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【 2009/06/26 】
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青少年への携帯フィルタリング、義務化は遅れる見通し

中間とりまとめ案が示された

中間とりまとめ案が示された
 25日、総務省で「インターネットの違法・有害情報への対応に関する検討会」第6回会合が開催された。今回は、これまでの議論を踏まえた中間報告(中間とりまとめ)の案が公開されたほか、増田寛也総務大臣が挨拶も行なった。

 また、青少年ユーザーに対する携帯電話のフィルタリングサービスは6月〜8月頃を目処に義務化する方針となっていたが、今回の会合終盤、総務省側から延期になるとの見通しが語られた。

 これは、全国高等学校PTA連合会会長の高橋正夫氏からの質問に答える形で明らかにされたもの。高橋氏は「今回、中間とりまとめとなったが、当初は『6月〜8月にも高校生以下の携帯電話に対してフィルタリングが義務化される』というものだった。5月にも全国の学校でPTA総会が行なわれる。当初通り6月〜8月と伝えて良いのか?」と尋ねた。

 これに対し、総務省消費者行政課の二宮清治課長は、「確かに当初はその予定だったが、今回の中間とりまとめの結果、各社に対応を協議してもらうことになる。できるだけ早く目処となる時期を示したいが、現時点では、『6月〜8月』というスケジュールは遅れるだろう。それがいつになるかはわからないが、判明次第、お知らせしていく」と述べ、延期になるとの見通しを示した。


携帯フィルタリング、一律ではなく多様性重視に

 今回発表された中間とりまとめ案は、出席者からの異論はなく、そのまま正式な中間報告書として発表される見通しとなっている。その内容は、これまでの経緯や現状の課題、携帯電話のフィルタリングの在り方を示したものとなっている。

 現在、携帯電話のフィルタリングサービスは、キャリア推奨サイトを集めたとも言える“ホワイトリスト方式”と、特定業者がジャンル分けしたリストを元に、アクセスできないジャンルを規定する“ブラックリスト方式”が提供されている。

 このうち、ブラックリスト方式については、これまでは年齢を問わず、どのユーザーに対しても同じフィルタリングリストが適用されることもあり、小学生〜高校生と幅広い年齢層を対象とするフィルタリングの義務化方針が示されると、関係各所から柔軟なフィルタを求められるなど批判の声が上がっていた。

 これを受け、本会合でも一律規制を懸念する方向となり、中間とりまとめでは「同一性・非選択制から多様性・選択制に改善する方向性」ということになった。あわせてコンテンツ事業者から「当社のサイトは健全でフィルタリング対象外に」という申請を受け付けて認定する第三者機関が必要とされたほか、ユーザー側から「このサイトは問題ない」とアクセス制限の対象から外せるシステムの構築が必要との指摘も為されている。コンテンツ事業者がユーザーを識別しやすくするために、ユーザーが年齢などの属性情報を提供できる仕組みも必要とされた。この仕組みについては課題が多いため、短期的な実現は難しいとの見方も示されているが、携帯電話だけではなく、ネット全体での対策として有効と見られることから、あらためて中間とりまとめに記されることになった。


 現状のフィルタリングサービスは無料提供となっているが、中間とりまとめで示された理想のフィルタリングサービスを実現するには、新たなシステム構築などが必要となると見られ、「各社に対して無料提供を求めるのは困難」としている。

 また、現状は携帯電話・PHSキャリアの役割が多大になっていることから、携帯コンテンツの審査などを行なう第三者機関とキャリアがフィルタリングサービスの責任を分担するよう提言されている。ただし、この第三者機関は行政やコンテンツ事業者、キャリアとは分離・独立したものであり、特に行政は有害情報の基準策定、サイト評価に立ち入らないことが原則で「第三者機関に関与すべきではない」と記されている。

 第三者機関が示す基準に対しては、各キャリアの積極的な協力が不可欠であり、各社のフィルタリングサービスに反映されることが必要とも記された。

 またユーザー自身に対しても、携帯電話の利用に対する知識向上が不可欠とされた。保護者は、子供に携帯電話を与えることで、リスクのある環境に放置する可能性があることを十分認識すべき、とされたほか、コンテンツ事業者や第三者機関、キャリア、政府(総務省)はユーザーや教育関係者のリテラシー向上を目指して、啓発活動に取り組むよう提案された。

 このほか、政府としては、この中間とりまとめで示された方向性を元に各キャリアに対して要請すべきとされ、増田総務相は「25日中にも各社のトップに要請を行なう」と述べた。規制という観点だけではなく、産業振興策も必要とされ、ネットの良好な利用環境が民間の力で提供されるようにすべきとされた。


EMAはレイティングシステムを紹介、欧州の動向報告も

 4月8日に設立された、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)からは同団体の活動趣旨などの説明が行なわれた。ほとんどは、設立時の会見で述べられた内容と同じだったが、新たにレイティング構想が明らかにされた。

 EMAでは、青少年にとって健全なサイトを目指すコンテンツ事業者からの申請を受け付け、認定するかどうか審査し、きちんと運用されているかチェックしていくという団体。本格的な活動は5月以降の予定だ。今回明らかにされたレイティングとは、サイトの内容によって「18歳未満禁止」「12歳未満禁止」などと示すもの。映画作品やゲームでは同様の仕組みが取り入れられているが、認定業務が軌道に乗ったあとの次のステップとして実施される予定という。レイティングの具体的な内容は今度検討される見込みだが、EMAが指定する形と、サイトが自称する形の2つを組み合わせて運用していくというイメージが示された。

 また認定スキームのイメージ例としては、コミュニティサイトを例に挙げ、「本来排除すべきは、有害情報、あるいは有害な使い方をする人」として、端末識別情報などを活用して、クレジットカードのブラックリストのように特定のユーザーをサイトから排除する仕組みが紹介された。


増田総務相も挨拶した

増田総務相も挨拶した
 このほか、総務省側から欧州視察の結果も報告された。それによれば、欧州でもネット上の違法・有害情報は問題視されているが、携帯電話での利用という面では日本の方が先んじているため、むしろ欧州から注目されている面があるという。

 欧州の中でもドイツや英国などの取り組みが紹介され、現地では主にキャリアなどの事業者が自主的な規制という形で、検索結果から違法サイトを排除したり、児童ポルノに対してフィルタリングしたりしているという。

 会合終盤、増田総務相は、「ネットは日常生活に深く浸透した一方、問題が深刻化してきた。本日も消防庁から硫化水素による自殺が発生したとの報告を受けた。青少年への影響が深刻化し、国会でも議論になってきている。最終的なとりまとめに向けて、さらに議論を深めて欲しい」と期待感を示した。



URL
  インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会
  http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/internet_illegal/

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(関口 聖)
2008/04/25 18:29


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