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カシオ、世界最薄11.3mmのカードサイズデジタルカメラ

 カシオ計算機は、厚み11.3mmと世界最薄のカードサイズデジタルカメラ「EXILIM」シリーズ2モデルを開発、6月21日に販売開始する。価格はオープンプライスだが、店頭価格はMP3プレーヤー機能搭載モデル「EX-M1」が4万円台前半、MP3プレーヤー機能なしのモデル「EX-S1」が3万円台前半となる見込み。


EXILIM EX-S1。静止画・動画(音声録音は不可)撮影と再生に対応。厚み11.3mm EXILIM EX-M1。音声付の静止画および動画の撮影と再生に対応、MP3音楽再生とボイスレコート機能も搭載。厚みはマイクとスピーカーを内蔵した分、12.4mmとEX-S1より気持ち厚い

EXILIMのおもな仕様

 EXILIMのボディサイズはMP3プレーヤーなしのEX-S1が88×55×11.3mm(横×縦×厚)で重量約85g。MP3プレーヤー搭載のEX-M1は88×55×12.4mm(横×縦×厚)で約87gと、マイク・スピーカーを内蔵している分わずか1.1mmだが厚くなっている。ボディカラーはEX-S1がシルバーとパールホワイト、EX-M1はシルバーのみのラインナップ。


EX-S1を手のひらにのせてみた。男性の手なら、もっと小さく感じるだろう EX-S1。厚みはこんな感じで、胸ポケットに入れても気にならないサイズ

 CCDは1/2.7インチ正方画素原色CCD(総画素数134万画素、有効画素124万画素)を搭載。レンズはF2.5で、35mmフィルム換算で約37mm相当の固定焦点レンズを採用。撮影距離は約1mから。

 記録画像フォーマットは静止画がJPEG(Exif Ver.2.2)・DCF準拠・DPOFに対応、動画はAVIに対応。記録媒体は内蔵フラッシュメモリ(画像記録エリア12MB)のほかSD/MMCメモリカードが利用できる。記録画素数は1600×1200、1280×960、640×480の3種で、それぞれFINE・NORMAL・ECONOMYのモードが選択可能。記録サイズは1600×1200でFINEの場合はファイルサイズが約1050KB、640×480でFINEの場合は約190KB。動画は最長記録時間が30秒まで、記録画素数は320×240のみ。15フレーム/秒で記録した場合ファイルサイズは約150KB/秒となる。なお、動画撮影ではEX-M1のみ音声記録ができる。


 機能としては、デジタル4倍ズーム、セルフタイマー、マルチパターン測光などを搭載。赤目軽減に対応した内蔵フラッシュを装備し、液晶モニターは1.6型TFTカラー液晶を搭載。ホワイトバランスは自動/自然光・屋内蛍光灯など固定4モード/マニュアルが選択できる。入出力端子はUSB(EX-M1ではリモコン端子と兼用)、SD/MMCカードスロットを装備。電池は専用電池を利用し、電池持続時間は連続画像再生時に約1時間30分、MP3オーディオ再生時に約5時間30分。


底面にUSBインターフェイス(EX-M1ではリモコンインターフェイス兼用)、SD/MMCスロットが並ぶ バッテリーはボディ横から出し入れする

 EXILIMにはUSBクレードルが標準で付属。付属CD-ROMには、パソコンと接続したUSBクレードルに本体を置くだけでJPEG/AVIフォーマットで保存された画像データを自動でパソコンに取り込み、HTML形式のファイルで画像整理できるソフト「Photo Loader」のほか、画像のレタッチ・印刷ソフト「Photohands」などが収録されている。


クレードルにEX-M1を載せたところ。手前にあるのがEX-M1に付属するリモコン クレードル単体。クレードルの色はシルバーのみ

開発の狙い??“日常生活を切り取るカメラ”

挨拶に立ったカシオ計算機常務取締役 鈴木洋三氏
 発表会ではカシオ常務取締役 鈴木洋三氏がまず挨拶に立ち、「1995年のQV-10でデジタルカメラの新しいコンセプトを提案し、2001年には出荷台数で銀塩カメラをデジタルカメラが追い越すまでに至った。しかし、これまでのデジタルカメラは銀塩カメラがデジタルカメラに置き換わっただけではないか。そこで、デジタルカメラならではの携帯性の追求をテーマとして、今回の製品を開発した」とEXILIM開発の背景を語った。

 また、「携帯性の追求をテーマにする上で、ただボディサイズがコンパクトというだけでなく、“撮りたい時にすぐ撮れる”というクイックレスポンスを重視した」として、「電源を入れてすぐ撮れること、シャッターを押したらすぐ撮れること、2枚目・3枚目がすぐ撮れること」を目指したという。鈴木氏は、「いつでも持ち歩ける携帯性とクイックレスポンスを両立させることで、“日常生活を切り取るカメラ”として、新しい画像コミュニケーションの文化を創っていきたい」と述べ、挨拶を締めくくった。


上がEX-S1、下がEX-M1。MP3再生機能を搭載したEX-M1にはスピーカーがあるほか、ホールド部分に多少違いがある EX-S1(上)とEX-M1。EX-M1にはマイクがある。ホールドのための凸部分は、EX-S1の下が直線になっているのが最終デザインとなる

新開発のLCLi技術などで小型化

携帯性・俊敏性・描写性を柱として開発
 鈴木氏に続いて、カシオ 開発本部QV部部長 高島進氏が製品の説明を行なった。高島氏は、製品開発における3つのポイントとして、携帯性・俊敏性・描写性を挙げ、それぞれの性能について解説した。

 携帯性については、薄型化の可能なインバートテッサー方式のレンズ構成を採用。これに非球面レンズ、マイクロレンズを改良したCCDを組み合わせて一体化するLCLi技術(Hyper CCD-Lens integration)を開発することでレンズモジュールの大幅な薄型化を可能にした。EXLIMのレンズモジュールは8.8mmだが、通常1.3メガピクセル機のレンズは17~18mmほどの厚みになるという。なお、今回開発されたCCDは他社との共同開発のような形で、時期を置いて今後他社から同様のCCDを搭載したデジタルカメラが発表される可能性もあるという。CCDの開発メーカー名については明らかにしてない。

 また、CPU・ASIC・SDRAM・フラッシュメモリの4チップをシリコンチップレベルでモジュール化し、基板面積比で70%もの省スペース化を実現。これにより従来比約1/3の低消費電力、低ノイズ化も果たしたという。液晶については、デジタルカメラとしては世界ではじめてデジタルインターフェイスTFTを「EXILIM」専用に開発。インターフェイスのデジタル化でコンバータが不要になったことで、基板面積比で約10%の小型化となった。


HCLi技術によって、130万画素で厚み8.8mmの薄型モジュールを開発 CPU、ASIC、SDRAM、フラッシュメモリをシリコンチップのまま1つのモジュール基板に集積

EXLIMはモニター用液晶をデジタルインターフェイスで接続 従来のデジタルカメラ基板に比べ、70%の省スペース化を実現。左上のEXILIMの基板がCFカードと同じくらい

 クイックレスポンスについては、電源を入れてから撮影スタンバイまで約1秒、シャッターを押してから撮影までのレリーズタイムラグは約0.01秒を実現。また、続けて撮影する場合、約0.6秒間隔で撮影でき「撮りたいと思った時に撮りたい画像が撮れる」性能を他社製品と比較しながら紹介を行なった。

 電源を入れてから撮影スタンバイまでの時間では、キヤノンのIXY DIGITALが2.8秒、ミノルタのDiMAGE Xが1.8秒であるのに対してEXLIMは約1秒。また、レリーズタイムラグについては、約10msec(0.01秒)で、IXY DIGITALの50msec、DiMAGE Xの300msecに比べ大きく性能が上回っていると紹介。レリーズタイムラグについては、デジカメの最上位機であるニコン一眼レフ機の58msecをも上回るという。なお、他社製品については具体的な会社名・製品名は挙げられなかったが、プレゼンテーション資料には製品写真が入っており一目瞭然なので、本記事では製品名を入れている。

 画質については、130万画素を採用したのは、薄型・携帯性を実現しながら高画質を追求する中で、日常用ではこれで十分と判断したという。「これまでのトレンドは高画素・高密度化を追求する半面、セルの小型化による高ノイズ・低ダイナミックレンジという弊害があった。高画素数イコール高画質とは必ずしも言えなかった」と述べ、EXILIMでは1/2.7インチCCDを採用しているため200万画素も可能だったが、総合的な画質を考慮してセルサイズを大きく取り、130万画素としたという。


起動から撮影スタンバイまで約1秒 レリーズタイムラグは1/100秒を実現

・ ニュースリリース
  http://www.casio.co.jp/release/2002/exilim_jp.html


(工藤 ひろえ)
2002/05/13 20:03

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