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KDDI、第25期定時株主総会を開催

 KDDIは、6月18日午前10時から、東京・品川の品川プリンスホテル アネックスタワーにおいて、第25期定時株主総会を開いた。

 会場には421人の株主が出席(昨年の出席数は509人)。インターネットなどによる議決権行使を含めて、議決権行使個数は382万2979個(全議決権数445万411個)に達した。


2008年度の事業を振り返る

 まず、KDDIの小野寺正社長兼会長は、第25期事業年度(2008年度)における事業報告を行い、端末販売台数の減少による機器販売収入が減少する一方、端末販売原価および販売奨励金の減少などにより、営業利益では増益となったことなどを説明。新たな施策として、シンプルコースの拡充や新ブランド「iida」を立ち上げたことなどに触れた。

 「携帯電話端末は年間36機種を発売した。一方で、子供向けの携帯電話教室を全国700か所で開催し、教育関係者などからも高い評価を得ている。安全・安心の利用環境を実現し、携帯電話事業者としての社会的責任を全うしたい」と語った。

 また、新たな取り組みとして、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」が今年7月1日から有料サービスを開始すること、三菱東京UFJ銀行と共同で設立したじぶん銀行の口座数が今年4月4日に50万口座を突破したことなどを紹介した。

 さらに、小野寺社長は、KDDIが目指す社会として、「アンビエント社会」の考え方を提示。ICTが社会に自然に溶け込みながら、「いまだけ、ここだけ、あなただけ」というコンセプトを実現するものとした。

 利用者の意識のないところで、ITが安全、安心、快適な生活を実現するための一翼を担うものとし、「ユビキタス基盤上で進化、成熟した社会の形」と表現している。


株主への配当など

 一方、総会出席者からの質疑応答の前に、両角寛文取締役執行役員専務によって、書面による質問への一括回答を行った。

 「決算内容から増配の余力があるのではないか」との質問については、「昨年10月に新宿、大手町、名古屋、大阪の4ビルの土地建物などの信託受益権の取得により、ネットで1334億円のキャッシュアウトがあり、直接のキャッシュフローとしてマイナス633億円となった。そのため、期末配当を5500円とし、年間配当1万1000円に据え置いた。配当性向は22%となっている。平成22年3月期は年間1万1000円の据え置きとしているが、配当性向は19.2%となり、目標としている20%以上を下回ることになる。純利益2550億円の計画を達成すれば、増配を検討する予定である」とした。

 また、「DEレシオが大きく増加したが、健全性、安全性はどうか」との質問に対しては、「DEレシオは20年3月には0.34%だったものが、21年3月には0.48%と、0.14ポイント増加している。1年で3030億円の有利子負債の増加があった。この背景には、4ビルの信託受益権の取得で1334億円、移動通信事業の割賦販売制度の導入による割賦債権の発生で890億円、昨年4月に中部電力から取得した中部テレコミュニケーション(CTC)が抱える560億円の有利子負債がある。4ビルについては、ビル内に重要設備を保有しており、今後も利用していくことになる。割賦制度については、競争上必要不可欠なものであり、利用者から毎月確実に回収していく。CTCは、2年度となる今年度は黒字を達成する。健全性、安全性は守られており、必要不可欠な施策である」と説明した。


高橋氏、夏モデルやAndroid端末への意気込みを語る

 参加株主との質疑応答では、3人が質問した。携帯電話端末の純増数が低位に終わったことについては、高橋誠取締役執行役員常務が回答。「低位に終わったことは、株主に心配をかけて申し訳ない。KCP+の開発の遅れ、KCP+の完成度が十分ではなかったこと、auらしい端末のラインアップが揃わなかったことが原因といえる。十分な管理体制を整えていく必要がある。今後は、商品ラインアップの強化に取り組んでいく考えであり、品質の安定、商品力の回復に全力をあげる。夏モデルは、日本初となるソーラーフォン、HD品質の動画が表示可能な端末、電子書籍に注力した端末などを投入し、新たな端末に対する評価をいただいている。また、今後重要な要素となるデザインに力を入れたiidaも評価を得ている。料金プラン、商品でもパイオニアといえる立ち位置に戻りたいと考えている。一方で、新規の市場創造も必要である。データ通信利用が低いモジュール構造の端末や、他社がやっているような1台の端末で複数の契約を行うといった、新たな市場開拓にも積極的に取り組む。さらに解約数を下げる努力も必要である。FMC施策として、固定電話と携帯電話を一緒に提案する『auまとめトーク』などにより、解約率を低減することもできる。これらの取り組みにより、純増数の回復に力を注ぎたい」とした。

 Android(アンドロイド)端末の投入についても高橋氏が回答。「すでにHTC製のWindows Mobile搭載のスマートフォン端末を市場に投入しているが、Android端末の開発も進めている。早く市場に投入したいと考えている」と、市場への参入意向を示した。


端末リサイクル、WiMAX、中期計画について

 携帯電話のリサイクルへの取り組みについては、両角取締役執行役員専務が回答し、「昨年はauショップで190万台の携帯電話端末を回収した。再資源化率は98.3%と4社のなかで最も積極的である。ただ、多機能化、自己所有の考え方の変化、個人情報保護の問題などから、リサイクルしないという傾向もある。テレビ、新聞などを通じて、携帯電話リサイクルの告知を行うほか、携帯電話のオールリセット機能を活用してもらったり、auショップに破砕機を設置するなどして、安心してリサイクルしやすい環境を作る」と語った。

 WiMAXを他の通信サービスとバンドルして提供してはどうかといった提案については、UQコミュニケーションズの社長を兼務する田中孝司取締役執行役員常務が回答。「WiMAXは、PCでインターネットを外でも利用できることを目的としたものである。ただ、家庭のなかで利用するという点では、通信速度からADSLと競合する可能性があるが、当社の主体はFTTHに移行しており影響がない。また、FTTHは100Mbpsであり、最大40MbpsのWiMAXとは使い方には差がある。UQコミュニケーションズはネットワークを提供する土管屋であり、通信サービスをセットして提供するのはMVNOである。KDDIもMVNOとしてサービスを提供していくことになる」などとした。

 また、中期経営計画として掲げていた「チャレンジ2010」に関しては、小野寺氏が回答した。「2010年をターゲットに、売上高4兆円、営業利益6000億円という目標は、移動通信事業における事業環境が大きく変化したことで取り下げた。だが、固定通信事業をなんとしても黒字化するという経営の重要事項は継続して取り組んでいく。目標を取り下げただけで、その後の数字を発表していないことに対する批判があるが、まずは達成不可能であるとした時点で公表することが大切だと考えた。どこまでリカバーできるのかということについては慎重に考えなくてはならない。経済環境の悪化だけでなく、携帯電話の事業構造が大きく変化しており、それを勘案しなくてはならない。一方で、量的拡大、質的向上という点では、KDDIグループとしての新たな価値創造に向けてチャレンジしていく。UQコミュニケーションズやじぶん銀行のように、パートナーと組んだ新たな展開を行っていく」との姿勢をみせた。

 なお、取締役10名の選任や定款一部変更、剰余金処分などの第1号議案~第6号議案までの決議事項は、満場一致で決議され、午前11時39分に終了した。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/

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(大河原克行)
2009/06/18 13:55


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