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陸自・NTT東・ドコモ、大規模災害想定の共同訓練実施

移動基地局(手前は国内唯一の衛星対応車)

移動基地局(手前は国内唯一の衛星対応車)

陸上自衛隊の笹木明仁通信群長

陸上自衛隊の笹木明仁通信群長
 NTT東日本、NTTドコモ、陸上自衛隊東部方面隊は12日、朝霞駐屯地にて災害発生時における被災地の通信復旧や、陸上自衛隊の現地指揮所の通信確保を目的とした連携強化を図るため、首都直下型地震の発生を想定した共同訓練を実施した。

 自衛隊のヘリコプターを用いた避難所への通信機器運搬、特設公衆電話や衛星電話の設置に加え、新たに大型ヘリコプターによる通信ケーブルのつり下げ訓練も行われた。また、海上自衛隊横須賀基地では、海上自衛隊輸送艇による災害対策機器の運搬訓練も同時に実施され、訓練の模様が会場内テントにて中継された。

 本訓練は、2006年1月に陸上自衛隊東部方面隊とNTT東日本により実施され、2007年2月よりNTTドコモも参加している。NTT東日本では4回目、NTTドコモとしては3回目の訓練となる今回は、陸上自衛隊140名、海上自衛隊40名、NTTグループ130名、総計310名が参加しての大規模な共同訓練となった。

 訓練開始の挨拶を行った陸上自衛隊の笹木明仁通信群長は「より現実的な起こりうる場面を捉えての訓練になる。この訓練を通じて、実際に我々が被災時に直面するであろう状況を現実的に捉え、その復旧活動で何がまだ課題として残っているのか、解決すべき方法論はなんなのか模索しつつ訓練に望みたい」と述べた。

 また、NTT東日本の中島康弘災害対策室長は「昨年にも増して充実した訓練と言える。実際の災害発生時に訓練の成果が正しく発揮されると期待している。これからの自衛隊との協力関係はますます維持・発展させていきたい」と挨拶した。


陸上自衛隊広報センター 報道関係者は自衛隊のトラックで会場まで移動
陸上自衛隊広報センター 報道関係者は自衛隊のトラックで会場まで移動

NTTドコモの伊藤正憲災害対策室長 NTT東日本の中島康弘災害対策室長
NTTドコモの伊藤正憲災害対策室長 NTT東日本の中島康弘災害対策室長

M7.3クラスの首都直下型地震の発生を想定

NTT局内に給電を行うための移動電源車(2000kVA)。200リットルの軽油タンクを搭載。一般家庭に換算すると300〜400軒分の給電に相当するパワーを持つ

NTT局内に給電を行うための移動電源車(2000kVA)。200リットルの軽油タンクを搭載。一般家庭に換算すると300〜400軒分の給電に相当するパワーを持つ

移動電源車の内部

移動電源車の内部
 会場ではマグニチュード(M)7.3クラスの首都直下型地震の発生により、避難所と指定された代々木公園までの道路が建物の倒壊等により遮断され、商用電源が停電している状態を想定。地震発生直後から、NTT東日本とNTTドコモにより災害対策本部を設置し、広域支援体制を発動、災害対策機器が出動するも、陸路搬送が不可能であると判明したため、陸上自衛隊に災害対策機器の運搬を要請する、という前提で開始された。

 快晴ながら非常に強い風が吹き荒れる中、NTT東日本は陸上自衛隊の大型ヘリコプター(CH-47)を用いてポータブル衛星通信機器などを搬送し、設置スタッフが避難所に想定されたエリアで「特設公衆電話」を開通させた。NTTドコモは中型ヘリコプター(UH-1)で災害対策機器を搬送し、可搬型発電機を利用した「携帯電話基地局の電源救済」、マルチチャージャーによる避難所への「携帯電話充電サービス提供」、ワイドスターデュオによる「衛星携帯電話の設置」などを行った。

 設置完了後はワイドスターデュオによる通話デモンストレーションや、マルチチャージャーによる充電サービスも行われ、報道陣は実際に手に取って感触を確かめていた。


1度に18台の充電が可能なマルチチャージャー。ドコモのほか、auやソフトバンクモバイルの携帯電話の充電にも対応する ポータブル衛星電話機「ワイドスターデュオ」
1度に18台の充電が可能なマルチチャージャー。ドコモのほか、auやソフトバンクモバイルの携帯電話の充電にも対応する ポータブル衛星電話機「ワイドスターデュオ」

新たにヘリコプターによる吊り下げ訓練も実施

NTT東日本の災害対策機器輸送や、吊り下げ訓練に用いられた大型ヘリコプター(CH-47)

NTT東日本の災害対策機器輸送や、吊り下げ訓練に用いられた大型ヘリコプター(CH-47)

NTTドコモの災害対策機器輸送に用いられた中型ヘリコプター(UH-1)

NTTドコモの災害対策機器輸送に用いられた中型ヘリコプター(UH-1)
 今回から新たに加わった通信ケーブル吊り下げ訓練では、約1.5tの通信ケーブル用金属ドラムや、マイクロ通信装置などが収納された陸上自衛隊の通信シェルター(2m四方)を大型ヘリコプターにより吊り下げ搬送した。

 強風と大型ヘリコプターによる風の影響で、地上に降ろされた通信ケーブル用金属ドラムが見守る報道陣や関係者に向けて転がり出すというアクシデントも発生したが、復旧用資材運搬車により無事搬出され、通信シェルターも陸上自衛隊により速やかに設営された。

 一方、横須賀基地では海上自衛隊の輸送艇による離島に向けた災害対策機器の積載・固定・離岸訓練も実施されており、その様子が報道関係者用に設置されたテント内で中継された。中継にはH.264形式にエンコードした映像をFOMA網で伝送できるNTTドコモの「FOMA 小型高画質映像伝送装置 mmEye-DXM」が用いられた。現地からFOMAのパケット網を通じて映像が送信され、テント脇に用意された受信車を通じてスクリーンに中継された。

 このほか、会場では、1台1億7千万円するという移動電源車、移動基地局車、自衛隊の通信車が展示されたほか、IPベースの通信が可能なNTTコミュニケーションズによる機動型衛星通信システム「Com-SAT」も展示されていた。


通信シェルター吊り下げ訓練の様子 通信ドラム吊り下げ訓練の様子
通信シェルター吊り下げ訓練の様子 通信ドラム吊り下げ訓練の様子

ヘリが巻き上げるホコリや小石が容赦なく報道陣を襲う FOMA網を使って横須賀基地から中継された海上自衛隊の訓練の模様
ヘリが巻き上げるホコリや小石が容赦なく報道陣を襲う FOMA網を使って横須賀基地から中継された海上自衛隊の訓練の模様

東部方面隊とNTT東日本双方が抱える災害時の問題点を解消

 報道関係者向けに実施された説明会では、陸上自衛隊の有澤信彦通信班長から訓練に至る背景や概要の説明が行われた。


有澤信彦通信班長

有澤信彦通信班長
 報道関係者向けに実施された説明会では、陸上自衛隊の有澤信彦通信班長から訓練に至る背景や概要の説明が行われた。

 相互連携が必要と認識した背景について、平成16年に発生した新潟県中越地震において、東部方面隊とNTT東日本が連携して任務を達成したことにより、相互連携の必要性を認識したためとして、実際に復旧にあたった様子を写真で紹介した。

 災害発生時における通信は、東部方面隊には情報共有や部隊指揮のための連絡手段として、音声のみでなく高速データ回線が必要という。同時に「我々の家族が住んでいる地域に地震が発生場合を想像して欲しい。連絡が取れない間は不安な時間を過ごさなければならないが、電話で連絡が取れたら安心できる」として、被災者にとってはより速やかな電話回線などの復旧が求められていると述べた。


 続けて、東部方面隊とNTT東日本双方が抱える災害時の問題点についても触れた。東部方面隊は過去2度の地震で、大規模震災発生時は現在保有する通信装備では対応が難しく、豪雪地域などでは冬季の野外の中継所設置が困難であると認識したという。一方、NTT側では、陸路が遮断されて孤立した地域に災害対策機器を運搬する際、独自に民間チャーターヘリコプターを用意して運搬を試みたものの、着陸規制により自力での運搬を断念せざるを得なかった経緯があった。

 これらを踏まえ「大規模災害発生時に国民の通信ニーズを満たすために相互の協力体勢を強化する必要がある」として、NTTグループと東部方面隊のこれまでの連携、および協定締結に至る。東部方面隊とNTTグループ間の協定は、平成19年2月9日にNTT東日本、平成19年3月20日にNTT東日本西日本、平成20年3月28日にはNTTドコモと締結されており、「連絡体制の確立」「相互協力」「訓練の実施」を三本柱に、現在は原則として年1回以上の共同訓練を実施している。

 訓練終了後、NTTドコモの伊藤正憲災害対策室長による閉会の挨拶が行われた。伊藤氏は携帯電話の契約台数が1億台を突破していることや、来年から「Super 3G」(LTE)が開始される点について触れ、「社会インフラとしての重要性が一層増すため、今回の反省点をしっかり整理し、体勢を整えたい」と今後の対策に対する意気込みを述べた。

■ フォトギャラリー



URL
  陸上自衛隊広報センター
  http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/prcenter/
  NTT東日本
  http://www.ntt-east.co.jp/
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

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(すずまり)
2009/03/13 12:29


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