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パナソニック新端末説明会、ネット連携でトップシェア奪還を狙う

パナソニック モバイルコミュニケーションズ 商品企画担当 取締役の石井 圭介氏
 パナソニック モバイルコミュニケーションズは、各キャリアから携帯電話の最新ラインナップが発表されたことを受け、同社開発の端末に関する説明会を開催した。最新端末の紹介に加え、同社の今後の戦略が語られた。

 説明会では、同社 商品企画担当 取締役の石井 圭介氏がプレゼンテーションから質疑応答までを行った。石井氏は、「VIERAケータイ」にフォーカスしてその実績を紹介したほか、最新ラインナップの特徴を説明。今後のパナソニック端末の方向性を示すと共に、質疑応答では国内市場の展望や海外展開の可能性についても言及した。

 同社がハイエンドなAV機能強化モデルとしてラインナップする「VIERAケータイ」シリーズは、2007年11月に発売した最初のVIERAケータイ「P905i」から9カ月で5機種を投入、累計300万台の出荷を達成した。国内におけるメーカー別シェアにも影響が現れ、シェアは18%に迫る勢いだという。年間の平均単価上昇にも貢献し、「市況が悪く苦しい中でも出荷台数予想は微減、金額ベースでは前年越え、利益率も当初予定を上回る」とし、市場全体で出荷台数が落ち込む中でも業績は向上するとの見通しを明らかにした。2008年上期は6機種をラインナップした同社だが、下期は3キャリアから合計7機種が投入され、年間では13機種が投入される見込みとなっている。


VIERAケータイ 進化の歴史 発売9カ月で300万台を突破するVIERAケータイ

VIERAケータイがシェアアップに貢献 ドコモ向けに供給する3つの新端末

今後はネット連携がテーマ

今後は「モバイルリンク」をテーマにネットワーク連携を拡充するという

携帯を中心とした複合・融合化。その過程、中間でも新規市場が創出できるとした
 石井氏は今後の方向性について語る前に、同社のこれまでのラインアップを振り返り、iモード端末登場前後までを「使いやすさの向上」、FOMA端末が登場し、カメラ、音楽、ワンセグと機能が追加・普及してきた最近のモデルまでを「AV機能の取り組み」と分類。その上で、2009年以降はインターネットなどを利用した「ネットワークで機能拡張」が取り組むべき分野になるとし、テーマとして「モバイルリンク」を掲げた。

 石井氏はFOMA端末の第1号モデルを開発した実績を自負しながら、「FOMAから大きく用途が広がった。ネットワークの発展に伴い、モバイルリンクというテーマで取り組んでいく」と語ると共に、「携帯の周りには、パナソニック・グループだけでもテレビ、デジタルカメラ、カーナビゲーション、ノートパソコンがある。携帯がデジタル化したときから可能だったことだが、今後はこれらの分野で、ケータイとの複合・融合化に対する要求が加速度的に高まる」と予測。「テレビとリンクすれば、映像の新しい楽しみ方が、ネットにつながれば共有する楽しみが広がる」とし、複合・融合の過程においても「きっと別の新しい市場が生まれる」と新市場の創造に積極的に取り組む姿勢を示した。同氏は「グループの資産に加え、ネット企業などと連携する部分もあるだろう。サービスと連携した新しい分野としても開拓していく」と語り、「モバイルリンク」というテーマの下で、サービス面での展開も行っていくとした。

 同氏はまた、国内市場での新規市場開拓がグローバル市場への戦略につながるとした上で、まずは基本となる技術を国内市場に訴えていくと語り、「日本を中心にして、グローバル市場に新しいライフスタイルを訴えていく」と意気込んだ。

 なお、2008年の秋冬モデルとしてラインナップされる端末は、石井氏が語るところのAV機能を強化したモデルに分類され、同社からネットワーク連携機能が大々的にアピールされているわけではない。しかし一方で、説明会の会場にはテレビの「VIERA」とインターネットで連携し、携帯から作成してネットワーク上に保存したスケジュールをVIERAから閲覧できる機能が紹介されており、ネットワークを介した新たな利用方法の提案が行われていた。


バリエーションモデルで開発効率を改善

 質疑応答では、石井氏が海外市場を意識した説明を行ったことを受け、海外展開の可能性に質問が集まった。同氏は海外市場への本格参入について、VIERAケータイなどをそのまま投入するパターンと、新しいジャンルを開拓して投入する2つのパターンがあると示した上で、「この2つのパターンを検討している段階としか言えない。2010年度以降の展開を見据え、検討している段階」と述べ、展開方法を模索しながらも前向きに検討している姿勢をうかがわせた。

 「P905i」でも見られた、外観や機能が近似したモデルを他キャリアに展開する手法については、今後も継続される意向が示されたほか、auについても「VIERAケータイ」の投入を本格的に検討していくという。一方、これらの展開手法と密接に関わっていると考えられる開発コストについては、基本となる主力モデルは従来と同様としながら、「展開モデルは以前の半分ほどの開発費で済んでいる」とし、バリエーションモデルの展開やマイナーチェンジモデルによるラインナップの拡充が利益率改善の要因になっていることを明かした。

 開発コストの高騰なども関連する、国内市場のメーカー再編の話題については、石井氏の私見と断った上で、出荷額で世界大手のメーカーと比べると「将来的に国内メーカーは3~4社になっていてもおかしくはない」との考えを示し、国内市場では今後も競争が激化する可能性を示唆した。

 国内のメーカーシェアについては、「2008年度中に(1位の)シャープを逆転することはないと考えている」と冷静に分析。「来年、再来年とキャッチアップしていく」としながら、「成熟市場だけでは食い合いになる。きれい事と言われるかもしれないが、ユーザーのためにならない展開になるかもしれない」と過当競争に懸念を示し、新規市場の必要性を訴えた。

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URL
  パナソニック モバイルコミュニケーションズ
  http://panasonic.co.jp/pmc/

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(太田 亮三)
2008/11/12 18:34


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