの見方を示した。


パソコン以外のさまざまな端末がネットに繋がる	携帯電話やネット家電でPDFを閲覧できる環境も整いいつつある

　今後の携帯電話ブラウザに要求される機能としては、「完全なインターネットへの対応と、携帯ならではの機能の融合が大事」と語った。また、同社が最近力を入れている項目として「携帯に必要とされるソフトモジュールを一式セットにしてスイートとして提供すること」を挙げた。これは「NetFront Mobile Client Suite（NMCS）」として提供され、携帯の多機能化に伴うインテグレーション作業を軽減し、製品開発期間の短縮が可能という。


インターネットへの完全な対応と携帯ならではの機能が求められるとした	ソフトモジュールをセットにして提供


さまざまな機器に対応できるNetFrontの構造	デコメール、SMIL Playerもブラウザの技術を利用する

パソコン向けサイトをモバイル機器でも最適に表示するSmaet-Fit Rendering技術

　最近話題になることも多い携帯向けフルブラウザに話題を移した同氏は、「PDA向けなどで元々やっている。」と述べるとともに、すでに海外の携帯向けに製品化された技術を紹介。パソコンなどに向けて作られたWebサイトを、携帯機器の画面の横幅に最適なレイアウトで描画する「Smaet-Fit Rendering」という技術で、携帯電話以外にも「テレビ画面の横を少し開けてもらって、そこに情報を表示できる、というようなことも提案している」という。このほか同氏は、地上デジタル放送に対応した1セグ放送受信ブラウザなどへの取り組みについても、積極的に開発を行なっている姿勢をアピールした。

今後の技術トレンドについて

　今後の技術トレンドについては、「着せ替えUI」「Compound Document」「人にやさしいUI」の大きく3つを挙げた。「着せ替えUI」については、「ネットワーク経由で後からUIを変更できるというもの。ユーザーは新しいものやカスタマイズへの要求が強い。企業はバリエーションの提供や情報発信などが行なえる」と利点を挙げたほか、「Compound Document」については、さまざまな規格が出てきているリッチメディアを統合するものと説明。「人にやさしいUI」においては、「CPU性能やメモリ容量の拡大で、UIも高度化が可能になった。これからはデジタルと、アナログであるヒトの間を埋めるUIが重要になる」と述べ、同社が試作したネット家電UIのデモ機が披露された。


UIを大幅に変更できるサービスが可能	UIの試作端末

一層の協力関係の重要性を説いた

　同氏は講演の最後に、データフォーマットやプロトコル、ネットワークインフラなど、さまざまな規格が存在するモバイル市場についても言及、「ネットの環境が整い、端末側も揃ってきた。多くのプレーヤーが協力することが重要。それぞれがレディの状態。もう一歩のところまできている。お互いが協力して、ブレイクスルーしていきたい」と語った。

　このほか、同イベントでは展示会場が用意され、ACCESSのブラウザ技術を利用した各社の展示が行なわれていた。


携帯でPDFを表示させるデモ	Smaet-Fit Renderingのデモ。表示されているのはパソコン向けのヤフートップページ


試作のUIデモ端末も展示された	BREWにも対応した3G端末向け「MX NewsViewer」

■ ＵＲＬ
　 ACCESS
　 http://www.access.co.jp/

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（太田亮三）
2004/11/19 19:12

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