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ソフトバンク決算、孫氏が携帯事業を強くアピール

ソフトバンクの孫正義氏
 ソフトバンクは、2005年度(2005年4月1日〜2006年3月31日)の連結決算を発表した。説明会に登壇した同社代表取締役社長の孫正義氏は、2005年度増収増益となったことを報告したほか、ボーダフォンから買収した携帯事業の展開についても言及した。


2005年度は創業以来最高の結果

2005年度連結業績
 連結業績結果は、売上高が前年同期比2,716億円増の1兆1,088億円、営業利益が876億円増の622億円、純利益は1,174億円増の575億円と、大幅なV字回復となった。なお、EBITDA、経常利益、税引前純利益なども黒字で、いずれもソフトバンク創業以来最大の数値となった。

 この結果に孫氏は、「対前年同期比でそれぞれの項目が700〜1,000億円改善した。1年前、全て赤字だったことを考えれば素晴らしい業績だ」とコメント。ブロードバンド事業(ヤフーBB)が黒字の回収期に入り、固定電話事業(日本テレコム)も損益分岐点を越えるなど、プラス要因がまとまったことが好調な業績に繋がった。

 また、今回の業績に4月27日付けで買収が完了したボーダフォンの携帯事業を合わせると、売上高は2.5兆円規模になる。携帯電話キャリアでは、NTTドコモの4.7兆円、KDDIの3兆円に次ぐ売上高(いずれも2005年度の数値)となる。

 このほか、2005年度第4四半期(2006年1月〜3月)の業績も増収増益。売上高は前年同期比231億円増の2,984億円、営業利益も454億円増の343億円を計上している。


ボーダフォン買収後の事業規模は2.5兆円 2005年度第4四半期業績

第4四半期の営業利益の推移 年間の業績推移

孫氏、「そば屋経営より携帯事業は単純なビジネス」

4月27日にボーダフォンの買収が完了
 「買収して良かったと日に日に思っている」。ボーダフォンの買収について、説明会の冒頭から前述のコメントを繰り返した孫氏。国内最大規模の買収案件を完了した同氏は、今回の買収劇について「ひとことで言えば時間を買うということ。新規参入してやれないテーマではなかったが、損益分岐点を迎えるまで、また時間がかかってしまう。端末調達についてもある程度ユーザーを掴むまでは、端末メーカーにも集まっていただけない」と話した。

 説明会では、買収のメリットとして6つのポイントを挙げた。1,520万人の顧客基盤、99.93%の人口カバー率、端末の調達力、携帯事業の人材・ノウハウ、全国1,800店舗を有する販売ネットワーク(ボーダフォンショップ)、EBITDA3,000億円規模の事業キャッシュ・フローといったメリットをそれぞれ説明。「国内の携帯電話市場は約8.7兆円規模。ボーダフォンはその中で一番小さいがやりがいのある事業だ」とした。

 また、社内でのディスカッション中に盛り上がった話題を紹介し、携帯電話ビジネスの可能性について語った。「日本国内にそば屋は相当あるが、そば屋を経営するのと、ボーダフォンジャパンの経営はどちらが難しいか? 1万店舗あるそば屋でトップになるのは大変だが、携帯事業は、3社の中で勝てばいい案外単純なビジネスではないか」。同氏はそば屋の例を極端な例として挙げながらも、「携帯事業は十分にやりようがある。1〜2年で改善するとは思わないが、10年後を考えると充分にいけるのではないか」と自信をうかがわせた。


国内市場は8.7兆円市場 3G加入者の推移

パナソニック参入やHSDPAについて

買収のメリット

3Gネットワークを増強
 孫氏は、これまでのボーダフォンの問題点として、「3G網の増強」「3G端末の拡充」「コンテンツ強化」「営業体制/ブランディング強化」の4点を挙げた。

 その解決策として、ボーダフォンの3G基地局を大幅に拡充させるとし、基地局数を年度内にも4万6,000局に増強する方針を示した。なお、ソフトバンクが示したドコモの基地局計画は年度内に4万4,000局。「基地局は一気に改善していきたい。最新のIP技術を積極的に導入し、より安い設備投資で、よりしっかりとしたカバー率を実現したい」と語った。

 また、2つ目のポイントとして、発売が予定されているシャープ製のワンセグ対応3G携帯電話「905SH」を紹介し、魅力的な端末を拡充すると述べた。新たに、これまでNTTドコモなどに端末を供給してきたパナソニック モバイルコミュニケーションズが端末メーカーとして参入するほか、海外メーカーも新たな名前が登場するとした。

 ソフトバンクは、国内最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を傘下におさめているが、孫氏は、3つ目のポイントにヤフーとのコンテンツ強化策を挙げた。今後、フルブラウザといったパソコン向けのWebサイトを閲覧できる環境が拡大するとし、「携帯電話でもパソコンでもシームレスにインターネットを利用できる。iモードやEZwebだけでなく、ヤフーでさくさくと見られる環境を提供する」と語った。

 これまでの各キャリアのネットサービスについては、「iモード・EZweb・ボーダフォンライブ!など、コンテンツはこれまで小さな池に囲われていた。これからはフルブラウザやパケット定額サービス、HSDPAによって携帯電話もブロードバンド化する。我々が蓄積しているネットのノウハウが活かせる時期がやってきた」とした。

 説明会では孫氏のこうしたコメントに、ある程度の通信品質が保証され、無線通信のパケット整合性が保たれる携帯電話のクローズドなネット環境と、ソフトバンクがこれまで展開してきたオープンなインターネットは異なるのではないか? とする質問が出た。同氏は、端末やバックボーンの性能向上によって、ブラウジング環境が整備されてきた現状を説明し、「囲われたコンテンツにユーザーが限定される必要はない」とした。

 また今回、2006年秋にも主要都市においてHSDPA方式による携帯電話サービスを展開する方針を示した。実験を進める一方で、対応する基地局の整備も進めているという。

 このほか、販売体制の強化策として、既存のボーダフォンショップにおいて、これまでの携帯電話のみを扱う業態から、日本テレコムの電話回線やヤフーBBの契約が行なえるようにするほか、ヤフーオークションの落札商品の受け渡しサービスなども行なうとした。

 法人営業も強化するとし、これまで100名足らずだったボーダフォンの法人営業の体制は、日本テレコムの法人営業が加わり、一気に1,000人規模に拡大するという。

 加えて、コスト削減にも取り組み、ボーダフォンのネットワークをIP化し、無線基地間を繋ぐバックボーンをグループ内で用意する方針を示した。また、携帯電話・固定電話・固定通信3社を実質的に1つに統合し、固定費の削減も行なうという。いずれも年間で数100億円のコスト削減が期待できるという。


905SH 3G端末の拡充。パナソニック参入

コンテンツの融合 クローズドのネットワークから、オープンのネットワークへ

バックボーンを統合しコスト削減 グループ間のサービスを連携。シナジー効果を期待

気になる新ブランドの名称は?

 今回の決算説明会の席でも、ソフトバンクの携帯電話事業の詳細が語られることは無かった。同社は、ボーダフォンのブランド名を捨てて、新たなブランド名で携帯電話事業を行なうことを明らかにしているものの、肝心のブランド名については未だ公表していない。

 しかし孫氏は、新ブランドについて、10日、社内で議論したことを明かし、近日中にもブランド名を発表すると語った。

 MNPの導入時期に合わせて、ソフトバンクからさまざまなサービスが提供されることが明らかにされたが、魅力的なサービスを次々と投入するには少し時間がかかるとした。同氏は、買収してからまもない点などを説明し、「いろいろなサプライズを用意する。便利で感動していただけるものを提供したいと思っている。日本のインターネットの草分けはどこの会社だったか? ブロードバンドの草分けはどの会社がアグレッシブにチャレンジしたか? 是非期待していて欲しい」とした。

 なお、一部で低価格競争を期待する向きもあるが、孫氏は、端末やサービスの単純な価格競争には持ち込まないとの見方を示し、総合的なサービス力で勝負する方針を示した。

 同氏は、説明会の最後に「これまでのインフラありきのビジネスから、これからはインフラが当たり前で、どんなコンテンツがあるかが重要になる。デジタル情報カンパニーとして、1つ1つの要素でナンバーワンを目指し、21世紀のライフスタイルを提供する会社にしていきたい」と語った。


様々なサービスを融合 インフラは当たり前になり、コンテンツの比重が高まる


URL
  決算概要
  http://www.softbank.co.jp/irlibrary/results/
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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(津田 啓夢)
2006/05/10 21:35

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