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ソフトバンクの「予想外割」は本当に安いのか

通話料・メール代0円を掲げるソフトバンクの孫氏
 23日にソフトバンクモバイルが発表した新料金プランは、月額2,880円で音声通話無料、メールも無料とインパクトのあるキャッチコピーが並んだ。従来の料金プランから大きく変わることになるため、26日のサービス開始を前に一部で情報が錯綜しているようだ。本稿では、新料金プランの情報を整理していく。


予想外割

 発表時にキャッチーな名称で注目された「予想外割」は、新料金プランの「ゴールドプラン」と新割引サービス「新スーパーボーナス」、期間限定キャンペーン「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」を組み合わせたものだ。複数のサービスを組み合わせたことで、“予想外な割引を提供する”といった意味があるようだ。


ゴールドプラン

指定の時間帯(21時~24時59分)は完全な無料ではなくなる
 「ゴールドプラン」は、月額9,600円でソフトバンク携帯電話同士の通話が基本無料となる料金プラン。新スーパーボーナスへの加入が必須となる。

 ソフトバンク同士の通話が無料となるのは1日のうち約20時間。21時~24時59分の約4時間は完全な無料ではなく、この時間帯の1カ月間の累計通話時間が200分(3時間20分)を超える場合、30秒毎に21円の通話料金が発生する。ソフトバンク以外の携帯電話・PHS、および固定電話宛の通話は無料ではなく、通常よりも高めの料金設定となっているので注意が必要だろう。またこのプランに無料通話分は付いておらず、国際電話も無料通信の対象外となる。

 なお、テレビ電話機能「TVコール」の通話料金は他社携帯電話・PHS宛の通話料金の1.8倍相当になる。

 23日の時点でメールが無料と発表されたのは、ソフトバンク同士のSMSのみだった。24日の追加発表では、ソフトバンク携帯電話でやり取りする携帯電話番号のMMSも新たに送受信無料と発表された。

 ゴールドプランで0円で利用できるメールサービスは、ソフトバンク同士のSMSと電話番号を使ったMMSの2種類のみ。Eメールアドレスでのメールのやり取りについては無料ではなく、EメールやWebを利用する場合は「S!ベーシックパック」(月額315円)に加入する必要がある。なお、同リリースでは、「『予想外割』、すべてのメール代を0円に!」と、全てのメールが0円であるようにも受け取れるので注意されたい。

 さらに、EメールやWebなどのパケット通信を定額で利用するためには「パケットし放題」に加入する。「パケットし放題」については後述する。


月額2,880円で利用するには

 では、月額2,880円とは何なのか? それは、前述の「ゴールドプラン」を2006年10月26日~2007年1月15日にかけて実施される「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」の期間中に契約した場合の料金である。

 キャンペーン中に「ゴールドプラン」に加入すると、その特典として、月額基本利用料が加入当初から約70%引きで提供される。つまり、月額基本利用料9,600円の70%OFFで月額2,880円となるわけだ。

 ただし、1カ月にかかる料金を月額2,880円だけにするためには、ソフトバンク同士のみで通話を行ない(一部時間帯を除く)、ソフトバンク同士のSMSと携帯電話番号を使ったMMSしか利用しない場合に限られる。新料金プランへの加入を検討しているユーザーは、電話をかける相手がソフトバンクユーザーであるかなど、自分の周りの環境をよく調べてみることをオススメしたい。各携帯電話会社のシェアから考えれば、月額2,880円のみとするには、利用シーンが限られると言えるだろう。

 他社携帯電話・PHSおよび固定電話に電話をかけた場合、従来の通話料金よりも割高な通話料となっている。例えば、従来のソフトバンクの料金プランでは、昼間1分あたりの通話料金が15.75円~52.5円程度だが、ゴールドプランでは30秒あたり29.4円~30.45円(1分あたり58.8円~60.9円)となる。なお、ゴールドプランには無料通話は含まれない。

 このほか、前述の通りEメール(通常のS!メール)やコンテンツサービス「Yahoo!ケータイ」などを利用する場合は、「S!ベーシックパック」に加入する必要がある。


オプションサービスは任意加入

 また、「パケットし放題」「スーパー安心パック」「スーパー便利パック」はいずれも加入必須ではない。ただし、23日のリリースでも記載されているが、「スーパー安心パック」「スーパー便利パック」は新スーパーボーナスに加入すると自動適用となるため、自分で解除しなければならない。

 「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」では、各オプションサービスのお試し期間として、「パケットし放題」が最大2カ月無料、「スーパー安心パック」が最大3カ月無料、「スーパー便利パック」が最大4カ月無料となっている。当初無料と放っておくと期間終了後には最低でも月額5,000円程度になってしまうため、留意しておく必要があるだろう。

 「スーパー安心パック」とは、故障時の修理代金の割引や、盗難・水濡れ・紛失時などに同一機種を安く購入できるといった、ユーザーサポート特典を集めたオプションサービスだ。利用料は月額498円。詳しい内容についてはソフトバンクの発表を確認していただきたいが、同サービスは退会後半年間は再入会できない。「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」を利用して、最大3カ月間のみ利用しようと考えているユーザーは注意しよう。なお、新アフターサービスの発表により、従来の「ソフトバンクアフターサービス」(月額315円)は10月25日をもって新規受付を終了する。

 もう一方の「スーパー便利パック」は、留守番電話サービスなどのパックである。利用料は3G端末の場合は月額498円、PDC端末の場合は月額399円となる。


新スーパーボーナスと大創業祭キャンペーン

 現時点では新スーパーボーナスの詳細は明らかにされていない。23日の発表では、26日のサービス開始とともに明らかにされると伝えられ、MNPが開始された24日の店頭でも詳細について語られることは無かった。

 大創業祭キャンペーンでは、端末を購入する場合の頭金を最大10,500円割引する。従来、この割引はスーパーボーナスで提供されてきたものであり、月額基本料金の最大2カ月無料といったものも同様にスーパーボーナスの目玉となっていた。23日の発表では、こうした割引などが新スーパーボーナスとは別であるかのように発表されていた。

 しかし、広報部の説明によれば、大創業祭キャンペーンオリジナルの特典は、月額基本料金の70%割引と、MNPで他社からソフトバンクへ移行した場合に、これまでの契約年数が引き継がれ、それに応じた割引が受けられる点の2つになるという。

 店頭頭金の最大10,500円割引、基本利用料や「パケットし放題」の最大2カ月無料、「スーパー安心パック」の最大3カ月無料、「スーパー便利パック」の最大4カ月無料といった特典は、いずれも新スーパーボーナスに含まれる予定だという。これに加え、26日には+αのサービスが付加されるものと見られる。

 なお、大創業祭キャンペーンは2007年1月15日までの期間限定キャンペーンとなるが、来年1月15日以降、これらの特典や割引が継続的なサービスとなるかは「現在検討中」だという。


パケットし放題

 「パケットし放題」は、従来ソフトバンクが提供してきた下限上限付きのパケット定額オプション「デュアルパケット定額」と同様の仕組みを採用した定額オプションサービスだ。

 デュアルパケット定額では、月額利用料は1,050円~4,095円の範囲となっていたが、「パケットし放題」では月額利用料の下限が1,029円と安くなり、上限額は4,410円と高くなっている。なお、1パケットあたりの通信料金は0.084円(デュアルパケット定額は0.0525円)となり、S!メールをパケット換算した場合の割引き率は75%OFFから60%OFFへと小さくなっている。段階制の定額サービスとなるが、従来よりも上限額に到達し易くなるようだ。従来通りモバイルデータ通信は定額の対象外。

 このほか、フルブラウザ「PCサイトブラウザ」や、X01HTの「PCサイトダイレクト」を利用した場合は、デュアルパケット定額と同様に上記よりも高い上限金額が設定される。



MNPのオープニングセレモニーで「とことんまで行く」と語っていた孫氏
 「予想外割」など、ソフトバンクが「0円」を連呼する今回の料金施策は、23日に同社代表執行役社長兼CEO 取締会議長の孫正義氏から発表された通り、確かに通話もメールも無料だ。だが、無料であるのはあくまで特定の条件のみで、携帯電話を普通に利用すれば0円で済まないのは前述の通りである。

 ソフトバンクの孫氏は、ADSLの固定ブロードバンドの世界に価格破壊をもたらし、日本の固定ブロードバンドが安い利用料で使える環境を作った立役者と言えるだろう。こうしたソフトバンクが携帯電話業界に参入してきたことで、携帯電話に価格破壊を期待するユーザーも多いと思われる。今回同社が発表した新料金プランが安い料金プランとなるかは、ユーザーの利用スタイル次第であり、一般に「予想外」と言えるほどの安い料金かというと疑問が残る部分もある。

 そうはいっても携帯電話の料金プランの複雑さは、ソフトバンクに限らず、NTTドコモやauについても該当するところだ。安さが売りの1つとなっているウィルコムについても、利用スタイルに合った料金プランを組み合わせるのはなかなか難しい。MNPが始まり、これまでよりも他社へキャリアを乗り換えやすい状況となった。契約してから後悔しないように、ユーザーは自分の利用スタイルをもう一度よく考え、移行先の料金プランを検討した方が良いだろう。



URL
  ソフトバンクモバイル
  http://mb.softbank.jp/mb/
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://broadband.mb.softbank.jp/corporate/release/pdf/20061024j.pdf
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://broadband.mb.softbank.jp/corporate/release/pdf/20061023j.pdf

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(津田 啓夢)
2006/10/24 22:23

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