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総務省の大橋氏、「ポータルのオープン化は必須条件」

総務省情報通信政策局コンテンツ流通促進室長 大橋秀行氏
 3月26日、東京都内で日刊工業新聞社の主催により携帯電話コンテンツ関連のフォーラム「国際市場をにらむモバイルビジネスの行方」が開催された。その中で総務省情報通信政策局コンテンツ流通促進室長の大橋秀行氏が、「国際市場とモバイルコンテンツの課題」と題した基調講演を行なった。

 同氏はまず、携帯電話利用者数の推移を表すグラフをスクリーンに映し出し、「伸び率が頭打ちになりつつある。携帯電話市場は“普及の拡大”から“利用の拡大”に移ってきた」とした。同氏によれば、ここからさらに市場規模を大きくするためには、産業構造自体を大きく変えなくてはならないという。

 これまでのモバイルコンテンツ市場は、いわゆる「公式サイト」中心で、公式サイトの選択権や集金代行など、すべて事業者主導で行なわれてきたが、これからさらに市場規模を拡大するにはオープン化の流れには逆らえないというのが大橋氏の考えだ。

 同氏は市場のオープン化を目指すための論点を、他ISPへのオープン性の確保、端末のオープン性の確保、ユーザーIDや料金回収代行のオープン性の確保、の3点にしぼり、個別に説明を加えていった。

 まず、一番重要なのが、コンテンツへの入り口となるポータルの解放だという。同氏は、「有料コンテンツが、事実上事業者が運営するポータルのみに集まるというのは不健全だ」と語った。さまざまなポータルが出現することで、よりコンテンツが多様化し、競争も生まれ、市場が活性化するという。


 大橋氏はポータルサイトを「コンテンツのデパート」と例え、事業者のみがデパートを運営するのではなく、第二、第三のデパートや、豊富な専門店街などが登場することで、消費者利益の増大、さらには携帯電話市場が産業構造の中でより高いレベルに移行できると強調した。

 そうした環境を実現するために、政府や事業者と全く異なる民間によるサイト評価機関を設立し、認定を受けたコンテンツに対して、事業者が集金代行などのサービスを提供する必要性を訴えた。また、事業者のポータルのみがアクセスしやすいような設計になっているのではなく、自由にポータルを行き来できる仕組みの端末も欠かせない要素として挙げている。

 また同氏は、端末やインフラの進化によるビジネスモデルの変化についても触れ、「映像ベースのコンテンツが普及していくと、“表現の自由”の問題に注目が集まるだろう」と語り、映像コンテンツの場合、BGMや肖像権など様々な権利関係が発生するため、従来の方法での公式コンテンツ審査などでは支障をきたす可能性があることを指摘している。

 さらに、コンテンツ制作にかかるコストも飛躍的に上昇するため、ビジネスモデル自体も変化し、「iモードの一般サイトが一気に普及したようにはいかないだろう」と語っている。今後のコンテンツ市場については、「有線・無線問わず、ブロードバンドコンテンツの制作はBS、CS、地上波などの様々なメディアが連携をとっていくことが重要になるだろう」と予測した。

 最後に同氏は国際市場について触れ、「インターネットのコンテンツは自由に国境を越えていけるので、総務省としては国際・国内という区別を考えていない。我々の政策の基本は“オープンな市場”を作り、よりよい環境を作ることだ」と述べ、講演を締めくくった。


携帯電話利用者数の推移
これからの携帯電話市場の命題は「“普及の拡大”から“利用の拡大”」だという

ポータルサイトをデパートに例え、「デパートはたくさんあった方が楽しい」と、オープン化を訴えた ポータルの解放で、より多くのコンテンツを生み出せるという

これからのコンテンツ制作は、多くのメディアを手がけるコンテンツプロバイダーが牽引するという コンテンツはテレビやラジオなど様々なメディアとの協力により生まれるものへ変わっていく

・ 総務省
  http://www.soumu.go.jp/
・ 「国際市場をにらむモバイルビジネスの行方」イベント情報
  http://www.nikkan.co.jp/port/0326sinpo.html


(伊藤 大地)
2002/03/26 18:25

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