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ブロードコム、HSUPA対応シングルチップなど高性能製品をデモ

「BCM21551」

「BCM2727」
 米ブロードコムは、3GのHSUPAに対応したシングルチップ製品「BCM21551」とマルチメディアプロセッサ「BCM2727」を国内で発表し、サンプル出荷を開始したと発表した。

 今回発表された「BCM21551」は、3G携帯電話の主要技術をワンチップで提供する製品。65nmプロセスで低コスト、低消費電力を実現しながら、HSUPA/HSDPAとEDGEに対応し、Bluetooth、FMラジオをサポートする。マルチメディア機能ではH.264方式の動画をVGAの解像度で扱えるほか、5メガピクセルのカメラ、30fpsのテレビ出力、オーディオ機能を搭載する。デュアルコアCPUにはARM 11が採用され、OSはSymbian OS、Windows Mobile、Linuxがサポートされる。パッケージサイズは12×12mm。

 一方、マルチメディアプロセッサとして発表された「BCM2727」は、12メガピクセルのカメラや3Dゲーム、HD動画をサポートするハイエンド・マルチメディアプロセッサ。720pの動画を30fpsで録画・再生できる性能に加え、HDMI出力をサポート。カメラ機能では12メガピクセルのカメラで毎秒10コマの撮影が可能で、画像補整機能、合成機能、スライドショー機能などを備える。3D機能ではプログラマブル・ピクセルシェーダーに対応するOpen GL ES 2.0をサポートし、130mWの電力で毎秒3,200万ポリゴンの処理を実現する。パッケージサイズは8×10mm。


米ブロードコムのマーク D. ケーシー氏。手にしているのは「BCM2727」を搭載した開発基板
 19日には都内で記者向けに発表会が開催され、同社の戦略や製品概要、マルチメディアプロセッサ「BCM2727」のデモが披露された。

 登壇した米ブロードコム モバイル・プラットフォーム・グループ モバイル・マルチメディア事業部 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのマーク D. ケーシー氏は、同社の基本的な戦略を、「マーケットリーダーにフォーカスし、ここにベストな技術を開発していく。そうすれば、我々もマーケットリーダになれるというシンプルな戦略」と説明。2月にEDGE対応のシングルチップ製品がノキアのEDGE端末に採用されたこと、10月には3G対応チップがサムスンの製品に採用されたことなどを例に挙げ、いずれも世界で大きなシェアを持つメーカーに同社の最新製品が採用されているとアピールした。

 こういった戦略の最新製品として発表されたのが、HSUPA対応の3G製品でマルチメディア機能も統合した、コードネーム“ゼウス”と呼ばれる「BCM21551」と、「VideoCore III」と呼ばれるマルチメディアプロセッサ「BCM2727」の2つ。


BCM21551

「BCM21551」の概要。無線からマルチメディアまでを統合したワンチップ製品
 HSUPA対応のワンチップ製品となる「BCM21551」では、ケーシー氏は「高性能なマルチメディア機能を持ちながら、マス向けの価格にまで下げられた」と低コスト面や占有面積の小ささをアピール。「新しい技術の提供ペースを加速しており、新規の顧客も獲得している」としたほか、HSUPAなどに対応しながらワンチップを実現した点については、「シングルチップの提供は聖杯と見られていた。あるいは、登らなければいけない山のようなもの。我々は技術力でそれを実現した」と述べ、ワンチップソリューションの需要の高さを示唆した。同氏はまた低消費電力を実現した面も強調し、従来と同等のバッテリーでも通話・待受時間が伸びるとした。


HSUPA対応などハイエンドのワンチップ製品を聖杯(Holy Grail)や高い山に例え、技術力の高さを示した 低消費電力も大きな特徴とした

基板両面を使った従来製品と比較すれば、占有面積は6分の1になるとした ワンチップとなることで、基板サイズを小さくでき、電源関連のチップもブロードコムから提供できるという

VideoCore III「BCM2727」

「BCM2727」の3つの大きな特徴
 「VideoCore III」と紹介されたマルチメディアプロセッサ「BCM2727」では、ケーシー氏からスペックの概要が説明され、「低消費電力を実現しており、携帯電話にも搭載できるだろう」とモバイル端末をメインターゲットとして開発されていることが明らかにされた。各性能についても、従来と同等のバッテリーサイズで3時間のHD動画の録画、6時間のHD動画の再生、60時間以上のMP3再生といった例が挙げられ、65nmプロセスで製造される先端技術の効果がアピールされた。


「BCM2727」の概要。低消費電力による長時間駆動も大きく取り上げられた HD動画は720pで30fpsの録画・再生と高性能

カメラは1200万画素クラスに対応し、露出補正機能も備える。スライド内の写真では、夕日と、車のメタリックな質感などを両立している 200万画素カメラの携帯や一眼レフとの比較も。適正な露出補正を比較しているものと思われる

3D機能の概要。PS2に勝るとも劣らないとアピール

 デモではHDMIで接続されたHD対応モニタを使用し、動画が30fpsでなめらかに再生されたり、さまざまなテクスチャが貼られた複雑なポリゴンモデルがスムーズに動いたりするデモなどが披露された。


HD動画の再生デモ。激しいアクションシーンもなめらかに再生された 5MBクラスの画像を表示

スライドショーではさまざまな効果とともに画像が切り替わった 3D性能のデモ。複雑な模様の鎧を着たキャラクターがなめらかに動いていた。柱、畳なども緻密に描かれている

アイコンメニューも3D化できるというデモ 「BCM2727」のデモを行なった開発基板。左上にはHDMI端子も見える


URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.broadcom.com/press/release.php?id=1062649


(太田 亮三)
2007/10/19 17:22

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