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体のリズム、心の状態を空間で共有できるKスタの新しい展示

 KDDIデザイニングスタジオ(Kスタ)では、コミュニケーションに関連したさまざまな展示や紹介が行なわれているが、2007年春からは慶應義塾大学 稲蔭研究室とのコラボレーションによる新しい展示「miXer」が展示される予定だ。

 これに先立つ14日、同研究室の稲蔭正彦教授らプロジェクトのメンバーが、KDDIデザイニングスタジオでプレゼンテーションを行なった。miXerのプロトタイプを披露して展示内容の説明を行なったほか、コミュニケーションの次の在り方を模索する産学一体の取り組みについて語られた。


 Kスタでは現在、3階に「mysq」が展示されている。これはプリクラの動画版といったもので、misqブースの中で自分や友達同士でプロモーションムービーが撮影できるというもの。作成したムービーは携帯電話からも視聴できる。これは慶應義塾大学稲蔭研究室とのコラボレーションによる開発・展示で、今回説明されたmiXerはmysqに代わって2007年春より展示が開始される予定。miXerはKスタと同研究所とのコラボレーション第2弾となる。

 miXerとは、「ココロのコミュニケーション」をコンセプトに制作される新しいエンターテイメント・コンテンツ。一辺が2.5mほどの空間の中で2人が向かい合って座り、心拍数などを検出して壁や空間に光や色で投影することで人の生体情報を視覚化する。映し出される自分の心拍に合わせてタッピングを刻んでいくことで、お互いの心拍などをリズムや振動、視覚として共有し、やがてお互いの生体のリズムが同期していくという「引き込み現象」による一体感、共有感などをコミュニケーションとして楽しめるという。Kスタでの展示は来春となる2007年春を予定。同研究所では、今後携帯電話を絡めた取り組みも行なっていきたいとしている。


左からSD代表取締役の古見修一氏、慶應義塾大学 稲蔭研究室の稲蔭正彦教授 左から稲蔭研究室の植木淳朗氏、富田知尚氏

「引き込み現象」による一体感、共有感をコミュニケーションに利用

心拍数などを視覚化する
 Kスタでの発表では、慶應義塾大学 稲蔭研究室の稲蔭正彦教授、同研究室Surroundings Projectの富田知尚氏、植木淳朗氏、KDDIデザイニングスタジオのプロデューサーでSD代表取締役の古見修一氏が出席した。

 稲蔭教授は、「miXerは、本来の意味で、産学協同で何かできないかと取り組んできたことの第2弾。コミュニケーションがいかに進化していくかを考えていくと、コミュニケーションの考え方そのものが変わってくる。次の時代のコミュニケーションをあえて大学の研究室という立場から考えるというもの」と同研究室について述べ、「広い意味でのエンターテイメントを軸に、五感を使ったものや身体性のあるものを研究している。そういった中で、視聴覚主体のコミュニケーションから、それ以外へ進むというのがmiXer」として、Kスタに展示されるmiXerと同研究室の取り組みを語った。

 同研究室の植木氏は、「ITと身のまわりを絡めたコミュニケーションとして、ITであたたかさを実現したい。一番注目したのは、体から出される身体情報。根底にあるものはアナログで試行錯誤して検証している」などと述べて、置いた手の跡が残る手紙や、毛皮に包まれて生き物のような反応を返すライトなど、さまざまな研究を紹介した。

 富田氏は、miXerについて「コンセプトは心のコミュニケーション。体の中の状態をコミュニケーションで伝えるというもので、身体的なリズムや体温などを視覚化して空間に反映し、お互いの感覚を空間で感じ取るという新たなエンターテイメント」と語った。


身体と空間を使ったコミュニケーションという 空間の中でお互いの身体情報を共有

イス型の「huey」。台に手を置いて指で心拍数を測定

手前のボックスは前回測定した人の心拍で点滅
 また、プロトタイプとなる作品「huey」(ヒューイ)のデモも行なわれた。これは、実際に心拍数を検出して光るイスといったもので、前回に検出した人の光の点滅を同時に見ることでお互いの体のリズムを視覚化して共有できるというもの。仕組みは単純だが、落ち着いている、緊張しているといった表面化しにくい心の動きをお互いで共有できるという試みになっている。

 稲蔭教授は「アイデアが一番大事で、もうひとつ重要なポイントを挙げるなら、それはプロセス。プロセス自体もコミュニケーションでありガイドラインになる。結果がどうなったかまで見て欲しい」と述べて、研究成果だけでなく過程にも注目して欲しいとした。

 Kスタのプロデューサーである古見氏は「miXerは相性診断のようなもので、お互いの関係性が見えるのではないか。環境の変化に対しお互いがどう変化するのか。見えないものをどう見せていくかに興味を持っている」と語り、「夢をカタチにするのがこの施設の機能」として、今後もさまざまな取り組みを行なっていくとした。

 なお、Kスタでは、17日までこのmiXerのプロトタイプ「huey」やそのほかの研究成果を体験可能な状態で展示している。


コミュニケーションにおけるアナログな研究。「花束に添える手紙」は水分を吸収することで読めるメッセージを変化させる 光る「Tabby」は触ったりすると生き物のようにへこんだり膨らんだりする


URL
  KDDIデザイニングスタジオ
  http://www.kds.kddi.com/
  miXer 紹介ブログ
  http://mixer.sfc.keio.ac.jp/blog/
  慶應義塾大学 稲蔭研究室
  http://www.imgl.sfc.keio.ac.jp/

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(太田 亮三)
2006/03/14 21:13

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