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KDDI本間氏、「auの迷惑メール対策は効果あり」

 10日、インターネット協会による「迷惑メール対策カンファレンス」が開催された。午後のセッションには、KDDI モバイルソリューション商品開発本部 商品開発部 課長の本間 輝彰氏が登場し、携帯電話における迷惑メールの現状や、これまでauが行なってきた対策の効果などを紹介した。


携帯キャリアVS迷惑メール事業者の戦い

KDDI モバイルソリューション商品開発本部 商品開発部 課長の本間 輝彰氏
 本間氏は、これまでの携帯電話の普及速度や、携帯ユーザーの87%が週に1回はメールを利用していること、リアルタイムでのコミュニケーションや災害時にも役立つインフラが整っていることを挙げて、「携帯電話のメール環境はレスポンスを重視し、マーケティング面でも効果がある」と利点を指摘。その一方で、同氏は「使い勝手の良い携帯電話のメール環境は、迷惑メール事業者にとって、“こんな良い環境はない”と言えるもの。携帯ユーザーの場合、広告メールのうち10%はクリックされるというデータもあり、パソコン向けよりも反応が良い。これはマーケティング面で効果があるということだが、迷惑メール事業者にとっても同じことだ」と述べ、携帯メールの功罪を分析した。

 同氏は、携帯宛の迷惑メールについては、「受信時に課金が発生してしまったり、時間帯に関係なく迷惑メールが来たりするといったユーザー側の不利益だけではなく、キャリアにとっても大量の迷惑メールが送信されれば無線帯域が占有され、音声サービスにも悪影響があった」と述べた。


携帯・PHSユーザーの87%が週に1回はメールを利用する 携帯に対する迷惑メールの状況

携帯メールのアドレスを英数字に変更したときが「本格的な戦いの開始」だった
 初期の携帯電話メールは、SMSから派生したこともあってNTTドコモやボーダフォン(当時のJ-フォン)は電話番号を用いたアドレスになっていた。従って、迷惑メール事業者にとってはアドレスを収集する必要がなく、「2001年頃は、“数撃ちゃ当たる”という状況」(同氏)だった。同氏によれば、auでは電話番号によるアドレスは提供しなかったものの、大量の電話番号アドレスへの迷惑メールを受信したこともあったという。携帯キャリア側では、初期設定のメールアドレスを英数字のものに変更するという対策を講じたが、同氏は「迷惑メール事業者との本格的な戦いがスタートした」ことを意味するとした。

 存在しそうなメールアドレスに大量に送信するという状況は、メール配信の遅延につながり、「メールサービスそのものにとって最も大きな危機」とした同氏は、パソコンからインターネット経由で送信されてくる“なりすましメール”を紹介。これは、パソコンから発信されているにもかかわらず、「docomo.ne.jp」「vodafone.ne.jp」「ezweb.ne.jp」といった携帯電話からの発信に装ったメールのことで、キャリア側では送信元ドメインをフィルタリングするような形で対策を講じている。


本間氏は、携帯電話をパソコンから操作して迷惑メールを発信してくるケースもあり、「迷惑メールが儲かる」という図式が明らかになったと振り返る
 キャリア側は次々と対策を繰り出すものの、迷惑メール事業者もまた新たな手法を編み出してくる。本間氏は、パソコンから携帯電話をコントロールして迷惑メールを送信する手法を紹介。auの携帯電話では、パソコンから直接携帯電話を制御できないような工夫を施したものの、迷惑メール事業者の中には、携帯電話のカバーを取り外して、基盤に配線して直接制御してau側の対応策を回避しているものもあるという。

 同氏は、「携帯電話から直接発信すれば、毎月300万〜500万円ほどの料金になるはず。以前から想定していたものの、コスト増に繋がるため、実際はやらないだろうと思っていた。それでも構わず送信してくるということは、“迷惑メールが本当に儲かる”ということだ」と述べ、続いて携帯発の迷惑メールへの対策に触れた。

 代表的な例として紹介されたのは、ユーザーからの申告を募るという方法。auでは、2005年3月末時点で約291万件の情報が寄せられ、その結果、約41,600回線に対して利用停止措置を講じたという。これに対して迷惑メール事業者は学生などに声を掛けて、携帯電話を契約してもらい、それを利用するという「名義貸し」に踏み切った。同氏は「正直言って、名義貸しに対抗できる技術的方策はない」と述べたものの、総務省や消費者センターと連携して、「名義貸し」をしないよう啓蒙活動を展開。その効果が現われつつあり、名義貸し自体に利用できる回線数に上限があることなどから、最近では徐々に名義貸しと思われる回線からの発信が減少しつつあるという。

 さらにキャリア側では、大量送信を防ぐための方策として、1日あたりのメール送信数を制限することになった。本間氏は「送信数制限は、非常に効果があった。auの例で言えば、メールサーバーのCPU使用率が従来よりも20%減になった。それまで、数千万通の送信を確認しており、メールサーバーの負荷が減った分、送信数もぐっと減ったことになる。」と大きな成果を挙げたと述べた。


名義貸しも横行しているが、減少傾向にあるという 各キャリアは1日あたりの送信数を制限。大きな効果があったという

auの新サービスでCメールの迷惑メールは激減 Eメールを使った迷惑メールにも対策を講じており、効果があるという

今後の課題はインターネットからの迷惑メール

今後の課題はインターネットからの迷惑メール
 auにとって迷惑メール対策は社会的責務とした同氏は、「これらの対策で携帯発迷惑メールは、ほぼ撲滅した」と胸を張ったものの、「インターネットからの迷惑メールが今後の課題」とした。

 同氏によれば、NTT提供のBフレッツの動的IPから発信されたと思われる迷惑メールが増加しつつあるという。Bフレッツは光ケーブルによる高速通信を実現しており、同社では、1回線につき1日1,000万通以上は送信できることを確認しているという。

 また同氏は、週末に迷惑メールが増える傾向があるとも指摘。同氏は「週末になれば、ISP側のサポートセンターが休んでいるなど対応が手薄。ここを狙っているケースが増えている。事実、このゴールデンウィークは過去最高の迷惑メール送信数を記録した」と述べた。

 本間氏は、インターネット経由の迷惑メールに対する方策として、ぷららが実施している携帯宛迷惑メール対策を紹介。ぷららのサービスで、au宛迷惑メールが対象となった2月15日以降は、迷惑メールが激減したという。またKDDIのISPサービスであるDIONでは、オンラインサインアップによるBフレッツ即時開通を取りやめたところ、迷惑メールの発信が減少したことも紹介された。

 同氏は「既に携帯キャリア側の対策は出尽くしている。これからはISPだけではなく、メールサービスを提供する全ての事業者が協力して対応していく必要がある。インターネットユーザーの利便性が多少損なわれることになったとしても、痛みを分かち合い、自分たちでできる範囲で最善の努力をすべき。迷惑メール事業者のビジネスモデルを破壊しよう」と聴衆に呼びかけていた。


Bフレッツと思われる動的IPからのメール送信や週末の発信が増加しているという 多少利便性が損なわれても迷惑メール撲滅を目指そうと呼びかけた


URL
  迷惑メール対策カンファレンス
  http://www.iajapan.org/anti_spam/event/2005/conf0510/
  KDDI
  http://www.kddi.com/


(関口 聖)
2005/05/10 16:33

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