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ソフトバンク、ボーダフォン日本法人買収で英本社と合意

左からモロー氏、孫氏、井上氏
 ソフトバンクとヤフーは、英ボーダフォンから日本のボーダフォンを買収すると発表した。17日、都内でソフトバンク代表取締役の孫正義氏、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏、ボーダフォン(日本法人)代表取締役社社長のビル・モロー氏が出席して記者会見が催された。


子会社を通じて買収

買収の概要

買収の概要

買収資金の調達枠

買収資金の調達枠
 買収そのものは、手続き上の流れから、ソフトバンク全額出資で新たに設立される子会社が行なう。これにより、ソフトバンクは、ボーダフォングループが保有するボーダフォン日本法人の普通株式97.7%を取得することになる。残りの2.3%については今後、TOBなどで買収するという。ソフトバンクと英ボーダフォンは3月17日付けで買収についての最終合意に調印しており、ソフトバンクは今後1〜2カ月で買収資金を払い込む予定。「これまで携帯事業に向けて活動してきたことから自然なこと」(孫氏)という点から、将来的にソフトバンク子会社のBBモバイルが、ボーダフォンを買収する新会社を保有することが検討されている。

 ソフトバンクが取得する株式97.7%の価値は約1兆7,500億円と算定されており、このうちソフトバンクが2,000億円、同社傘下のヤフーが1,200億円出資する。不足分はLBO(ノンリコースローン)により賄う。

 買収金額のうち、LBOに参加する具体的な金融機関は明らかにされていない。ただし、孫氏は「我々にとって良い条件と言える安い金利でのオファーを既にいただいている。予定額を完全にオーバーする形」としている。なお、LBO分は買収された後の新会社が負担する。また、新会社の議決権は100%ソフトバンクが持つことになるが、ヤフーおよび、3,000億円を新会社に提供する英ボーダフォンには、優先株式が割り当てられており、新会社のEBITDAが今後7年以内に3兆3,500億円に達した場合は、ヤフーに普通株式4%、英ボーダフォンに普通株式10%の取得権利が割り当てられる。

 買収した理由について孫氏は、「昨年まではMVNOに向けた交渉を行なってきたが、だんだんと“買収したほうが早いのではないか”と考え、今年初めから買収向けて交渉してきた」と語った。


ボーダフォン本社ビル 記者会見出席者
ボーダフォン本社ビル 記者会見出席者。「最後まで契約書の文言を詰めていた」(孫氏)という理由で予定時間より30分ほど遅れてスタートした

1.1〜1.2兆円はLBOでの調達 LBOでの調達額はボーダフォン(日本)が負担
1.1〜1.2兆円はLBOでの調達だが、長期的にはほとんどがシンジケートローンで組まれる LBOでの調達額は、買収された後の新会社が負担する形になる

買収後の体制 他社と比較
買収後の体制 他社と比較

ボーダフォンブランドから新ブランドへ

ボーダフォングループトップのサリン氏が電話でコメント

会見途中には、英国からボーダフォングループトップのサリン氏が電話で「日本のボーダフォンは新しい時代に入る」とコメント

「世界初、日本初という製品やサービスの提供体制は強化・促進する」と孫氏

「世界初、日本初という製品やサービスの提供体制は強化・促進する」と孫氏
 買収が確定した後、現在のボーダフォンはどのように変貌していくのか、また、ソフトバンクやヤフーとはどのような形で関わりを持っていくのか、孫氏から今後の展望が語られた。

 まずボーダフォンというブランドだが、孫氏は「今回の買収は、英ボーダフォンが日本から完全撤退するということではない」としたが、新会社の議決権を100%ソフトバンクが保有することもあり、新ブランドに切り替えられる方針が示された。

 移行期間はまだ未定だが、孫氏は「店舗の看板のかけかえや印刷物などがかなりの数になる。半年以上、場合によっては1年くらいかかるのではないか」とした。経営陣については、まだ合意に至ったばかりとして、今後検討されるという。

 今後の戦略として孫氏は、「ボーダフォンの基地局を結ぶバックボーン網は、今まで他社や日本テレコムの回線を利用してきた。今後は、ソフトバンクや日本テレコムが持つ回線へ切り替えていくことになる。これによるコスト削減が見込めるほか、ヤフーが今後展開する携帯向けコンテンツ事業を踏まえれば、NTTグループやKDDIよりも先んじたデータプラットフォーム、完全なIP網が実現できる」とアピールした。

 また端末については、「新規では獲得できるユーザー数に限界があるが、既に顧客基盤が整っているボーダフォンを買収することで、より多くの端末メーカーと協力していけるだろう。現在の品揃えに加えて、新機能を盛り込んだ端末を続々と用意していきたい。ボーダフォンは、これまでに多くの世界初、日本初といった端末やサービスを提供してきているが、これを促進、強化していきたい」とした。

 またBBモバイルに割り当てられている1.7GHz帯の周波数について同氏は、「我々が新規事業者としての部分があると認められるのか、あるいは完全な既存とされるのか。総務省と相談しながら行くべき方向を検討したい。ただ、既存事業者とされるとしても、NTTドコモやKDDIと同じ立場で扱って欲しい。HSDPAなどを実現するために現状で十分なのかどうか、より良い周波数帯があるのかどうか、よく議論していき、収まるところに収まるだろうと思う」と述べた。

 MVNOの受け入れについても孫氏は「顧客獲得の手段、ネットワークの有効活用と見ている。積極的に検討していきたい」とした。また、高速無線通信に割当予定とされる2.5GHz帯の取得についても積極的に取り組む意向が示された。料金面での戦略について、会場からは「価格破壊するのかどうか」という質問が投げかけられたが、孫氏は苦笑しながら「まだコメントできる時期ではない」とするに留めた。


買収によるメリット

買収によるメリットは大きく4点挙げられた

買収によるメリットは大きく4点挙げられた

端末調達もメリットの1つ
 孫氏からは、ボーダフォン買収による具体的なメリットとして、1,500万人以上という顧客基盤や、携帯事業に長けたボーダフォン側の人材とブロードバンド技術を持つソフトバンク側の人材で共有できるリソースがあること、携帯電話と固定網をセットで提供できることによる収益性の向上、全国に1,800店舗あるボーダフォンショップを活かした営業体制の強化などが挙げられた。

 またヤフーとの相乗効果について孫氏は「ヤフーモバイルは月間約11億PVで、携帯電話向けとして数多くのコンテンツを持っている。また、パソコン向けとして大きな集客力を持つヤフーは、携帯電話への導線として活用できる。携帯・パソコンと相互に活かしていきたい」と語った。

 ヤフーの井上氏は、「インターネットを通じたサービスとして、どうすればより良い、より便利なサービスになるか、日々、試行錯誤している。今回は、キャリアに近い立場からサービス提供する機会に恵まれた。いわゆるユビキタスというものへ今後は挑戦していきたい」と抱負を述べた。

 このほか、孫氏からは、ボーダフォン・グループとワールドワイドでの展開を前提とした、合弁企業の設立に向けて検討に入ったことが明らかにされた。時期や資本比率などは未定で、そもそも設立されるかどうかも決定していないが、孫氏は「ボーダフォングループとは、互いのビジョンが一致している。ソフトバンクとヤフーが持つコンテンツを、いわばiモードのような役割を果たすものとして、世界のボーダフォンに対して提供できればと考えている。これを踏まえれば、今回の買収は、日本の1,500万人がユーザーとなることに加えて、世界のボーダフォンユーザー5億1,000万人、世界のヤフーユーザー3億6,000万人が潜在顧客になる。たとえばオークションやショッピングでは、ヤフージャパンは現在手数料だけで約600億円の収入がある。これが世界規模になるということ。ボーダフォンライブ!というコンテンツサービスは欧州などでも提供されているが、もともとは日本生まれ、ボーダフォン側からは日本法人を売却することは、先進的な携帯電話市場との直接的な繋がりがなくなるため、“もったいない”という話も交渉の初期には出ていたが、合弁会社でコンテンツとデータサービスをもっと強化する、一緒になるということで、思惑が一致した」とした。

 今後については「回線数の拡大や世界展開などで成長していきたい。固定と無線の融合で、ソフトバンクは、21世紀のライフスタイルカンパニー、総合デジタル情報サービスカンパニーを目指していく。決して、総合通信会社になったと言わないでほしい。それは私からすればちょっと小さいもの」と述べた。


相互作用による収益性の向上 営業体制の強化も利点の1つ
相互作用による収益性の向上も見込んでいるという 営業体制の強化も利点の1つ

ヤフーとのシナジー効果も 合弁企業によって、世界のボーダフォン、ヤフーユーザーが潜在顧客になるとした
ヤフーとのシナジー効果も 合弁企業によって、世界のボーダフォン、ヤフーユーザーが潜在顧客になるとした


URL
  ニュースリリース(ソフトバンク)
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2006/060317_0001.html
  ニュースリリース(英ボーダフォン、英文、PDF形式)
  http://www.vodafone.com/assets/files/en/vodjap101lb.pdf
  ボーダフォン日本法人
  http://www.vodafone.jp/

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(湯野 康隆, 関口 聖)
2006/03/17 17:42

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