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Bluetooth腕時計「i:VIRT M」の機能とは

i:VIRT M
 シチズン時計は、ソフトバンクモバイルの「920SH」「820SH」「821SH」に対応するBluetooth搭載の腕時計「i:VIRT M(アイバートM)」を発売した。Bluetooth機能の新たな使い方として注目される「腕時計との連携」を実現したこの製品について、触れられる機会を得た。担当者の話とともにi:VIRT Mで利用できる機能を紹介する。

 i:VIRT MはBluetooth機能を搭載し、Bluetooth機能搭載の携帯電話と連携できる腕時計だ。携帯電話と連携することで、着信通知や保留操作、不在着信の確認、着信メールの表示といったことが腕時計上で行なえる。プラスチックケースモデル4色とチタンケースモデルが用意され、チタンケースモデルは13日に発売される。店頭価格は、プラスチックケースモデルが19,800円、チタンケースモデルが約39,000円。

 i:VIRT Mが連携できるのは、ソフトバンクモバイルのシャープ製端末「920SH」「820SH」「821SH」の3機種。3社の連携により開発されていることから現在はこの3機種が対応するのみだが、今後も対応携帯電話は登場する見込みとなっている。シチズン製で前モデルにあたる「i:VIRT」はBluetooth対応携帯電話を広くサポートしていたが、i:VIRT Mは前述のようにまずは3機種からスタートする。一方で、i:VIRT Mは携帯電話側とあらかじめ連携して開発されたことで、前モデルには無いさまざまな機能が実現されている。


携帯電話と連携する10の機能

 携帯電話との連携機能では、大きく分けて10の機能が搭載されている。腕時計の時刻合わせに携帯側の時刻を転送する機能のほか、携帯の着信の保留・拒否、着信番号やアドレス帳登録名の表示、メールの件名・本文表示、「S!速報ニュース」の速報コンテンツの閲覧、カラー液晶による絵文字の表示、カメラのシャッターのリモート操作、各種アラームとの連携と鳴動の停止、携帯のバッテリー・電波受信状態の確認、マナーモードなどのモード切替、と10の機能が利用できる。i:VIRT Mにはバイブレータが内蔵され、各種の表示が行なわれる際には震えることで案内される。

 前モデルと大きく違うのは、i:VIRT M側にアドレス帳を搭載していない点。着信時には電話番号やアドレス帳に登録した名前が画面上に表示されるが、これは携帯に登録されているものがそのままi:VIRT M側にも表示される仕組みになっている。

 また、メールの閲覧に対応し、件名と本文の冒頭が全角70文字まで表示可能。カラー液晶を搭載することで絵文字も問題なく確認できる。i:VIRT M側では10件まで履歴を保存する。「S!速報ニュース」と連携するのも新しいポイントで、携帯側に新たなニュースが配信されると、新着ニュースがi:VIRT Mにも表示され、最大15件まで保存される。

 ユニークな機能として、カメラのリモートシャッター機能が搭載される。この設定は携帯側でのみ行なうもので、カメラ起動時にリモートシャッター機能を使用するかどうかを設定する。ONにしていると、携帯のカメラ起動と同時にペアリングされたi:VIRT Mがリモートシャッターモードに移行。i:VIRT Mのボタンを押すことで携帯カメラのシャッターを切ることができる。

 アラーム連携機能は、携帯側で設定したスケジュールやキッチンタイマーといったアラームと連携する。携帯のアラームが作動するとi:VIRT Mにはどのアラームが鳴動しているかが表示され、振動でアラームを知らせる。アラームをi:VIRT Mで止めることも可能だ。

 このほか、着信時には保留・拒否が操作できるほか、携帯から着信音が出ていた場合は着信音をミュートにすることもできる。


アイコンメニュー画面。左上が「戻る」、左中央がライト、左下が決定ボタン。右側はカーソルの上下移動 メール(70文字まで)の閲覧も可能。絵文字も表示できる

Bluetoothでペアリングした携帯に着信があると、腕時計側は振動とともに着信表示。携帯側の着信音のミュートも可能 不在着信となった場合は画面下部に表示される。写真はライト消灯状態。時刻表示はアナログタイプも用意されている 不在着信を確認すると履歴が表示される

速報ニュースも確認できる リモートシャッター機能は携帯側の操作で起動。右下、左下のボタンがシャッターになる 携帯側のバッテリー、電波状態も確認可能

カラー液晶搭載の“充電する”腕時計

置くだけで充電できる充電台が付属。パッケージ(左)もユニーク
 腕時計としてのi:VIRT Mは、文字板にあたる部分を全面カラー液晶とする、ユニークなものになっている。市販製品への搭載は初めてという液晶デバイスが使用されており、消費電力を抑えたカラー表示を可能にしながら、バックライト消灯時の視認性、屋外での見やすさにも優れている。

 Bluetooth対応ということで筐体内部はCPUやメモリなどのデバイスが搭載され、電源としてリチウムイオン充電池が搭載される。商品電力との兼ね合いからリチウムイオン充電池は大型のものが搭載されるが、耐久性が考慮され、5年の使用でも約80%の性能を維持するという。また、前モデル同様、簡単にセットできる非接触方式の卓上充電台がパッケージに付属する。

 電池持続時間は、携帯電話連携時、Bluetooth機能が使えなくなるまでは約5日間。充電警告から時計が停止するまでは約1日。携帯非連携時は約1カ月使用できる。

 i:VIRT Mにはプラスチックケースモデルとチタンケースモデルの2モデルが用意され、プラスチックケースモデルはブラック、ブルー、シャンパンゴールド、ショッキングピンクの4色展開。Bluetooth連携関連の機能はいずれも同じだが、防水性能はプラスチックケースモデルが3気圧防水、チタンケースモデルが5気圧防水となる。

 なお、チタンケースモデルはプラスチックケースモデルの価格(店頭価格は約19,800円)の約2倍の価格(店頭価格は約39,000円)となるが、チタンの腕時計としてベルト部分もしっかりと作り込んだことから、「かなりお買い得な価格になっている」という。また、店頭で購入しないユーザーのことも考慮に入れ、ベルトのコマ調節がしやすい構造も取り入れられている。


プラスチックケースモデル(ブラック) チタンケースモデル

担当者が語る「i:VIRT M」のコンセプト

シチズン時計 NW事業推進部の松王 大輔氏
 シチズン時計 NW事業推進部の折原 敬子氏よれば、前モデルの「i:VIRT」発売後、メールも読みたいという要望が多く寄せられたという。このため、i:VIRT Mはソフトバンク、シャープと連携して開発が進められた。i:VIRT Mとの連携機能は新機能として追加されるため、対応機種が3モデルになることについて折原氏は「これがスタート」としており、ソフトバンクのシャープ製端末には今後もシチズンのBluetooth腕時計連携機能が搭載されていく見込みであるという。

 実際の製品開発を担当した同社 NW事業推進部 松王 大輔氏は、「最も苦労したのは電力系の部分」と開発当時を振り返る。「何かやるたびに『電池を食うから』となり、描画方法やCPUクロックなどパワーマネジメントは苦労した」と、電源関連が最も大きな課題のひとつだったと語る。

 「i:VIRT」にさかのぼるBluetooth腕時計のコンセプトは、折原氏が「女性にこそ便利な機能」と語るように、「最初は女性向けに開発するつもりでスタートした」(松王氏)という。しかしBluetoothを実現するために必要なスペックを満たすと、各種のチップや電池の大きさから女性向けの小型の腕時計を実現することは難しく、「i:VIRT」では先進的な機能をアピールするユニークなデザインが与えられた。また、電池のサイズだけでなく、バイブレータの振動モーターもサイズが大きくなっている一因とのことだった。

 折原氏は今後について、「シチズンとして、この仕組みをどれだけスタンダードにできるかが重要。よく、これ(i:VIRT M)で通話できますか? と聞かれるが、携帯電話の代わりにするつもりはない」とし、あくまで携帯との連携に重点を置いていくという。「腕時計は身に付ける最も身近な精密機器で、i:VIRT Mは携帯と共存していくもの。腕時計としてのこだわりの中で発展させていきたい」とのことだった。



URL
  「i:VIRT M」紹介ページ
  http://citizen.jp/ivirt/
  ソフトバンクオンラインショップ 「i:VIRT M」紹介ページ
  http://onlineshop.mb.softbank.jp/wos/html/feature_BT.html

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(太田 亮三)
2007/12/10 11:51

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