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ソフトバンク四半期決算、移動体通信事業は減収増益

孫正義社長

四半期の連結売上高

売上減少の要因
 ソフトバンクは、2008年度(2009年3月期)第1四半期連結決算を発表した。売上高は、前年同期比2.4%減の6472億円、営業利益は8.1%増の850億円、経常利益は6.1%増の542億円、当期純利益は23.1%減の193億円となった。

 「営業利益、経常利益、EBITDAは、第1四半期としては過去最高となった」(孫正義社長)という。移動体通信事業における機種変更などの件数が減少したことで、携帯電話端末の販売数が減少したこと、さらに、契約数の増加する一方で、ARPUが減少したことで、売り上げが減少。だが、移動体通信事業における営業費用の減少や、インターネット・カルチャー事業およびブロードバンド・インフラ事業で営業利益が増加したことで、営業利益は、第1四半期としては過去最高となった。

 移動体通信事業は、売上高が前年同期比4.9%減の3725億円、営業利益は1.7%増の442億円。第1四半期における純増数は52万5500件、月間純増数では14カ月連続で首位となった。また、全契約数が前年同期末から267万1200件増加し、1911万1700件に到達。そのうち、3G携帯電話は1511万件に到達したという。シェアは前年同期末から1.6ポイント上昇し、18.4%となった。

 一方、解約率は0.98%となり、初めて1%を下回った。「とくに、3Gについては、0.72%の解約率となっている」とした。また、買替率は1.27%となり、前年同期と比較して0.98ポイント低下した。「短期の買い換えが減少し、機種変更が34%減少した。これは想定の範囲内のものであり、利益を増やすという意味では望ましいもの。機種変更が減り、解約率が減るのは、長期に使ってもらっていることにつながり、経営にとっては望ましい方向にある」とした。

 第1四半期の総合ARPUは4180円となり、前年同期比820円の減少。データARPUは240円増の1650円、総合ARPUに占める比率は39.4%となった。音声ARPUは、前年同期比1060円減少の2530円。新スーパーボーナス加入者向けの特別割引やホワイトプランの加入件数の増加が音声ARPUの減少に影響した。ホワイトプランの申込件数は、今年7月に1400万件を突破している。


連結営業利益

解約率は低下

1人あたりの月額平均支払額
 孫氏は、「端末割賦請求分を加えたものが、1人あたりの月額平均支払額となり、ARPUではなく、この指標を見るべき」とし、これを含めた月額平均支払額は5570円と、前年同期の5480円から増加していることを示した。また、「携帯電話の割賦販売は、全世界でソフトバンクが最初に始めたものであり、ビジネスモデル特許に当たるのではないか」などとコメントした。第1四半期における顧客獲得手数料平均単価は3万5600円となった。

 同氏は、携帯電話の利用が音声からデータへと移行しはじめていることに触れ、「音楽配信では、ケータイでの利用が主流となり、パソコンからの利用に比べて11倍の規模となっている。また、SNSも、mixiを例にとると、60%以上がケータイからのものとなっている。また、Yahoo!ケータイのページビューは、2006年6月対比で117倍になっている。2008年は、まさにインターネット元年といえる。それは、携帯電話の通信速度が2000年比べて375倍になったこと、液晶の解像度が24倍になり、CPUの能力も24倍になり、インターネットマシンとしての性能を備えてきたため。3年前から、アップルのスティーブ・ジョブズや、グーグル、マイクロソフトは、みんなここに照準をあわせてきた。それが2008年である。今後3年もすれば、ボイスマシンが減少し、ほとんどのマシンはインターネットマシン化することになるだろう」と語った。

 また、「現在、会社のメールをケータイで見ている人はほとんどいない。大半がプライベートメールの使用。だが、私は(マイクロソフトの)Exchange Serverに接続してから、効率が見違えるほどあがった。いまここで、会社のメールをケータイで見ている人に手をあげてもらったら、わずか2人だったが、3年後には8〜9割ぐらいの人が手をあげ、普通に見ているようになるだろう。そうなれば、ボイス利用よりも、データ利用の方が多くなる」などとした。


カシオ製端末投入とiPhoneによる法人向けサービス

 同社では、6月には、夏商戦向けラインアップとして、新たに12機種の携帯電話端末を発表。すべてを3Gハイスピード対応としたほか、PCサイトブラウザを搭載し、ワンセグを大画面で見られる新機種を6月下旬より順次発売。さらに、7月11日からiPhone 3Gの販売を開始したことで、ネットの利用をさらに加速させたことを示した。

 しかし、その一方で、「今後、メーカーにとっては、端末機種数を数多く出すことは効率が悪くなる。メーカーは構造転換を迫られる」などとした。なお、今回の会見のなかで、孫氏は、カシオ製の3G端末を発売することに思わず言及し、「これは、まだ言ってはいけないことであったが、ぜひ期待していただきたい」とした。

 また、今回の会見では、孫氏が自らiPhone 3Gのデモストレーションを行うなど、iPhone 3G中心のものとなった。会見の冒頭、決算数字の説明を開始する前に、同氏は、先頃、中国に出張に行ったときのエピソードに触れ、「iPhoneを持っていったことで、過去10数年間で、初めて海外出張でノートPCを使わなかった。これは人生観が変わるぐらい大きな出来事」と語った。

 孫氏は、「海外出張に行くと、まずホテルに入って行うのがネットの接続。場合よっては、30分や、1時間をこの時間に費やすこともあった。だが、こうした儀式ともいえる作業を行うことなく、iPhoneを接続し、メールをチェックして、ExcelやPowerPointの資料を確認できた。資料も指で拡大して見ることができる。ホテルの部屋に入る前にメール返信などのすべての作業が完了しており、自分の時間を効率的に使うことができる」などと語った。

 さらに、「iPhoneを持っている前と、持った後では人生のスピードが変わる」とし、「面白くて、かわいくて仕方がない。24時間じゃ、時間が足りない。ゲームをしたり、漫画を読んだり、音楽を聞いたり、演奏したり。本当にiPhoneを持って良かったと感じている」などとした。

 売れ行きに関しては、「想定以上の反響となっている。満足がいくスタートが切れた」としたものの、具体的な出荷台数には触れなかった。

 だが、「法人向けのサービスを今月中には開始したい。また、学生や年寄り、エントリーユーザーも購入しやすいように、パケット定額フルに、新たに下限料金を設けた。1台あたりのトラフィック量もだいたいわかってきたので、これならば、今後もiPhoneの販売数量を増やしても大丈夫だと判断した。今後、販売数量をさらに加速させていきたい」との姿勢を見せた。

 法人向けサービスについては、説明ができる担当者の育成に力を注いでおり、その体制が整い次第、ソフトバンモバイル、ソフトバンクテレコムを通じて、法人向けの販売を開始するという。ソリューションを提供できる体制づくりにも取り組んでいく方針だ。


iPhoneの予約販売を開始

 さらに、エントリーユーザー向けの拡大策として開始するパケット定額フルの改訂では、従来の5985円の上限設定の料金に加え、下限として、1695円を新たに設定。ホワイトプラン、S!ベーシックとあわせて2990円で利用できるようになる。

 「熱心なユーザーだけでなく、多くのユーザーに使っていだたくための料金制度の改定である。これにより、エントリーユーザーは、ドコモのパケット定額よりも、安くiPhoneを利用できるようになる。また、パケット単価もauと同じ設定。iPhoneは高いと思っていた人にも購入しやすくなり、海外旅行に出かけたため、その月はあまりiPhoneを使わなかったという人も、7280円を支払わずに済む」などとした。

 また、「これまでは、App Storeのアプリケーションのすべてを3Gに接続して、ダウンロードしていたという使い方だったが、段階制度にしたことで、利用者自身もコスト意識を持つようになる。重たいアプリケーションのダウンロードなどは、WiFiを使って利用することでコストセーブできる。これにより、ユーザーか増えても、トラフィックの拡大が、加入者数と同様に伸びることにはならない。ユーザー、当社の双方にとってメリットがある」と、新料金体系の経営的な観点からの狙いにも触れた。

 さらに、これまで行ってこなかったiPhoneの予約販売を明日(6日)から開始するほか、メール保存期間をこれまでの30日間から、5000通までを無期限保存とすることを発表した。

 「予約販売に関しては、単純に予約を取ると、作業ミスなどによってアンフェアな状況になることが懸念されたために行ってこなかった。だが、システムの開発が完了し、システムとして予約が取れるようになったことで、予約を開始する」という。

 そのほか、孫社長は、基地局の数が5万3000局に達しており、そのうち屋外が3万5000局、屋内が1万8000局となったことに触れたほか、HSDPAの人口カバー率を現在の70%から、「しばらくのうちに95%にまで増やしていく。全世界22カ国でiPhoneが発売されているが、日本が最もHSDPAへの接続率が高い」とした。


移動体通信事業以外の業績

 一方、移動体通信事業以外のセグメント別の第1四半期業績は、次の通り。

 ブロードバンド・インフラ事業の売上高は、前年同期比8.5%減の601億円、営業利益は20.9%増の104億円。

 Yahoo! BB ADSLの累積接続回線数は465万3000回線に達した。BBフォンとソフトバンク携帯電話との国内通話が無料になる「ホワイトコール24」を、6月から開始したことで契約数拡大に取り組んでいるとした。

 固定通信事業は、売上高が前年同期比2.2%減の884億円、営業利益は7億円。直収型固定電話サービスであるおとくラインの累積接続回線数は、144万3000回線となった。おとくラインは、法人ビジネスを基盤に引き続き増収を維持。72.3%を法人契約が占める一方で、既存の音声サービスが減収となった。だが、アクセスチャージなどの通信設備使用料の減少や経営の効率化による経費削減などにより、営業黒字を維持した。

 インターネット・カルチャー事業の売上高は、前年同期比18.1%増の623億円、営業利益は12.5%増の305億円。

 ヤフーの広告事業において、行動ターゲティング広告の売り上げが、前年同期に比べて大幅に拡大したほか、主力商品の「プライムディスプレイ」の売り上げも増加した。

 また、「Yahoo!ショッピング」、「Yahoo!オークション」では、引き続き新規ストアの獲得に努めた結果、第1四半期末のストア数は合計で3万2061店舗となり、前年同期末と比較して3693店舗増加した。さらに、「Yahoo!プレミアム」では会員の付加価値向上に努めた結果、Yahoo!プレミアム会員ID数が初めて700万IDを突破した。

 イーコマース事業は、売上高が前年同期比1.3%増の624億円、営業利益が13.5%減の10億円となった。

 ルーターやスイッチといったネットワーク機器、サーバーやクライアントPCなどの法人向けIT機器の売り上げが堅調に推移したほか、昨年11月から開始した「SoftBank SELECTION」ブランドでの、携帯電話関連のアクセサリーやパソコン用ソフトウェアの販売が、収益に寄与し始めた。

 その他事業の売上高は、12.3%減の218億円、営業損失は7億円の赤字となった。

 孫氏は、「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する」、「アジアを制する者が世界を制する」という2つのキーワードを改めて説明。「モバイルインターネットNo.1カンパニー、アジアNo.1インターネットカンパニーであることが、世界最大のインターネットカンパニーにつながる。グーグルは、欧米とPCという成長率が鈍化した市場をターゲットにしているが、ソフトバンクは、アジアとモバイルという、成長率の高いところで事業を進めている。また、インフラと幅広いコンテンツの双方をソフトバンクは持っている。ソフトバンクは、通信会社ではなく、インターネットの会社として成長を目指す」などと語った。



URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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(大河原克行)
2008/08/05 20:18


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