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マイクロソフト、「Windows Mobile 6.1 日本語版」発表

 マイクロソフトは、スマートフォンなどの携帯機器向けOS「Windows Mobile 6.1 日本語版」を発表した。併せて、Windows Mobile端末をシステム管理するための「System Center Mobile Device Manager 2008 日本語版」も発表された。


法人向けの管理機能を強化。SCMDM 2008クライアント機能も搭載

 「Windows Mobile 6.1 日本語版」は、「Windows Mobile 6」のアップデート版にあたる携帯機器向けOS。カーネルはCE 5がベースとなっている。操作性、生産性、管理機能の3点が向上し、主に法人ユーザーからの要望に対応したという。

 操作性の面では、初期設定用のウィザードを搭載し、日時や壁紙、着信音、Bluetooth、無線LANなどの設定が自動化された。Internet Explorer Mobileにはズーム機能が追加され、閲覧性の向上が図られている。アドレスのオートコンプリート機能なども実装され、SMSメッセージのスレッド表示も可能になった。Standard版には、スライドパネル式の操作で予定表や、ボイスメールなどが利用でき、Windows Live機能が把握できるホームスクリーンも用意される。

 生産性の面では、タスクマネージャーユーティリティにより、アプリケーションとプログラムの終了や切替、メモリやCPUの使用率が参照できる。Standard版にはコピーおよび貼り付け機能が搭載されたほか、リモートデスクトップ機能も用意される。Exchange Serverと組み合わせた場合、バッテリー効率は33%向上しているという。

 法人での導入にあたって、紛失・盗難といったトラブルが大きな問題になることから、セキュリティなどのシステム管理を行なうためのアプリケーションとして、「System Center Mobile Device Manager 2008 日本語版」(SCMDM 2008)も発表された。Windows Mobile 6.1はSCMDM 2008クライアント機能を搭載しており、マイクロソフトでは、SCMDM 2008と組み合わせることで、パソコンレベルの端末管理とセキュリティ管理を実現できるとしている。

 グループポリシーによる端末管理で、カメラやBluetoothなどの利用制御や、アプリケーションの使用許可、導入制限が可能になっているほか、紛失時には遠隔操作で端末を初期化する「リモートワイプ」機能などが利用できる。また、企業の管理者向けには、デバイスの登録とセキュリティポリシーの設定の2点を中心に、コンソール画面から管理が行なえる仕組みを提供し、誰がどの端末を使っているかといった詳しい情報が一元管理できるようになっている。ドメインへの参加にはワンタイムパスワードを発行することでスムーズな接続と認証が可能になるなど、管理者の工数軽減にもつながるという。


会場には、国内外のWindows Mobile搭載端末が展示された WILLCOM 03

サムスン電子の端末。OMNIAも展示されていた ASUS製端末

HTC製端末 Windows Mobile 6.1を搭載した、OMNIAのホーム画面

カーソルが自由に動かせる OMNIAの設定画面

Windows Mobile 6.1を搭載した、ASUSのホーム画面

エディションはStandard、Professional、Classicの3つ

 Windows Mobile 6.1は、Windows Mobile 6と同様に3つのエディションをラインナップする。「Windows Mobile 6.1 Standard」は音声通話中心のタッチパネル式ディスプレイを搭載しない端末向け、「Windows Mobile 6.1 Professional」はデータ通信中心でタッチパネル式ディスプレイ搭載端末向け、「Windows Mobile 6.1 Classic」は非接続型でタッチパネル式ディスプレイを搭載する端末向けとなる。

 現在国内でWindows Mobile 6.1を採用している端末は、ウィルコムのシャープ製端末「WILLCOM 03」のみであり、OSは「Windows Mobile 6.1 Classic日本語版」。既存のWindows Mobile 6端末のアップグレードに関しては「技術的には可能」としており、対応については各通信事業者の意向次第になるという。


スマートフォン市場は順調な伸び

マイクロソフトの佐分利 ユージン氏
 マイクロソフト執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利 ユージン氏が、市場の動向や同社の戦略を解説した。

 Windows Mobile端末が世界で初めて市場に投入されたのが2002年。世界では、49メーカー、160通信事業者で55カ国で展開されている。日本では、2005年の年度末にリリースされたウィルコムのシャープ製端末を皮切りに、これまで4事業者、4メーカーから13機種が登場している。

 出荷台数の実績は、2007年度に世界で1100万台にのぼり、2008年度は2000万台に達する見込み。佐分利氏は「非常に安定した成長を見せており、活用率の高いプラットフォームだと考えている。過去6年にわたり作り上げてきた市場。これからますますスマートフォン市場の活性化に向けて、マイクロソフトは引き続き投資していく」と語った。

 また、世間で注目を集めている「iPhone」についても触れた。IDCによる分析では、2008年から2012年にかけて、コンシューマ領域ではWindows MobileはiPhoneの倍、法人領域では8倍になると見込まれているという。佐分利氏は「Windows Mobileは、ここ5~6年間ずっとパートナーとの協力を得て市場展開してきた」と自信を見せた。また従来の「プラットフォーム戦略」は変わらず、「多用なニーズに応える努力も続けていく」と今後の意気込みを示した。

 このほか、協賛パートナー企業も紹介。導入事例として、日本総研ソリューションズのスマートフォン実用性評価プロジェクトの概要が紹介されたほか、日本におけるWindows Mobile 6.1とSCMDM 2008の採用第1号事例として、ファイザーの導入背景について紹介した。

 また、会場ではアクシスソフトの「BizBrowser Mobile」や、クリックソフトウェア・ジャパンの「モバイルワークフォース管理」、富士通の「モバイル業務ソリューション」なども展示された。


Windows Mobileの世界におけるライセンス出荷レポート プラットフォーム戦略

法人市場の動向 法人導入事例

Windows Mobile 6.1の3つのポイント SCMDM 2008の機能概要

Windows Mobile 6.1を搭載した海外端末 Windows Mobile 6.1を搭載した海外端末

Windows Mobile 6.1を搭載したWILLCOM 03 SCMDM 2008のデモンストレーション

SCMDM 2008により、Bluetoothの利用が制限された端末の様子(左) 左から、マイクロソフト 佐分利ユージン氏、日本総研ソリューションズ 平野保氏、ファイザー 福崎 巧氏、マイクロソフト 梅田 成二氏

富士通の展示 クリックソフトウェア・ジャパンの展示

アクシスソフトの展示


URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3470

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(すずまり)
2008/06/18 12:56


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