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アイピーモバイルが記者会見を開催

竹内氏

会見する代表取締役社長の竹内一斉氏
 携帯電話事業への参入を目指すアイピーモバイルは28日、同社本社で記者会見を開催した。会見は、18日付けで代表取締役社長に就任したばかりの竹内一斉氏のみ出席し、これまでの経緯などを説明した。

 会見冒頭、竹内氏は「今後の展開について現状、経緯を説明したく、会見することにした。免許返上は現時点ではまったくない。事業開始に向けて(作業を)進めている。ただ、森トラストから株主総会開催の請求があった。その請求では、(アイピーモバイル会長の)杉村以外の取締役解任が求められている。それに応じるつもりで、今後の展開は新経営陣から発表されるだろう」と述べた。

 同氏によれば、森トラストからの請求は「杉村五男氏への株式譲渡で名義書換が完了しておらず、杉村氏からの要請に基づき、株主総会の開催を要求する」というもの。株主総会開催によって、杉村氏を除くアイピーモバイル取締役を解任し、同時に新たな取締役を選任するという。現在のところ、アイピーモバイルの取締役会では、杉村氏への株式譲渡を承認していない。

 現経営陣としては、その請求に応じる考えを示した竹内氏は「記者会見直前に通知されたこともあり、株主総会の日程は決まっていない。ただ、この請求が我々の解任としても、これまで森トラスト側から何も反応がなかったことを考えれば、一歩進んだということで意味がある。森トラストから何かアクションを起こして欲しいと思っていたが、アクションを起こしてもらい、感謝する」と述べ、森トラストの行動に謝意を示した。

 新経営陣の候補者は、森トラストから寄せられた請求書に記されているとのことだが、竹内氏は、「現時点では何も決まっていないので控えたい」として、公開を避けた。


事業化の可能性について

 今後の事業展開については、「新たな経営体制で進められるだろう」として、同氏の口からは語られなかった。携帯事業参入のタイムリミットまで、あと1カ月強となった段階だが、同氏は「個人的には、アイピーモバイルの事業化はできると思っている」と述べたほか、開設計画の変更申請に向けて準備を進めていることが明らかにされた。

 開設計画変更の内容までは触れられなかったが、「11月時点では、他社と比べると『これでサービスイン?』と言われるレベルになる可能性はある。ただし、3カ月後、半年後、数年後というスパンできちんとしたサービスにできると思う。まずは資金面での裏付けが本質的な問題。モバイルでのインターネットは、既に他社によって実現されているが、アイピーモバイルは異なる通信技術を用いて差別化できる」と述べた。

 竹内氏は「森トラストが何より必要だと考えていた。4月以降、設備状況に変化はなく、新たなパートナー探しなどが主業務となっていた。異業種に対して不安を抱いていた森トラストに対し、安心させられなかったのは我々に問題があったと言える。ただ、森トラストという会社がコアになることが重要と考えている。たとえば、NextWaveは森トラストが中心となるのであれば、ベンダーとしての立場に加えて、資金提供も真剣に考えると言っている」と語り、アイピーモバイルには森トラストが必要との考えを説明した。

 また、森トラストに対して謝意を示した理由を尋ねられると、「NextWaveから株式を返却されれば、免許を返上すると聞いていたが、免許返上されなかった。感謝するしかない。そして杉村と譲渡契約を締結し、互いの話がかみ合わず、その状況がいつまで続くかわからない中、どういう形であれ変化があるのは意味がある」と述べ、森トラストのとった行動が今後のアイピーモバイルの事業展開に繋がるものとして期待できるとした。

 4月に森トラストが筆頭株主となった後、7月にいったん米NextWave Wirelessが株式を買い取ったにもかかわらず、返却オプションの行使が行なわれたことで、アイピーモバイルの筆頭株主が不透明になり、事業展開についても不透明さが増した格好だが、同氏は「森トラスト、杉村、当社が話し合って、誤解を解く、あるいは株主総会開催の要請を取り下げるよう求めることはしない。あれこれと言うつもりはない。個人的にも、たとえ社外の立場になったとしても、この事業は立ち上げたい。私の力が求められれば注力したい。株主総会開催要請の直後に杉村と電話で話したが、彼は『頑張る』と述べ、私からは『頑張ってください』と伝えた。これまでも杉村を側で見てきた。事業を立ち上げたいという思いは同じだろう。ただ、杉村と我々の手法が違う、ということだろう」と杉村氏の行動に理解を示した。


森トラストの考えは?

 会見後、森トラストに電話取材したところ、「19日の発表時点で杉村氏への売却が行なわれ、実質的に筆頭株主は杉村氏になった。ただ、その書き換えが行なわれていないため、杉村氏から現時点で名義上の筆頭株主である当社に対し、株主総会を招集したいと要請があった。その手続きを代行したに過ぎない」(森トラスト広報)とのコメントを得られた。

 森トラストでは、「新取締役候補者がだれか」といった点も関知していないという。森トラストの認識としては、株主総会が開催され、アイピーモバイルの経営陣が交代すれば、森トラストは名実ともにアイピーモバイルとの関わりがなくなり、アイピーモバイルの今後にも関与することはないとのこと。

 森トラストが現時点の考えを変更することがなければ、アイピーモバイルの筆頭株主は杉村氏に移り、その後の展開は杉村氏次第、ということになる。



URL
  アイピーモバイル
  http://www.ipmobile.jp/

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(関口 聖)
2007/09/28 15:14

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