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ソフトバンク、4期連続での最高益更新

孫正義社長

ソフトバンク 孫正義社長
 ソフトバンクは、2008年度連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.7%減の2兆6730億円、営業利益は10.7%増の3591億円、経常利益は12.7%減の2256億円、当期純利益は60.3%減の431億円、フリーキャッシュフローは前年のマイナス1642億円から、1815億円となった。

 同社の孫正義社長は、営業利益で2桁増となった「4期連続での最高益の更新」、2年連続2桁成長となった「携帯電話契約数純増2年連続でのナンバーワン」、今後3年間累計でフリーキャッシュフロー1兆円前後という、「キャッシュフロー経営の強化」の3点をあげ、「4月10日時点で、営業利益は3500億円に、フリーキャッシュフローは1700億円に上方修正したが、それぞれ上方修正したものを、さらに上回った。経常利益も、前年度のAlibaba.comの上場による一時益を除けば増収になる」とした。

 移動体通信事業は、売上高が前年同期比4.2%減の1兆5628億円、営業利益は1.8%減の1713億円。端末販売の制度変更の影響などもあり、13.0%減の5236億円と減少したが、通信料売上高は、1.4%増の1兆312億円と増収を達成。「端末販売売上高の減少は、割賦制度をいち早く導入するなど、経営的に意図して狙ったもの。一方で永続的に収益をもたらす通信料売上高が3社で唯一上昇した」と説明した。


解約率引き下げを目指す

 また、携帯電話事業を直接行っているソフトバンクモバイルの営業利益は1894億円と17%の増益となっているという。純増数は204万6700件と2年連続で、200万件を突破する純増数を達成。通期での純増トップを維持した。

 累計契約件数は2063万2900件となり、シェアは19.2%となった。そのうち、3G携帯電話は1865万3600件と、全体の90%以上を占めた。解約率は0.32ポイント改善し、1.00%。3G携帯電話では0.77%となった。また買い換え率は1.71%となった。

 孫氏は、「解約率については、来年3月に2Gのサービスを停止し、電波を返却するため、それに伴う解約が出てくるだろう。また、他社の契約方法は、2年契約後、そこからまた2年の自動契約になり、ペナルティが無く解約できるのは、わずか1カ月間しかない。当社でも一部モデルでやっているが、本当にその契約でいいのかという気持ちもある。しかし、日本では、その仕組みが常識となっていることから、場合によっては追随してもいいかと思っている。これをやれば解約率は減少することになるだろう」と語った。

 今後の解約率については、1%前後で推移するとし、販売台数については、2008年度の842万台からは、「やってみないとわからないが、極端に増えるとか、減るといったことがない」との見方を示した。販売台数の増加や新規獲得という観点では、法人マーケットやマシン・トゥ・マシンの導入などが見込めるという。

 また、同氏はiPhoneについても言及。「iPhoneの購入者は、大半が他社から乗り換えてきた人。この2〜3カ月で、何倍かに売れ行きが伸びている。8GB版と16GB版をあわせると、今でもベストセラーである。魅力的な端末やサービスが新たに出れば、乗り換える人も増える」とした。

 総合ARPUは4070円となり、前年比580円の減少。データARPUは250円増の1740円、総合ARPUに占める比率は42.8%となった。音声ARPUは、前年同期比830円減少の2320円。また、端末割賦請求分を加えた1人あたりの月額支払総額は5760円となり、前年同期から30円の減少に留まっており、「実質的なAPRUは底を打ち、増加に転じることになるだろう」とした。なお、第4四半期の顧客獲得手数料平均単価は、4万5300円となった。


設備投資は縮小

 同氏はさらに、移動体通信事業における経営効率化の効果についても言及。「経営を圧迫する短期解約数が大幅に減少していること、0円で端末を契約し、そのまま持ち逃げしてしまうことで発生した貸し倒れ費用が各種対策によって、2007年度の306億円から、2008年度160億円に大幅に減少。これらが2009年度の増益にも貢献する。さらに解約率の改善や、設備投資の強化によるネットワーク満足度が向上している。また、1年前に在庫が膨らんだことを猛反省し、在庫を30%も圧縮した。在庫は323億円となっている。NTTドコモやKDDIは当社よりも年間販売台数が多いため、当然、在庫も大きいが、そのバランスを比較しても、ソフトバンクの在庫量の少なさが際立つ。純増数23カ月連続ナンバーワンは、無理をして獲得しているものではないかと言われるが、在庫を減らし、貸し倒れを減らし、経営の質を高めながら達成したもの。全社営業利益でも、増加率は最も高く、絶対額でもKDDIに肉薄している」とした。

 設備投資については、2008年度実績で2590億円と、2765億円の計画を下回ったほか、2009年度は2200億円と縮小。「これまでは鉄塔を立てるための土地の買収や工事などで費用がかかった。電波の距離が短い2GHzの周波数帯であるため、5万8000局の基地局を設置したが、それはほぼ完了し、今後はそこにハイテクの機器を設置することになる。ハイテクの部分の投資は少なくて済むために、全体の投資額が減少する。電波の距離が長い800MHzを利用しているKDDIは2万数1000局で済んだが、これから鉄塔を立てることになるため、投資がかかるだろう。当社のLTEへの投資は、2〜3年後から始め、総額で1000億円を超える程度。それほど多くの投資は必要ないだろう。今の設備投資計画の範囲内でできると考えている」と語った。


先行投資の時代から収穫期へ

 なお、移動体通信事業以外のセグメント別の業績は、次の通り。

 ブロードバンド・インフラ事業の売上高は前年比8.9%減の2351億円、営業利益は19.0%増の472億円。固定通信事業は、売上高が前年比1.9%減の3636億円、営業利益は467.9%増の189億円。インターネット・カルチャー事業の売上高は前年比2.7%増の2542億円、営業利益は8.6%増の1250億円。イーコマース事業は、売上高が前年比4.6%減の2581億円、営業利益が46.9%増の46億円。その他事業の売上高は11.7%減の882億円、営業損失は1億円の赤字となった。

 一方、2009年度の連結業績見通しとして、営業利益が17.0%増の4200億円、連結フリーキャッシュフローで37.7%増の2500億円とした。連結売上高は、携帯電話端末の販売手法によって大きく変動すること、また、経常利益および当期純利益については、投資有価証券を多数保有することや、ファンドを通じた投資を行っていることから、市場環境の影響を受けやすいため、「持分法投資損益、特別損益の予測がしにくい。公表は困難な状況にある」として、明らかにはしなかった。

 だが、孫氏は、「2009年度は増収増益の見込み」とする一方、「これまで我々が行ってきた大規模投資の買収の成果があがり、資金が着実に返済されていくことを、今日の決算発表で宣言できる。キャッシュフロー経営の強化に取り組み、今後3年間(2009〜2011年度)のフリーキャッシュフロー1兆円前後とし、現在約1兆9000億円の純有利子負債を2011年度には半減、2014年度には純有利子負債ゼロを目指す。純有利子負債ゼロを達成するまでの間、大規模投資は実行しない。先行投資の布石を打っており、植えた種を育てていくことに力を注ぐということに、自信を持って述べることができるステージに入ってきた。ソフトバンクは、大きな先行投資の時代から、収穫期へと入ってきた」とした。

 収穫期に入ってきたことを示すように、これまでは「投資を先行する」として、2.5円に留めていた配当を、2009年度には倍増の5円にする予定を発表。さらに、有利子負債が半減する2011年度の増配、有利子負債がゼロになる2014年度にはさらなる増配を予定していることを明らかにした。

 「ソフトバンクというと、荒っぽい経営をする会社、あるいは、借金が多い会社というメイージがあるだろう。それが変わることになる。そして、もはや投資カンパニーと言われることはない。今から2年後、5年後には、そうした残存イメージが変わっていくだろう。借金経営から、キャッシフロー経営に踏み出す」と、経営体質の強化を背景に、今後の企業イメージが変わるとの見方を示した。

 なお、先頃、大規模な通信障害によるネットワーク停止に関しては、「資金的な問題ではなく、人為的なミスによるもので、対策はすでに行った。同じことで問題が起こることはない」としたほか、「ソフトバンクがトラブルを起こすと、大きく報道される。他社はもっと大規模な停止が起こっている」などとした。


光ファイバーよりモバイルインターネットマシン

 また、孫氏は自らのiPhoneの利用シーンを示しながら次のように語った。

 「iPhoneを使うようになって、インターネットに接続する時間が3〜5倍に増えた。だが、PCを使ってインターネットに接続するケースは1/10に減った。そう考えると、光ファイバーは必要なのか、むしろ少し遅れた人が光ファイバーを使っているのではないか。iPhone前は、家に帰ると1〜2時間もパソコンの前に座っていたが、今は日中に仕事が完了し、寝る前に5分未満確認するだけ。すべての携帯電話がiPhone化し、モバイルインターネットマシン化してくることで、光の必要性がなくなってくる。ソフトバンクの社員はみんなそう思っている。光を利用するのは地デジのアンテナが建てられない地域になるだろう」などとした。

 今回の会見で孫氏は、「これまでのソフトバンクのイメージは荒っぽい経営というものだった」という言葉を何度も繰り返した。「荒っぽい経営」というのは、1995年に掲げたインターネットカンパニー宣言以降、売上高、利益の確保を後回しに、「100年に一度の情報革命」という旗印のもと、投資を先行させてきた経緯があったことで、多くの投資家が持っていた印象だろう。だが、そうした投資が一段落し、「収穫期に入った」(孫氏)と判断したことが大きい。

 「今は100年に一度の構造改革の時期」とする孫氏は、増配というこれまでにはない一手に踏み出すなど、新たな経営体質へと進化させようとしている。「50代は事業を完成させる年代」とする孫氏だが、今年8月に52歳になる同氏にとって、まさに計画通りの歩みとも言える。

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URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/


(大河原克行)
2009/04/30 19:49


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