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各種ポイントを携帯に集約、ビックカメラなどで実験

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、店舗が発行するさまざまなポイントカードや会員証を1つの携帯アプリに集約できるシステム「ぎゃざポ(仮称)」を開発した。同社では、ビックカメラ、ノジマ、ランシステムと協力し、2009年2月~6月に実証実験を行う。


おサイフケータイで各種カードをひとまとめ

画面にバーコードを表示してPOSレジで読み取ることも。顔写真入りの会員証データであれば100枚程度、格納できる

画面にバーコードを表示してPOSレジで読み取ることも。顔写真入りの会員証データであれば100枚程度、格納できる
 「ぎゃざポ」は、店舗が発行する書き換え型(リライト型)のポイントカードや会員証をまとめられるシステム。書店や家電量販店などでは、店ごとのポイントカードが導入されており、ユーザーは店ごとに発行されるカードを1枚ずつ保有することが多い。この解決策として、おサイフケータイも一役買うとされているが、今回の「ぎゃざポ」では、カードデータが専用アプリのスクラッチパッドに格納され、100枚以上の会員証カードの情報を格納できる。

 一般的なおサイフケータイ向け会員アプリでは、FeliCaチップにデータを格納するが、今回の「ぎゃざポ」では、スクラッチパッドに格納することで、取り扱えるカード数が大幅に向上している。一方、セキュリティ面については、FeliCaチップはあくまで通信経路(アドホック通信)にしているだけで、FeliCa番号や暗号などは用いていない。同社では今回採用したセキュリティ技術を「Key-Shuttle」と名付けているが、その内容については「カードごとに暗号鍵を使っており、不正データの上書きや、不正アクセスを防止しているという形。詳細は特許出願中につき明らかにできない」として、現時点では漠然とした説明に留まっている。


実験で使われる専用アプリのトップメニュー 量販店をイメージしたサンプル会員証データ
実験で使われる専用アプリのトップメニュー 量販店をイメージしたサンプル会員証データ

 「ぎゃざポ」で使われるFeliCaのアドホック通信は、FeliCaチップの第2世代で採用された機能。そのため、初期のおサイフケータイで「ぎゃざポ」は利用できず、対象機種はNTTドコモの903iシリーズや904iシリーズの一部、905iシリーズ、906iシリーズ、705iシリーズなどとなっている。

 ユーザーは、いったん「ぎゃざポ」専用アプリを携帯電話にダウンロードし、会員登録を行う。この際、メールアドレスの登録は必須とされ、その他の個人情報の登録は任意となる。また、店舗側に個人情報を渡してもよいか、あるいはクーポンや特売情報など店舗からのメールを受け取るかどうか、ユーザーが選択できる。

 ユーザーにとっては、シンプルな操作で、複数のカードを管理できることがメリットとされ、店舗側にとっては既存のPOSシステムにはほとんど手を付けず、導入が簡便なこと、ユーザーが必ず手にしている携帯電話にカード情報が格納され、レジでの処理が従来よりスムーズになることがメリットとされている。なお、「ぎゃざポ」で管理するデータは、基本的にサーバーでは保存されず、もし携帯電話を紛失すれば、サイフを紛失したときと同じく、店舗カードは再発行されない。


ぎゃざポのシステム構成。セキュリティが鍵だが、詳細は明らかにされていない 店舗での設置イメージ
ぎゃざポのシステム構成。セキュリティが鍵だが、詳細は明らかにされていない 店舗での設置イメージ

まずは実験で効果を検証

 来年2月~6月の実験は、ビックカメラの有楽町店、ノジマのトレッサ横浜店、ランシステムのスペースクリエイト自遊空間高田馬場店で実施される。NTT Comでは実験の目標参加人数を1万人としており、実験を通じて店舗の運用フローと本システムの整合性や、個人情報登録者数の割合などを検証していく。

 実験に参加する企業のうち、ビックカメラはおサイフケータイ向け会員アプリを既に提供している。またノジマもおサイフケータイ対応の決済に対応している。既存システムと比べて、「ぎゃざポ」ならではのメリットがどの程度見込めるか、各社は「今回はあくまでも実験。どこまで効果があるか、実験結果を見極めたい」と慎重な姿勢を見せつつも、「効果があれば導入したい」(ランシステム取締役の笠間氏)とコメントするなど、実験結果によっては本格導入も前向きに検討する方針だ。

 NTT Comプラットフォームエンジニアリング部門の青木 史郎氏は「店舗側の導入コストは、リライト式カードより安価なレベルを目指したい。今回のシステムは、複数のカードを安心・安全に携帯電話へまとめられる」として、今後の本格展開に意欲を見せていた。



URL
  NTTコミュニケーションズ ニュースリリース
  http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20081009.html


(関口 聖)
2008/10/09 18:19


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