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本当にオトク? ソフトバンクの「全機種0円」

26日、店頭で新料金をアピールしたソフトバンクの孫氏
 ソフトバンクモバイルの新料金プランがいよいよスタートした。26日は同社代表取締役社長の孫正義氏がヨドバシカメラに登場し、「通話0円」「メール0円」に加えて、今度は「全機種0円」という「予想外」な発表も用意された。孫氏は「これ以上何を0円にしようか」と意気込んだが、果たして本当に格安な携帯電話サービスをユーザーは受けられるのだろうか。本稿では、詳細が明らかにされた「新スーパーボーナス」など、ソフトバンクの料金施策をまとめる。


頭金なしの「新スーパーボーナス」

「新スーパーボーナス」は、25日に配布されたばかりのカタログも内容変わってしまった
 「スーパーボーナス」は、端末価格の分割払いや料金の割引などを組み合わせた複合的な割引サービスだ。ソフトバンクを契約している間は、毎月の端末支払い額と同額の割引「新スーパーボーナス特別割引」が適用されるため、ローンの支払いは相殺されて端末価格に関しては実質負担はなくなる。端末購入に際しユーザーは、店頭で頭金を支払う形だった。

 24回払いの返済はソフトバンクに加入してから3カ月目から開始される。つまり、端末代金の支払いが終わるまでは27カ月かかることになる。もし途中でソフトバンクを解約した場合は、返済が終わるまで残りの端末代金を支払わなくてはならず、機種変更であっても同じように返済し続ける必要がある。

 購入した端末によって、毎月の返済額は異なるが、特別割引がいずれも適用される。

 新スーパーボーナスとなっても、基本的な分割払いによる返済スタイルに変更はない。24回払いで返済完了まで27カ月かかり、毎月の支払い額と同額の特別割引も適用されるので、契約解除や機種変更をしなければ実質負担は少なくて済む。23日に発表された新料金プランはいずれも新スーパーボーナスを適用できる。ただし、「ゴールドプラン」のみ新スーパーボーナスが必須となる。

 大きな変更点は「全機種0円」というところだ。新スーパーボーナスでは、従来最初に店頭で支払っていた頭金が0円となり、頭金も24回の分割払いに変更される。このため、店頭で表示されている「頭金0円」の価格表示は、「頭金が0円」というよりも、「頭金も分割払い」という方が正しいだろう。

 少々ややこしい話だが、従来のスーパーボーナスは「頭金+24回分割払い(特別割引で相殺)」で端末を購入した。新スーパーボーナスでは、特別割引で相殺される分を除き、端末の頭金の額に応じて数百円〜数千円の分割払いが必要となる。「従来頭金だった部分の24回分割払い+従来通りの24回分割払い(特別割引で相殺)」の形になり、このほか月額基本料金がかかることになる。

 また、スーパーボーナスや「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」の特典として、2007年1月15日までの期間限定で用意される「店頭支払い価格の10,500円OFF」は、新スーパーボーナスの一括払いのみ適用される。広報部の説明によれば、頭金だった部分の分割払いについては、あらかじめ10,500円を割り引いた価格が24回払いになっているという。


水色の部分は変わらない。新スーパーボーナスでは、頭金も分割払いになる。ただし、頭金の分(灰色の部分)は特別割引で相殺されない

解約・機種変更、ポイントプログラムなど

 新スーパーボーナスでは、旧スーパーボーナスと同様に、27カ月以内に契約解除および機種変更すれば、分割払いの残金、つまりローンを支払い続けなければならない。従来の頭金も分割払いにできるようになったため、契約解除および機種変更時にはその分のローンも追加されるので注意が必要だろう。

 たとえば、HTC製のスマートフォン「X01HT」を機種変更した場合で考えてみよう。頭金を0円とした場合、特別割引で相殺されるローン額が2,280円、従来頭金だった部分のローン額が690円となる。1年5カ月(17カ月)利用して機種変更すると、「2,280円×10回分」と「690円×10回分」を合わせた29,700円を以降支払い続けることになる。さらに、機種変更時に料金体系が変わっていなければ、機種変更した端末の頭金のローンと、特別割引で相殺されるローンが上乗せされることになる。

 なお、マイレージポイントにも注意が必要だ。スーパーボーナスの分割払いを相殺する特別割引は、端末の分割払いと同額の割引ではあるが、端末の分割払いに適用されるわけではなく、利用料に対して割引が適用される。つまり、月額9,600円の「ゴールドプラン」をキャンペーン特典の月額2,880円で利用した場合、ここに特別割引の金額が適用される。ということは、分割払いが月額1,880円だった場合、「月額2,880円−特別割引1,880円」となるため1,000円に対してポイントが発生する。


「X01HT」を購入し、支払い開始から1年後(12回支払い後)に同じクラスの携帯電話に機種変更した場合。残り1年間(12回分)は1カ月に支払う負担額が690円から3,660円に上がる。このほかに月額基本利用料などがかかる

初日の店頭はソフトバンクで大混雑

店頭では「全機種0円」を強くアピール
 最新の携帯電話が「0円」と言われれば、多くの人は心がゆれるだろう。今週に入って立て続けに発表された「通話0円」「メール0円」というキャッチコピーのインパクトは非常に大きく、26日に新料金プランがスタートするとソフトバンクショップや量販店には多くのユーザーが訪れたようだ。

 大手量販店の担当者によれば、大阪の店舗では朝から客が並び、50人待ちの状況になったという。東京および大阪の店舗は、15時から16時の時点で本日中の受け渡しをストップする事態になっており、若い客層を中心に売り場が活気づいているとのこと。また担当者は、ソフトバンクの状況について少し上気した様子で、「基本的に新規顧客で大爆発ですよ。ドコモやauもMNP以降はそれまでの倍以上の動きがありましたが、今日だけを見ればソフトバンクの圧勝です。我々もここまで来るとは思ってなかったです」と話していた。

 なお、0円という料金について、「販売店側も説明が大変なのでは?」と質問すると、これを否定。売り場では、販売価格が0円となるので購入日に代金がいらない点と、分割払いの端末価格は月額基本料金などといっしょに後から請求される旨を説明するだけとなるため、かえってシンプルになったのだという。


「0円」だけで説明責任は果たせるか

23日の発表会

ソフトバンクはネットの常識を携帯電話に持ち込むという
 前回お伝えした「ソフトバンクの『予想外割』は本当に安いのか」でも触れたように、2007年1月15日までに新スーパーボーナスとゴールドプランを適用した場合、月額基本料2,880円で極めて限定された状況ではあるが定額で利用できる。

 これまで、ユーザーが携帯電話をすぐに解約してしまうと携帯電話事業者や販売店には大きな負担がのしかかってきた。実際には5万円以上もする小型で高性能なコンピュータを2〜3万円購入できるのは、その分のコストを月額基本利用料や通話料などで回収しているからだ。

 今回のソフトバンクの一連の料金施策は、これまでのビジネスモデルとは異なる。コストを回収する前に解約したユーザーから、ローンの形で残額を回収できるようにすることで、ソフトバンクとしても販売店としてもリスクを回避している格好だ。

 こうした新たな端末や料金の施策で解約率を下げ、携帯電話のシェアを盛り返そうとする事業者の考えも理解できる。しかし、現状のソフトバンクの説明で、ユーザーがしっかり理解した上で契約できるだろうか。本誌のような専門媒体のスタッフであっても、理解するまでに相当の時間を要する料金体系である。

 また、しきりに連呼される「0円」について、ソフトバンクが現状、説明責任を果たしていると言えるだろうか。「通話0円」「メール0円」「頭金0円」は確かに事実であるが、同時に、非常に多くの但し書きがあることもまた事実だ。今回の料金体系はシンプルになったと言えるのだろうか。

 26日、孫氏がヨドバシカメラの店頭で手にしたパネルには、新規と機種変更が「全機種0円」と記載されていた。しかし、一般的に考えてユーザーが分割払いで購入する商品を「0円」と言うだろうか。そうであれば、クレジットカードで購入した商品はほとんど「0円」で購入したことなってしまう。

 ユーザーとしては自分の利用スタイルをよく検討し、安い買い物のつもりが実は大きな買い物だったということにならないように気をつけたい。



URL
  ソフトバンクモバイル
  http://mb.softbank.jp/mb/

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(津田 啓夢)
2006/10/27 12:59

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