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ノキアが都内でフォーラム開催、702NKIIも披露

 ノキアは8日、「Forum Nokia Japan Mobile Business & Technical Day」を都内で開催。まもなく発売になるボーダフォン向け端末「702NKII」の展示や、NTTドコモ、シンビアンによるプレゼンテーションなどが行なわれた。


702NKIIや、Symbian OSを搭載したD902i、F902iなどを展示

ボーダフォンから発売される「702NK II」
 今回のイベントの目玉はボーダフォンの702NKII。スタッフによれば「出荷間近。展示機はほぼ製品版と同じバージョン」とのことで、端末にはボーダフォンライブ!のサービスメニューや日本語入力環境もプリセットされていた。操作レスポンスも702NKより大幅にアップしている。また、10月に海外で発表されたビジネス向け端末「Eシリーズ」など最新の端末や、純正オプションで国内でも発売済みのBluetoothヘッドセット「HS-4W」、書いた内容を携帯電話にBluetoothを通して転送できるデジタルペン「SU-1B」も展示されていた。

 ノキア・ジャパン プロダクトマーケティング部 テクノロジー マーケティング マネージャー 大塚 孝之氏は702NKIIについて、「モノを持つ喜びを感じていただけるデザインに仕上げた。パソコンとの親和性や国際ローミングといった利点をアピールしたい」と語っている。

 サードパーティの展示では、シンビアンのブースで、同社のOSを採用したD902iやF902iなどのデモが行なわれていた。コンテンツプロバイダとしては、ナビタイムがナビゲーションサービスのデモを開催。また、タイトーやジー・モードがゲームアプリを動作したS60対応端末を展示していた。いずれのコンテンツプロバイダも、S60対応サービスはまだ開始しておらず、「海外での展開を準備中」とのこと。


スライド式のカバーを開けると130万画素カメラが現れる フルキーボード付きのW-CDMA端末「Nokia E61」 ビジネス向けモデル「Eシリーズ」のスタンダード端末「E60」

2メガピクセルのカメラを搭載した折りたたみ型端末「N71」 ディスプレイは2.4型QVGA

フリップが180度回転してフルキーボードとなる「E70」 Symbian OS v8.1bが搭載されたドコモのD902i、F902iなどが展示された

Bluetoothヘッドセット「HS-4W」 手書きの文字をBluetoothで携帯電話に転送するペン「SU-1B」

S60上で動作しているクターのゲームアプリ「クターの魔球」 S60上で動作するナビタイムのナビゲーションアプリ

ドコモ照沼氏「プラットフォーム化は必須。今後も推し進める」

NTTドコモ 移動機開発部 ソフトプラットフォーム開発担当 担当部長 照沼 和明氏
 同イベントの中では、NTTドコモ 移動機開発部 ソフトプラットフォーム開発担当 担当部長 照沼 和明氏が「ドコモの携帯電話ソフトウェアプラットフォーム MOAP戦略」と題したプレゼンテーションを行なった。

 照沼氏は、携帯電話のプラットフォーム化が避けられない状況であることを主張する。その背景には「iモード登場以降、メール、ウェブからアプリやテレビ電話などサービスが高度化するに従って、より早く、より安価に、より高品質・高機能な端末の提供が必要になってきている」と解説。「既存のサービスを改善しながら、新しいサービスを追加していくと、ソフトウェアサイズがどんどん増えてしまう。たとえば2003年時点ですでにiモード開始時から比べると15倍以上になった」と具体例を挙げた。

 こうした状況の解決策としてドコモが考えているのが「高機能OSの採用、プラットフォーム化の2つ」だ。そして、前者がLinuxやSymbian、後者がMOAPという形で具現化する。こうした取り組みの結果、「これにより移動機メーカーの開発負担を減らし、より特徴を出すことに注力してもらうことが可能になった」(照沼氏)のだという。

 しかし、照沼氏は「共通化したからといって、画一化するのではなく、メーカーごとの独自性発揮の余地が重要」と主張する。そのためソフトウェアプラットフォームのMOAPでは、Symbian OSの機能を継承しながらも、もう一方で「GUI、アプリケーションフレームワーク、テレフォニAPI、コンテンツ管理などのライブラリなどがミドルウェアとして提供され」ており、柔軟なカスタマイズ性が確保できるという。

 なお、照沼氏はSymbian OSを採用した理由として、「携帯電話をターゲットとした高機能OSであること」「スマートフォン向けOSでは6割のシェアを持ち、豊富な採用実績があること」を挙げている。

 MOAPの現状について照沼氏は「MOAP搭載端末は、NシリーズやPシリーズなどLinuxに対応したMOAP(L)も含め、すでに20機種が出ており、全FOMAの40パーセントに当たる700万台を出荷している」とした後、最後に今後の見通しとして、「今後もこうした取り組みを続け、さらなる効率化に努めたい」とし、プレゼンテーションを終えた。


シンビアン久氏「Symbian OSで開発工数の削減を」

シンビアン 代表取締役社長 久 晴彦氏
 次いで、シンビアン 代表取締役社長 久 晴彦氏が登壇。今後の同社の戦略について「プラットフォーム」「Mid Tierへの展開」「セキュリティー強化」「パートナー」の4つに分類して解説した。

 最初に挙げられた「プラットフォーム」だが、この主張はドコモの照沼氏とほぼ重なるものだ。久氏は「自前のOSだと高機能化にコストも時間もかかる。富士通さんの場合もSymbian導入以前は開発に数年かかっていた。しかし、導入後は機種の数だけ開発チームが必要なく、1チームプラスアルファでできてしまう。さまざまなテストも簡略可能で、流用できる部分が多く、メーカーの開発工数を削減できる。今後もプラットフォーム化は進むだろう」とコメント。さらに、Windows Mobileなどと異なる点について、「Symbian OSが提供するのは携帯電話のソフトウェアのコアの部分。顧客の目に触れるUIの部分は端末の形状や、目的、場所、ユーザーによって異なる。この部分は我々が手がけるのではなく、それぞれのメーカーがカスタマイズすればいい。ハードウェアを制御する部分も同様なので、柔軟に対応できるミドルウェアを用意している」と語り、プラットフォームとしての優位性をアピールした。

 2つ目の「Mid Tierへの展開」は、ターゲットをさらにミドルレンジに拡げる、という意味だ。現在はSymbian OSは、世界的な市場を見ると高価格、高機能の携帯電話に主に搭載されているが、さらに「コストの低いニーズを満たす必要性がある」という。

 3つ目はセキュリティだ。昨年、Symbian OSをターゲットとしたウイルスが初めて発生したが、現在の状況について久氏は「まだ実害はない。将来こういうことが起こりますよ、という警告のような意味でのウイルスが多い」と分析。現在存在するウイルスでは「“インストールしますか”という確認を3回パスしないと感染しない」ことから、勝手にインストールされ、増殖するパソコンのウイルスほど脅威ではないという。

 しかし、今後に関してはパソコン同様、悪質化するとの見通しを示した上で、「Symbian OSでは2つの対策を取っている。1つはアプリケーションの出所を明確にするための証明書で制御するシステム。もう1つは前者の証明書に加え、アプリケーションが利用する機能のみを解放するような制御や、個別のアプリケーションが保存するデータ領域を保護する技術を取り入れている」と語り、セキュリティの高さについて自信を見せた。

 さらに、今後の日本市場におけるセキュリティについて「FeliCaが社会インフラになりつつある。重要な情報が含まれているケースが多く、ここが脅かされると致命的。セキュリティに対して社会的責任をもって取り組みたい」と語った。

 最後のパートナーについては、「今後も採用メーカーを増やすなど、さらに強化していきたい」と述べるにとどまった。


Flash Lite 2.0は来年1月発表

マクロメディア モバイル アンド デバイス営業部 マーケティングスペシャリストの松井 邦夫氏
 その後行なわれたマクロメディア モバイル アンド デバイス営業部 マーケティングスペシャリストの松井 邦夫氏のプレゼンテーションでは、携帯電話向けFlashの最新版「Flash Lite 2.0」が来年1月に発表されることが明らかにされた。

 新バージョンは、パソコン版Flash Playerのバージョン7をベースにしたもので、内部のテキスト処理をUnicodeにしたり、JPEGなど静止画フォーマットを読み込みFlashアプリケーションへ出力する機能などを新たに搭載しているという。



URL
  イベント概要
  http://www.nokia.co.jp/forum/about/event/techday200512/


(伊藤 大地)
2005/12/08 18:43

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