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最強のICレコーダー「ICR-S290RM」
1台3役でパソコンとも楽々接続

三洋電機製ステレオICレコーダー「ディプリトーク ICR-S290RM」
 インタビュー、講演、発表会とさまざまな取材をこなすITライターにとって、デジタルカメラに次ぐ必須アイテムはICレコーダー。発言の骨子だけでなく、微妙なニュアンスや言葉遣いまで記録する必要があるからだ。筆者もかねてより、三洋電機の「Diply Talk ICR-B80RM」を愛用している。今回、256MBメモリを内蔵し、miniSDカードスロットを設けるなど大幅にパワーアップした「ICR-S290RM」を試用したので、その使用感をレポートしたい。


やっぱり便利な専用ソフト・ケーブル不要のUSBマスストレージ

正面から見たところ。ボタン類はすっきりまとめられている
 基本的なスペックについてざっとまとめると、256MBのフラッシュメモリを内蔵し、miniSDカードスロットを搭載。マイク内蔵なので外部マイクは不要。本体にUSB端子を備え、ケーブルレスでパソコンとデータをやり取りできる。録音時間は最高品質のXHQモードで約4時間25分、HQモードで約8時間50分、SPモードで約17時間45分、LPモードで約35時間30分となっている。LPモードはモノラル録音だが、それ以外はすべてステレオで録音される。ICレコーダー、USBメモリ、シリコンオーディオプレーヤーの1台3役をこなす多機能なICレコーダーだ。

 私がこのシリーズを選ぶ理由としては、USB端子を装備したスマートな機械であるということが非常に大きい。マスストレージクラスに対応しているので、Windows Me/2000/XP搭載のパソコンであれば、USBポートに本体を差すだけで外部ストレージとして認識する。つまり、この機械の本職であるボイスレコーディングで生成したMP3のほかにも、画像や書類などファイルを保存しておくUSBメモリとしても利用でき、かつ、専用のソフトやケーブルなしでパソコンに転送できるのだ。なんてことないようだが、実はこの機能はビジネスユースだと絶大な威力を発揮する。たとえば私の場合だと、編集者とどこかにインタビューに行っても、1人1台ICレコーダーを持って行く必要がなくなる。私が持って行って、取材後、編集者のパソコンに接続して録音したデータを吸い上げればそれで事足りるわけだ。

 逆に、専用の転送ソフトや転送ケーブルが必要だったらどうなるか。1時間分のインタビューを記録したMP3ファイルはそれなりの容量になる。インターネットメールですっと送れるものでもない。結局は、「自宅に帰って送ります」ということになりがち。その取材後にまた別の仕事が入っていれば、結局データを渡せるのは数時間後、なんてことになりかねない。USBマスストレージのおかけでその諸問題がすべてクリアされるわけだ。しかも、ICR-S290RMではUSBのコネクタ部分を回転できるようになっている。モバイル系のパソコンに特に多いUSBポートを縦に配置している機種でも、干渉しないような仕組みが用意されているのもうれしい。


USBコネクタ部分は回転する。縦位置への挿入にも対応 ジョグ形式のサイドキー

マイクを内蔵しているが、外部マイクも接続可能 パソコンに接続してUSBマイクとしても使える

miniSDカードスロットで弱点を補完

側面にminiSDカードスロット
 では、「ICR-S290RM」と先代モデルを比べた場合、大きな変更点となるとminiSDカードスロットの搭載ということになる。miniSDカードは現在、ほぼ携帯電話専用といっても良いメモリカード規格だが、兄貴分に当たり、普及の進んでいるSDカードとしても使えるように変換アダプタが同梱されているため、汎用性の面で困ることはない。もちろん挿入したメモリーカードへの録音も可能だが、「本体内蔵メモリには仕事で記録する音声ファイル、miniSDカードには音楽のMP3/WMAファイルを入れてミュージックプレーヤーとして使おう」なんて使い分けが可能になる。

 だが、miniSDカードスロット搭載の意義としてより大きいのは、USBマスストレージの機構の弱点をうまく補完していることだ。つまり、miniSDカードスロットのないモデル「ICR-B80RM」では、いくら相手に渡したいデータが入っていても、相手がパソコンを持っていなければ受け渡しはできないわけである。かといって「じゃ、本体渡しますので」というわけにもいかない。結局、「帰ってから送ります」ということになるわけだ。だが、メモリカードを渡すくらいならばさほど大きな影響はない。後日返却してもらえば済む話。データの持ち運び、やり取りには圧倒的に外部メモリカードを利用した方が便利だ。


ステレオ録音は大人数の会議には便利かも

録音モードは4種類。ステレオ録音できるXHQモード、HQモード、SPモードがオススメ
 「ICR-B80RM」でもステレオ録音には対応していたものの、外部マイク接続時のみの対応だった。マイクのケーブルも、パソコンに転送するためのケーブルもいらないワイヤレスな作りが気に入っていた筆者にとっては、外部マイク接続という選択肢はあり得なかったため、いつもモノラルで録音していた。だが、「ICR-S290RM」では、本体のみでステレオ録音が可能になっている。モノラルと比べると指向性が良くなるので、大人数で卓を囲む会議のような利用シーンでも、場の雰囲気をある程度再現できるわけだ。マイク自体の指向性も良好なので、ほとんどのケースで外部マイクを持ち歩く必要はないだろう。

 これまではモノラル録音しか使っていなかったため、「別にモノラルでもいいや」と思っていたわけだが、ところがどっこい、ICR-S290RMでステレオ録音の音声に慣れると、もうこれはステレオから離れられない。仕事上はモノラルでも全く問題はないのだが、やはり空気感と言おうか、周りの雰囲気の再現、という意味ではやはりステレオが一枚上。ステレオ録音で一番長時間録音が可能なSPモードの録音時間は約17時間45分。一日中録音するなど、よほどハードに使うケース以外はSPモード以上で利用されることをオススメしたい。


細かい使い勝手も向上

 実は、先代モデル「ICR-B80RM」を使っていて不満に思っていたことが2つある。1つは、ボタン数が少なく、液晶表示領域が狭いため、「削除するときはどういう操作をするんだっけ……」と考え込んでしまう。慣れないユーザーには、ちょっと冷たい操作体系だったのだ。もう1つは30分を超すような長時間の録音でファイル分割をしないため、1セッションが異様に長く、テープ起こしの作業が大変になることだ。私にとれば、この2点がうまく解消されていれば買い換えようかという気になっていたのだ。

 まず「ICR-S290RM」の操作体系についてだが、これははっきり言って「今すぐ買い換えたい!」と思わせるほど、きっちり改善されていて驚いた。ファイル消去のシーンでも、長押ししなければ操作が完了しないところではきちんと「2秒間押し」と液晶に表示されるほか、音声で「ファイルを消去します」など、音声ガイダンス機能が用意されているため、操作ミスを起こす機会がぐっと減った。「ICR-B80RM」では、たびたびファイル消去方法を忘れてマニュアルを取り出すハメになったが、「ICR-S290RM」ではほとんどその必要はなさそうだ。ある程度、こういった電子機器に慣れた人ならマニュアルなしでも基本機能は使いこなせるだろう。


長押しの指示をしてくれる ボタン名は和文表記でわかりやすい

本体のみでファイル分割可能
 2番目のファイル分割機能についても、「ICR-S290RM」は私の不満をすっきりと解決してくれた。音声起動録音設定(VAS)という機能が用意されており、音声レベルが一定以上になると自動で録音開始、一定以下になると自動で停止してくれる。つまり、話の区切り、一呼吸置いたところで自動的に新たなファイルへと録音を引き継げるわけだ。1回のインタビューや講演でも数個のファイルが生成されることになるため、録音した後に聞く、という作業がグッと楽になる。音声感知のレベルは1〜5までの5段階。これは、参加メンバーしか室内にいない会議、多くの聴衆がいる講演などで設定は変わってくる。実際に使って感覚をつかむしかなさそうだ。

 また、本体のみで音声ファイルの手動分割ができるのもうれしい。VASを使わずに録音しておいて、時間ごと機械的に区切ってもいいし、話のまとまりごとに区切ってもいい。記録に値しない部分を削除するのにも使える。さすがすべてを本体だけでコントロールして編集しようとするとちょっとツラい部分もあるが、簡単な分割や部分消去程度なら十分実用範囲だ。

 逆にこの機能が欲しかったなと思うのはVASとは別に、時間軸で自動的にファイルを分割していく機能だ。VASももちろん便利なのだが、一方で、音声感知レベルの設定は適切だっただろうか、いったい幾つのファイルが生成されているのだろうか、という漠然とした不安を抱きながら使用しているのは精神衛生上あまりよろしくない。たとえば10分ごとに自動でファイル生成、ということになれば、安心して録音を任せることができるし、「えーとあの話をしてたころはちょうどこのあたりだな」と記憶からどのファイルに録音されているかを辿るのが簡単になるだろう。次の機種ではぜひ導入を検討して頂きたい。


まとめ

 「ICR-S290RM」についてその雑感をまとめると、しつこいようだが、USBマスストレージの利便性、まずこれを挙げたい。音声録音にはこの1台で事足りる。強いて言うなら予備電池くらいだろう。外部マイクも転送ケーブルもソフトのインストールもいらないという自由を目一杯味わおう。音質もステレオ対応でぐっと良くなった。操作体系も漢字表示可能になり、ワンランク上のものに仕上がっている。順当な進化を続ける「Diply Talk」シリーズ。今回の「ICR-S290RM」でちょっと他メーカーのものから頭1つ抜けた印象だ。256MBなら、製品としての寿命もそこそこ長いだろう。幅広くオススメできる定番、とも言える1台だ。



URL
  製品情報
  http://www.sanyo-audio.com/icr/icr-s290/main.htm
  ニュースリリース
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0309news-j/0912-1.html

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(伊藤 大地)
2003/12/25 13:03

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