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2006年のウィルコムは「ADVANCED & COMFORTABLE」

 ウィルコムは、従来よりも高速な通信が可能となる高度化PHS規格「W-OAM(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)」を発表した。27日開催された発表会には、同社のキーマンが登場し、新たな通信方式をアピールした。


ウィルコム、2005年の好調をキープ

ウィルコム コンシューマ営業本部 常務執行役員の土橋匡氏
 「データ通信サービス向上について」と題してプレゼンテーションを行なった、ウィルコムのコンシューマ営業本部 常務執行役員の土橋匡氏は、2005年2月以降同社の加入者数が着実に増加していると語った。2005年は、データだけでなく通話も定額で利用できる「ウィルコム定額プラン」や、「WILLCOM SIM STYLE」、WX300/310シリーズの投入など話題に事欠かなかった同社だが、12月14日に発売された「W-ZERO3」について同氏は、予想を上回る成果とした。

 これを受けてウィルコムの2006年は、「先進性と快適性の提供」(ADVANCED & COMFORTABLE)に努めるという。快適なデータ通信を提供するため、「通信速度の向上」「低額の定額」「安心・安全な環境」「使いやすさ」をキーワードに展開するとし、今回発表されたW-OAMもそうした展開の1つと述べた。

 W-OAMでは、従来の8x/4x/1xパケット方式の料金はそのままに、通信速度が向上する。1チャンネルあたりの通信速度は、従来の32kbpsから51kbpsとなり、8xパケット方式では最大408kbpsが実現する。土橋氏は、最大384kbpsのW-CDMA方式を意識してか「携帯電話に匹敵する」と語っていた。

 また同社では、従来の1xパケット方式の料金はそのままに、2xパケット方式を提供することも27日に発表した。土橋氏は、ユーザーアンケートを紹介し、通信速度について「料金はそのままで速度の向上して欲しいというユーザーが多数」と説明。現在、4xパケット対応端末のユーザーのうち、1/3が1xパケット方式を利用している。2月1日からは2xパケット方式が事実上のスタンダードとなるとし、こうしたユーザーの利便性が向上する。

 このほか土橋氏からは、リモートロックやWX310Jのような指紋認証機能など、セキュリティ面での配慮や、無線LANサービスの拡張などが語られた。


通信速度は3つのアプローチで向上 料金据え置きで速度アップを求めるユーザー 2xパケット方式を提供

セキュリティ機能を用意 ユーザービリティの向上 無線LANサービス拡張

近氏、W-OAMの仕組みを説明

ウィルコム執行役員 CTOの近義起氏
 続いて、技術的な説明を同社執行役員 CTOの近義起氏が行なった。

 同氏はまず、減少傾向にある携帯電話の音声トラフィック(約5Gbps)よりも、国内のIPトラフィック(500Gbps〜1,000Gbps)が100倍もあるとする調査結果を示し、「あらゆるネットワークはIP化しなければならない」と語った。

 また同氏は、固定ブロードバンドと異なり、ワイヤレスブロードバンドを展開する場合、「物理的な制約がきつい。単純な技術開発では難しいだろう。速度アップは可能だが、容量をアップすることはなかなか難しい」とブロードバンド化の厳しさを語った上で、マイクロセル方式の基地局構成がキャパシティに効果があるとした。

 同社がさまざまな機会で、10年がかりで完成したというマイクロセル方式は、データ通信がよく利用される地域では数十メートル間隔で細かく基地局が設置されている。こうした設置方法が、1つの基地局で大人数を収容する携帯電話のマクロセル方式より、「キャパシティの面で100倍の差があるのではないか?」(近氏)とした。

 次いで、W-OAMについて説明。この新たな通信規格では、電波の状態に応じて、より高速な変調方式を自動選択できる。同社は従来、最大256kbpsのQPSK方式を展開してきたが、これに加えてW-OAMでは、最大408kbpsの8PSK、最大104kbpsのBPSKの2つから変調方式を選択できる。

 8PSKは、QPSKよりも狭エリアながら、より高速な通信が可能で、BPSKは通信速度はほかよりも低いが、安定的に速度が出せるメリットがある。W-OAMでは、これらを刻々と変わる電波状況に応じてダイナミックに切り替えることが可能となる。

 対応する基地局は東名阪など、都市を中心に今後順次拡大される予定。今後さらに8PSKから、1Mbps超が可能な64QAMへと進化させていく方針だ。

 さらに近氏は、TDD方式による次世代PHSシステムについても言及し、数十Mbpsが実現できるとする同システムで「我々はWiMAXを凌駕するような規格策定を目指す」と語った。なお、ウィルコムでは、27日付けで総務省よりOFDMAによる次世代PHSシステムの実験局免許を取得したと発表している。

 このほか近氏は、W-OAM対応のW-SIMの可能性について、「技術的には時間の問題で解決できる。しかし提供時期についてはコメントする立場にない」と話していた。


IPトラフィックは拡大傾向 無線ブロードバンドには大きなキャパシティが必要 マイクロセル方式とマクロセル方式

W0OAMのイメージ 今後も高速化に向けてさらに変調方式を拡大

今後、Wi-MAXを越える次世代PHSを提供 次世代システムの必要性

8xパケット通信をデモンストレーション

 発表会後のプレゼンテーションでは、開発中の端末を利用してW-OAMのデモンストレーションが体験できた。8xパケット方式を使った通信速度テストが可能で、利用してみると、1度目には平均値317kbps、以降350kbps程度の通信速度となった。初回のみ通信速度が遅かったのは、8xパケット方式は、1xから4x、8xと順番にチャンネルをつかむため、通信を開始した最初は低く計算されてしまうという。


初回の計測。通信速度が段階的にアップしている 数回計測してみたが、虎ノ門のウィルコム本社では平均350kbps程度となった


URL
  ウィルコム
  http://www.willcom-inc.com/

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(津田 啓夢)
2006/01/27 17:41

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