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iモード10周年、ドコモが目指す“魔法のランプ”への戦略

 2月22日、NTTドコモの「iモード」が10周年を迎える。通話中心で利用されていた携帯電話が、iモードの登場で手のひらサイズのインターネットデバイスとなり、さまざまなコンテンツが提供された。またカメラやテレビ、決済機能まで搭載され、コンテンツとの連携が進んでいる。同社は13日、iモードの発展を振り返るとともに、これからの展望について、報道関係者向け説明会を開催した。


iモード、10年の歩み

NTTドコモ コンシューマサービス部長の阿佐美弘恭氏

NTTドコモ コンシューマサービス部長の阿佐美弘恭氏
 プレゼンテーションは、同社コンシューマサービス部長の阿佐美 弘恭氏から行われた。同氏は「携帯電話のハードウェアの進化にあわせ、さまざまなサービスが登場してきた。iモード対応サイトは1万6000を超えており、コンテンツプロバイダは2500以上になった」と、世界有数のコンテンツ流通プラットフォームに成長したと説明する。また同社では、2008年夏モデルの発表後に「ドコモ動画」と銘打ち、動画コンテンツを広くアピールしてきたが、HSDPA対応機種の普及もあり、動画コンテンツ提供事業者が拡大しているという。

 順調な成長を遂げてきたことにより、iモード情報料売上高は年間2000億円を突破し、2008年は2500億円弱に達する見込みだ。主要ジャンルとされる、ゲーム・着うた/着うたフル・デコメール・電子書籍についても売上高は伸び、2007年は主要4ジャンルだけで1000億円に達している。

 また、2004年にスタートしたおサイフケータイ(iモード FeliCa)では、「携帯電話を生活インフラに」というかけ声とともに各種施策が展開されてきたが、2008年12月末時点のおサイフケータイ対応機種の契約数は3240万件、対応店舗数は83万3000店に達した。2005年9月より提供されているiチャネルは、2008年9月時点で1600万契約に達し、年間で約300億円程度の売上を計上するまでに成長した。


コンテンツプロバイダも増加
ハードウェアの進展とiモード契約数の伸び コンテンツプロバイダも増加

ジャンル別のコンテンツ数 情報料売上高の傾向
ジャンル別のコンテンツ数 情報料売上高の傾向

 阿佐美氏は、「これまでは、ユーザーとコンテンツプロバイダ、ドコモという三者にとってメリットがある、WIN-WIN-WINのビジネスモデル作りに注力し、それが成功したのだろう。iモードそのものは、クローズドではなく、モバゲータウンのような一般サイトも利用できる。こういった形で発展できたのだろう」と総括した。

 かつて携帯電話では、迷惑メールが多くのユーザーにとって問題視されることもあったが、技術的な対応策の進展などで、ここ数年、ユーザーからの問い合わせ件数は減少してきたという。その一方で、子供の携帯電話利用が普及し、社会問題化してきた。こちらについてもフィルタリングサービスを展開し、不適切なサイトにアクセスできないようにするといった一元的な手法だけではなく、一般サイトとして開設された学校サイトだけにはアクセスできる、といったカスタマイズ機能も2009年1月より提供されるなど、機能拡充が図られている。また、学校などを訪問し、携帯電話の使い方やマナーを教示する活動では、開講数が8400回を超え、受講者が140万人に達した。このほか、同社では保護者から子供の携帯電話利用に関する相談を受け付ける電話窓口「ドコモあんしんホットライン(0120-053-320)」を設けており、月間5000件ほどの問い合わせが寄せられているという。


主要ジャンルの売上高 おサイフケータイ対応機種の契約数
主要ジャンルの売上高 おサイフケータイ対応機種の契約数

iチャネル契約数 三者間にメリットのある構造が繁栄をもたらしたと説明
iチャネル契約数 三者間にメリットのある構造が繁栄をもたらしたと説明

迷惑メール関連の施策 フィルタリングサービスへの取り組み
迷惑メール関連の施策 フィルタリングサービスへの取り組み

フィルタリングサービスの概要 子供の携帯利用二関する相談を受け付ける電話窓口の設置や、学校などでの講義活動も
フィルタリングサービスの概要 子供の携帯利用二関する相談を受け付ける電話窓口の設置や、学校などでの講義活動も

iコンシェルは「身の回りの情報を重視」

次のステージは「行動支援ケータイ」

次のステージは「行動支援ケータイ」
 通話中心だった時代を経て、iモードにより情報インフラ化し、おサイフケータイで「生活インフラ」としての役割を担ってきた携帯電話だが、阿佐美氏は「昨年、社内体制が変わり、新たなビジョンを打ち出すことになった。過去10年、携帯電話にはあらゆる機能が搭載されてきたが、私自身も100%使いこなせているとは言えない。国内の携帯電話市場は成熟期に入り、どのような付加価値を提供するかが重要な視点となっている」と述べ、“ケータイのパーソナル化”に取り組むことになったと語る。

 それが2008年冬モデルの発表時に語られた「行動支援サービス」であり、阿佐美氏は「山田は理想のケータイ像として、“アラジンの魔法のランプのようなケータイ”を目指すとしている。〜したいと願えば、かなえてくれるという存在だ。もちろん半分は夢物語という部分はあるが、ユーザーのアシスタント、あるいはエージェントになるケータイ、また個々人のニーズにあわせてカスタマイズできるケータイが重要だ」と語る。


ケータイのパーソナル化が進むと指摘 従来はカバーできなかった分野に向けたサービス
ケータイのパーソナル化が進むと指摘 従来はカバーできなかった分野に向けたサービス

 その戦略を形にしたサービスとしてリリースされたのが「iコンシェル」であり、阿佐美氏は「iモードの公式メニューは、図書館のようにさまざまなコンテンツを網羅しているが、探すのが大変。iチャネルはニュースなどがプッシュされるが、必要ないユーザーもいる。これまでのコンテンツサービスを観ると、未開拓な分野がある。たとえば、ある店舗で開催されるバーゲンやイベントといった情報などは、地域に依存している情報で、旬の時期も短い。そのあたりに着目し、的確な情報配信ができないかとスタートした」と説明する一方、「多くの要望が寄せられており、これから改善していく」と述べ、現状では多くの課題があるとの認識を示す。


行動支援サービスとして登場したiコンシェル

行動支援サービスとして登場したiコンシェル

2月1日には50万契約に到達

2月1日には50万契約に到達
 具体的な課題・取り組みとして、より生活に密着した情報を網羅することや、ユーザー自身が登録するデータ(居住地や利用する電車路線など)が少なければ配信コンテンツ数自体が少なくなることなどがあると指摘した阿佐美氏は、これまでは全国的に展開する企業との交わりから、特定地域で展開する地場企業との関わりが必要として、ドコモの活動がiコンシェル以降、徐々に変化しつつあると説明した。

 同氏は「当社に登録されている契約者情報を元にサービスを提供しようとすると、1つ1つ、ユーザーの許諾を得る必要がある。また保護者名義で子供が利用、といった場合など契約者情報の住所と実際の居住地が異なるケースもある。これよりもユーザー自身の手で居住地などの個人にまつわるデータを登録してもらった上で情報配信するほうが現実的。iコンシェルは月額210円のサービスだが、基本的にこの収入だけで成り立つことが前提のビジネスモデル」と語った。

 また、スタート時には160〜170ほどのコンテンツがあったものの、さらなる増加が必要として、「長期的には、ユーザーからの要望を登録してもらった上で、位置情報と連動して最適な情報配信が行えるようにしたい。位置情報を利用する機能は、2009年中にもリリースしたい」と述べた。


iモードがドコモを支える

 同氏は「iモードはモバイルのISP(インターネット接続プロバイダ)という定義でスタートしたが、サポート関連コンテンツを掲載したことで、ユーザーとのコミュニケーションインフラに進化するなど、ドコモにとってもその位置付けは大きく変化し、現在では“ドコモのインフラ”になった」と述べ、行動支援サービスの充実化を端緒として、今後もユーザーニーズに応える姿勢を継続するとした。

 ドコモのインフラになったというiモードは、行動支援サービスとしての姿に加え、広告を掲載する媒体としての役割も増しつつあるという。この点に関連し、同社がiメニューの一部ジャンルで導入する方針を示した入札制度については、「(コンテンツプロバイダから)大変不評を買い、真摯に受け止めている。ジャンルによっては、サイト自体が少ないところもあり、はたして競争効果があるか疑問視する声もある。最終的に取り止めることも視野に入れ、検討していく」と述べた。


iモードはドコモを支える柱になった 「アラジンの魔法のランプ」のようなケータイを目指す
iモードはドコモを支える柱になった
「アラジンの魔法のランプ」のようなケータイを目指す

 業界の動向として、総務省の通信プラットフォーム研究会による報告書を受け、iモードトップページ(iメニュー)のような役割を果たす、他社によるポータルサービス(競争ポータルと呼ばれる)や、キャリア以外の課金プラットフォームの検討が今後行われる見込みだ。この点について、阿佐美氏は「ユーザーが本当にそういったニーズを求めているかどうかが一番重要な点。これまでドコモが培ったものも更にブラッシュアップさせる必要があり、さまざまなニーズに応える考えだが、果たしてそういったニーズがあるのか、よくわからない。ニーズが出てくれば中立的な立場で対応していく」とコメントした。

 端末販売数減少の影響について阿佐美氏は「コンテンツの普及速度に影響するという指摘はその通りだと思う。これまではサービスを携帯電話端末の販売にあわせて売っていたが、端末販売をコンテンツサービス販売を切り分けて取り組む必要がある」と説明し、今後何らかの施策を行う考えを示唆した。ただし、ソフトバンクモバイルが導入した「コンテンツ得パック」のような取り組みについては、「絶対にない、とは断言できないが、他社の動向を注視したい」と述べるに留まり、消極的な意向を示した。

 またiモードメールやスケジュールデータなどをスマートフォンなどでも利用できる形にするかどうか尋ねられた阿佐美氏は「スマートフォンを求めるユーザーはイノベーティブな層。iモードの有無にこだわらない人が使うと観ている。ニーズが高まれば提供していくことになるだろう。ただ、オープンプラットフォームに対して、ドコモとして付加価値を提供することは必要。現状はまだiモードとの関わりがそれほどではないということ」として、時期尚早との見方を示すとともに、過去のスマートフォン販売の経験を踏まえ、慎重な取り組みが必要との見解も示していた。

 同社では13日、これまでのiモードの歴史を振り返る「ドコモレポート」を発表している。



URL
  ドコモレポート(PDF形式)
  http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/report/090213.pdf

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幅広いニーズに対応、ドコモ山田氏「行動支援するケータイに」


(関口 聖)
2009/02/13 18:32


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