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ドコモなど4社、携帯を利用した地上波デジタル放送の公開実験

 博報堂、東京放送(TBS)、NTTデータ、NTTドコモの4社は、松下電器産業、NEC、三菱電機の協賛により、地上波デジタル放送に関する技術検証や実験を行なう「東京パイロット実験」の一環として、12月20日に港区の笹川記念会館で公開実験を共同で実施した。

 現行の地上波アナログ放送に置き換わるメディアとして携帯端末による放送受信なども期待される地上波デジタル放送は、蓄積型の放送受信機や携帯電話の次世代サービスにおけるコンセプト製品や要素技術を融合することで、より有益で使いやすいデジタル環境をネットワーク上に整備することが可能と考えられている。

 今回の公開実験では、参加各社の要素技術をベースに「携帯端末および固定テレビにおけるCM表現比較」や「携帯電話型受信機での放送・通信融合サービス」、「新視聴サービスおよびターゲティング広告提供手法の検証」、「次世代HDTVエンコーダを通した画像品質検証」など、先端技術を盛り込んた次世代放送やその広告サービスなどが検証された。

 携帯電話を用いたものとしては、博報堂による「携帯端末および固定テレビにおけるCM表現比較」と、NTTデータおよびNTTドコモを中心とした「携帯電話型受信機での放送・通信融合サービス」の実験が挙げられ、それぞれ映像を受信する携帯型端末にはNTTドコモの携帯電話(プロトタイプ)が利用された。なお、今回の実験では固定テレビへの放送が1チャンネルあたり12セグメントであるのに対し、携帯電話へは1セグメントで放送され、ビットレートは180~384kbps、圧縮方式はMPEG-4となっている。


博報堂が行なった実験「携帯端末および固定テレビにおけるCM表現比較」で使用した端末(プロトタイプ) NTTデータおよびNTTドコモが中心に行なった携帯電話型受信機での放送・通信融合サービスの実験で使用されたフリップ型の端末。プロトタイプのため携帯のアンテナは伸びないが、放送受信用のアンテナを備えており、立てると端末の背面から先端が突き出る形となる

 博報堂では、東京タワー(港区)の高圧縮HDTVエンコーダおよびMPEG-4リアルタイムエンコーダからの地上波デジタル放送で、同一内容のCM数種類を携帯電話と固定テレビそれぞれに表示させ、その表現上の差異についての検証を行なった。同社がこの実験に先立ち都内の繁華街で実施した街頭調査によると、いずれのCMも携帯電話上で閲覧した場合であっても視聴者の効果的な関心を引くことがわかったが、映画的な抽象表現を用いるCMよりも、商品をクローズアップして見せたり視聴者へ呼びかけたりするわかりやすい手法の方が効果が高いという。同社では、この結果に基づき今後新たな広告表現手法を検討していくという。


港区・東京タワーのHDTV/MPEG-4エンコーダからの地上波デジタル放送で、同じ内容のCMを固定テレビと携帯電話それぞれで受信 携帯電話上で閲覧した場合でも視聴者の関心は高いが、商品をクローズアップして見せたりするわかりやすい手法の方がより効果が高い

 一方、NTTデータとNTTドコモを中心とした「携帯電話型受信機での放送・通信融合サービス」の実験では、MPEG-4でエンコードされた競艇会場のライブ映像を携帯電話で受信し、画質の検証や番組と連動したコンテンツを利用するといった一連の操作が披露され、放送と通信の相乗効果が検証された。具体的には、大阪の住之江競艇場で実験時にリアルタイムで開催されていた「賞金王決定戦競走」の模様が、衛星回線を介して東京タワーのMPEG-4エンコーダで圧縮され、実験会場(笹川記念会館)の携帯電話にライブ中継された。1セグメントによる放送でも、競艇の激しい動きや波飛沫が充分に確認でき、2段構成の画面下部に表示されるコンテンツ上で、試合に関する各種情報ソースが表示され、オッズの確認や投票が可能となっていた。


大阪・住之江競艇場でリアルタイムに開催されていた「賞金王決定戦競走」のライブ中継。左側が携帯電話で受信した映像で、右側は固定テレビの受信映像

競艇のオッズ表示。携帯画面(左側)では、ライブ中継時の画面下部にコンテンツとして表示されている

 なお、これらの実験は、12月21日にも同会場において引き続き公開される予定となっている。


・ ニュースリリース(NTTデータ)
  http://www.nttdata.co.jp/release/2001/121100.html
・ NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/
・ 博報堂
  http://www.hakuhodo.co.jp/
・ TBS
  http://www.tbs.co.jp/


(松下 麻利)
2001/12/20 16:27

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