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「W64S」レビュー
GSM対応、バランス良く仕上げた薄型ケータイ

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「W64S」は、GSM方式に対応し、スリムな形状の回転2軸型端末だ。ボディカラーごとに異なる外観が採用されるなど、幅広い層に向けた仕上がりだ。今回は、「W64S」のデザインや基本機能などを紹介する。


外観・デザイン

W64S

W64S

ラティスブラックでは格子状の模様

ラティスブラックでは格子状の模様
 「W64S」は、グローバルパスポート GSMをサポートしたCDMA 1X WIN端末。ラティスブラック、ダイヤモンドピンク、スノーホワイト、ミストブルーの4色がラインナップされ、それぞれテンキー部のフォントや背面パネルが異なるデザインとなる。今回レビューするのはラティスブラックで、アクリル製の背面パネルは一見すると無地のようだが、光の当たる角度によって格子状の模様が浮かびあがる。背面パネルはフラットに見えるが、先端部は弧を描くようにカットされ、立体感を演出している。また、背面パネル周辺やキー側ボディ周辺は、シルバーで縁取りされている。

 ラティスブラックの場合、全体的に艶をアピールする質感のためか、背面パネルやメインディスプレイ周辺などで指紋が目立ちやすい。

 開発時には、ボディカラーによって異なるターゲット層が想定されたとのことで、、ラティスブラックは30代~40代の男性、ダイヤモンドピンクは20代~30代の女性、ミストブルーが10代男女と40代女性、スノーホワイトが全世代向けという。

 ボディカラーによるこだわりは、メインメニューなどコンテンツ部分でも取り入れられている。カラーによって異なるメインメニュー・待受画像を用意するだけではなく、端末内部の製造番号を元に、標準の待受画面や色調、メニューなどを限定させるようになっており、他のボディカラー用のメニュー・コンテンツは利用できない。ただ、ソニー・エリクソン独自のキャラクターを用いたものや、大きな文字サイズにするでか文字素材といった着せ替え用コンテンツは4種類プリセットされる。


直線の光が揺らいだり点滅したりする。メールが届いていれば封書のアイコンが、電話着信があれば受話器のアイコンが浮かびあがる

直線の光が揺らいだり点滅したりする。メールが届いていれば封書のアイコンが、電話着信があれば受話器のアイコンが浮かびあがる
 ヒンジ部分に2つの軸を設け、ディスプレイを露出したまま折りたためる回転2軸ヒンジ機構を採用している。右側面にはmicroSDカードスロット、充電ランプ、クリアキー、「+/-」キー、決定キー、ストラップホールが用意されている。このうち、「-」キーの長押しでテレビ機能を、決定キーの長押しでカメラ機能を起動できる。ディスプレイを露出したまま折りたたんだ場合、右側面の決定キーで横画面用メニューを呼び出し、「+/-」キーで選ぶ。

 一方、左側面には充電端子、外部接続端子、イヤホン端子がある。イヤホン端子のカバーはスライド機構となっている。底面には319万画素CMOSカメラ、カメラ起動ランプ、フォトライト、スピーカー、バッテリーが配されている。バッテリーカバーには、おサイフケータイのマークが記されており、電子マネーなどを使う場合は、こちらの面をリーダーライターにかざす。

 メインディスプレイは、約2.7インチ、240×432ドットのワイドQVGAサイズ、約6万5000色表示のTFT液晶となる。サブディスプレイは用意されていないが、背面パネル中央には、メールや通話の着信などを知らせるイルミネーションが用意されている。イルミネーションの模様もボディカラーによって異なり、ラティスブラックは、直線の光が揺らいだり点滅したりする。メールが届いていれば封書のアイコンが、電話着信があれば受話器のアイコンが浮かびあがる。


左側面 右側面
左側面 右側面

 ワンセグ視聴機能も用意されているが、ワンセグ用アンテナは通話用スピーカー周辺に内蔵されている。

 テンキーは、やや盛り上がった形状のボタン。数字と数字の間に隙間がない、いわゆるフレームレスキーで、ボタンサイズは大きめに仕上げられ、押しやすくなっている。「W62S」と同じく、テンキーの下にはマナーモードキーと、メモキーが用意されている。


テンキー 底面
テンキー 底面

GSM対応、海外181の国と地域で利用できる

GlobalAssortメニュー

GlobalAssortメニュー
 「W64S」は、欧米など海外の多くの地域で採用されている携帯電話の通信方式「GSM」に対応する。メインメニューには「GlobalAssort」という項目が用意されている。こちらでは、利用エリアを国外・海外(GSM)のどちらかに切り替える「海外渡航設定」、アラームやスケジュールなどで自動的に電源がONになることを防ぐ「航空機モード」、現在地と海外都市の2つの時計を表示する「ツインプラネットクロック」、単位や通貨の換算機能が用意された電卓「グローバル電卓」、国語・英和・和英辞典の「モバイル辞書」、外国語会話集「TalkMan」などが利用できる。

 また、「GlobalAssort」に用意された「海外版EZガイドマップ」は、渡航先の地図やガイドマップをダウンロードして利用する。もともと「EZガイドマップ」は、エリアを限定し、店舗情報なども収録した地図データをダウンロードして、ガイドブックなどとして使うというもの。「W64S」の海外版EZガイドマップは、国外の地図データを利用する機能で、EZweb向けの公式サイトの一部では、「W64S」向けのキャンペーンとして、期間限定でハワイやニューヨークなどのデータを無料配布している。

 なお、auのGSM対応機種向け国際ローミングサービス「グローバルパスポート GSM」は、世界181の国と地域で通話できるほか、122の国と地域でEメールやEZwebができる。ただし、海外渡航時の通話料や通信料は「ダブル定額」などの割引サービスや無料通話分の対象外で、なおかつ国内の料金よりも高額のため、注意が必要だ。


基本機能

 海外渡航時では、電話をかける相手によって押すボタンが異なる。たとえば、海外滞在時に電話をかける場合、待受画面で電話番号を入力したり、アドレス帳から相手を選んだりすると、画面上には「発信」「日本へ発信(+81)」「国際発信(+)」「Cメール送信」と表示される。「発信」を選ぶとその番号通りに電話をかけ、「日本へ発信」を選ぶと、日本の国番号を自動的に付け加えて電話をかける。「国際発信」を選ぶと、入力した電話番号の前に「+」を自動的に付加する。また右上ソフトキーには「国番号」というメニューが用意され、世界各国の国番号を手軽に選べるようになっている。

 国内通話の場合は、アドレス帳や電話番号入力などで電話をかける場合、画面上に「発信」「184+発信」「186+発信」「Cメール送信」と表示され、番号通知/非通知が設定しやすい。また通話中に「アプリ」と印字された右ソフトキーを押すと、「ささやき通話」になる。ささやき通話では、通常より小さめの音量で話しても相手に聞えるようになっている。

 また「ペア機能」は、事前に5件までデータ登録しておき、スムーズに呼び出せる機能。待受状態で発話キーを押せば「ペア機能」の画面を呼び出せる。「電話」「Eメール」「Cメール」と3つのボタンが用意され、よく連絡する相手を登録しておけば、より手軽にコミュニケーションできる。なお、「ペア機能」で「電話」ボタンを押すと、登録された電話番号通りに発信してしまうため、海外渡航時には少し注意すると良いだろう。

 「W64S」のソフトウェアは、「W62S」などと同じKCPという従来型のプラットフォームが採用されている。同じソニー・エリクソン製端末でも「W61S」は新しいKCP+というプラットフォームが採用されており、対応機能が異なる。KCP+では、マルチプレイウィンドウやau one ガジェットをサポートしているが、KCP対応機種である「W64S」では、それらの機能は利用できない。


ラティスブラックのメニュー 英語予測機能対応のPOBox Pro 3.0E
ラティスブラックのメニュー 英語予測機能対応のPOBox Pro 3.0E

 メール関連では、EメールやCメールほか、デコレーションメール、au oneメールなどが利用できる。デコレーションエモジは1000件プリセットされている。日本語入力機能は、英語予測機能対応のPOBox Pro 3.0Eとなる。英語予測機能は、アルファベット入力モードを選択して文字入力すると、入力した文字から変換候補として英単語を示してくれる機能。英文入力がよりスムーズに行なえるようになっている。

 319万画素CMOSカメラはオートフォーカス対応で、4コマ連写機能、9枚連写機能が利用できる。動画は320×240ドット、176×144ドットで撮影できる。データフォルダ容量は約70MBで、外部メモリとして最大2GBまでのmicroSDカードが利用できる。

 携帯向けコンテンツが利用できるEZwebでのブラウジングのほか、PCサイトビューアー搭載で、パソコン用Webサイトを閲覧できる。

 auのサービスでは、au Smart Sports「Run&Walk」、LISMO Music、着うたフル、EZナビウォーク、EZ助手席ナビ、災害時ナビ、EZチャンネルプラス、おサイフケータイ(EZ FeliCa)、EZニュースフラッシュ、EZケータイアレンジ、EZアプリ(BREW)、オープンアプリプレイヤー、EZブック、ケータイ探せて安心サービス、安心ロックサービス、緊急地震速報に対応する。おサイフケータイ関連では、モバイルSuicaやQUICPay設定アプリがプリセットされている。また、KDDIと三菱東京UFJ銀行が共同設立した金融機関「じぶん銀行」のアプリがプリセットされるほか、メインメニューのアイコンの1つは「じぶん銀行」となっている。

 アクセサリーツールとして、スケジュールやアラーム、モバイル辞書などが用意されている。このうち、アラームは最大5件まで登録でき、音量を最大に設定する「ハイパーアラーム」も利用できる。


横画面でワンセグ、カメラなど

 回転2軸機構を採用したことで、ディスプレイを露出したまま折りたたんでもある程度動作できるようになった。デフォルト設定では、「メディアランチャー」と名付けられたメニューが起動するようになっており、ワンセグやカメラ(静止画撮影・動画撮影)が呼び出せる。

 メディアランチャーからアクセスできる「エフェクトビジョン」は、撮影した写真とBGM付きでスライドショー再生する機能。横画面表示で楽しめる機能で、「W64S」がデジタルフォトフレーム代わりになる。

 メディアランチャーでは「横起動設定」という項目も用意されており、横画面で最初に起動する機能として、メディアランチャーのほか、ワンセグやエフェクトビジョン、カメラが選べる。


メディアランチャー 写真をBGM付きでスライドショー再生する「エフェクトビジョン」
メディアランチャー 写真をBGM付きでスライドショー再生する「エフェクトビジョン」

端末の位置付け

 auの携帯電話でGSM方式に対応するのは、同じソニー・エリクソン製で、2008年春モデルとして発表された「W62S」に続き、2機種目となる。型番で見ると、W64Sの前に発売されたソニー・エリクソン製端末は、外装・コンテンツをカスタマイズできる「フルチェンケータイ re」だが、GSM方式対応などのコンセプト面からすると、「W64S」は「W62S」の後継モデルと言える。また、大きさが約50×106×14.9mm(ヒンジ部周辺は16.9mm)、重さが約120gで、auの2008年秋冬モデルの中では、W62Pに次ぐ薄型モデルとなる。

 一番の特徴であるGSM方式のサポートは、ともすれば海外渡航の機会が多いビジネス層向けとされることもあるが、スリムな形状や、ある程度の先端機能をサポートしたオーソドックスな仕様など、多くの人にとって使いやすいケータイとなっている。

 回転2軸機構で横画面表示に対応し、メディアランチャーという専用メニューを用意したことから、「最先端のハイスペックケータイは必要ないが、アクティブにケータイを使う」という人に適しているだろう。一方、メインディスプレイは、従来のau端末と同じくQVGAサイズとなっており、携帯電話をマルチメディアプレイヤーと見なす場合は少し物足りなく思える。このあたりは薄型ボディとのトレードオフの部分とも言え、秋冬モデルの中でもボディサイズと機能のバランスを取ったモデルとなっている。



URL
  製品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w64s/
  製品情報(ソニー・エリクソン)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/w64s/

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(関口 聖)
2008/11/18 13:03

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