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ボーダフォン津田氏退任、新社長にモロー氏

ボーダフォンの現取締役代表執行役社長兼CEO 津田 志郎氏

ウィリアム・ティー・モロー氏
 ボーダフォンは、昨年12月1日に代表執行役社長兼CEOに就任したばかりの津田 志郎氏が社長を退任し、4月1日より新社長に、現ボーダフォンUK社長のウィリアム・モロー氏が就任すると発表した。これに伴って都内で緊急会見が開かれた。

 同社は、4月1日付けで代表執行役社長に、現ボーダフォンUK社長のウィリアム・ティー・モロー氏が就任すると発表した。現取締役代表執行役社長兼CEOの津田 志郎氏は、同日付けで取締役会議長、代表執行役会長に就任し、モロー氏・津田氏の2頭体制で経営に取り組む。CEOの職は置かれない。なお、モロー氏は3月31日でボーダフォンUKの社長を退任する予定。

 津田氏は、NTTドコモの副社長やドコモエンジンニアリングの代表取締役社長を務めていたが、昨年8月、電撃的にボーダフォンに入社。12月には取締役代表執行役社長兼CEOに就任し、ボーダフォンの業績回復が期待されていた。

 また、今回の発表では、取締役 代表執行役最高業務責任者のデイビッド・ジョーンズ氏が3月31日付で退任することも発表された。


津田氏、TCAの大幅純減について言及

 登壇した津田氏は、新体制の発表の前に電気通信事業者協会(TCA)が本日発表した1月の携帯電話の契約者数情報についてコメント。2005年1月、ボーダフォンは58,700人と大幅な純減を記録している。

 「昨年12月、純増数900とボーダフォンにとって大変厳しい結果になったが、1月の状況はさらに厳しい結果になった。ボーダフォンを支援いただいている多くの方々にご迷惑をおかけし大変申し訳なく思っている。社員1人1人は成果を出そうと一生懸命やっているが、こういった結果になった事実は真摯に受け止めなければならない。ユーザーがボーダフォンから離れていく、また選んでいただけないということを全員が直視し、改善策をこうじなければならない」(津田氏)。純減の理由を同氏は、当初もっと早い段階で提供する予定だった3G端末の出荷が遅れた点や、プリペイド式携帯電話へのネガティブなイメージなどが影響しているとした。ただし、「3G端末が潤沢になれば解決するというものではない」とも話している。


モロー氏・津田氏の2頭体制で業績回復を

「2005年は反転攻勢の年」と津田氏
 国内の携帯電話市場が3Gへと移行する中、他キャリアより出遅れた感のあるボーダフォンだが、津田氏は、「ネットワーク、端末、商品力、サービスなど全てについて見直し、もう一度原点に戻って取り組んでいく」と述べた。

 同社では、2005年を反転攻勢の年と位置付け、競争力をつけて業績回復を図りたい考えだ。こうした中でキーポイントとなるのが、ボーダフォングループのスケールメリットを活かした戦略だとしており、津田氏は新社長にモロー氏を迎えるよう、「ボーダフォングループCEOのアルン・サリーン氏にお願いした」と述べた。起用の理由として、2003年まで日本テレコムの代表取締役社長を務めていた実績や、アメリカやベルギー、イギリスでも要職を歴任した点を挙げた。

 社長就任から3カ月未満での今回の発表について、ボーダフォングループからの圧力や、津田氏の健康上の問題など、社長職を退く理由を問う声が多数上がった。津田氏は、こうした理由について一切否定。英ボーダフォンにモロー氏の社長就任を自ら要請し、体調問題についても「今年還暦を迎えるがご懸念には及ばない」とした。

 番号ポータビリティや周波数の再編に伴う新規参入など、業績回復が急務となっているボーダフォンにとって、津田氏は「ボーダフォングループに精通しているモロー氏が社長に適任」とした。国内の携帯電話事情に精通する津田氏と「両方の力を合わせることが業績回復の早道」(津田氏)との判断があったという。あくまで、自らの判断だとする津田氏だが、「ボーダフォンが混乱していると見えるのではないか」との厳しい声も上がっていた。


 津田氏はボーダフォンには3つの課題があると指摘。1つ目に東京デジタルホンからJ-フォン、ボーダフォンと短期間に体制が変化したことによる問題、2つ目に、ボーダフォングループとしてのスケールメリットをどう活かしていくか、3つ目に前述の2つの課題を早期に解決していくための組織体制作りが必要だとした。

 また、ユーザー離れを引き起こした背景として、定額制の出遅れ、写メール以降のヒットサービスがないなどの要因を挙げた。同社では、昨年12月にグローバルで共通の3G端末をリリースしたがこちらも不振を続けている。海外端末の仕様や機能に合わせると、高機能な端末が好まれる国内の市場では見劣りしてしまうスケールダウン部分もあるのが現状だ。

 2004年末の3G端末について津田氏は、「世界で共通で利用できることに重点が置かれた。しかし、日本で使われている端末機能をそのまま使えない。結果がある意味答え」と述べた。同社では、12月の3G端末をファーストステップとしており、8月に予定している新端末リリース以降、国内事情に合わせた形でステップアップしていくとした。

 また、英ボーダフォンとのコミュニケーション不足を指摘する声も上がった。津田氏はこの件に関して、「むしろ感謝したいぐらい気を配ってもらっている。しかし、日本語でコミュニケーションできるわけではないため、その点はモロー氏の方が得意だろう」とした。さらに、社長から会長となることで、津田氏の経営手腕が発揮しにくくなるとの懸念も示されたが、「私が主体的な部分と、モロー氏が得意な部分がある。私が主体的な部分については経営責任は私が負う」とした。



URL
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://www.vodafone.jp/japanese/release/2005/050207.pdf

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(津田 啓夢)
2005/02/07 16:06

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